著者
鈴木 晋介 井上 智夫 村上 謙介 江面 正幸 上之原 広司
出版者
一般社団法人日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.200-207, 2016 (Released:2017-03-25)
参考文献数
32
被引用文献数
2 1

脊髄損傷の急性期の管理の要点は, ADL自立に向けて早期離床させ, 早期にリハビリテーションを開始することにある. 責任圧迫病変や高度不安定病変に対しての急性期早期観血的治療を行い早期に離床させることはその意味で理にかなっているものと思われる. 脊椎インストゥルメンテーションの使用により術後臥床期間の短縮が可能である. 本邦では近年, 高齢者脊髄外傷症例の著明な増加傾向を認める. 何らかの対策が必要である. 頚椎外傷では椎骨動脈損傷に留意し, その評価が重要である. 移植治療は今後有望な治療方法であるが, まだ決定的なところまでは行っていない. 今後待たれるところが大きい. 脊髄外傷の病態を理解しイニシアチブのとれる脳神経外科医が増えることを切望する.
著者
濱島 義隆 山下 賢二
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.70, no.5, pp.258-261, 2022-05-20 (Released:2023-05-01)
参考文献数
7

鏡に映った自身の鏡像は,どう回転させても実像とは重ね合わせることができないという性質をキラリティというが,分子の世界にもキラリティは存在する。すなわち,実像の分子構造とは鏡像関係にある分子構造をもった,いわゆる鏡像異性体と呼ばれる分子が存在する。本稿では,キラリティをもつ分子が“くすり”として用いられた際に,そのキラリティの違いが人体にもたらす影響について具体例を交えながら概説する。

1 0 0 0 OA HPVワクチン

著者
三澤 清 峯田 周幸
出版者
日本頭頸部癌学会
雑誌
頭頸部癌 (ISSN:13495747)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.456-460, 2010-12-25 (Released:2010-12-28)
参考文献数
18
被引用文献数
1

高リスクヒトパピローマウイルス(HPV)16型,18型は,子宮頸癌やその他の悪性腫瘍の原因であることが分かり,最近の遺伝子工学の発達でHPV関連子宮頸癌を予防するワクチンが開発された。頭頸部領域において口腔内HPV感染は,oral sexによっておこりHPV関連中咽頭癌の明らかなリスクファクターになっていることが明らかになった。HPVワクチンの普及で子宮頸癌の減少だけでなく,中咽頭癌も減少するのと期待されている。本稿ではHPVとHPVワクチン接種の状況,男性への接種について最近の知見を述べる。
著者
山中 正実 岡田 秀明
出版者
日本生態学会
雑誌
日本生態学会大会講演要旨集 第51回日本生態学会大会 釧路大会
巻号頁・発行日
pp.755, 2004 (Released:2004-07-30)

クマ類は中型以上の哺乳類で唯一冬眠を行うことが知られており、しかも、妊娠したメスは冬眠中に出産と育児も行う特異な生態を持っている。冬眠はクマ類の生活史の中で極めて重要な位置を占めるが、北海道に生息するエゾヒグマでは冬眠穴の立地する環境やその構造について十分な研究は行われていない。本研究では、1989年から2004年の間、知床半島において46例のヒグマの冬眠穴の位置を特定し、内21例について計測を行った。ヒグマの冬眠穴は、樹木の根張りを利用してその下に掘り込むタイプ(ST型)と樹木に依存することなく地面に掘る土穴(S型)に分けられる。また、自然の穴を利用するものは岩穴と樹洞に分けることができる。本研究では冬眠穴のタイプを確認できた25例中20例(80%)がS型であった。また、構造は入り口が一つで、その奧に寝床がある単純な構造であった。入り口から寝床まで直線的は位置されたものが13例(62%)で最多であった。奥行きは平均2.14m、最大幅は平均1.32mであった。知床半島では、冬眠穴は海岸段丘斜面など低標高の海岸部から高山帯のハイマツ帯まで幅広い環境に存在しており、46例中半数の23例は高木層を欠く高山・亜高山植生の地域や海岸段丘斜面にも立地していた。これらはダケカンバを中心とする高木層を持つ上部広葉樹林帯の森林内に冬眠穴が集中的に分布するとした大河(1980)による支笏湖周辺での立地条件と大きく異なっていた。また、知床半島では支笏湖周辺では確認されなかった人間の活動域に近接した場所の冬眠穴や平坦地に掘られた冬眠穴も見られた。また、海外の研究例では、一定の地域に冬眠穴が集中的に分布する事例が報告されており、その要因として個体毎の地域選択性や特定の年の個体群の分布特性があげられている。知床半島でも3ヶ所以上の冬眠穴を確認できた個体について、一定の場所を選択的に使う傾向が見られた。
著者
児玉 聡
出版者
日本看護倫理学会
雑誌
日本看護倫理学会誌 (ISSN:24347361)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.101-102, 2023-03-20 (Released:2023-04-14)
参考文献数
6
著者
林 諭史 川田 将也
出版者
一般社団法人 日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.37, no.7, pp.666-669, 2023-11-15 (Released:2023-11-15)
参考文献数
3

