著者
戸谷 鉱一
出版者
愛知学院大学
雑誌
愛知學院大学語研紀要 (ISSN:03885402)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.111-135, 2006-01
著者
澤田 真紀
出版者
東京女子大学
雑誌
日本文學 (ISSN:03863336)
巻号頁・発行日
vol.99, pp.67-82, 2003-03-15
著者
西原 数馬 吉井 勘人 長崎 勤
出版者
一般社団法人日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.28-38, 2006-04-20

広汎性発達障害児A児の発達評価より,「心の理解」における発達課題が「信念」理解における他者の「見ることが知ることを導く」という原理(Pratt&Bryant,1990)の理解であると評価されたため,これを指導目標とした。指導方法としては,親しい他者との相互交渉を利用した指導である「宝さがしゲーム」共同行為ルーティンを用いた。指導の結果,最初は指導場面内で変化が見られた。まず「宝さがしゲーム」内の直接援助を行った要素(例えば「隠した場所を教えない」行動など)が徐々に,自発によって遂行可能になった。「違う場所を教える」行動など直接援助を行わなかった要素についても徐々に遂行可能になっていった。指導場面以外でも,一切援助を行わなかった硬貨隠しゲームにおいて「見ることが知ることを導く」という原理を意識する様子がみられた。また,行動観察において他者の叙述的な心的状態に関する発話数が増加した。さらに,日常生活場面においても他者の「見ることが知ることを導く」という原理の理解の指標となるエピソードが報告・観察された。以上より,ゲーム共同行為ルーティンによって,「見ることが知ることを導く」という原理の理解が促進された可能性が考えられるが,指導後も,誤信念課題を通過できなかった。これはA児における物語理解の困難性と関連があると考察された。
著者
広沢 俊宗
出版者
関西国際大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:13455311)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.121-138, 2007-03-31

新入生がその大学に適応していく過程において,対人関係面と学習面の2つの側面が重要である。ここでは,学習面に焦点を当て,大学新入生の適応過程について考察する。とりわけ,本研究では,大学に入学して半年後(前期の成績を受け取った10月時点で),自分が学習面で適応していると思っている学生とそうでないと思っている学生とでどのようなちがいがあるかを明らかにすることを目的とするものである。結果,入学して半年後,学習面で適応している学生はそうでない学生に比べ,成績が良く,学部・学科に適応しており,大学生活における授業へのウエイトのかけ方も高いことが示された。また,大学での学習面のみならず対人関係面においても自信をもっており,この傾向は高校時代から受け継がれていることが明らかにされた。さらに,高校までの学習技術や学習特性が,入学して半年後の学習適応に多大な影響を及ぼしていることが示された。ただし,学習技術や学習特性におけるある特定の因子については,入学後の半年間で向上していることも明らかにされた。よって,学習技術や学習特性は入学時のフィルターとして効力を発揮するとともに,初年次教育における重要な要因であることが裏づけられた。ただし,さまざまな変数が学習適応にどのように関与しているかは,さらに詳細に検討する必要があり,今後の課題としたい。
著者
濱西 知子 若松 尚美 貝沼 圭二 高橋 節子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.326-332, 2000-08-20
被引用文献数
1

