著者
越野 裕子 大野 耕一
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2021-04-01

猫伝染性腹膜炎 (FIP) は、猫コロナウイルス (FCoV) の感染によって引き起こされる、猫において最も重要な致死性感染性疾患の一つである。しかしFCoVに感染した猫の多くはFIPを発症せず、無症候あるいは軽度消化器症状を呈するキャリアーとなる。キャリアー猫から分離されたFCoVであるFECVと、致死性のFIPを発症した猫から分離されるFCoVであるFIPVの決定的な違いは未だに明らかではない。本申請では両者の違いについて検証を行うため、まずは自然感染症例からのウイルス分離を試み、そのウイルス性状をin vitroで明らかにするとともに、宿主の臨床情報との関連を検討するものとする。
著者
米山 暁夫
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.59, no.10, pp.1412-1417, 2005 (Released:2011-03-14)
参考文献数
8

近年, 普及が著しいネットワーク上の映像通信技術に関して解説する.本稿では, 「IPネットワークによる映像配信」と題し, 特にVODやインタネット放送といったIPネットワーク上片方向の動画配信技術を中心に, 配信における問題点と, それに対応する技術動向として, 符号化フォーマット, 通信プロトコル, エラー耐性技術, DRM技術などについて解説する.
著者
知野 泰明 大熊 孝
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木史研究 (ISSN:09167293)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.97-110, 1992-06-05 (Released:2010-06-15)
参考文献数
10

Modernization of civil engineering techniques began during the industrial revolution. At the beginning of this modernization in Great Britain, one of the famous men had achieved great works. His name is Thomas Telford. He had constructed many bridges, roads, canals and harbours. Likewise, he was elected the first President of the Institution of Civil Engineers in Great Britain.Although his name is familiar to Japanese Civil Engineers, his works, however, are not. So, this study researches on his works, and considers how he introduced new civil engineering techniques. Likewise, this study researches on the paper titles that garnered Telford Medals and Premium. These prizes, proposed by Telford, are the highest award offered to outstanding papers in the Institution of Civil Engineers until today. Using this paper title list, this study is also aimed at tracing the development of modern civil engineering techniques in Great Britain.

1 0 0 0 OA CTGの研究

著者
大泉 和文 Kazufumi OIZUMI
出版者
Chukyo University(中京大学)
巻号頁・発行日
2013-03-19

Doctoral Degree, Media Arts and Sciences
著者
小川 眞里子
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.13, no.4, pp.10-15, 2008-04-01 (Released:2012-10-30)
参考文献数
11
被引用文献数
2
著者
中村 晋吾
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.61, no.9, pp.45-54, 2012-09-10 (Released:2017-11-22)

宮澤賢治の「ビヂテリアン大祭」における、カーライルの『サーター・リサータス』から引用される「衣装」観は、他者に対して自分をどのように提示するかという規範意識だけではなく、後半の「菜食主義」の是非をめぐる論争においても、連続性にたいする分節や、「正しいこと」をなそうとする意識の問題として底流している。この作品の「衣装」観は、「菜食信者」の思想態度そのものと密接にからみあっている。
著者
黒木 学 宮川 雅巳
出版者
一般社団法人 日本品質管理学会
雑誌
品質 (ISSN:03868230)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.79-89, 1999-04-15 (Released:2018-10-20)

工程解析において品質特性とともに環境要因, 材料特性, 処理条件, 中間特性といった要因系変数が連続変数として観測される場合を扱う.特性と要因の関係に加えて要因間の関係を記述するのに, 因果ダイアグラムと線形構造方程式モデルを用いる.特性をねらいの範囲に調整・制御するために, ある処理条件に対して外的操作を加える状況を考える.この設定において統計的因果分析の最近の成果である介入効果の推測理論を, 工程解析の場面に適用する基本的フレームワークを与え, 回帰モデルで介入効果を識別するための変数選択基準を明らかにする.また, 線形構造方程式モデルにおいて, 平均に加えて分散に対する介入効果を明示する.具体的な適用例に通してこれらの有効性を考察する.
著者
鴻上 喜芳
出版者
日本保険学会
雑誌
保険学雑誌 (ISSN:03872939)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.616, pp.616_91-616_110, 2012-03-31 (Released:2013-08-02)
参考文献数
12

本稿では,賠償責任保険の分野に比較的新しく登場した損害賠償請求ベース約款のテールカバーと遡及カバーに焦点をあて,他社切替えの場合や損害事故ベース約款からの移行・損害事故ベース約款への移行の場合における保険接続上の問題を検証し,その上で望ましい対応方法を考察する。接続上の問題が生じないようにするためには,個別アンダーライティングにより引受けを行う主に大企業物件においては,後続会社のきめ細かい対応が必要であるし,損害賠償請求ベース約款と損害事故ベース約款が混在しかつ定型的な引受けが多い種目では,事前にロングテールを提供するよう制度改定がなされることが望ましい。その際,各社個別の対応ではなく,約款・規定を標準化しての対応が望まれる。
著者
岡野 公禎 河内 由紀 上原 ひかり 田近 萌
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.76, no.6, pp.e177-e182, 2023 (Released:2023-06-27)
参考文献数
32

