著者
鎌田 憲彦 福田 武司 平山 秀樹
出版者
埼玉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

バンド間励起光に禁制帯内励起光を重畳する2波長励起フォトルミネッセンス法を基盤に、ゲートICCDカメラによる時分解測定機能を加え、発光・電子デバイス用材料内の非発光再結合(NRR)準位の光学的評価を進めた。InGaN量子井戸では1.55eV付近にNRR準位を検出し、ドーピングによる影響の低減を示した。InGaAs量子井戸、Ba_3Si_6O_<12>N_2:Eu^<2+>蛍光体でもNRR準位を初めて検出し、そのふるまいを明らかにした。
著者
藤井 宝恵
出版者
広島大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

易感染症患者は食事からの感染防止を目的とした食事制限が行われるため、本研究は、給食以外の患者の摂取希望の高い食の提供方法について、細菌学的に検討した。その結果、市販食品の衛生状態は製造メーカーで異なり、加熱可能な食品の細菌数は、食品の中心部温度が90度以上となる電子レンジ加熱により低減した。また、果皮の平坦な果物の除菌は水洗で十分であった。調理前の手指を低細菌状態にするには、石鹸洗浄後に手指を乾燥させた方がよい、等を確認した。
著者
三宅 禎子
出版者
岩手県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

各種団体との面接調査で、バイリンガル教育、保健衛生方面での青少年教育プログラムなどに女性たちコミュニティ活動リーダーらが活躍している実態が判明した。行政側は、地元で増加するヒスパニック人口に対応する必要性に迫られ、コミュニティ活動の経験豊かなプエルトリコ人を採用する経緯などが明らかになった。特に、プエルトリコがアメリカ領土として教育環境整備が歴史的に進行し、プエルトリコ人女性には教育水準が高い人が多く、それらの女性が教育や政治的経歴を買われて行政アドバイザーなどに任用されるケースが目立つ。
著者
二間瀬 敏史
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

現在の宇宙は従来の重力理論の枠内では説明ができない加速度膨張をしていることが知られている。その原因として反発力を及ぼす暗黒エネルギーやアインシュタイン重力理論の変更が提案されている。しかしそれらの理論的な研究は進んでおらず、観測的に宇宙膨張の原因を探ることが急務になっている。本研究では、2011年度末に完成予定のすばる望遠鏡の超広視野主焦点カメラで行われる大規模深宇宙サーベイを用いた弱い重力レンズ効果によって、加速度膨張の原因を調べるために必要な新たな弱い重力レンズ解析法の開発を行った。
著者
桐原 聡秀
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

アルミニウム合金やマグネシウム合金は、現代工業において幅広く用いられる軽量金属材料であるが、地球環境保全や持続的エネルギー確保に対する社会的な動向に呼応して、より高い特性を発揮することが求められている。また、炭酸ガスの排出削減やエネルギーの消費低減を実現するため、各種車両の軽量化を目指した実践応用が進められている。本研究では、アルミニウムやマグネシウムなどの軽量金属材料に対して、インクジェットプリント法を駆使した、マイクロパターニング技術を基盤として、合金相の表面構造を精密に形成し、人工的に金属組織の幾何学分布を制御することで、優れた機能特性を自在に発現させ得る新規プロセスの構築をめざした。
著者
加地 太一
出版者
小樽商科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

メタヒューリスティクスが経験的に良い解を導き出してくれていることは多くの研究でも示されている.しかし,なぜ,メタヒューリスティクスが良い解を導き出してくれるのかは一つの謎であるともいえる.そこで本研究では,時系列解析の手法を用いて,メタヒューリスティクスに対する問題の解構造を分析しその特徴的な性質を取り出す.それによりメタヒューリスティクスの各手法の性能を理論的に推定しその性能を明らかにするとともに,その能力の謎を解き明かすことを目指す.また,そこから得られた理論的知見をもとにした新アルゴリズムの設計を展開する.
著者
柴田 真志
出版者
兵庫県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