サゴ澱粉の高濃度澱粉ゲルの老化特性を知る目的でサゴおよびとうもろこし、馬鈴薯、タビオカ、加工小麦澱粉を用いてゲルの凍結解凍安定性について比較した。ゲルの調製法は攪拌加熱法について静置加熱と比較し、加工小麦澱粉を添加した結果についても実験を行った。高濃度ゲル食品としてわらび餅を調製し、官能評価を行ない食味評価と物性との関係について検討した。1)調製直後の各種高濃度ゲルの硬さの差は僅少であった。2)高濃度ゲルの調製法としての攪拌加熱法は、静置加熱法に比べて、凍結・解凍を繰返した際の硬さ、離水量の増加が緩慢であり、老化が抑制された。また、加工小麦澱粉ゲルの老化は認められなかった。3)天然澱粉に加工小麦澱粉を20%添加することにより、凍結・解凍サイクルにおける硬さ、離水量の増加が抑えられ、特にサゴ澱粉において老化抑制効果が顕著であった。4)評価法による官能評価から硬さ、弾力性、べたつき、総合評価の項目でサゴ澱粉は嗜好性が高く、次いで馬鈴薯澱粉が好まれた。5)嗜好性の高かったサゴおよび馬鈴薯澱粉を用いて官能評価を行なった結果、サゴ澱粉は攪拌加熱法が馬鈴薯澱粉の場合は静置加熱法がより好まれ、澱粉の種類により攪拌が食味特性に及ぼす影響の異なることが明らかとなった。本研究を行なうにあたり平成7年度財団法人飯島記念食品科学振興財団より研究助成をいただきました。ここに深く感謝の意を表します。
著者
醍醐 昌英
出版者
慶應義塾大学
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.249-264, 2000-08-25

欧米において展開するエッセンシャルファシリティ(EF)理論は,新たな交通施設整備が困難である現在の日本において,モード選択肢を増加させうる手法として注目される。EF概念は(1)必要不可欠な施設の支配,(2)複製の不可能性,(3)使用拒否及び制限の存在,(4)正当な接続拒否理由がないことという4要件で定義される。同概念は価値欲求財の概念に類似するが,主要な供給主体が公的事業者であることを前提としない点でより中立的な規定である。EF概念に関する理論上の課題は複製可能性および接続拒否の妥当性の検証であり,また運用上の課題として費用の把握およびEFの範囲を確定する際の困難性が挙げられる。しかし,現在の経済情勢の下では,需給の変動は限定されるために複製可能性の検証に関して厳密性を要しないなどから概念自体は有用であり,交通市場に同概念を適用する際の重要な問題はEF概念に沿った接続料金設定のあり方となる。そして機会費用概念を伴う賦課原則に基づく接続料金設定がラムゼイ価格形成の発展形となり,競争誘引に寄与する点で有効である。
著者
和田 博美 村田 和香
出版者
北海道高齢者問題研究協会
雑誌
高齢者問題研究 (ISSN:09111859)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.79-85, 2001-03

50,60,70,80歳代の入院中の高齢者群と20歳代の若年者群を対象に,時間作成法を用いて時間判断の調査を行った。対象者は3,6,30,60秒の時間間隔を,ブザーを鳴らすことによって作成するよう求められた。若年者群は3,6,30,60秒の時間間隔を正確に作成することが出来た。しかし高齢者群は30秒と60秒の作成時間が減少した。50,70,80歳代の作成時間は,20歳代の作成時間より有意に短かった。3秒と6秒に対する高齢者群の作成時間は増大したが,年代間に有意差はなかった。時間判断の加速率(客観的時間に対する主観的時間の比率)は,加齢が進むほど,求めた作成時間が長いほど増加した。しかも70歳代と80歳代の加速率は,これまでの報告よりもはるかに高かった。入院という体験によって身体,心理,社会面での主観的幸福感が低下し,時間判断に影響を与えていた可能性が示唆された。結論として高齢者群の主観的な時間経過は若年者群よりも速まり,主観的時間の加速化が起こっていることが明らかになった。主観的時間の加速化が生じた結果,高齢者は周囲の時間や出来事がゆっくり経過するように感じるのかもしれない。改訂長谷川式簡易知能評価スケールの得点は,高齢者群で有意に低かったが,いずれも正常範囲であった。Four elderly-hospitalized groups in their 50s, 60s, 70s, and 80s, and a younger group, in their 20s, were examined on duration judgments using the production method. They were required to produce durations of 3, 6, 30, and 60 seconds by sounding a buzzer. The younger group judged accurate durations of 3, 6, 30, and 60 seconds. However, the elderly groups judged shorter durations in 30 seconds and 60 seconds, and significant decreases were found between the younger group and the 50s-, 70s-, and 80s-groups, respectively. The produced durations in 3 seconds and 6 seconds were longer for the elderly groups but they were not significant between ages. The duration judgment ratios (ratios of subjective durations to objective durations; DJR) became greater as a function of aging and the durations that were required to be produced. Moreover, the DJRs for the 70s-and 80s-groups were much higher than those of previous reports. It was suggested that hospitalization decreased subjective well-being physically, psychologically, and socially, and it affected duration judgments. Thus, subjective time passages for the elderly groups were faster than those for the younger one and the acceleration of subjective time clearly occurred for the elderly groups. As a result of the acceleration of subjective time, elderly persons might feel that objective time or events elapse slowly. The revised version of Hasegawa's Dementia Scale (HDS-R) scores were significantly lower for the elderly groups but they were all within normal levels.
著者
古賀 崇
巻号頁・発行日
2009-12-19

