著者
胡 学斌 小畑 秀文
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.596, pp.37-44, 2002-01-18

コンボリューション変換を受けた音声の混合信号を独立成分分析で分離する方法のほとんどは、分離フィルタのパラメーターを周波数領域で算出する。しかし、信号の周波数成分の間でほとんどの周波数において部分的な相関性を持つことが多い。その相関性がある程度大きくなると、すべてのBSSのパフォーマンスが低下することが予想でき、その悪影響を無視することができない。本論文では、池田および村田[1]によって提案されたTDD方法をベースとした再帰的な新手法を提案する。本手法を用いた実験結果から、部分的な相関性を持つ信号であっても、原信号の復元が高精度でできることが示された。SN比も改善度は周波数ごとに異なるものの、全体的には向上することが確認された。
著者
田中 元志 高木 相
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学
巻号頁・発行日
vol.93, no.495, pp.49-55, 1994-03-08

ノイズパラメータが制御できる場合ノイズ発生器(CNG)を用い、テレビ画像に及ぼす電磁ノイズ(非ガウス性ノイズ)の影響について主観評価実験を行った。その結果、ノイズの微細構造の影響は小さく、電力による影響が大きいことが明かとなった。静止画上と動画上での評価を比較すると、電力が小さいところで若干の違いが見られるが、全体的にはほぼ同様な結果が得らた。また、HDTV画像に対して、その周辺から発っせられる電磁ノイズの影響について実験を行ったが、ノイズの混入は殆ど見られなかった。
著者
松葉口 玲子 天野 晴子 斎藤 悦子
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.207-212, 2004-03-15

2002年に開催されたヨハネスブルグ・サミットで再確認されたように,先進国における「持続可能な消費」の必要性が高まっている.そのなかで本報の目的は,すでにその重要性が指摘されつつある生活時間やジェンダー視点との関連を,「世帯」に着目して分析することである.使用したデータは,2000年に実施した生活時同調査であり,協力者の特徴等についてはすでに報告済みである.主たる結果は次の通りであった.(1)全体的には,1995年調査と同様,妻の方が夫よりも「持続可能な消費」を実践しており,しかもそこには妻の就業形態別の違いすなわち世帯内でのジェンダーのあり方が反映されていた.(2)ライフスタイルの変更の必要性に対する認識と実際の行動との乖離傾向は,特に「妻無職の夫」にみられ,「持続可能な消費活動」自体が性別役割分業化される危険性が明らかになった.(3)同時に,「妻の影響」の大きさが明らかとなり,世帯内における「持続可能な消費」のジェンダー差とともに,その解消の可能性も垣間見られた.(4)「社会的活動/消費者活動」は増加傾向にあった.(5)自家用車の使用法については,先行研究と同様,今後の環境政策に生かされるべきジェンダー差が明らかとなった.
著者
磯村 源蔵 肥田 岳彦 清水 信夫
出版者
日本組織細胞化学会
雑誌
日本組織細胞化学会総会プログラムおよび抄録集
巻号頁・発行日
no.18, 1977-10-20

ラット脊髄のアミン線維の走行および停止を調べるために、2%グリオキシール酸で還流固定した脊髄を凍結乾燥後、ホルマリンガスをかけ(前田、木村法)、15μの交互三連続切片となし、それぞれを蛍光法、渡銀法、およびニッスル法で観察した。アミン線維は脊髄の前角、後角中に分布する他に、白質中を頭尾方向に散在して走行するが、側角には集束した走行を示す。すなわちこの分節的に集束した線維は側角細胞の周囲をかこみ、密な網目構造を形成する。この網目構造を形成する線維の一部は前後にわかれた小線維束となり内側に向い中心管外側の前後で再び各々が小線維束網を形成する。後方のものは反対側へ向い、反対側の側角をとりまく網目構造に混入する。このような左右を連絡する小線維束は、脊髄神経の根系の派出部に対応して存在するようであり、また、側角周囲の分節状網目構造は頚膨大下端から腰膨大上端に限局していて、全体的には梯状を呈していると考えてもよい。これらのアミン線維の起始部、走行および停止の仕方を調べるため、脊髄、延髄および橋の種々の高さをハラスのナイフを用いて切断した。
著者
具 本瑛 中條 武志
出版者
一般社団法人日本品質管理学会
雑誌
品質 (ISSN:03868230)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.105-118, 2001-10-15

本研究では, 複数の製品に対する消費者の品質要求を狩野らによって提案された魅力的品質・当たり前品質の視点から調査・分析し, 製品の種類の違い, 消費者属性の違いによって, 魅力的品質・当たり前品質となる品質項目がどのように変化するのかをモデル化することを試みた.結果として, 全体的には品質項目の内容・区分によって魅力的品質項目・当たり前品質項目・一元的品質項目・無関心品質項目のいずれになるかが決まること, 同じ品質項目でも, 製品の種類によって魅力的・当たり前に感じる人, 無関心な人の割合が変化すること, 消費者の属性によって魅力的・当たり前に感じる人の割合が若干変化することなどがわかった.
著者
園田 菜摘
出版者
一般社団法人日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.177-188, 1999-12-31