夜間就床後の睡眠第一相における直腸温は一過性に低下し、その間の中心温度指標と末梢温度指標の差分を積分して末梢放熱能とした。末梢放熱能と有酸素持久性能力スコアとの間には有意な正の関連が認められた。身体活動不足による有酸素持久性能力の低下が就床後の低い末梢熱放散機能と関連すると推察された。また、有酸素トレーニング(50%強度・30分間・週3回・4週間)によって、末梢熱放散機能はわずかに改善されたが統計学的有意には至らなかった。
著者
稲垣 明子
出版者
東北大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

膵島移植において安定して質の高い膵島を得る方法を確立することは移植成績の向上に直結する重要な課題のひとつである。そこで、本研究では保存過程の虚血状態や、膵島分離工程での溶存酸素濃度の低下による膵島損傷を解決するために、膵臓摘出直後から膵島分離終了までの間の酸素供給システムを確立することを目的とした。膵組織の保存の酸素化についてはは人工ヘモグロビンを膵管から導入したが、分離膵島の収量や質の向上は確認出来なかった。いっぽう、膵島分離工程における中空糸加圧モジュールを用いて閉鎖分離回路内を酸素化することで、膵島の収量、energy statusが向上し、アポトーシスを回避出来ることが明らかになった。
著者
大東 一郎 石井 安憲 芹澤 伸子 小西 秀樹 鈴木 久美 佐藤 綾野 于 洋 上田 貴子 魏 芳 大東 一郎 石井 安憲 清野 一治 木村 公一朗
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究では、中国の制度・政策転換と東アジア圏の国際相互依存関係への影響に関わる政治経済学的問題を、財政・金融・産業・環境に焦点を合わせて考究した。財政制度の効率性比較、途上国での望ましい工業汚染規制、企業の株式持合いと政策決定の関係、混合寡占下での公企業の役割、途上国企業の部品の内製・購買の選択を理論的に分析した。中国の社会保障制度の実態、マイクロファイナンスの金融機能を明らかにし、税制の機会均等化効果の日韓台間比較、為替介入政策の市場の効率性への影響分析を行った。
著者
城本 るみ
出版者
弘前大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

高齢者行政担当者の聴き取りや各種高齢者施設の訪問調査及び現地での網羅的な資料収集に努め、台湾の高齢者福祉政策が政治的要因の影響を大きく受け、中国(大陸)との共通点が多いことを明らかにした。また高齢者施設の運営状況や介護労働に従事する東南アジア籍ヘルパーや大陸籍配偶者の実態から、少子化が急激に進む台湾における介護事業の特徴ならびに高齢者ケアに関する台湾独自の問題点や今後の課題を明らかにした。
著者
岡村 雅史
出版者
北里大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

Campylobacter jejuni 汚染鶏肉に関連する食中毒事例が国内外で頻発している。一般的に、C. jejuni は 3 週齢前後の鶏群から検出され始め、7-8 週齢での出荷時には鶏群内汚染率約 100%に達するが、それ以前の日齢における定着はほとんど起こらない。本研究では、3 週齢までの鶏に C. jejuni が定着しにくい要因として、当初着目した腸内細菌叢だけでは説明できず。むしろ、環境中に低濃度で存在する菌の状態とその遺伝子発現状況が、鶏体内に入った直後から定着増幅するまでの時間を延長させるように働いているものと推測された。
著者
八幡 雅彦
出版者
別府大学短期大学部
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

