著者
松本 剛 大澤 範高 弓場 敏嗣
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.50, pp.1-2, 1995-03-15

並列プログラムにおいて実行時間を速くするために重要なことの一つは、そのプログラムに内在する並列性をどのように抽出するかである。一般に並列処理を行なうと並列処理オーバヘッドと呼ばれるものが存在する。並列オーバヘッドは処理粒度を細かくすると大きくなり実行時間に影響を与える。一方、粒度を粗くすると並列性が少なくなってしまう。したがってその間に並列性があり、実行時間が速くなるような粒度がある。本研究では、処理粒度を変えることが可能で、静的に解析可能なプログラムについて処理粒度調整を行なった。また、静的に解析可能な並列プログラムが粒度調整によって高速化が可能か不可能かを並列計算機上で実際に粒度調整をしながら調べるのは効率が悪い。そこで並列計算機のモデルを考えてその上で、粒度調整を行なった時の実行時間を予測する式を作り、実行時間が最も速くなるような最適な粒度を求めることを考える。並列計算機のモデルとしてPRAMモデル、LogPモデル[1]と本研究で提案したオーバヘッドの種類を拡張したモデルの3種類を使い、それぞれのモデルから推測される最適な粒度と実機との違いについて考察する。
著者
大中 忠勝 都築 和代 栃原 裕
出版者
国立公衆衛生院
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1991

本研究は高齢者において、1)生理・心理機能の変動を指標とした寒冷暴露後の暖房や暑熱暴露後の冷房の快適条件を求める研究と2)生理・心理反応から寝室の快適な温熱条件を求める研究の2つから成り立っている。1)寒冷暴露後の暖房や暑熱暴露後の冷房の快適温度条件63〜73歳の女子高齢者8名(高齢群)と19〜27女子若年者9名(若年群)を対象に、寒冷および暑熱曝露後の快適温度を被検者が快適となるように室温を制御する方法で調査した。高齢者の暑熱および常温暴露後の快適温度条件は若年者と異ならないものの(24〜25℃)、寒冷暴露後では高齢者はやや高い温度を好む傾向にあり、時間経過に伴っても変化が無かった。また、高齢者では快適とする範囲は大きく、温熱環境を正確に把握できない場合も見られた。これらの結果は、高齢者の居住温熱環境の設定、改善には高齢者以外の関与が不可欠である場合があることを示唆するものである。2)生理・心理反応に基づく寝室の快適な温熱条件高齢者の睡眠に及ぼす室温の影響を調べるため、年齢67〜82歳の高齢者20名の睡眠中の体動を冬季(1〜2月)と夏期(7〜8月)において、各被検者の住居で測定した。同事に室温、寝床内温度を測定した。夏季においては、年齢20〜21歳の若年者20名についても同様の測定を行った。睡眠中の体動と室温との関係について検討し、以下の結果を得た。1)測定期間中の室温は冬季8℃、夏季28℃前後であり、両季節ともは睡眠に好適とされる温度範囲外であった。2)寝床内温度は、夏季は室温と正の相関関係にあり、室温よりやや高い値であった。一方、冬季は電気毛布等の使用により、10〜40℃の間の広い範囲に分布していた。3)夏季での体動数は高齢者において若年者より有意に高い値であった。4)高齢者の冬季での体動数は夏季より有意に低い値であった。5)夏季での体動数は室温と有意な正の相関関係にあり、特に高齢者では室温26℃付近で体動数が増加する傾向にあった。一方、若年者では高齢者よりやや高い室温で体動数は増加した。以上より、高齢者では睡眠は快適とされる環境温度域においても、若年者と比較し体動が多く、さらに夏季の睡眠において体動数が増加する環境温度は高齢者で低く、高温環境は高齢者の睡眠により強い影響を与えていることが示唆された。
著者
玉田 芳史 河原 祐馬 木之内 秀彦 戸田 真紀子 木村 幹 岡本 正明 村上 勇介 藤倉 達郎 横山 豪志
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

