著者
西口 正之 井上 晃 前田 祐児 松本 淳 田中 直也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声
巻号頁・発行日
vol.98, no.424, pp.27-34, 1998-11-20
被引用文献数
5

本稿では、MPEG-4標準化に提案中の低ビットレート音声符号化方式Harmonic Vector eXcitation Coding(HVXC)について、その構成を説明する。HVXCは2.0kbpsおよび4.0kbpsの固定ビットレートモードと、2.0kbps以下の可変ビットレートモードを有している。符号化アルゴリズムとして、有声音部分においてはLPC残差のハーモニックコーディングを、無声音部分においてはCELP方式を用いることで低ビットレートでも良好な音声品質を得ている。主な特徴として、4.0kbpsのビットストリームのサブセットを用いて2.0kbpsで復号するビットレートスケラビリティー機能、音韻やピッチを変えずに再生スピードをコントロールする機能などがある。98年8月のMPEGの公式主観評価試験の結果、2.0kbps HVXCの音質は4.8kbpsのFS1016 CELPの音質よりも優れていることが確認された。HVXC音声符号化方式は1998年10月にMPEG-4 Final Draft International Standard(FDIS)に選定された。
著者
Yamamori Kunihito Tominari Yusuke Yoshihara Ikuo Takeda Haruo
出版者
宮崎大学
雑誌
宮崎大學工學部紀要 (ISSN:05404924)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.361-365, 2004-10

ABSTRACT ###Minimizing the number of cameras is search for optimal all location for taking all scenery inside ###buildings. It is necessary to take the conditions of a camera and walls into consideration. We proposed ###a GA-based method to minimize the number of cameras to take images all scenery inside buildings. ###We used an actual map, and experimented based on GA. It was able to ask for the number of a camera ###considered to be close to the minimum as a result.
著者
山田 博之 江原 一幸 キャラメプロジェクトチーム・株式会社クリプトワンソフト Qript One Soft Inc.
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究作品集 (ISSN:13418475)
巻号頁・発行日
vol.7, no.7, pp.58-61, 2001-03-30
被引用文献数
1

現在、インターネットの常時接続は爆発的に普及し、これに伴って、メッセージをリアルタイムに取捨選択するメッセンジャーソフトウェアの需要が大きな広がりをみせている。「キャラメ」の大きな特徴は、メッセージを伝達するキャラクターが、送り手の感情伝達を補助できる点にある。従来のメールソフトやインスタントメッセンジャー、及びBBSやチャットでは不可能であった抽象的な概念を、アクションを指定しながら伝達することにより、抽象性を保ったまま伝達できる点が革新的である。キャラメにおいては、インスタントメッセンジャーとしての中核であるキャラクターの動作データを、ビットマップによって作成する。そこでこの「ビットマップ」を、デザイン全体のキーワードとして取り上げた。また、キャラクターデザインにおいても、デスクトップ上での表示に関する制限に対応するため、5種類のガイドラインを設けた。同時に、データを3Dオブジェクトで管理する事で、画像作成の効率化を計っている。
著者
竹中 勝信 依藤 純子 山田 茂樹 山川 弘保 阿部 雅光 田渕 和雄 小泉 昭夫
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル = Japanese journal of neurosurgery (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.13, no.12, pp.837-845, 2004-12-20

家族性脳動静脈奇形の8家系による遺伝疫学調査と遺伝子解析を試みた.代表症例:家系7(兄妹例):II. 1) I. M.:51歳,男性.意識消失発作にて発症.右前頭葉に約5cmのnidusを認めた.Spetzler-Martin score(S-M score):III. 2) K.M.:58歳,女性.右運動障害にて発症.左頭頂葉皮質下に血腫を認め,脳血管撮影にて2.5cm大のnidusと右前大脳動脈に3mmの未破裂嚢状脳動脈瘤を認めた.S-M score:家系8(従兄弟例):1) K.I.:67歳,男性.頭痛にて発症.左前頭頭頂葉に血腫を認め,脳血管撮影では2.5cm大のnidusを認めた.S-M score :II .2) Y.M.:37歳,男性.歩行障害と左顔麻痺にて発症.CTで左小脳出血を認め.MRIにて海綿状血管腫(孤発)を認め,同側小脳半球に静脈性血管腫を合併.遺伝子解析方法:京都大学の医の倫理委員会,および高山赤十字病院の倫理委員会の承認を得た.兄弟,姉妹,従兄妹発症脳動静脈奇形である5家系の発病者10人について,全血由来ゲノムDNAを分離後,遺伝子解析に使用した.遺伝子タイピングは,常染色体382個とX染色体18個のmicrosatellite marker(ABI Prism Linkage Mapping Set Version 2)を用いて行った.連鎖解析には.Merlin softwareを用いて行った.遺伝子Ephrin B2について塩基配列決定で変異の存在を検索した.発症者以外の家族を対象として希望者全員にMRIおよびMRAを用いた画像診断を行った.結果:(1)6q24-6q27, 7p22-7p15, 13q21-13q31, 16p11.2-16p11.1, 20q12-20q13.1の5ヵ所の染色体の部位にて統計学的な優位(p<0.05)に連鎖部位を認めた,(2)13番染色体長腕に存在するEphB2遺伝子のexonl〜exon5の全シークエンスを行ったが,突然変異やSNP(single nucleotide polymorphism)は同定されなかった.(3)MRIおよびMRA検査を行った結果,今回の発病者以外には頭蓋内病変はみられなかった.結論:米国,チェコ共和国,本邦に存在する家族性脳動静脈奇形家系(8家族)のうち,5家系の末梢血ゲノムを用いた連鎖解析を行った.家族性脳動静脈奇形はなんらかのgenetic factorの存在が示唆された.5つの染色体で疾患連鎖遺伝子座が浮かび上がり,このうち第6染色体と第7染色体は最も疑わしい可能性を疑う連鎖解析結果を得た.
著者
Uno Toru He Yiwei Adachi Saburo
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播
巻号頁・発行日
vol.97, no.49, pp.69-74, 1997-05-22