当科研費受給者の当初の研究課題は、「北アイルランドの小説家たちがナショナリズムとユニオニズムの対立をどのように描き、どのような解決策を呈示しているか」という、北アイルランド内部に限った局所的なことであった。しかし研究を通して明らかになったのは、北アイルランドの小説家たちはこの対立問題の描写を通して、そしてまたそれ以外の事象の描写を通して、世界に通じる普遍的な価値を有する作品を書き続けているということであった。ジョージ・A・バーミンガムがSpanish Gold(1908)、General John Regan(1913)、Good Intention(1945)等のユーモア小説を通して訴えているのは「何事も深刻に考えすぎるべきではない。いかなることの中にも『笑い』の要素を見出すことが肝要だ」という、人間のあらゆる対立問題の解決に当てはまる哲学的真実である。そして、対立問題の解決のために八面六管の大活躍をする彼の小説の主人公たちは、「自己犠牲精神」というキリスト教倫理を備えており、アイルランド国教会牧師でもあったバーミンガムの倫理観を具現していると言えよう。今後は、The Wisdom of Desert(1904)、Isaiah(1937)等、バーミンガムの著したキリスト教に関するエッセイを精読することにより、彼のキリスト教倫理と小説の関係を追究する予定である。北アイルランドには、現代小説家たちのうちにも、バーナード・マクラヴァティーやグレン・パタソンら優れた作家がいる。パタソンはNumber5(2003)、That Which Was(2004)等を通して、ベルファーストの様々な姿を呈示し、ナショナリズムとユニオニズム以外の価値観を模索している。その意味ではバーミンガムに通じるものがあり、「パタソンとバーミンガムの作品を読み比べてみる価値がある」というマイケル・パーカーの指摘の正しさを裏付けている。次作The Third Party(2007)では、日本を旅する北アイルランド人を描き、パタソンの小説はさらに広がりを見せる。2003年には今までの研究を『北アイルランド小説の可能性-融和と普遍性の模索-』(渓水社)と題した一冊の研究書にまとめた。今後は、バーミンガムの評伝(英文)の出版を第一目標に置いて研究を続ける予定である。またパタソンのいずれかの作品を翻訳出版したい。さらには、ジョイス・ケアリーやC・S・ルイスのような、北アイルランド出身で、イギリスで名を成した作家たちも取り上げ、北アイルランド小説の奥の深さを明らかにしたい。
著者
前田 吉昭 森吉 仁志 伊藤 雄二 藤原 耕二
出版者
慶応義塾大学
雑誌
萌芽的研究
巻号頁・発行日
1997

1997年から1998年にかけては,次の研究テーマを主題に行なった.(1) 4次元空間のYang-Mills gradient flowと3次元空間のYang-Mills-Higgs gradient flowの研究.(2) 変形量子化問題と非可環幾何学(3) 無限次元空間における無限次元リー群の作用によるオービットの幾何学的性質(1)については,4次元コンパクト多様体のYang-Mills qradient flowについて,チャーン数に近い初期データを与えることでその滑らかな解が大域的に存在することを示した.また,3次元空間のYang-Mills-Higgs qradient flowについては,その弱大域解の存在を与えられることがわかった.(2)については,特に接触多様体の変形量子化問題とそのレダクションの方法について研究を行なった.(3)についてはコンパクト多様体のリーマン計量の空間に作用する微分同型群(無限次元リー群)のオービットに対する平均曲率の定式化とその応用について研究を行なった.これらの研究は萌芽研究として申請した,非可換微分幾何学の構築において基礎となる成果をあげることができた.そして,その成果はこの2年間の間に行なわれた,国内の研究集会,国際研究集会で発表や討議を行ない,これから先に非可換微分幾何学の展開に向けて,大きな成果をあげた.さらなる成果は,近い将来に出版される予定である.
著者
安井 至 中杉 修身 高月 絋 松尾 友矩 小島 紀徳 川島 博之 山地 憲治 定方 正毅
出版者
東京大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1993

各研究分担者の研究課題については、各人の記述を参照されたい。ここでは、E40班全体としての研究活動について記述する。1.最終報告書の検討最終的な報告書の形態の検討を始めているが、現時点では、次のような形態を考えている。まず、当プロジェクト全体の結論を非常に分かりやすい形にまとめた一般図書を2冊発行する。1冊目は、新書として発行し、両方の図書ができるだけ多くの発行部数が期待できる形にしたい。この図書を目次として、さらに詳しく学術的にも厳密に記述された図書を何冊か発行するために、その企画を計画班の班長と共に検討した。2.共通データベースの構築E40全体としては、一般向けの報告書だけではなく、共通して利用できるデータベースの構築とその一般への公開を目指している。取り敢えず、なるべく多くのデータをコンピュータ可読の形にしておき、CD-ROMなどによるデータ提供を行う予定。3.電子的な手段による情報交換手法の活用E40内部の連絡は、できるだけe-mailなどの電子的な手法によって情報の交換を行い、その際に残った記録を上記データベースに活用できるような可能性を高めた。4.ビジュアルな方法論による結果の表示一般社会に結果をアピールするためには、最終的な結果が比較的短時間にしかもビジュアルなイメージとして受け入れられることが必要である。そのためには、WWW上で用いられる各種手法を検討しながら、最適な方法論を検討した。5.合宿形式による意思の統一本研究班は、以上のような日常的な情報交換によって結論への道のりを探るが、平成10年1月6日から7日に、豊橋ホリディインクラウンプラザにて合宿を行い、最終結論に向けての意見交換会をおこなった。
著者
大野木 啓人 川村 悦子 八幡 はるみ 松井 利夫 上村 博 松原 哲哉
出版者
京都造形芸術大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

