著者
長谷川 義朗 高橋 洋子 日比野 靖 長沢 悠子 尾松 純 山賀 谷一郎 中嶌 裕
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.26, no.5, pp.375-381, 2007-11-25
被引用文献数
4

試作セメントの透明度の違いによる上部材料への色調の影響を調べた.実験には5種類の酸化チタンの配合量を変えたセメントを用いて,上部材料にセラマージュを2種類と支台歯材料にダイカラーチェッカーを2種類使用した.測定はそれぞれの材料を重ね合わせ分光測色器にて行った.なお酸化チタンが無配合のものをコントロールとした.その後,得られた結果から色差を算出した.結果は,支台歯材料と上部材料がともに明るい,または暗いときセメントの透明性を変化させても色差に変化はほとんど見られなかった.しかしながら,支台歯材料が暗く上部材料が明るいとき,セメントの透明性が低下すると上部材料の色調に影響を与えた.上部材料の色調はセメント層の透明度だけでなく,支台歯材料の色調にも影響されることが推察された.
著者
山田 朋来 延藤 安弘
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文報告集 (ISSN:09108017)
巻号頁・発行日
no.443, pp.41-50, 1993-01-25
参考文献数
10
被引用文献数
2

The purpose of this paper is to find out the factors which induce the various human living values in the neibouring environment. It may be assumed that interrelationship between environment and community creates such values. We concerned with the maintenance process in the shared space of co-operative housing 'Ajirogi-yokochoh' where the residents' participation has been made both in the planning and in the management. In conclusion, the sense of community is changeable but one of the factors which renew the satisfactory community is the diverse meanings of socializing in the process of improving the environment.
著者
中崎 昌雄
出版者
中京大学
雑誌
中京大学教養論叢 (ISSN:02867982)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.765-830, 1994-02-14
被引用文献数
1
著者
森田 一三
出版者
有限責任中間法人日本口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.46, no.5, pp.688-706, 1996-10-30
参考文献数
34
被引用文献数
16

80,70,60歳世代の者について保有歯数に影響を及ぼす過去の食事・生活習慣や口腔の状況について世代別に調査検討を行った。80歳世代については愛知県常滑市における8020調査,70,60歳世代については岐阜県山岡町における住民歯科健康診査の合計319名を調査対象とした。その結果,80,70および60歳世代のいずれも共通して影響するものと,世代ごとに影響が異なる因子に分けられた。すなわち80,70,60歳世代に共通して保有歯数に影響していたものは,男性の小学生時の「母親のしつけ」,20歳時の「甘味嗜好」,40歳時の「歯肉出血」,60歳時の「歯肉腫脹」,「歯磨回数」,女性の40歳時の「歯肉腫脹」,60歳時の「歯肉腫脹」であった。一方,世代で変化するものとして,男性では20歳時の「歯肉出血」,40歳時の「間食回数」,「かかりつけの歯科医院」が80歳世代に比べ70,60歳世代への影響が大きく,40歳時の「歯磨回数」が60歳世代に比べ80,70歳世代への影響が大きかった。また,女性では小学生時の「歯磨回数」が60歳世代に比べ80,70歳世代への影響が大きく,60歳時の「甘味嗜好」が80歳世代に比べ70,60歳世代への影響が大きくなっていた。
著者
佐々木 外喜雄
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
機械學會誌
巻号頁・発行日
vol.36, no.199, pp.753-757, 1933-11

二衝程機關の掃除孔に於ける給気の流出は、近似的に二次元的流動と考へられる。而してその流出方向は給気誘導縁の形状と掃除孔の開度に關するものである。本文は掃除孔の特殊形状に對し二次元ポテンシャル流として計算した開度と流出方向の關係と實際用ひられてゐる各種形状の掃除孔及びデフレクターに對し模型と気流活動寫眞を用ひて實驗的に開度と流出方向の關係を吟味した結果を報告するものである。
著者
永見 健一
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園学雑誌
巻号頁・発行日
vol.2, no.9, pp.627-632, 1926-09-01
著者
寺澤 寛一 山崎 吉助 秋篠 雄三
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
東京帝國大學航空研究所報告
巻号頁・発行日
vol.1, no.8, pp.213-224,Pl.1-Pl.4, 1924-09

