著者
高橋 国士
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 : 日本教育情報学会学会誌 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.13, no.4, pp.19-26, 1998-03-30

現代のように多様なメディアがなかった時代, 音楽情報の流通は, 演奏や伝承によるほか, 楽譜というメディアに記され, 出版されることによってのみ行われた.そのため本研究では, 古典派を代表する音楽家の一人モーツアルトのを取り上げ, その音楽伝播に果たしたメディアとしての楽譜の役割を明確にすることを目的として, 文献研究を行った.音楽伝播における楽譜の役割は, 生存中と没後に分けて考察した結果, 次の知見が得られた.その生存中の音楽伝播(2次元的伝播)は, 18世紀末から音楽が宮廷, 貴族社会から, 市民社会へ浸透したことが大きな要因であったといえる.これによって新たな音楽市場が発生し, 音楽を介しての経済活動が, 作曲者から出版社などの手に移り, 販売された楽譜は出版地だけでなく, 遠隔地にまでおよぶことによって, 音楽情報の流通の範囲が拡大されるようになった.さらに, 没後の研究成果と, これを基にした系統的な作品全集の出版は, 時間経過を伴わせて音楽情報の流通(3次元的伝播)をいっそう加速させている.
著者
永沢 勝雄 大野 正夫 野間 豊 大場 陸司
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学園芸学部学術報告 (ISSN:00693227)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.1-8, 1968-12-31

1.1966,1967両年度において,早生温州ミカンの結果母枝の発育程度とNAA散布による落果助長効果との関係,側枝の着果にあたえる影響を調査し,なお,NAA散布が収穫果実の形質におよぼす影響について調査した.2.NAA散布濃度は300,150ppmの2種類とし,花弁脱落期(満開5日後)ならびに幼果期(満開40日後)に散布した.一般に濃度の高い方が落果を助長した.3.NAA散布による落果助長効果は1966年では,幼果期散布区,1967年では,花弁脱落期散布区に顕著で,年によって様相を異にした.4.NAA散布が果実の形質にあたえる影響については,1966,1967の両年とも,いづれのNAA散布区においても一果平均重が大きく,大果歩合が高くなった.その原因としては,落果助長にもとずく,一果当り葉面積の増大によるほか,NAAそのものに残存果実の肥大を助長する作用があるのではないかと考えられた.
著者
永田 実
出版者
京都府立大学
雑誌
京都府立大学学術報告. 理学・生活科学 (ISSN:0075739X)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.65-69, 1976-11-30

熱可塑性弾性体のポリエーテルーポリアミドブロック共重合体の合成について検討を加えた。ポリエーテルとしてポリエチレングリコール(分子量1000)あるいはポリブチレングリコール(分子量1089または1968)を用い, これにセバシン酸クロリドあるいはアジピン酸クロリドを混合して, ヘキサメチレンジアミンと重縮合させ, 種々の組成比のブロック共重合体を合成した。その結果, 低温溶液重縮合法によるよりも界面重縮合法によるほうが溶液粘度の高い共重合体を合成しうることが判明した。ポリエーテルにポリエチレングリコールを用いた場合には生成物はペースト状となった。共重合体の赤外吸収スペクトル法による組成分析の結果, 仕込み組成と共重合体組成とはあまり相違せず, 酸クロリドの反応性が分子長に依存しないことが示唆された。融点測定の結果, 共重合体の融点はポリエーテル鎖が短かい場合にはFloryの融点降下曲線の値よりも高く, 長い場合には低くなった。この原因はブロック共重合体の生成と希釈剤効果によると解された。
著者
松元 初美 千代谷典広 佐藤 大希 森谷 智史 皆月 昭則
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.64, pp.29-34, 2008-07-05
被引用文献数
1