本研究は研究会合での研究発表と討論、それに実験的な制作活動の双方により進行した。研究会合では研究組織のメンバーや外部講師を招き、月と生活との関わりをさまざまな角度から考察し、それを特定の場における芸術的な環境づくりという実践に反映させた。太陰暦は、さまざまな身体感覚や自然の変化に照応している。そこに顕著な、自然の兆しによって四季の移ろいを把握するという時間の分節法には、環境に対する鋭敏な知覚が働いており、それがさまざまな生活上の意匠にも現れている。各種の年中行事において日々の生活空間を形作るしつらいや衣食住のありかたは、今日の表象芸術においても参考にすべきものを多くもっている。しかしそれは決して現代デザインに転用できる個別のモチーフとしてではない。むしろ、芸術的な場をどのような時間的リズムにおいて創出するか、という点に関する示唆である。そのため、研究会では、観月会、ひなまつりなどの機会に芸術的な場を作る実験を数次試みた。京都市や京丹後市で、地域の風土や場所の特性を生かした展示や茶会などの行事を通じ、建築物や周囲の土地と一体となった芸術的な環境を作ることを目標とした。こうした諸々の試みは、日常生活と芸術的世界の双方ともが貧困な情況に陥っていることへの反省でもある。太陽暦ないしは世界時間に代表される時間システムのもとでは、平板で均質な日常のイメージが優勢であるために、特殊な時間空間を設定して刺激を与える必要が生じた。その結果、日常/非日常、ケ/ハレ、生活/芸術の対照が過剰になってしまった。しかしながら、それは芸術領域の囲い込みと無限の自己批判によるジャーゴン化である。むしろ、太陰暦のもとでの世界、すなわち地域環境やそこに流れる時間のリズムを尊重することで、芸術活動の有していた雑多な豊かさを回復することができるのではないだろうか。
著者
梅比良 正弘 沢田 浩和
出版者
茨城大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

3つの環境(リビングルーム、会議室、オフィス)で60GHz帯伝搬実験を行い、統計的SISO(Single Input Single Output)ミリ波チャネルモデルを開発し、これをミリ波WLANの国際標準化を行うTG IEEE802.11adに提案して、標準評価モデルとして採択された。また、伝搬実験により水平・垂直偏波の直交偏波を用いるミリ波MIMO 通信の交差偏波干渉は十分に小さいことを明らかにした。この成果を元に、レイトレーシング法に基づくMIMO 伝送シミュレーションプログラムを開発し、直線偏波を用いた2X2直交偏波MIMO伝送方式を提案して特性評価を行った。その結果、半値幅が30度以下のアンテナを用いれば、等化なし、ZF(Zero Forcing)法の簡易な信号処理で良好な誤り率特性が得られること、円偏波を用いた2X2直交偏波 MIMO伝送では、直線偏波に比べて安定なMIMO伝送が可能であることを明らかにし、MIMO伝送による10Gbit/s次世代無線PANの実現性を示した。
著者
松本 肇
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