風洞試驗に用ふる種々の模型の附近に於ける氣流の有樣を「テプラー」の「シュリーレン」法又は「ドボラック」の直接投影法を使つて瞬間寫眞を撮つて氣流の研究に資せんとして實驗を進めて居る中に瞬間寫眞では目的を達するのに面白くないので是非活動寫眞に撮したいと思つて色々な寫眞機械を取調べたが賣品にはとても望みの品がないので有り合せの機械を使ふて漸く一秒に千二百枚位の繪を撮ることが出來る樣に成つた.然し殘念なことには九月一日の大震火災で折角撮した多くの寫眞の種板も装置も實驗室記録も悉く烏有に歸して仕舞つた.此報告には實驗の方法と焼け殘りの中から拾ひ集めた數枚の寫眞とを掲げた丈けなので本當の研究に資すべきものは一つもないかも知れない.第十五圖は瞬間寫眞で撮つたもので(A)は平板に(B)は圓筒に氣流の當つた時の寫眞で氣流の速さは共に16.6m/sec.である(C)は三角形であるが山の後ろでは氣流がどう變るかを大體見るのに役に立つかも知れない氣流の速さは19.1m/sec.である(D)はR.A.F.19と云ふ飛行機翼の模型で風速は7.8m/sec.である.第十六圖以下は高速活動寫眞で撮つたものである其Aは平板に風の當つた場合で風速14m/sec.繪の數は毎秒1190枚の割である.第十六圖,B.正方形の棒に風が當つた場合.風速15m/sec.繪の數は毎秒1200枚の割.第十七圖,A.圓筒に風の當つた場合,風速18m/sec.繪の數毎秒1010枚の割.第十七圖,B.圓筒が風のある中で廻轉した場合,風速は3m/sec.で圓筒の廻轉速度は30r.p.s.である.第十七圖,C.「プロペラ」の廻轉による氣流でその廻轉速度は18r.p.s.繪での數は毎秒1050枚の割.第十八圖,A.空氣70%水素30%の混合氣體をゴムの袋に入れて爆發させた場合の有樣である.Bは眞空ガラス球を鐵槌で破碎した有樣である.此處に載せたものはほんの地震の殘り物丈けであるから研究所の復興と共に實驗が出來る樣になれば此方法で澤出繪を作つて研究の資料としたい考へである.
著者
松川 寛二 定本 朋子 梁 楠 中本 智子 加島 絵里
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

日常生活で行う軽度~中程度の随意運動でみられる心循環調節にとって,運動筋受容器反射よりも高次中枢から発するセントラルコマンド(central command)によるfeedforward制御が重要である。特に,屈曲運動において,このcentral commandによる心循環調節は強く現れる。一方,覚醒状態のヒトや動物では,筋機械受容器反射および筋代謝受容器反射は抑制されている。睡眠あるいは麻酔に伴って生じる高次中枢活動の低下は筋機械受容器反射および筋代謝受容器反射を促通し,この筋機械受容器反射の修飾には脳内5-HT1A受容体が関わる。
著者
吉江 路子 繁桝 算男
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.335-346, 2007-07-07

本研究は、 ピアノサークルに所属する大学生、大学院生77名を対象に、対人不安傾向と完全主義認知が演奏状態不安に与える影響を検討した。演奏状態不安の指標としてState-Trait Anxiety Inventory (Spielberger, Gorsuch, & Lushene, 1970) を用い、本番の演奏前後の状態不安を測定した。さらに、演奏状態不安の要因の指標として、演奏前に完全主義認知、演奏後に聴衆不安と相互作用不安、自己思考的完全主義を測定した。その結果、対人不安傾向のうち“聴衆不安”、完全主義認知のうち“ミスへのとらわれ”のみが演奏前状態不安と正の相関をもった。また、これら2変数には交互作用が見られ、“ミスへのとらわれ”高群においてのみ、聴衆不安傾向が演奏前状態不安を有意に予測していた。これらの結果より、演奏者のパフォーマンスを高めるための実践的示唆が得られた。
著者
田中 和夫 小原 重信
出版者
一般社団法人国際P2M学会
雑誌
国際プロジェクト・プログラムマネジメント学会誌
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.111-120, 2006-12-10