マンモス等を狩猟していた時代から,協力作業には人どうしのコミュニケーションが必要とされ,協力作業の際,グループは戦略導出から目標達成過程においてメンバー間で情報を共有し,質の高い知識に昇華するための独自の意思決定モデルを持っていると仮定できる.協力作業の成果は所属するメンバー構成の影響を受け,メンバー選出や決定方法の違いによって,戦略導出や目標達成のメンバー間の達成感や満足度に差異があると考えられる.これらの差異を検証するため本研究では,スポーツやビジネス・ゲームにおいて抽選によるメンバー決定と簡易な合意形成によるグループ決定による違いをタスク遂行過程の達成感や満足度を指標として比較検討を行い,グループ内の知識創造プロセスについて考察した.Human's communication is needed for cooperative work. When we work, Information sharing among our members is important. It is assumed to have an original decision model for sublimating to high quality knowledge in cooperative work. It is considered that the result of cooperative work influenced by member composition; besides the result of cooperative work is considered that the difference between members at a sense of achievement or satisfaction by the group determination method. The purpose here is to explore into comparison of the difference between NBTC and BTC (by simple agreement formation), and examination of the knowledge creation process in a group and cooperative work.
著者
岡田 健一 菅原 弘雄 益 一哉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SR, ソフトウェア無線 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.217, pp.97-103, 2005-07-21

本研究では, Si CMOS技術によるマルチスタンダード無線回路の実現に向けて, リコンフィギュラブルRF回路技術を提案する.提案する回路アーキテクチャは, RF回路部とディジタルの制御回路から構成されており, トランジスタや可変受動素子のバイアス電圧を制御することにより, また, 回路をブロックごと切り替えることにより, 回路機能を動的に再構成する.再構成機能を用いることで, マルチバンド化のみならず, 歩留まりの向上や低消費電力化が可能であり, 静的な回路では実現不可能な高品質な回路の実現が可能である.
著者
渋沢 久 渋江 孝夫
出版者
日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.30-38, 1969-09

PURPOSE: The purpose of this study is to investigate some characteristics of intelligence of cerebral palsied children. MATERIALS: The data of Tanaka-Binet Intelligence Scale(1954)were used. Tests have been administrated to 144 cerebral palsied children and 135 other kinds of physically handicapped children(non-CP)for last 5 years at Kirigaoka School for Crippled Children and Youth. No modifications were made in each items such as allowing for length of time or number. The age range of the subjects was from 6-13 years and the I.Q. range was from 70-129. METHOD: These data were divided into four big groups according to age, each of which has three groups according to I. Q. Here are examples of grouping in case of C.A.6-7., group I C.A.6-7 I.Q.70-89., group II C. A.6-7 1. Q.90-109., group III C. A.6-7 1. Q.110-129., and the like. The group of C.A.12-13 I.Q.110-129 was not made because the number of cases was very few. In each group, there were two sub-groups, CP group and NON-CP group. Then, The percentages of success were calculated for each items of the scale on each sub-groups. RESULTS: The following are the items on which statistically significant difference (P<0.05) was seen in their percentages of success between CP group and NON-CP group. the items on which CP group showed lower percentages of success stringing beads, copying a bead chain, copying a diamond, counting blocks, memory for disigns, reading and report, word naming, sentence building, words with same intial letter, problem of fact, minkus completion. the items on which CP group showed higher percentages of success difference, memory for sentence, picture absurdities, response to picture, similality, comprehension. CONCLUSION: From the above result, we can say that cerebral palsied children are inferior to noncerebral palsied children in such psychological abilities as discrimination of visual stimulus, perception of spacial relationships, visuo-motor coordination, memory for designs, attention span, fluency of word naming and/or vocabulary and they are superior in following abilities, adjustment, thinking, and rote memory for sentence.
著者
佐藤 亨 林 智定 永井 良史 藤岡 健吾 野田 良輔
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.547-548, 1997-09-24

プッシュボタン(PB)信号を送出可能な電話機を入力端末とした、電話番号検索方式の研究を進めている。[1][2] 本方式は、以下の要素技術から成る。(1)PB電話機の12個の限られたキーを用いて、情報を入力するための日本語入力技術 (2)情報検索に必要な情報を聞出す対話誘導技術 (3)入力情報から膨大な電話番号DBを検索する検索技術 本稿では、これら要素技術を概説し、これら技術を統合したPB電話機による電話番号検索システムを紹介する。
著者
岡本 一弘
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.251-252, 1997-03-12