卵巣子宮摘出術の術前にモルヒネを皮下投与した供試犬60頭を,マロピタントを経口投与した2群(MP2群:n=15,2mg/kg;MP8群:n=15,8mg/kg),皮下投与群(MS1群:n=15,1mg/kg)及び生理食塩水を皮下投与した対照群(Control群:n=15,0.1ml/kg)の4群に分類した.悪心や嘔吐を麻酔導入前と抜管後で,PONV(postoperative nausea and vomiting)スコアを抜管後で評価した.導入前の嘔吐はMP2群,MP8群,MS1群で,悪心はMP8群で有意に減少した(P<0.05).抜管後は,MP8群が有意な悪心抑制とPONVスコアの改善を示した(P<0.05).マロピタントの経口投与はモルヒネによる嘔吐に対し皮下投与と同様な制吐作用を有し,8mg/kgの経口投与では悪心及びPONVに対し十分な抑制効果を示した.
著者
真部 真里子 高山 悠 竹内 実子 小川 有紀 笹原 由雅 青木 仁史
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 70回大会
巻号頁・発行日
pp.157, 2018 (Released:2018-07-28)

目的 和食以外にも広く減塩食のおいしさを向上させることを目指し、チキン・ブイヨン(CB)の減塩効果について検討した結果、CBに塩味増強効果を認めたが、その効果が、どの食材中の成分に由来するかは未だ明らかではない。そこで、本研究室では、CBの基本食材から鶏・鶏がらとスパイス以外の特定の食材を除いたブイヨン(ニンジン抜き、セロリ抜き、ユリ科の食材抜き)を調整し、その塩味増強効果を検討した。その結果、いずれのブイヨンにも塩味増強効果が認められたが、ユリ科の食材に塩味増強効果が、セロリに塩味緩和効果があることが示唆された。そこで、本研究では、鶏・鶏がらに1種類の野菜(セロリ、タマネギ、リーキまたはニンニク)を加えたブイヨンを4種類調製し、鶏・鶏がらのみのブイヨンとCBを加えた6種類のブイヨンについて、その塩味増強効果を検討した。方法 各ブイヨンのうま味強度を0.15%、塩分濃度を0.62%~1.00%の5段階に調製した試料を、0.80%NaCl溶液とそれぞれ組にして60℃で提供し、被験者に、各組より塩味が強いものを回答してもらった。結果 プロビット解析の結果、鶏・鶏がらのみのブイヨンに塩味増強効果があることが示され、セロリに塩味緩和効果があることが確認された。また、鶏・鶏がらにニンニクを加えたブイヨンに対する評価は、被験者によるばらつきが大きく、ニンニクの効果については、今後の検討課題である。
著者
藤井 富美子
出版者
大阪市立大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1986

トリグリセリドを主成分とする皮脂よごれの洗浄に脂質分解酵素リパーゼを応用すると, リパーゼはトリグリセリドをより極性の高いジグリセリド, モノグリセリド, および, 遊離脂肪酸に加水分解し, 界面活性剤による除去を容易にすることが明らかにされている. しかし, 一方において, リパーゼに界面活性剤が共存すると, リパーゼ活性は著しく阻害されることも知られている. そこで, 本研究ではリパーゼを実用洗浄系に応用するために, リパーゼ・界面活性剤複合系での油性よごれの洗浄に及ぼすリパーゼの洗浄効果を検討した. 得られた研究成果の概要はつぎのとおりである.各種のリパーゼ・界面活性剤複合系について, 電気伝導度, 表面張力, 可溶化, ならびに, 吸着等温線などの溶液物性を測定した結果, リパーゼは界面活性剤と結合して複合体クラスターを形成し, そのクラスターはリパーゼの加水分解作用の関与しないスクアランのような炭化水素よごれを可溶化することによって洗浄に寄与することが明らかになった. 一方, リパーゼの加水分解作用をうけるトリオレインのようなトリグリセリドよごれではリパーゼ・界面活性剤複合系において, リパーゼ活性が存在する界面活性剤の低濃度領域では, トリグリセリドはリパーゼの加水分解作用により除去される. しかし, リパーゼ活性がほとんど失なわれる界面活性剤の高濃度領域では, トリグリセリドはリパーゼ, 界面活性剤複合体クラスターベの可溶化によって除去される. ここで, トリグリセリドの洗浄ではリパーゼの加水分解作用は可溶化よりもより効果的である. したがって, リパーゼ, 界面活性剤複合系によるトリグリセリドの洗浄では, リパーゼの活性阻害作用の小さい界面活性剤を選択することが重要であり, AOS, AES系のほうが, SDS, LAS系にくらべて適しているという結論を得た.