90年中期以降10年にわたる建設需要の冷え込みによる経営環境の変化により、建設業界の建物所有者や事業者には、建築ビジネス全体を見直して新しい価値を機会創造に結びつけ推進する意識変化が芽生えてきた。このビジネス観は、建築物の価値評価において、短期の建設サイクルから全体ライフサイクルの視点で価値向上を図り、経営活動を強化する建設業のパラダイムシフトと解釈できる。本論は「建築価値の再認識」の視点から、リニューアルビジネス領域に焦点を絞り考察する。その基本的関心は、全体ライフサイクル視点のなかで多様な価値観を持つオーナーニーズをまず明らかにすることであり、それに呼応するコントラクターによる建築物のリニューアル、すなわち「サービスモデル」の開発能力に関する方法論である。
著者
高田 一 新谷 真功 松浦 慶総
出版者
横浜国立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

人間(人体)は,実生活で種々の動的環境下にさらされている.この場合は作業性,たとえば,重機の運転・操作など,また振動・騒音を中心とした労働環境条件が問題となっている.これらは,作業者にとっては,(1)振動機械・工具などからの直接的外乱および,(2)視覚による外乱,つまり注視している対象物が揺れ動くことにより無意識の起こる人体の揺れ,あるいは,(3)聴覚による外乱,すなわち,まわりの音の強さが揺れることにより無意識に起こる人体の揺れ,などによる作業特性の低下などがあげられる.そこで,本研究では,視野が揺れることによる人体の振動(視覚的加振)および音源が揺れることによる人体の振動(聴覚的加振)を考え,人体の応答について,人体が直接,床振動により加速度入力され揺れる場合との比較を行う.また、人体の耐震機構を解明するため、人体モデルを樹脂とセンサ、アクチュエータで作製し、実験を行った。さらに、人体の姿勢制御を考慮して、人体の応答特性を持ったシミュレーションモデルを剛体リンクソフトにより作成した。この結果、人体の特性をよく表すモデルの作成に成功し、今後、種々の体勢での人体モデル作成の可能性が高まった。
著者
岡本 健
巻号頁・発行日
2009-09-13

This paper shows impact of informatization on tourist behavior in Japan. This research adopts analysis of "Anime Pilgrimage" in order to accomplish the above mentioned objective. Recently, in Japan, some of anime fans make "Anime Pilgrimage" which is a kind of tourist behavior. It would appear that this behavior was affected by informatization strongly. As a result, it was found that "Anime Pilgrim" was affected by informatization not only before "Anime Pilgrimage" but also throughout "Anime Pilgrimage".
著者
西澤 信一郎 中川 裕志
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.56, pp.89-95, 1996-05-28
参考文献数
7
被引用文献数
2

本稿では,日本語の会話中において,発話間の因果関係がどのような形式で記述されているのか,をコーパスを用いて検討した結果について述べる.このような談話構造は,発話者の「思考の流れ」を示しているものと考えられ,発話者は,地図課題対話など目的の定まった会話の場合はもちろんのこと,雑談など特定の目的に左右されない自由会話の場合でも,この構造をある程度認識し,協調的な会話を進めているものと考えられる.そこで,本稿では,地図課題など目的の定まった会話からなるコーパスではなく,飲み会の席上での会話データを対象とした自由課題コーパスを用いた検討を行なった.また,この検討結果を利用し,因果関係を記述するような談話構造をコーパス中から取り出すために必要な手順について提案した.We discuss here how a discourse structure representing a causality relation among two or more sentences is described in Japanese task-free dialogue. The structure, we think, shows "the stream of consideration" of a speaker. We argue that the speaker recognizes the structure and have a conversation cooperatively even in the case of task-free dialogue. Then, we discuss the causality relation with a corpus of Japanese task-free dialogue and show how to find out discourse structures for the relation from the corpus systematically.
著者
佐藤 成 貝羽 義浩 橋爪 英二
出版者
東北大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2001

