著者
吉田 直
出版者
一般社団法人 日本エネルギー学会
雑誌
燃料協会誌 (ISSN:03693775)
巻号頁・発行日
vol.37, no.7, pp.398-405, 1958-07-20 (Released:2010-06-28)

ロケット推進薬の現状と将来の見通しについて綜説した。ロケット燃料は大別して固体燃料と液体燃料にこわけられ, 固体燃料には均一質と不均一質があり, 後者のコンポジット推進薬の発展が期待される。液体のものには一液形と二液形とがあり, 二液形が現在大形ロケットに使われてぃる。筆者は上の各種燃料の特性, 燃焼方法を説明した。高比推力を得るための新しい燃料の開発についても言及した。
著者
守田 真里子
出版者
学校法人 尚絅学園 尚絅大学研究紀要編集部会
雑誌
尚絅大学研究紀要 B.自然科学編 (ISSN:21875243)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.161-177, 2018 (Released:2018-07-11)
参考文献数
33

熊本県の各地には,様々な環境の中で先人たちが知恵と工夫を試行錯誤しながら作り上げた素晴らしい料理がある。しかし,これらの郷土料理は現在私たちの生活の中から失われつつあるのが現状である。郷土料理の特徴や由来,作り方を学び,これらの郷土料理を次世代に継承していくことが必要である。郷土料理は,年中行事と密接に関係しながら発達してきた物だが,その発生の型には①優秀な特産物の存在,②大量・豊作などの有効活用,③人の移動や交流,④行事で生まれたものの4つがある。今回は,このことを踏まえ阿蘇,上益城,天草,南関,八代地区等の郷土料理やその食材についての調査を報告する。
著者
曽我部 正弘
出版者
徳島医学会
雑誌
四国医学雑誌 (ISSN:00373699)
巻号頁・発行日
vol.79, no.1.2, pp.53-66, 2023 (Released:2023-07-03)
参考文献数
34

胃食道逆流症(Gastroesophageal Reflux Disease:以下,GERD と略)は胃食道逆流により引き起こされる食道粘膜傷害と煩わしい症状のいずれかまたは両者を引き起こす疾患と定義されている1)。GERDは内視鏡的に食道粘膜傷害を認める「びらん性GERD」と内視鏡的に粘膜傷害を認めず症状のみを認める「非びらん性GERD」に分類される。前者は一般的に逆流性食道炎(Reflux Esophagitis)として,後者はNERD(Non-Erosive Reflux Disease)として広く知られている。 逆流性食道炎を含むGERDの罹患者数は日本や欧米などの先進国では1970~1990年代頃にかけて急激に増加し,経済成長の著しい発展途上国においても近年増加傾向にある2-4)。本邦における逆流性食道炎を含むGERD罹患者数は約1,000~1,500万人で,成人の5人に1人がGERD罹患者と考えられている。逆流性食道炎は粘膜傷害の程度によりロサンゼルス分類(以下,LA分類と略)を用いてgrade Aからgrade Dに分類される5)(重症度:D > C > B > A)(図1)。食道粘膜傷害の主な原因は胃酸の胃食道逆流による食道内への過剰な胃酸曝露であり,その要因は食道裂孔ヘルニアの存在や肥満による腹腔内圧の上昇に伴う下部食道括約筋圧の低下や胃内の空気を排出する際の一過性の下部食道括約筋弛緩であり,食事や喫煙などの生活習慣などが,これらの要因に影響を及ぼしていると考えられている6-14)。また最近では,食道腺癌発症機序の一つに,逆流性食道炎→バレット食道→食道腺癌の経路が明らかとなり,欧米では最近30年間においてHelicobacter pylori(以下,H. pyloriと略)感染率の低下とともにバレット食道からの食道腺癌発生率が数倍になっていることが報告されている15)(図2)。本邦においても肥満者の増加に加え,生活習慣の欧米化やH. pylori非感染者の増加に伴い逆流性食道炎罹患者が増えていることから,今後GERD症状に悩まされる罹患者が増えるだけではなく,バレット食道からの食道腺癌患者の増加に繋がる可能性が懸念されており,食道腺癌発症の観点からも逆流性食道炎の予防は極めて重要な課題である。そこで本稿では,著者らがこれまで行ってきた逆流性食道炎に関する幾つかの研究について紹介させていただく。
著者
釡口 力 小坂田 文隆
出版者
日本神経回路学会
雑誌
日本神経回路学会誌 (ISSN:1340766X)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.56-65, 2023-06-05 (Released:2023-07-05)
参考文献数
43
被引用文献数
1

脳には膨大な数のニューロンが存在し,それらがシナプスを介して複雑に絡み合うことで神経回路システムを構築している.この神経回路で行われる情報処理が様々な脳機能の基盤となっていることから,神経回路の構造・機能をそれを構成する多様な神経細胞種と関連づけて理解することが脳の仕組みの理解へ繋がると考えられる.我々は神経回路を解析する手法として,経シナプス感染能を有する狂犬病ウイルスベクターを用いた神経回路標識法を開発してきた.近年では,分子生物学,光学,行動心理学,情報学などと組み合わせることにより,分子・細胞・回路・領域・行動を階層的に結びつけるマルチスケールな解析が可能になってきた.本稿では,G欠損狂犬病ウイルスベクターを用いた経シナプストレーシング法とその応用的な解析に焦点を当て,脳神経回路研究の展望について紹介する.
著者
Yasuhiko Miyoshi
出版者
The Iron and Steel Institute of Japan
雑誌
ISIJ International (ISSN:09151559)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.1-10, 1991-01-15 (Released:2007-05-31)
参考文献数
37
被引用文献数
15 19

