著者
鈴木 一成
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.10, pp.623-636, 1981-10-20 (Released:2012-11-20)
参考文献数
37
被引用文献数
2 2
著者
國武 加奈 松岡 早紀 深澤 美華恵 林 大輔 竹田 一則
出版者
障害科学学会
雑誌
障害科学研究 (ISSN:18815812)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.99-109, 2020-03-31 (Released:2020-09-30)
参考文献数
17

本研究では、特別支援学校教員を志望する学生の食物アレルギーに関する知識および意識の実態と講義による効果について調査した。特別支援学校教員を志望する学生39名を対象とし、食物アレルギーに関する講義前後にそれぞれ質問紙の回答を求めた。 その結果、知識の実態では、エピペン® 等の薬に関する知識がその他の知識に比べて有意に低く、知識を補完する必要性が示唆された。また、講義後は食物アレルギーに関する知識が有意に上昇した。さらに、エピペン® トレーナーを用いた実技訓練によって、講義後、エピペン® の使用に対する恐怖心が有意に低下し、自信が有意に上昇した。 一方で、講義後に食物アレルギーへの不安が有意に上昇したが、食物アレルギー対応への危機感の高まりとして意義があると考えられる。また、学校教員が食物アレルギーの適切な知識と緊急時対応の技能を身につけるには、教員養成段階から定期的かつ反復的な研修が必要と思われた。
著者
湯田 惠子 佐久間 康徳 山下 ゆき子 折舘 伸彦
出版者
一般社団法人 日本耳科学会
雑誌
Otology Japan (ISSN:09172025)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.1-6, 2016 (Released:2019-02-13)
参考文献数
12

好酸球性中耳炎は難治性中耳炎であり、代表的な治療としてステロイドの鼓室内注入がある。今回、アスピリン喘息を合併する好酸球性中耳炎症例に対し、ケナコルトA®の鼓室内注入を行い、アナフィラキシーを呈した症例を経験したので報告する。症例は72歳、女性。10年前から難治性耳漏に対しケナコルトA®の鼓室内注入を定期的に施行していた。今回、外来にて注入を行った直後から呼吸困難などのアナフィラキシーを呈した。本稿では、アナフィラキシー発症の機序について若干の文献的考察を加えて報告する。
著者
倉石 泰
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.56, no.9, pp.803, 2020 (Released:2020-09-01)

20世紀後半はかゆみ研究の冬の時代であったが,21世紀に入りかゆみの基礎研究が急激に増加し,かゆみの末梢組織における発生機序と中枢神経系における調節・認知機構が明らかにされてきた.しかし,かゆみにはまだベールを掻き払わねばならない謎も多く残されている.本誌のかゆみ特集が多くの研究者をかゆみ研究にいざない,我が国の研究者がそう痒性疾患治療の進歩に貢献することを期待する.
著者
矢島 桂
出版者
社会経済史学会
雑誌
社会経済史学 (ISSN:00380113)
巻号頁・発行日
vol.78, no.1, pp.25-47, 2012-05-25 (Released:2017-06-10)

日本の社債市場が大きく発展した1920年代には,朝鮮の植民地企業も鉄道業を中心に相次いで社債を発行する。こうした社債発行は鉄道金融の展開と新たな植民地投資を示していると言えよう。そこで本稿は,朝鮮鉄道会社を対象に,戦間期朝鮮における鉄道金融の展開過程とその意義を考察するとともに,この植民地投資の実態の一端を解明していく。朝鮮鉄道会社債(朝鉄債)の発行は,その引受機関である植民地銀行からの借入金を返済するものであった。これは,朝鮮銀行にとっては債権整理の一環であり,朝鮮殖産銀行にとっては「産米増殖計画」関連融資の強化を結果する。1920年代後半には本国証券業者が朝鉄債の引受に進出するが,これは植民地銀行の鉄道金融からの後退と表裏をなすものであったと言える。このうち山一証券は発行企業との人的・資本的関係をもとに進出していく。また山一証券による第5回・第6回朝鉄債(28,29年発行)の売捌き先から,その投資実態は,財閥系金融機関及び広範な地域の地方金融機関と特徴付けられ,生損保と大都市の個人投資家がこれに加えられる。
著者
オマ-ル オスマン 奥田 隆明 中村 英樹 林 良嗣
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

本研究では、日本では従来より実施されてきた車検制度が、自動車の大気汚染物質排出を抑制する効果の分析手法を開発するとともに、その効果の事後的分析への適用をはかった。さらにその結果を踏まえ、車検制度を今後の発展途上国での交通公害対策として導入するにあたっての効果および課題について整理を行った。車検制度が自動車の大気汚染物質排出抑制に及ぼす効果には、1)代替促進効果:車検費用の賦課によって、車齢の高い車から新車への買い換えを促進させ、低排出車が早く普及する効果、2)車両整備効果:車両の劣化によって排出レベルが基準を上回るようになった車両に対し、整備によって排出レベルを低下させる効果、の2つがある。以上の効果を推計するために、まず1)については、車保有者の車両存廃選択行動を、集計ロジット型のモデルにより表現した。説明要因として、各車両の車齢に依存する維持・車検費用と、新車購入費用を組み込んだ。また2)については、運輸省が実施した排出ガス実態調査を利用して、車両の加齢による汚染物質排出量変化を車検制度がある場合とない場合に分けて推計るモデルを構築した。以上の計量モデルによる分析例として、日本の全乗用車を対象に車検制度による大気汚染物質削減効果を推計した。その結果、1989年においては、一酸化炭素については23.4%、炭化水素については16.0%、一定の削減効果があることが把握できた。また、両物質ともに、2)車両整備効果による削減が全体の95%以上を占めることも明らかになった。一方、発展途上国の車両整備制度に関する調査を行った結果、日本よりかなり緩やかであることが分かった。したがって、日本と同レベルの車検を実施した場合には、その効果は日本以上に得られることが予想される。
著者
日髙 尚子 田口 学
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.62, no.5, pp.330-336, 2019-05-30 (Released:2019-05-30)
参考文献数
28

Remitting seronegative symmetrical synovitis with pitting edema(RS3PE)症候群とは,急性関節痛・四肢末端の圧痕性浮腫を特徴とする炎症性疾患であり,DPP-4阻害薬の副作用として報告されているが,高リスク群や量依存性の有無などの詳細は不明である.我々は,DPP-4阻害薬内服中にRS3PE症候群が発症・増悪した6例(シタグリプチン3例,ビルダグリプチン2例,リナグリプチン1例)を経験した.男性3例,年齢中央値72.5歳,HbA1c中央値7.6 %.全例で膠原病の合併または家族歴を認めた.2例はDPP-4阻害薬の種類変更後に発症し,1例は同一DPP-4阻害薬の増量後に発症した.RS3PE症候群発症は,膠原病の合併や家族歴との関連が疑われ,患者側のリスク状態の変化や被疑薬増量に伴い発症する可能性が示唆された.
著者
大久保 昭史郎 大里 恭平
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.88-91, 2019-03-25 (Released:2019-05-16)
参考文献数
8

非結核性抗酸菌の肺外病変は比較的まれである.非結核性抗酸菌腱鞘滑膜炎は慢性に経過し炎症反応も正常から軽度上昇するのみでありまた菌体の検出率も低いことから診断および治療に難渋することがある.今回我々は非結核性抗酸菌による化膿性腱鞘滑膜炎を経験した.軽微な外傷後に疼痛,腫脹を訴え,炎症反応に乏しい場合,非結核性抗酸菌感染症を疑う必要がある.治療は外科的滑膜切除と化学療法である.