血管吻合における自動吻合器開発を目指し、ステント型形状記憶合金と微小突起ステンレス板を用いた血管端々吻合法を考案し、動物実験にてその開存性、有用性を検討した。高さ70μm、直径30μmの微小円錐(300μm間隔)を有する厚さ60μmステンレス板を作成し梯子状の形態にした。Z字ステント型の形状記憶合金を人工血管に縫い付けておき、冷却し軟化させた後にシースに装填、吻合部に挿入後プッシヤーにて誘導し、加温復元させた。外周よりステンレス板を密着させて、微小突起で摩擦力を生じ長軸方向に十分な固定力を得られるようにした。ブタ大動脈(5頭)へ、中枢側吻合は当吻合法で、末梢側は手縫いで人工血管を移植した。吻合時間、4週例の開存性を検討した。遮断解除直後の吻合部からの出血は中枢側ではほとんど観察されず、末梢側の針穴からのものが多く、軽く圧迫することにより止血が得られた。平均吻合時間は、我々の考案した吻合法188.8±50.8秒、手縫い法848±77.8秒で、全例4週開存が得られ、吻合部に仮性動脈瘤などの異常所見は認めなかった。内腔は平滑で形状記憶合金はneointimaにて覆われ、ステンレス板は周囲組織に強固に密着していた。抗張力試験では、吻合直後で350g、350g、650g、吻合後4週例では2300g、2950gで、耐圧試験では、吻合直後、吻合後4週とも500mmHgの加圧で吻合部に異常をきたしたものはなかった。我々が考案した血管端端吻合法は、3分程度と短時間で施行でき、かつ、開存性、安全性も問題なく十分に有用と考えられた。
著者
山梨 正明
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.68, no.5, pp.583-591, 1997-08-20
被引用文献数
1

この論文は国立情報学研究所の電子図書館事業により電子化されました。研究会報告
著者
橋爪 真弘
出版者
長崎大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2009

【目的】長崎において黄砂が死亡率に及ぼす影響を明らかにするため、以下のデータを収集した。【方法】1)黄砂データ:「気象庁」長崎海洋気象台において1990年-2006年に観測された黄砂日。「ライダー」長崎市において2003年-2006年にライダーで観測された高度120-900mの黄砂消散係数の日中央値をもとに黄砂日を定義した。2)気象データ:同気象台で観測された同時期の気象データ。3)大気汚染物質濃度:長崎市内の大気汚染観測局(一般局)におけるSPM、光化学オキシダント(Ox)、二酸化窒素(NO2)の日平均濃度。4)死亡データ:被爆者コホート(長崎市居住)から死亡日・性・年齢・死亡原因・既往疾患・喫煙などの情報を抽出した。統計解析:一般化線形ポワソン回帰モデルを用いて時系列解析を行った。黄砂日を指標変数、大気汚染物質(SPM,Ox,NO2)を連続変数、気象(気温、湿度)のnatural cubic spline、年・月・曜日・休日を指標変数としてモデルに投入した。【結果】総死亡は黄砂により4.1%(95%信頼区間:-8.4,18.4)増加(当日)、循環器系疾患死亡は13.8%(同:-9.4,42.9)増加(当日)、呼吸器系疾患死亡は1.6%(同:-25.9,39.1)増加(当日)を認めた。いずれも統計学的有意差はなかった。年齢、慢性疾患、喫煙習慣によるサブグループ解析ではいずれも統計学的有意差のあるリスク上昇は認めなかった。ライダーによる黄砂日を用いた解析では、総死亡は黄砂により12.9%(同:-24.6,69.1)増加(ラグ2日)、循環器系疾患死亡は-3.2%(同:-55.4,110.0)増加(ラグ2日)、呼吸器系疾患死亡は40.6%(同:-39.9,228.9,増加(当日)を認めた。【結論】黄砂日では循環器疾患死亡および呼吸器疾患死亡の増加を認めたが、統計学的有意差はなかった。ライダーまたは気象庁の黄砂定義により推計値が異なり、いずれにおいても死亡との関連のエビデンスは得られなかった。