肺動脈本幹中枢側から分岐する枝の処理は,ロボット支援下左上葉切除術で最も注意を要する手技である.第8肋間を中心とした一般的なポート配置では,肺動脈枝の剥離時に背側から挿入されたretraction armが他instrumentと干渉するため,助手の視野展開を要する場面が存在する.da Vinci XiⓇで導入されたポートホッピングを用い,retractionとscopeを移動させることで,術者が左上葉を自由に展開しつつ,安全な手術を行うことができた.ポートホッピングは容易であり,左上葉切除術において有用と考える.
著者
小林 萌 熊谷 陽介 平山 安見子 尾田 博美 長 博之 黄 政龍
出版者
一般社団法人 日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.37, no.7, pp.635-639, 2023-11-15 (Released:2023-11-15)
参考文献数
15

縦隔に発生する血管腫は比較的稀であり,全縦隔腫瘍の0.5%以下とされ,術前診断は困難である.症例は61歳女性.健診で心電図異常を指摘され当院循環器内科を受診した.冠動脈CTで前縦隔に腫瘤影を指摘され,当科を受診した.CTで造影効果があるため胸腺腫を疑い,診断および治療目的に手術を行った.左胸腔よりアプローチし,暗赤色で弾性軟の腫瘤を認め,胸腺左葉の一部と共に摘出した.病理組織検査で海綿状血管腫と診断した.縦隔腫瘍の診断においては,血管腫の存在も念頭に置く必要がある.
著者
新野 宏
出版者
Meteorological Society of Japan
雑誌
気象集誌. 第2輯 (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
vol.60, no.5, pp.1001-1023, 1982 (Released:2007-10-19)
参考文献数
39
被引用文献数
12 11

密度一様の回転流体中の非発散の水平シア流の安定性を弱非線形理論によって調べた。考えたシア流はyを流れる横切る方向の座標とするとき,U(y)=tank y と U(y)=sech2y の2通りである。コリオリ係数の緯度変化の効果(ベータ効果)及び底面でのエクスマン摩擦の効果を考慮してある。不安定波の振幅の時間及び空間変調を記述する一般化されたランダウ方程式の係数を様々なβ(≅dy/dy)の値に対して求めた。この論文で考えた範囲のβの値に対しては,どちらのシア流の不安定も超臨界型であることがわかった。従って,臨界値より大きなレイノルズ数に対しては,有限振幅の不安定波が変形された基本流との間に平衡状態を形成することが予測される。有限振幅の定常波の side-band 波に対する安定性も調べた。超臨界のレイノルズ数に対して,波数κ0の有限振幅波は,もしκ0がS(κ1-κc)<κ0-κc<S(κ2-κc)をみたすならば安定である。ここで,kcは臨界波数,k1とk2(k<k2)はそのレイノルズ数に対する2つの中立波の波数であり,Sは定数である。U(y)=tanh y に対しては,β=0のときSは1/√3に等しい。Sはβの絶対値が増すと共に減少する。従って,有限振幅波が安定な波数領域はβの絶対値が大きくなるにつれて減少する。U(y)=sech2 yに対しては,βの絶対値が小さいときには(無次元のβでβ=-1.9~0.5)Sの値は0に等しく,有限振幅波は不安定である。βがこの範囲外のときには,Sはβの絶対値が増すと共に大きくなるが,1/√3より大きくなることはない。
著者
沖 智成 山下 貴司 望月 孝裕
出版者
一般社団法人 日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.37, no.7, pp.640-645, 2023-11-15 (Released:2023-11-15)
参考文献数
14