Berenger's Perfectly Matched Layer (PML) absorbing boundary condition (ABC) has been found very effective for the truncating the unbounded spatial domain in the finite difference time domain (FDTD) computation. The PML ABC was originally introduced for a free space spatial domain and later extended to a lossy medium using the stretched coordinates. In this paper, we propose a novel PML ABC for a dispersive medium in an ordinary Cartesian coordinate. It will be also shown that the PML for the lossy medium can be easily derived from our formulation.
著者
白井 彦衛
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.30-35, 1980-08-25

このたび,『都市の緑地保全思潮に関する研究』により,1980年度の日本造園学会賞を授与され,また所見を述べる機会を与えられたので,ここに,筆者の研究の経過と論文の要旨をしめし,先達の叱咤を受けるとともに,後続の若人に何等かの刺激を与えることができれば幸いに思う。なお論文の前半はすでに造園雑誌に発表した。
著者
松田 伯彦
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要 (ISSN:05776856)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.55-66, 1970-07-31

本研究は,比較的等質な学級(小学4年生10学級)に対して,賞あるいは罰を与える比(学級集団での賞あるいは罰を与えられる人数の比)を,いろいろ変化させることによって,賞あるいは罰の効果が学習にどのように影響するか,そして,それを観察している者(暗黙の強化を受けている者)の学習成績にどのように影響するかについて,文章問題を学習課題として,検討することを主な目的とした。そして,強化パターン(連続強化と部分強化)についてみることである。さらに,被験者の内省報告から,賞あるいは罰,あるいは,暗黙の強化によって,学習者がどのように動機づけられたか,また,被験者の実験者に対する好悪の感情と学習との関係を者察した。文章問題の平均正答数および平均正答率について,第1日目を100とし,各群の5日間の正答数%正答率%の分散分析,および各日ごとの群間の効果の分散分析をおこなった。その結果次のようである。1.学級の少数が賞を受けた時の大多数の無視群,学級の大多数が罰を受けた時の叱責群と無視群の両方,これらの3群では,5日間正答数の有意な上昇がまったくみられない。他のすべての群では多かれ少なかれ5日間に正答数の有意な上昇がみられる。2.賞は学級の少数に与えられる時および学級の多人数に与えられる時も,非常に効果的で,罰は学級の全員に与えられる時最も効果的である。3.学級の大多数の者が賞あるいは罰を与えられる時,無視された者は直接の賞罰以上に間接(暗黙)の強化を受ける。4.連続強化群と部分強化群を正答数で比較した場合有意差はみられないが,正答率において部分強化群がすぐれている。5.内省報告から,賞を直接受ける者およびそれを観察している者は賞を再び得ようとし,罰を直接受ける者およびそれを観察している者は,賞を得ようとする傾向と罰を避けようとする傾向がみられた。6.実験者に対する好悪の感情は,賞を与えられた者は接近的・好意的な傾向が,罰を与えられた者は回避的・非好意的な傾向が漸次増加すると言える。各群の成績ではなく,学級成員全員の成績を考えた場合,全員賞賛または全員叱責ということが最も効果的であるように思われる。しかし,人間関係をも考慮すれば,全員賞賛ということがより効果的で,この点教育上興味深いことである。附記本研究に御協力いただいた千葉市立院内小学校長鈴木将七先生,緑町小学校長勝山正徳先生,寒川小学校長地引登志夫先生,新宿小学校長宍倉芳衛先生,轟町小学校長八代進先生,学級担任の諸先生および児童の皆さんに深く感謝の意を表します。なお,白鳥礼,宇佐美仁孝,山田幸子,松岡和子,二宮砂子,西村信子,斎藤文子君およびその他多くの学生諸君に協力をいただいた。
著者
藤井 茂利
出版者
東海大学
雑誌
東海大学紀要. 文学部 (ISSN:05636760)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.27-36, 1969