第129回記録管理学会例会発表(2009年12月19日、大阪・富士ゼロックス)
著者
大原 健 能島 裕介 石渕 久生
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 : 日本知能情報ファジィ学会誌 : journal of Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.18, no.6, pp.867-873, 2006-12-15
参考文献数
8
被引用文献数
3 3

本研究では, 道路状況が動的に変化するために, 道路利用者が経路選択を行う時に個々の経路の走行時間に関する情報が利用可能でないような交通流モデルを考える. このような交通流モデルに対して, 全走行車両の平均走行時間を最小にするために, 2種類の経路選択手法の性能を比較する. 一つは, 大域的に平均走行時間の最小化を行う手法である. この手法では, 全走行車両の経路選択を中央管理者が決定する. 走行車両台数が多い場合では, 走行車両に対する経路選択の組合せ総数が大きくなり, 最適解を求めることが困難になる. そこで本論文では, 遺伝的アルゴリズムを用いることで効率的に近似最適解を求めることにする. もう一つの手法は, 個々の車両ごとに局所的に走行時間の最小化を行う手法である. この手法では, 各車両は, 予測走行時間の短い経路を選択する. 本論文では, ニューラルネットワークを用いて走行時間の予測を行う. 数値実験により, 2種類の経路選択手法を比較し, 各々の手法の特徴を明らかにする.
著者
渡辺 智子 桜井 芳子 阿波 理江 川野 朝子 高居 百合子 Tomoko Watanabe Yoshiko Sakurai Masae Awa Tomoko Kawano Yuriko Takai 千葉県立衛生短期大学栄養学 食品学 八日市場保健課 袖ヶ浦外科胃腸科 ビーコンソフトウェアK. K 千葉県立衛生短期大学栄養学 食品学 Chiba College of Health Science Chiba College of Health Science
雑誌
千葉県立衛生短期大学紀要 = Bulletin of Chiba College of Health Science (ISSN:02885034)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.15-17, 1985

我国は四面を海に囲まれ,国民1人1日当り93.4gという水産物(鯨を除く)の摂取量が示すように海産魚介類が動物性蛋白資源として重要な位置を占めている。その中で鮭は,摂取量(国民1人1日2.9g)こそ少ないが,おにぎりの材料,弁当のおかず等として日本人に昔から親しまれている魚の一種である。市販されている鮭を大きく分けると,生鮭,甘塩鮭,辛塩鮭の3種である。四訂日本食品成分表では,甘塩鮭は新巻鮭と標示し内臓等を除去した鮭の魚体重に対し20%前後の食塩量で塩蔵したものと定義している。また,辛塩鮭は塩鮭と標示し内臓等を除去した鮭の魚体重に対し40%前後の食塩量で塩蔵したものと定義している。実際に市販されている3種の鮭にはどの位の塩分が含まれ,各販売店により差が見られるのであろうか。そこで,実際に市販されている3種の鮭の食塩含量を知り,更に水分量,大きさ,価格等の相違を知ることを目的に,今回の実験調査を行なった。