民主主義が政治のグローバル・スタンダードになった今日でも、軍事クーデタは生じうることを複数の事例の比較研究から確認した.1 つには、政治の民主化が進んで、軍があからさまな政治介入を控えるようになっても、軍が政治から完全に撤退することは容易ではないからである.もう1 つには、クーデタに対する国際社会からの歯止めは、軍首脳が国際関係よりも国内事情を優先する場合には、あまり強く機能しないからである.
著者
小松 啓子 岡村 真理子
出版者
福岡県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

本研究は、保育所が果たすべき社会的役割が変化するなか、今後保育所(園)は家庭の役割を受け継ぎ、深め、発展させていく必要が求められているという前提にたち、伝統的な食文化を取り入れた保育所(園)給食のあり方について検討した。福岡県の京築地区、筑豊地区、福岡地区、筑後地区で開所している522園の保育者を対象にアンケート調査を実施した。調査内容としては、保育活動のなかで取り組んでいる歳時記行事と園児の関わり、給食のなかに取り入れられている行事食の内容、給食のなかに取り入れられている伝統的な郷土食の内容と園児の関わり、保育活動のなかで菜園活動と園児の関わり、地域のお祭りと保育活動とした。同時に、京築地区および筑豊地区の保育所(園)に通っている6563名のを対象に、伝統的な食文化を子ども達に伝承していくための基礎資料を得るために、基本的生活習慣および食生活習慣の実態調査も実施した。我が国においては、伝統的な食文化は家庭において「おふくろの味」を通して子ども達に伝承されてきたが、これからは、そのような機能を家庭だけにとどまらずに、保育所(園)に持たせることが重要と考えられる。伝統的な郷土食を給食に取り入れることにより、これまで軽視されがちだった地城性や季節感を子ども達が体得できるようになることが期待できる。今回の調査から、保育活動のなかに給食を位置づかせ、子ども達が季節感豊かな伝統的な郷土食に関わる環境作りが、健全な心と身体を培うことに直接的につながっていくことが示唆された。なお、地城の伝統的な食文化は、人が生きてきた長い歴史のなかで、地域の食材活用、季節、行事などを背景に、人と人との関わりを通して心豊かな人間の形成に大きく寄与してきたことを考えると、伝統的な食文化を重視した保育活動は子ども達の「心の教育」に必須と言えよう。
著者
Ken Okamoto Takeshi Nishino
出版者
日本医科大学医学会
雑誌
Journal of Nippon Medical School (ISSN:13454676)
巻号頁・発行日
vol.75, no.1, pp.2-3, 2008 (Released:2008-03-21)
参考文献数
4
被引用文献数
8 20

Xanthine oxidoreductase (XOR) catalyzes the reaction of hypoxanthine to xanthine and of xanthine to uric acid. Inhibitors of XOR can thus decrease the concentration of uric acid in serum. Crystal structures of XOR bound with various inhibitors reveal that inhibitors can be categorized into three types, i.e. mechanism-based, structure-based, and hybrid types.
著者
車 政弘
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.46, pp.210-211, 1999-10-15

After examining 465 registrations of design for an electric 'kotatsu' from 1955 to 1996,the following results have been achieved; Many devices for electric heaters were registered for several years after 1955. Many of the wooden frame for a 'kotatsu' were shaped like square, but in the 1980's, more and more 'kotatsu's began to have rectangular frames, and had the same function as a traditional low table in Japan. Most of the registrations of devices such as collapsible legs or detachable legs had been finished before 198O. An electric 'kotatsu' has more frequently been used all through the year since 1975. Since that time an electric 'kotatsu' has remarkably established its position as a traditional low table in the living or dining room in Japan.
著者
武内 和彦 LASAS Ainius
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