3歳児が示す他者の欲求, 感情, 信念理解の個人差について, その特徴と母子相互作用との関連を検討した。51組の母子の相互作用を家庭で観察し, ごっこ遊び場面と本読み場面における内的状態への言及頻度をカウントした。その後, 子どもに欲求, 感情, 信念理解を調べる課題を行った。その結果, 3歳児の他者理解の特徴として, 全体的には感情理解の成績が高く, 信念理解の成績が低いが, どの課題においてもそれぞれ大きな個人差が存在していることが示された。このような他者理解の個人差と関連する柏互作用要因について, 欲求理解では母親の本読み場面での思考状態への言及とごっこ遊び場面での応答的な内的状態への言及との問で, 信念理解については母親の両場面での思考状態への言及, ごっこ遊び場面での応答的な言及, 本読み場面での繰り返し的な言及との問で, それぞれ関連があることが示された。さらに, 子どもの月齢や性別, きょうだい数といった柏互作用以外の要因と他者理解との問にはほとんど関連が見られなかった。このことから, 3歳児の他者理解を促す要因として, 家庭での相互作用, 特に場面に応じた内的状態への言及の重要性が示唆された。
著者
古賀 秀昭 牧野 正三 城戸 健一
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.46, no.10, pp.795-801, 1990-10-01
被引用文献数
8

聴覚に関する生理学的及び心理学的知見から、ローカルピークが母音認識の手掛かりとして重要であると考えて、著者らは単語中の母音の認識をローカルピークを用いて行っている。しかし、これまで認識実験と聴取実験との比較検討は行われていない。今回、単語中の母音について聴取実験を行うと共に、同じ音声資料を用いてローカルピークと通常行われているLPCケプストラム係数による認識実験も行い、それらを比較検討した。認識実験は聴取実験で10人中の8人以上が正答したもので標準パタンを作成したもので行った。特徴量と識別規則を含めた検討の結果、部分的には差が見られないものもあるが、全体的にはローカルピークによる認識結果の方が聴取実験結果に近いという結果になった。
著者
伊藤 元之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.23, pp.11-16, 2003-03-06
被引用文献数
2

現在我々は、社内情報システムに関する社内からの問い合わせに答える際に、社内ヘルプデスクオペレータが使用するための、過去の応対事例記録検索システムを作成している。これまで、全文検索システムをベースにシステムを開発してきたが、全文検索では、問い合わせの意味内容を捉えた検索が十分に実現できないという問題点がある。従来型の検索システムでも、(1)語に重要度を導入し、適合度評価の際に重み付けをする、(2)句や節といった構文構造単位の合致度に着目し、そのレベルでの合致性を適合度評価に加味する、といった補完的措置が試みられているが、根本の検索原理が、統計処理であるために、その種の、意味を考慮した補完措置との整合性のコントロールが難しく、安定に精度を上げていくことが難しい。本研究では、ドメインモデルの導入により、意味情報をより安定に利用できる検索システムを実現する方法について検討する。In the field of document search, many full-text search systems have developed by applying various statistical analysis methods. But to establish a truly flexible search system, we must introduce some semantic-based analysis methods to the system. We have now constructed the document search system which prepare for a domain model on which the system interprets input queries.
著者
児玉 充晴 梅崎 太造 佐藤 幸男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.87, no.2, pp.278-286, 2004-02-01
被引用文献数
1

オープン系ネットワークの進展や労働人口の流動化など,企業をとりまく環境の変化とともに,近年「社内からの情報漏えい対策」の重要性がクローズアップされている.この中で,一般の企業において,既存の業務システムヘのコストパフォーマンスの良いセキュリティ機能の強化は大きな課題となっている.本論文では実際に発生した情報漏えい事件をモデルとして,司直の見解に基づきセキュリティ機能に必要な要件を整理している.また,実際に導入した指紋認証を用いたセキュリティシステムに対する検証を行った結果,実用的なセキュリティ対策が可能であることが判明したので報告する.更に,セキュリティシステムの一部をデータセンタに設置して,複数の企業で共同利用する形態への発展について提案する.
著者
土井 美和子 福井 美佳 山口 浩司 竹林 洋一 岩井 勇
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.76, no.9, pp.2042-2052, 1993-09-25
被引用文献数
9

