著者
Shinichiro Hatakeyama Toshiyoshi Kawaguchi Takuya Yamaguchi Daisho Yoshihara Kana Takahashi Masayuki Akiyama Reiko Koizumi Kazuhiro Miyaji Yasuhiro Takeda Mito Kokawa Yutaka Kitamura
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
Food Science and Technology Research (ISSN:13446606)
巻号頁・発行日
pp.FSTR-D-22-00176, (Released:2023-02-20)

A flavor lexicon of milk coffee was developed based on the perceptions of Japanese consumers. To collect an exhaustive set of sensory terms for milk coffee, sixty types of samples were prepared. The samples were presented to 203 untrained panelists, and 456 sensory terms were collected. Following qualitative and quantitative screening, 53 terms were selected. The validity of the 53 terms was confirmed by check-all-that-apply (CATA) questions for six samples. The results indicated that the frequency of use of 42 terms was significantly different for the samples, and all terms were used at least once. In addition, the configuration of the six samples in the correspondence analysis of the CATA results was similar to that for a quantitative descriptive analysis conducted on the same samples. The developed flavor lexicon and its application to CATA will provide a new means for evaluating milk coffee from the perspective of Japanese consumers.
著者
馬場 英朗 石田 祐 奥山 尚子
出版者
日本NPO学会
雑誌
ノンプロフィット・レビュー (ISSN:13464116)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.101-110, 2010 (Released:2011-08-06)
参考文献数
20
被引用文献数
2

NPO法人の財源については,事業収入のような自律した財源を伸ばすべき,寄付や会費などの多様な財源も確保すべき,といった様々な議論が行なわれている.本稿では,NPO法人の収入構造と財務的持続性の関係について,大阪大学NPO研究情報センターが公開するNPO法人財務データベースを用いて,計量モデルによる実証分析を行なった.その結果,短期持続性については事業収入を集中的に拡大することが有効であり,中長期持続性については寄付金や会費などの多様な財源を獲得することが有効であると判明した.現在,多くのNPO法人では日々の業務に追われ,ファンドレイジング活動に労力を割けないという実態がある.しかし,寄付などの幅広い財源を確保できなければ中長期的に疲弊して,NPO法人が活動を持続できなくなる可能性がある.パネルデータや寄付及び事業収入などの内訳情報を入手して引き続き研究成果を積み上げることにより,NPO法人がとるべき収入戦略を探る必要がある.
著者
藤川 君江 林 真紀 上里 彰仁
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.70, no.4, pp.344-353, 2021 (Released:2021-12-25)
参考文献数
20

本研究は,総務省が指定する過疎地域のうち東北地方,関東地方,四国地方,九州地方,の5町村で暮らす,75歳以上の1人暮らし男性を支えている心理・社会的要因を明らかにすることを目的とした。調査対象者は,自己選択・自己決定が可能でコミュニケーションに障がいのない,1人暮らし男性21人であり,調査方法として半構成的面接を行なった。分析は,内容分析の手法を用いた。分析の結果,1人暮らしを支えている心理的要因は,【生活のなかで見つけた生きがい】,【時間に捉われない気ままな生活】,【根付いた土地での生活】の3つのコアカテゴリーが抽出された。社会的要因は,【子との関係性変化を受容】,【地域コミュニティの絆】の2つのコアカテゴリーが抽出された。 調査地域は,人口減少と高齢化率の上昇によりコミュニティが縮小している。そのため,地域住民で支えあうことは限界があり,社会的に孤立する可能性がある。対象者が身体的衰えを自覚し,老いと向き合わなければならないとき,メンタルヘルスを維持することが,1人暮らしの継続に大きく影響すると考える。本人が望む地域で最期まで暮らし続けるためには,こころのケアができる専門職と行政が連携し,メンタルヘルスを支えるサポート体制の構築の必要性が示唆される。
著者
吉田 望絵 Moe Yoshida
出版者
神奈川工科大学
巻号頁・発行日
pp.1-128, 2021-03-20

神奈川工科大学 学位論文 令和3年3月20日授与(甲第40号)
著者
松本 絵理子
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

日常生活場面において複数の情報処理を並列して行うことが多々ある。マルチタスクとは、文字通り複数の課題を同時に遂行する事態を指し、従来の心理学研究では、二重課題(dual task)や課題の切り替え(task-switching)などのパラダイムを用いて検討が行われてきた。脳イメージング研究では,マルチタスクの遂行には両側の頭頂側頭ネットワークを含む広範な領域が関与しており,タスク間の認知資源の調整やワーキングメモリの負荷が要求されることが示されてきている。本研究課題では、マルチタスク環境下における注意配分とその個人差を検討するために、課題目的非関連かつ予期せずに与えられる刺激への注意捕捉を手がかりとして検討を進めてきた。平成29年度は視覚課題の認知的負荷を操作し、課題非関連の聴覚刺激への気付きについて予告のない状況での実験を行った結果、ワーキングメモリ容量の個人差が気付きと相関があり、回帰分析の結果、ワーキングメモリ容量の高さが気付きの失敗を予測することが示された。平成30年度はこの課題非関連聴覚刺激への気付きの失敗が予期の有無に依るのかを検討するために、あらかじめ教示され学習を行った場合の効果とワーキングメモリの個人差について検討を重ねた。また、同一モダリティの非関連刺激の抑制に関連する脳波実験では、注意制御に関わる成分に着目して実験データ収集と解析を進め、国際学会にて発表した。令和元年度以降は、課題非関連刺激の予告と学習との関連について、非注意性聞き落としのパラダイムを用いた検討を行った。更に,音刺激の種類や呈示頻度を操作して、ワーキングメモリ上の負荷を増すことによる聞き落としへの影響を調べた。この結果は令和2年度に実施される日本心理学会にて発表を行った。令和3年度は国際学会への発表を行うと共に,これまでの成果の再解析と投稿準備を進めた。
著者
本多 将人
出版者
Society of Environmental Conservation Engineering
雑誌
環境技術 (ISSN:03889459)
巻号頁・発行日
vol.35, no.6, pp.431-436, 2006-06-20 (Released:2010-03-18)
参考文献数
4
被引用文献数
1 1
著者
植村 浩
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.89, no.11, pp.855-861, 1994-11-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
27

生命現象を分子レベルで理解しようとする生化学はアルコール発酵すなわち解糖系の研究から始まった。その制御機構に関してもパスツールの時代から議論されてきた。しかし, 解糖系が生物の基本的代謝のため変異を利用した研究が困難である等のこともあり, 150年以上経た現在でも分子生物学レベルでの遺伝子発現制御系の全容は解明されていない。酵母の解糖系は高等動物と基本的には同じであり解糖系の制御機構解明の研究対象としては格好の微生物である。最近になり酵母での解糖系を統一的にかつ特異的に制御している因子群が見い出され, その遺伝子や変異株を用いた研究が進められている。これらの因子群の相互の役割についても明らかにされつつあり, 解糖系の制御機構の解明も間近なことを予感させる。