本研究では、孟郊と賈島を例に、唐代の「悲愁の文学」の実態を明らかにした。研究成果は以下の通りである。1、孟郊の文学(1)孟郊は、賢者を処罰する詩を書いている。それは自己の正しさを証明する逆説的な方法であり、孟郊の自虐的な態度を表わしている。(2)孟郊は、困窮を詠じる詩を書いている。そこには、悲愁を楽しむ態度が見られる。悲愁を快楽にまで高めたのが、孟郊の功績である。(3)孟郊の文学は、悪意の文学という性質を持っている。孟郊は、幻想の中でも死を求めた。(4)孟郊は、詩作によって反世界を創造した。それは、天に対する反逆行為である。反逆者には代償が求められる。孟郊が詩という牢獄に自己を閉じこめたのは、自己を処罰したのである。2、賈島の文学(1)賈島の詩には、たとえくじけても望みを捨てない、不屈の精神が表われている。(2)賈島は、廃墟の美を詠じた詩を書いている。中唐期には、盛唐期には見られない新しい美意識が生まれた。廃墟の美を詠じるのも、そのような美意識の反映である。(3)賈島には、病気を詠じた詩がある。病気は、中唐期の知識人のシンボルである。このような文化現象の背景には、「休息」への願望があった。(4)賈島の詩には、微少な世界を詠じるものがある。それは、杜甫の影響を受けたのである。杜甫は、中唐文学の先駆者である。3、孟郊と賈島杜甫以後、詩を作ることに価値が認められるようになり、詩人として生きることが、知識人の目標となった。孟郊と賈島は、このような時代に生まれ、詩人としての人生を全うした。宋の蘇軾は、孟郊と賈島の文学を「郊寒島痩」と批評した。それは、彼らを非難したのではなく、彼らが世界を驚かす言葉の創造者であることを賛美したのである。
著者
金子 育世
出版者
順天堂大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

第一言語および第二言語としての英語によるライティングとスピーキングに現れる愛情表現と哀悼表現における類似点と相違点を観測するため、米語母語話者と日本人英語学習者を被験者として生成実験を実施した。ライティング実験においては被験者全員に同じ条件下でラブレターとお悔やみの手紙を書かせ、日本人英語学習者による手紙には英語母語話者による手紙に観察されるパターンとは異なるパターンが観測された。スピーキング実験ではテープレターを作るという設定のもとで手紙を読ませ、日本人英語学習者は愛情表現よりも哀悼表現において習得が進んでいることが示唆された。
著者
堂上 友紀
出版者
明治国際医療大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

われわれは、酸化ストレスマーカである4 ヒドロキシ2ノネナール(4HNE)に対する抗体を、放射線を発するヨード125で標識し、これをもちいて動脈硬化病変における酸化ストレスの発生状況をイメージングする方法の開発を試みた結果、取り出した大動脈において画像化に成功した。
著者
奥山 智緒
出版者
京都府立医科大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

2006年5月より2009年4月までに施行されたFDG-PET検査あるいはFDG-PET/CT検査5,027例中偶発的に甲状腺への集積を指摘された125症例の中で、組織学的検証がなされたものをretrospectiveに検討しそのFDG集積にと良悪性を検討したところ、FDG-PET検査にてincidentalに甲状腺にhot spotを認めた症例の中で、悪性病変は27例、生検にて良性と判断され経過観察となっている症例は18例あった。これらのFDG-PETの集積を半定量的にSUVにて比較検討したところSUVmax(mean±S.D)は、悪性で3.8±5.4、良性で2.3±3.7で良群間に有意差は認められず、FDG集積にて良悪性を鑑別することは容易ではないと考えられた。FDG-PET/CT症例より、甲状腺にFDG集積を有する症例から、MRSを施行し結節を摘出する症例を抽出。2010年4月~2011年3月に当院にてFDG-PET/CTを施行した1535例の中で、甲状腺に診断が未確定な結節を認めた症例は52例、うち、FDG集積を有する症例は18例で、その中で結節のサイズが1cm以上のものは6例であったが4例においては、原疾患の診療が優先され、甲状腺結節の精査は見合わされた。残る2例は、頸部超音波検査にて腺腫様甲状腺腫と診断され、摘出や生検は施行されなかった。当初、本研究においては、FDG陽性の甲状腺結節に対し、1H-MRSによる甲状腺結節のコリンピークの検出と、良悪性の評価を行う事を目的としていたが、対象症例の登録が困難な状態と判断し、次の検討に移った。甲状腺癌にて甲状腺全摘後の患者において、FDG-PETやI-131にて集積を確認された転移病巣に対して1H-MRS studyの有用性を検討した。甲状腺癌全摘出術後のFDG陽性の頸部病変、上縦隔病変は5mm以上の病変をMRI上確認できるが、MRSの基線の振れが大きく有意なスペクトルを取ることは困難であった。甲状腺術後にみられる頸部小結節について質的診断のために1H-MRSを使用するためには、現時点では課題が多いと考えられた。