文書の構造化作業の負担を軽減することを目的に,文書構造の抽出技術を開発した.技術文書では全国大会の予稿集12,000件,ビジネス文書では例文集,社内事務文書約500件を調査し,構造抽出規則を導き出した.開発した文書構造抽出技術は,技術文書であれば,章,節などの階層構造と,図表への参照構造を抽出する.ビジネス文書であれば,手紙文,記事文などの階層構造を抽出する.技術文書とビジネス文書の区別も文字列の解析により行う.誤り率は,規則化に用いたのと別の予稿集や社内文書で評価した結果,技術文書で10.0%,ビジネス文書で23.0%であった.また,参照構造の抽出誤り率は8%であった.文章中に埋め込まれた式や図表などを扱えるように改良を行った後のフィールドテスとでは,技術文書で5.4%,ビジネス文書で15.4%であった.また手作業よりかなり短い時間で構造化を行えることも事例により確認した.開発した文書構造抽出技術はレイアウト属性と結合することにより自動レイアウトシステムとして商品化した.本抽出技術はレイアウト以外にも,既存文書のハイパテキスト化などに今後非常に有効である.
著者
杉本 明子 柏崎 秀子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.93, pp.13-18, 2002-05-20

本研究では、日本語学習者が電子メールを利用して行ったコミュニケーションにおいて、どのような発話の機能や構造が見られるのかを質的に分析し、発話機能と発話ぺアの構造の関係、議論における立場表明の表現方法、議論の構成要素の観点から、日本語学習者の議論が対人配慮の点でどのような特徴を持っているのかについて考察した。その結果、相手の意見に賛成する場合には、メールの最初で明示的な表現で賛成の意見表明をするのに対して、反対する場合には、まず根拠を記述してから暗示的な表現で反対意見を述べる傾向があるということが見出された。日本語学習者の議論形式は、対人関係の配慮から、自分の意見の明確な表明や相手への明示的な批判は回避するという日本人特有の議論形式に類似しているということが示唆された。
著者
杉本 明子 柏崎 秀子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.92, pp.13-18, 2002-05-20

本研究では、日本語学習者が電子メールを利用して行ったコミュニケーションにおいて、どのような発話の機能や構造が見られるのかを質的に分析し、発話機能と発話ぺアの構造の闘系、議論における立場表明の表現方法、議論の構成要素の観点から、日本語学習者の議論が対人配慮の点でどのような特徴を持っているのかについて考察した。その結果、相手の意見に賛成する場合には、メールの最初で明示的な表現で賛成の意見表明をするのに対して、反対する場合には、まず根拠を記述してから暗示的な表現で反対意見を述べる傾向があるということが見出された。日本語学習者の議論形式は、対人関係の配慮から、自分の意見の明確な表明や相手への明示的な批判は回避するという日本人特有の議論形式に類似しているということが示唆された。
著者
大山 松次郎
出版者
社団法人溶接学会
雑誌
熔接協會誌 (ISSN:18837190)
巻号頁・発行日
vol.8, no.8, pp.397-399, 1938-08-25

本委員会は昭和10年、11年に亘り審議決定しました頭書規程案を本会々誌第6巻第3號(昭和11年5月號)に發表し又其別刷を廣く關係各方面に配布し、多数の意見を得爾來之を整理致しました所、多数は原案に賛成なるも少数の改訂又は追加意見がありましたので再び委員会を開き、其後の熔接技術界の實情も考慮し愼重審議の結果、多少の改訂を加へ、今回の如き「交流電弧熔接器規程」の決定を見ましたので此處に再び發表致します。
著者
山崎 裕康 桑田 一弘 宮本 弘子
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.27, no.6, pp.317-321, 1978-06-05
被引用文献数
6 9

大量の大気を吸引できるポリウレタンフォームプラグ(PUFP)法を,ガラスファイバーフィルター(GF)を通過する環境大気中の多環芳香族炭化水素(PAH)の捕集に応用した.ハイボリュームエアーサンプラーにGF(20.3×25.4cm)と2個のPUFP(直径10cm × 5cm)を取り付けた.大気を(0.75〜0.8)m^3/min.24時間吸引し,GFとPUFP上に抽集されたPAHを水素炎イオン化検出器(FID)付きガスクロマトグラフで定量した.本方法の回収率はフェナントレンでフ9.2%,フェナントレン以外のPAHで90%以上であった.4環より少ない環を持つPAHはGFでは完全には捕集できず,これらのPAHを捕集するにはGFの後ろにPUFPを取り付ける必要がある.
著者
西田 知博 都倉 信樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.96, no.431, pp.1-8, 1996-12-14
被引用文献数
7

学生と教官の間の講義外でのコミュニケーションを行うために,電子メールとWWWというインターネット上の基本ツールを用いた講義補助システムを運用した結果について報告する.今回の運用では,特に各講義前に学生に対して毎回,動機付けのための電子メールを送ることと,他の学生のレポートを読むことによって各自のレポート作成の刺激にしてもらうことを目的として,提出されたレポートをWWW上で公開するという試みを行った.学生のアンケート結果などからシステムの評価を行い,期待通りの効果が得られていることが確認できたが,同時にシステムを改善すべき点もいくつか表面化してきた.そこで,これらの対応策についても紹介する.