2 0 0 0 契丹射柳攷

著者
島田 正郎
出版者
日本文化人類学会
雑誌
季刊民族學研究 (ISSN:00215023)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.35-40, 1950-08-15

Among the ceremonial institutions of Liao, there was one called Se-se-i, in which a ceremony of shooting willow-trees was held for the prupose of praying for rain. In the Liao-shih pen-chi we find also a record of praying for rain by shooting willows. Dr. M. Takikawa has argued, on the basis of the association of the willow with water, that the custom derived from the Chinese, and as it had become a mere sport (as it also did later during the Chin dynasty) its original meaning was forgotten. The present author, on the contrary, sees the origin of this ceremony as a shooting contest only, lacking any conceptual association of willow and water. As the time of the ceremony coincided with the dry season, the magical power of bow and arrow, which had been typical of the Ch'i-tan mind, came to be combined with the idea of preventing willow-leaves from withering, and consequently with that of praying for rain. The willow-shooting ceremony continued to be held even when no special intention was attached to it, until it became mere entertainment both in the Chi-shan-i and Se-se-i. This type of ceremony developed ultimately into the "Willow-shooting and polo sports" during the Chin dynasty.
著者
木村 将治 牧野 泰裕 小高 知宏 小倉 久和
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 = The transactions of the Institute of Electronics, Information and Communication Engineers. D-I (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.85, no.5, pp.479-483, 2002-05-01
被引用文献数
1

本研究では,2人対戦ゲームの例として繰返しじゃんけんゲーム(RJG)を取り上げ,その戦略知識を遺伝的アルゴリズム(GA)を用いて進化的に獲得することを目指す.GAで獲得する戦略知識の表現方法として,繰返し戦略表現を提案した.その表現を用いたGAの戦略と,あらかじめプログラムで用意したRJGの戦略とを対戦させ,有効な戦略知識を獲得できるか実験した.
著者
PAINE R. T.
雑誌
American Naturalist
巻号頁・発行日
vol.100, pp.65-75, 1966
被引用文献数
34 3225
著者
大館煕 編
出版者
辻本信太郎
巻号頁・発行日
1884
著者
今田 和美
出版者
東京大学
雑誌
Slavistika : 東京大学大学院人文社会系研究科スラヴ語スラヴ文学研究室年報
巻号頁・発行日
vol.13, pp.183-195, 1998-03-31

さて、これまで述べてきたような「孤独」と「救済」「したたかに世間を渡っていくための武器」あるいは「作品の喜劇性を引き出す」といった語りの様々な役割は、作品のテーマ (不幸な人間とそれを取り巻く社会の冷酷さ・無常さ) や文体 (感情を排した客観的な語り口、高密度の語りの流れを伴う「意識の流れ小説」、口語や俗語といった低位の文体と官庁風事務文体すなわち高位の文体の混合による言葉の異化)、あるいは非常にペシミスティックで陰気な世界観と並んで、ペトルシェフスカヤの初期作品から一貫して見られる特徴である。いわゆる「ポストモダン」的な複雑で難解な作品が隆盛を極める90年代のロシア文学界において、あくまでリアリズムに徹し日常の細部描写を積み重ねる、というペトルシェフスカヤのスタイルには、批判もある。「口当たりの良さと刺激を求める一般読者層の要望にも前衛的な難解さを求める専門家の要求にもこたえず、現実逃避する読者にひたすら過酷な現実を突きつけている、という意味で非現実的である」という、最近文学新聞に載った批判は、決して唯一のものではない。確かに、「一貫性」とは裏を返せば「同じ事の反復」であり、ペトルシェフスカヤはその危険性を自覚するかのように『時は夜』以降「モノローグ」の執筆を一時中断し、その前後から詩や幻想的な童話、ポスト・ユートピア的な近未来小説、怪談風の作品など、積極的に他のジャンルや形式を開拓している。しかし、そうした新しいタイプの作品においても、多様な役割を持つ「語り」が核となっていることには変わりがないし、今後もそうであるだろうと考えられる。
著者
楊 暁文
出版者
一般社団法人中国研究所
雑誌
中国研究月報 (ISSN:09104348)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.1-13, 2012-02-25