6月までに主な研究プロジェクトを計画したとおり終了させ、Foreign Policy Analysis誌に査読のため論文を提出した。JSPSフェローとしてのこれまでの研究をもとに、近い将来本の執筆を予定しているため、今後も論文の改定を続ける計画である。この本はPalgrave Macmillan出版社より今後3年以内に出版される見込みである。2011年4月から9月の間、自身の理論的興味の補足プロジェクトとして、アメリカ・ルワンダに関する事例研究の最新の学術文献と人々の経歴談の包括的な見直しを完了し、これにより研究論文を仕上げることができた。2011年3月にスイス・ローザンヌ大学で開催された"Emotions in a Globalized World"(「グローバル化した社会における感情」)をテーマとした会議において、論文の初期ドラフトを発表した。この論文は私のアドバイザーであったベセリン・ポポフスキー氏による編集予定著書「国際関係における感情」(仮題)(シカゴ大学出版社刊)の1章として掲載される予定である。自身の研究に関連する2008年のグルジア戦争とオランダ・セルビア関係における2つの論文もEurope-Asia Studies誌とPolitical Psychology誌に査読依頼のため提出し、どちらも改訂依頼を受け、現在必用な訂正と補足的な研究を行っている。これらの改訂は10月末には完了する予定である。7月前半はイスタンブールにて開催されたInternational Society of Political Psychology(国際政治心理学会)の年次会議に出席した。その後行われた政治心理学の基礎と最先端の研究に関する3日間のワークショップ形式の夏季アカデミーにも参加した。この研修では自身の研究技術の強化、そして新しい研究手法を得る機会を与えてくれた。また同様に、将来の学術キャリアに有用な面識を得ることもできた。最後に、2011年9月には国連大学サステイナビリティと平和研究所において、最終発表を行った。発表に引き続いて行われたフォーマルな討論では、討論参加者から主な研究プロジェクトに対して今後の改善となる有益なコメントや提案があった。
著者
多屋 淑子 成田 千恵
出版者
日本女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本研究は、重症心身障害児(者)の日常生活のアメニテイ向上を衣服により支援し、障害者と介護者のQOL向上を最終目的としている。複数名の重症児(者)と健常者を対象に、非侵襲にて長時間の生体情報モニタリングを行った結果、本研究で対象とした最重度の複合障害を有する重症児においても、サーカディアンリズムや体温調節機能が観察され、刺激による精神性発汗活動を有すること、また低体温の場合にも日常的に発汗活動の可能性が示唆された。本研究による生体モニタリングは、衣服の温熱的快適性の評価、衣服の肌触りや衣服の身体への圧迫感などから生じる不快感を客観的に評価することを目的として行ったが、着心地の評価に加え、日常生活上の種々のストレスの有無を客観的に判定する手段としても有効であることがわかった。また、本研究における長時間の生体情報モニタリングから、重症児(者)では手足末梢部の皮膚温低下が顕著である場合が観察され、温熱的に快適な状況を提供するための手段として、靴下の効果的な着装方法を提案した。重症児(者)の衣服の留め具である面ファスナの接着強さを実現するための方法について検討した。さらに、介護現場の看護師との意見交換を行いながら、寝たきりの重症児(者)に望ましい衣服の試作を行った。以上から、重症児(者)に望ましいデザイン、素材、個人の嗜好等を考慮した衣服を、製作し、重症児(者)をモデルとしてファッションショー形式で提案した。

2 0 0 0 OA かりん 第4号

出版者
京都大学人間・環境学研究科総合人間学部図書館
雑誌
かりん (ISSN:18834167)
巻号頁・発行日
vol.4, 2011-12-01

人環・総人図書館の一年間
著者
島谷 健一郎
出版者
日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.87-106, 2001-08-30
被引用文献数
8

This paper reviews the point process theory focusing on applications to spatial ecology when data are given by a tree distribution map, often together with additional information such as tree size, species, and genotype.Beginning with a rather intuitive definition of point processes, this paper explains several functions that are useful for illustrating the basic characteristics of tree spatial patterns, followed by remarks about the basic assumption of stationality and isotropy.A variety of convenient statistics that express spatial patterns for additional information are introduced with reference to tree sizes, species, and genotypes.When such exploratory analysis reveals some characteristic spatial patterns, the nest step is to construct mathematical models that can explain a given tree distribution, then checking the model fitting by simulation.Currently, the point process theory itself is at the developmental stage and its practical power in ecology is uncertain.However, it can, at least, be applied to exploratory analysis for finding basic characteristics in spatial patterns.Point processing can be expected to have various other applications for analyzing mapped data.
著者
落合 功
出版者
広島修道大学
雑誌
修道商学 (ISSN:03875083)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.I-LX, 2000-09-30
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
藥學雜誌 (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
no.50, pp.155-157, 1886-04-26