症例は44歳の男性で健診の胸部X線写真で異常を指摘され当科に紹介となった.胸部CT,MRIで大動脈遠位弓部背側に胸管に接する囊胞を認め,胸管囊胞の疑いで手術を施行した.頭側の胸管は左鎖骨下動脈,食道,椎体の間で確保して結紮切離した.尾側の胸管は肋間動静脈を切離して下行大動脈を腹側へ授動することにより視野が得られ,下行大動脈,食道,椎体の間で確保して結紮切離した.大動脈,食道,椎体に囲まれた組織を一塊に切除することにより,胸管を含む胸管囊胞を摘出した.術中および術後に乳びの流出は認めなかった.胸管囊胞を疑って手術をする場合,胸管を適切に処理する必要があるが,左胸腔から胸管にアプローチする機会は少なく,手技は定型化されていない.今回,下行大動脈の授動と縦隔臓器を剥離面とした縦隔組織の一括摘除により,縦隔左側に生じた胸管囊胞を囊胞および胸管を損傷することなく安全に切除可能であったため報告する.
著者
古澤 仁美
出版者
一般社団法人 日本治山治水協会
雑誌
水利科学 (ISSN:00394858)
巻号頁・発行日
vol.58, no.6, pp.78-96, 2015-02-01 (Released:2017-06-02)
参考文献数
65
被引用文献数
1
著者
市橋 伯一
出版者
公益社団法人 東京地学協会
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.129, no.6, pp.871-880, 2020-12-25 (Released:2021-01-18)
参考文献数
34
被引用文献数
2

All living organisms found so far consist of cells with a micro-water droplet surrounded by a lipid bilayer. Such a compartment structure is necessary for living organisms to repress the amplification of parasitic entities. This role of cellular structures is especially important for the primitive lifeforms that first appeared on ancient Earth. This complex lipid-based cell boundary is considered to have been acquired later in the long evolutionary history of life. Instead, ancient life-forms utilized cell-like structures that could be supplied from the ancient Earth environment. What kinds of structure could be utilized by ancient life-forms? Reviewed here are previous hypotheses regarding ancient cell-like structures, such as compartment structures formed inside a hydrothermal vent or on a rock surface, water droplets in the air that spread from geysers, and vesicles composed of simple amphiphilic molecules. Also introduced are a recent experimental verification of droplets in the air repressing parasite amplification using Spiegelman's RNA replication system. Our understanding of the origins of cellular structures is still limited because of a lack of appropriate experimental examinations based on a deeper understanding of the ancient Earth environment, which can be achieved only by collaborations between geologists and biochemists.
著者
岩澤 佳太 桝谷 奎太 吉田 栄介
出版者
日本管理会計学会
雑誌
管理会計学 : ⽇本管理会計学会誌 : 経営管理のための総合雑誌 (ISSN:09187863)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.37-53, 2022-03-30 (Released:2022-03-30)
参考文献数
36

本研究の目的は,近年の日本の製造業におけるコストマネジメントの変容について,コンティンジェンシー要因との関係およびコストマネジメント活動と効果の関係に着目して解明することである.とりわけ原価企画に注目した上で,2009年,2014年,2019年と郵送質問票調査を実施した.多母集団同時分析の結果,原価企画活動,効果・逆機能の平均値および原価企画活動と効果の関係性は,概ね一貫していたのに対し,原価企画活動と逆機能の関係性および組織コンテクストと原価企画活動の関係性については,調査時点間で統計的に有意な差を確認した.このことは,日本企業の原価企画について,従来の活動の一貫した有用性を示す一方で,経営環境やビジネスモデルの変化に対応する新たな仕組みの必要性を示唆していた.
著者
野中 裕斗 武田 亜矢 横枕 直哉 狩集 弘太 上田 和弘 佐藤 雅美
出版者
一般社団法人 日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.37, no.7, pp.661-665, 2023-11-15 (Released:2023-11-15)
参考文献数
12

術中に#3aリンパ節腫大を認め,摘出したところ混合型大細胞神経内分泌癌のスキップ転移であったにも関わらず,長期生存を得た症例を経験したので報告する.症例は45歳, 男性.右S1の原発性肺癌に対し,胸腔鏡下右上葉切除術ならびに肺門縦隔リンパ節郭清を施行した.術中,上大静脈前方に炭粉沈着を伴う腫大した#3aリンパ節を認め,追加で摘出した.病理診断は混合型大細胞神経内分泌癌で,#3aリンパ節のみに転移を認め,pT2a(pl1)N2M0,pStageIIIAと判定した.術後補助化学療法を施行し,術後5年7ヵ月の現在,無再発生存中である.一般的なリンパ節郭清範囲外へスキップ転移する症例もあり,胸腔内の観察と適切な切除が重要である.
著者
竹村 一男
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2019年度日本地理学会春季学術大会
巻号頁・発行日
pp.311, 2019 (Released:2019-03-30)