GUI環境が一般化する中で、データ入力環境についても様々な改善がなされている。しかし、従来の入力支援はアプリケーションに組み込みのものが主であり、アプリケーションプログラムに独立に使用されているのは日本語入力のためのかな漢字変換のような限られた例しかない。汎用的なGUI環境を提供しようという試みとしては、登内らによる、GUI部品をさらに細かい機能部品に分け、カスタマイズを可能にする方法がある[1]。これは、GUIが提供すべき機能構造のアプリケーションへの依存性に着目した方法であるが、結局は各アプリケーションについて個別にGUIを構築する必要がある。この問題はGUI環境が提供すべき機能がアプリケーション、特にそのアプリケーションが処理するデータの性質や内容に依存していることに起因している。つまり、各アプリケーションに対する入力支援の実現はその中で扱うデータの性質や内容をあらかじめ知らないと難しい。ここではプロセス間通信機能を用いてアプリケーションの扱うデータに関する情報を取得し、それを用いてアプリケーションに独立に入力支援を行う方式を提案する。さらに、この方式を実現する場合の問題点について検討する。
著者
野崎 広志 鳥原 信一
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.45, pp.251-252, 1992-09-28

日本語入力においてかな漢字変換入力が普及するにつれて、かな漢字変換結果を過信したり、また、かな漢字変換結果の誤りをうっかり見過ごしてしまうことがあるせいで、同じ読みを持つが意味の異なる単語(いわゆる同音異義語)の間違った使い方(同音語誤り)をした文書が増えている。例えば、「危機一髪」を「危機一発」と間違えたり,「鳥が鳴く」を「鳥が泣く」と間違えたり。本稿では、日本語入力されて出来上がった文書中に現れる、これらの同音語誤りを検出し、かつ訂正候補を提示するために,漢字かな変換とかな漢字変換と共起関係処理を組み合わせる方式を提案する。
著者
三吉 秀夫 奥西 稔幸 阿部 ひろみ 小渕 保司
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.44, pp.105-106, 1992-02-24

自然言語の意味をいかなる形式に表現するかというテーマは人工知能(AI)とりわけ自然言語処理において重要なテーマであり、従来からいろいろな研究が行なわれている。代表的なものとしてはAI分野の知識表現の枠組を利用したものであり、フレーム形式、意味ネットワーク、論理形式などが挙げられる。しかしこれらの形式は意味表現の枠組はは提案するが、実際に個々の言語現象に対してどのような表現形式にすべきかという規定はしていない。また、言語に依存しない意味表現形式としてSchankの提案した概念依存モデルが挙げられる。概念依存モデルは言語の表す意味を高度に抽象した概念レベルの構造を用いて表現するものであり、特定言語への非依存性、意味表現形式の一意性という点では評価できるが、構造が非常に複雑になるうえ、カバー範囲の点で問題である。我々は規格化日本語の基づいた自然言語処理システムの開発を行なっている。本システムではアウトプットのひとつとして日本語入力の持つ意味構造を出力する。この意味構造SDG(Shared Directed Graph)と呼ばれる意味表現形式で表示されるが、できるだけ広範囲の言語現象を扱うとともに意味表現形式の一意性を保つことを目指している。またこの意味表現は人間にとっても判り易い視認性の高いものを目指している。一方、規格化日本語の側からは「語彙、構文の規格化」だけでなく、更に「意味構造の規格化」への拡張と位置付けることができる。本稿ではこのSDGによる意味表現形式で中心的な役割を担う意味表現形式について報告する。
著者
赤峯 享 奥村 明俊 村木 一至
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.44, pp.261-262, 1992-02-24

日本人が英文を作成する場合、どの単語を使えば適切か、綴はどうだったか、活用形は正しいか等、その過程で発生する疑問点を和英辞典を引くなどして、日本語の知識を利用しながら解決していく。従って、日本語を入力して適切な英語を簡単に得ることができれば、英文を作成する場合の大きな支援となる。筆者らは、これまで、日本人が英文を作成する場合の疑問点や、英文を作成する場合に計算機で支援できる機能を考えてきた。しかしながら、これらの機能をユーザに提供するためのインタフェースが適切でなければ、実際に効率的に英文を作成することはできない。本論文では、英文を作成する場合に、文章作成の流れを妨げることなしに、日本語入力によって英文の作成を支援するためのユーザ・インタフェースについて提案を行う。