中国における初めての『源氏物語』全訳は豊子〓のみによる訳業であったというのが今日の定説となっている。しかし,本稿の発見した新史実により,この定説が覆されようとしている。つまり,中国初の『源氏物語』全訳の成立にはこれまで知られてこなかったプロセスがあった。本稿は楼適夷及び文潔若の存在,特に新中国における豊子〓・銭稲孫・周作人の境遇及び全訳をめぐる三人のかかわりについて考察を加えた。その結果,全訳の成立過程で銭稲孫と周作人が深くかかわり,出版社の編集者として文潔若も尽力し,リーダーだった楼適夷が全訳者の人選において中心的役割を果していたことなどが本稿によって初めて明らかになったのである。
著者
丹羽 義信 青井 潔 山田 修治
出版者
中部大学
雑誌
国際関係学部紀要 (ISSN:09108882)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.57-78, 1998-03-25
著者
高橋 英吉 喜々津 哲男 中村 正博 永沢 勝雄
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学園芸学部学術報告 (ISSN:00693227)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.19-23, 1974-03-15

1.千葉県のような雨の多い火山灰土壌で栽培された巨峰の,著しい花振いを防止するために,gibberellin (GA)処理の効果をB-995との比較において検討した.2. GA処理によって無着粒の果房数は減少し,着粒数は増加した.GA_<4+7> 100ppmは着粒数の増加に非常に効果を示した.7月8日の着粒率は,GA処理によって5〜6倍に増加していた.3. GA処理によって果梗重および果梗径が増し,特に100ppmでその効果が大きかった.果梗重はGA処理によって2.5〜3倍に増加していた.4. GAは果粒の単為結果を誘起し,それを肥大させた.しかし,このGAによって誘起された単為結果果粒は有核果よりも小さく,その約80%は中(5.5〜6.4g),小(5.4g以下)果粒であった.この単為結果果粒はdouble sigmoidの生長曲線を示した.5.可溶性固形物および酸はGA処理によってあまり影響されなかった.しかし,果皮の色素はGA_<4+7> 100ppmで最も多かった.
著者
川崎 修
出版者
立教大学
雑誌
立教法学 (ISSN:04851250)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.227-234, 1999-03-31
著者
金子 仁美 川上 大輔 嵯峨山 茂樹
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.7, pp.1-8, 2010-05-20

我々は,楽曲の和声解析の記述仕様 ("KS notation") を策定し,機能和声解析を行ってデータを作成し,その統計解析を行った.和声推定は自動採譜や楽曲検索など多数の目的に有用で,その和声進行の確率モデルの作成と統計学習のために有用である.また,音楽学的な見地からは,和声学の規則や傾向などが計量的に検証でき,時代や作曲者や楽曲スタイルを和声学的に解明する基礎となろう.機能和声記述のために,和音,転回,借用和音,省略,変位,転調,付加音などの記述を可能とし,さらに楽譜なしで演奏が可能なように音価も表現した.また,人間とコンピュータ双方の可読性の両立させコンパクトに表現できるようにした.データ作成には,RWC 音楽データベース所収のクラシック曲 50 曲について,人手により機能和声解析してデータを作成した.そのデータを統計解析し,音楽的な知見から説明を試み,機能和声モデルが従来のモデルより工学的和声モデルとして優位であることを示す.We designed a new notation (called "KS notation") for harmony analysis, built a functional harmony analysis dataset and made statistical analyses on the data. Harmony (chord sequence) estimation is useful in many purposes including automatic music transcription and music information retrieval, while, from musicological viewpoint, harmony theory and rules are verified quantitatively using the data across periods, composers and styles may be investigated. For description of functional harmony analysis, the notation include chord, inversion, borrowed chord, omission, alteration, key modulation, additional notes, etc. and enables playing chords from the notation without the score by representing the note value. Readability was emphasized both for human and computer. The KS-notation dataset was built from 50 titles included in the RWC classical music database. New findings are discussed based on statistical analysis of the data and functional harmony model is shown to be advantageous over the conventional chord sequence model from the engineering point of view.