内村鑑三には、『地理学考』をはじめとする地理や自然(天然)環境に関する著述が多く,内村のキリスト教信仰,思想のバックボーンのおおくを地理思考がなしていると考えられる。その地理思考は,神の創造した宇宙万物の摂理探求が地理学の目的であり,宇宙万物は人間の教育という目的のために神が創造したものでもあるという,神学的,宗教的地理学によるものである。その内村地理学の特徴として,1.キリスト教的目的論を前提としている。2.アーノルド・ギュヨー(Arnord Guyot),カール・リッター(Carl Ritter)など宗教的思考をとる地理学者の影響が認められる。3.内村の地理書『地理学考(地人論)』はギュヨーの影響のもとに宗教的地理学の記述と独自の文化論を展開している。4.「内村の無教会」=「内村が帰する地理的宇宙」の構造が推定される。5.後年,内村の自然観が聖書的自然観寄りに大きく推移している。 年譜にそって内村の地理思考をみていく。札幌農学校入学(1877年)以前から内村には地理学への志があり,受洗以降,開拓使御用掛時の文書は自然を享受するクリスチャンの立場からの地理的記述が多い。アメリカ留学時代(1884~88年)には大学の所在地アマーストの近郊で多くの野外調査を重ねたことを記している。当時の日本では入手困難であったギュヨーやリッターの宗教的地理学の文献を熟読してその影響を受けるとともに,自らの宗教観との一致や信仰確認を行ったことも推測できる。特にギュヨー The earth and manによる「inorganic nature is made for organized nature, and the whole globe for man, as both are made for God, the origin and end of all things.」の記述は内村の宗教的地理学思考に大きな影響を与えたと思われる。また,この時期に内村の回心体験がなされたとされるが,報告者は内村の体験時の筆記メモとされる「I for Japan, Japan for the world, The Word for Christ, And All for God.」に,ギュヨーの記述との関係性を推定しており,リッター及び西欧の宗教的地理学に遡るものでもあると考える。この一文は内村生涯の指針とされ,後に内村は和文で「余は日本の為め 日本は世界の為め 世界は基督の為め 基督は神の為め也」と多くの色紙に残し,やがて内村の墓標となった。留学時に改めて自身の帰する日本に思い至った内村であるが,帰国後は不敬事件(1891年)などの不遇の時期を迎えることで,内村の日本観も揺らぐ。しかし,それらの経験は内村に,自らが帰すべきは現実的存在である日本国やアメリカ合衆国ではなく,これらを超越した「神の国」であり,「世界の市民,宇宙の人」であるべきことを示した。それが,「神の国」「帰すべき地理的宇宙」から「無教会」へと展開する。 1895年に『地理学考』を刊行する。同書は内村の生涯の愛読書となった『The earth and man』の影響が大きいが,その文明論を発展させた,独自の宗教的地理書といえる。「両文明は太平洋中に於て相会し,二者の配合に因りて胚胎せし新文明は我より出て再び東西両洋に普からんとす」と,日本に東西文明の仲介者,新文明の発信者という使命と希望を与えている。なお,両書には環境決定論に傾いた記述や,特に『The earth and man』には人種差別的な記述も観られる。後年(~1930年)は聖書解釈による,神の創造物中における人間の優位性など,自然愛好家としての内村に好感を示す読者を失望させる記述も観られるが,これは内村の地理学が宗教的地理学である以上,免れえない帰結といえるかもしれない。生涯を通じて内村の思想のバックボーンには地理思考があったといえる。
著者
水田 恭平
出版者
日本シェリング協会
雑誌
シェリング年報 (ISSN:09194622)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.4, 2010 (Released:2022-12-15)

Walter Benjamin beschäftigte sich in seiner frühen Phase mit der theologischen Sprachphilosophie. Dies floß in seine Barock-Arbeit ein und war als ein sehr wichtiges Element bis weit zu seiner späten Phase von Bedeutung. Diese theologische Arbeit hat er in den dreißiger Jahren in sein Denken im Zusammenhang mit dem Begriff „Aura einbezogen und rekonstituiert. Die Identität zwischen den Dingen und den Menschen im Namen entspricht nämlich der identischen Relation zwischen dem Ansehenden und Angeschenen. Diese Relation wird für die Entstehung des Begriffs der Aura als unentwehrlich betrachtet. Aus der Auflösung dieses theologischen Rahmens tritt dann die Erscheinung..Verfall der Aura in den Vordergrund. Benjamin versteht diesen Prozess als Voraussetzung nicht nur für die Veränderung in der Kunst, sondern auch für die damalige sozialpolitische Veränderung.