The history of precoated steel usage as car body materials in Japan is reviewed first. Japanese steelmakers developed galvannealed steel, duplex Zn–Fe coated steel, Zn–Ni coated steel and organic composite coated steel. All of them have been widely used. Recently, electrolytically Fe–Zn plated galvannealed steel and 1μm thick organic painted Zn–Ni electroplated steel have been applied. They have not only excellent corrosion resistance, but also good paintability, formability and weldability. Car body corrosion is classified into cosmetic corrosion and perforation. Newly clarified mechanisms for these two are explained. As for current research subjects, the development of inorganic and organic dispersion coating, Zn–Mn plating, galvannealed steel by vapor deposition, and vapor phase deposited Zn–Mg coating are described. Surface roughness control, application to vibration damping sheet, adhesive bonding, and the adaptation to lightweight cars are also important subjects to be studied now.

1 0 0 0 勝山町史

著者
勝山町史編集委員会編
出版者
勝山町
巻号頁・発行日
1974
著者
二宮 芳樹 坂 義秀 前野 俊希 根木 大輔 宮島 千代美 森 健策 北坂 孝幸 末永 康仁
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.435-441, 2008-03-01 (Released:2010-05-01)
参考文献数
21
被引用文献数
1 1

Voice activity detection is an important part of the development of speech functions for on-board car navigation and assistance systems. It is difficult to detect voice activity using only sound information in a vehicle environment that has a wide variety of sounds and noises. We propose an suitable image feature and integration method that can be used to develop a robust bimodal voice activity detection (VAD) systems using a driver's voice and facial images. We select the normal correlation value between sequential mouth images and the number of low-intensity pixels in mouth image, which we then used as the feature for VAD. We propose a system in which the discrimination function consist of the sum of weighted singles feature discrimination functions and combinations of logical addition and multiplication of singles feature discrimination functions. The experimental results show that the proposed sound and image features can be useful and that the proposed integration method has a 97% hit rate, which is 9 points better than the previous integration method at the point that false alarm rate is about 12%.
著者
牧田 登之 Henry WIJAYANTO
出版者
日本野生動物医学会
雑誌
日本野生動物医学会誌 (ISSN:13426133)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.31-35, 1998 (Released:2018-05-05)
参考文献数
23
被引用文献数
1 1

ジャワのジョクジャカルタのスローロリスは, 手の第2指が短小化し, 足の第2指のみがかぎ爪になって, 把握には第2指が余り機能していないようであった。
著者
志和 亜華 米田 真康 大野 晴也 小武家 和博 上村 健一郎 首藤 毅 橋本 泰司 中島 亨 中川 直哉 村上 義昭
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.149-155, 2016-03-30 (Released:2016-03-30)
参考文献数
29
被引用文献数
3

膵疾患加療目的に施行された膵頭十二指腸切除術(PD)18例および尾側膵切除術(DP)18例に対し,インスリン分泌能,膵体積量と耐糖能異常の頻度を比較検討した.インスリン分泌能評価はグルカゴン負荷試験を用い,膵体積量は造影CTを施行し計測した.術前の膵体積量,インスリン分泌能および糖尿病有病率に有意差を認めなかった.両群ともに術後インスリン分泌能は残膵体積量と有意な正の相関を認めたが,残膵体積量当たりのインスリン分泌能はDP群がPD群に比べ有意に低下していた.術後糖尿病有病率は術後3ヶ月時点でPD群33.3 %,DP群72.2 %とDP群で有意に高率であり,新規発症は術後12ヶ月時点でPD群14.3 %,DP群63.6 %とDP群で有意に高率であった.DPはPDよりも残膵体積量当たりのインスリン分泌能が低く,耐糖能が悪化する可能性が高いため,慎重な経過観察が必要である.
著者
本間 基寛 牛山 素行
出版者
日本自然災害学会
雑誌
自然災害科学 (ISSN:02866021)
巻号頁・発行日
vol.40, no.S08, pp.157-174, 2021 (Released:2022-03-30)
参考文献数
33
被引用文献数
1

台風等の豪雨災害において,予想される雨量の規模から災害対応の必要性を呼び掛けるにあたり,降雨規模と想定される人的被害規模の関係性を明らかにしておくことは重要である。本研究では,平成30年7 月豪雨,令和元年台風19号,令和2 年7 月豪雨における犠牲者の位置データと1 km メッシュでの降雨観測データを分析することにより,降雨に関する各種指標から「推計犠牲者発生数」を算出する可能性について検討を行った。3 , 6 ,12,24,48,72時間の降雨継続時間雨量や土壌雨量指数といった7 つの降雨指標について,犠牲者発生数との関係性を分析した結果,降雨指標そのものではなく過去の観測最大値との比である「既往最大比」が犠牲者発生との関係性が高いことがわかった。豪雨事例によって災害犠牲者発生との対応がよい降雨指標が異なることから, 7 指標の既往最大比最大値を算出することで,豪雨災害における犠牲者の発生数を大局的に推計できる可能性があることを示した。一方で,球磨川での氾濫のような極めて局所的な豪雨による大規模洪水での犠牲者に関しては,犠牲者発生地点の降雨指標だけではなく,上流域も考慮した雨量指標による評価関数へと改良する必要がある。