A certain On-Gana found in the ancient Japanese documents may be derived from Korean Language. In order to prove the hypothesis, I have tried to examine some Chinese characters and, as a result, I am assured that Chinese Characters, '叱' '伐' and '支' used as OnGana (seen in Nihonshoki), are derived from Korean Language. In this paper, I intend to examine the Chinese Characters, '旱' and '干' through the ancient Japanese documents, and explain the usage of them as On-Gana.
著者
杉村 健
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.211-215, 1966-12-31

本研究の主な目的は,教室における暗黙の強化は競争場面では生じるが,非競争場面では生じないという仮説を検証することであった。被験者は小学校5年生の児童であった。1学級の男女それぞれ20名ずつからなっている4学級のうち,2学級の者には競争的教示のもとで課題が与えられ,残り2学級の者には非競争的教示のもとで与えられた。8個の図形に対応する1から8までの数字を書かせる符号問題を4分間ずつ2日続きでやらせた。第1日目の成績と男女の数にもとづいて各学級を半分に分け,第2日目の開始前に,各学級の半数の者に対して第1目目の成績についての明白な強化(称賛・叱責)が与えられた。すなわち競争場面と非競争場面のそれぞれについて,1学級の半数の者は級友の前で正の強化(称賛)が与えられ(EP群),残りの学級の半数の者は同様に負の強化(叱責)が与えられた(EN群)。前者の学級においてなにも言われなかった者は,級友が強化されるのを観察することによつて,暗黙のうちに負の強化を受けたとみなされ(IN群),後者の学級では明白な負の強化を与えられた級友を観察することによって,暗黙のうちに正の強化を受けたものとみなされた(IP群)。第2目目の正答数から第1目目のそれを引いた値を測度として実験的処理の効果を調べたところ,主な結果は次のとおりであった。(a)競争場面では,暗黙の強化における正と負の効果のちがいが大きく(IP群とIN群),明白た強化での正と負の効果にはあまりちがいがなかった。(b)非競争場面では,明白な強化における正と負の効果のちがいが著しいが(EP群とEN群),暗黙の強化ではそれがわずかであった。(C)明白な強化においては,男子では正と負の効果にちがいが認められないが,女子では正の強化が負の強化にくらべて著しく成績を向上させた。(a)と(b)の結果から,暗黙の強化という現象が競争場面でしか生じないという仮説が大体支持され,そしてその理由が考察された。(C)の結果は,女子が明白な正と負の強化に対して,敏感にそして分化的に反応しやすいという点で,従来の研究と一致Lた。
著者
山口 清
出版者
イタリア学会
雑誌
イタリア学会誌 (ISSN:03872947)
巻号頁・発行日
no.12, pp.57-63, 1964-01-20

Il Yamaguchi, Prof.della letteratura inglese all' Universita di Nagasaki, offre in questo articolo sommaria nozione del sentimento religioso del Pirandello, dando le osservazioni sopra vari tipi di personaggio, fra cui V.Moscardi in "Uno, nessuno e Centomila", 1952, T.Unzio in "canta l' Epistola", 1915, Don Angelino nel "La fede", 1923 e Don Cosmo Laurentano ne "I vecchi e i giovani", 1913. Attraverso l' esame delle opere pirandelliane, L' A.nota che vi appaiono non di rado i personaggi che hanno rinunziato alla fede religiosa e alla dottrina cristiana, mentre commentando che tali personaggi non si possono considerare l'uomo che ha perduto la pieta dei mali altrui e l' amore umano della vita. Malgrado i pieni documenti e il testamento che dimostrano il sentimento irreligioso del Pirandello, l' Autore mette in rilievo che lo scrittore di Agrigento tende, col passare del tempo, ad accostare al piu profondo amore per la gente umana, il quale spesso lega all'amore quasi panteistico delle cose di natura che si ricorda in un certo senso della pieta di San Francesco.
著者
井口 睦夫
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会九州支部会報 (ISSN:02853507)
巻号頁・発行日
no.18, pp.34-35, 1962-05-01

水稲の葉の生理については,石塚・田中氏等の興味ある報告があり,一方,光合成の研究が進展するにつれて,光合成の場としての葉の生理に新たな関心がよせられつつある。筆者は1959年,二期作における一期稲の施肥法試験を行なった際に,窒素の追肥時期と葉泣別葉身内窒素の推移について若干の調査を行なったので,成績の概要を報告し,大方の御叱正を仰ぎたい。なお,この実験にあたって御指導いただいた田尻氏,並びに御協力をえた伊藤・立島・中原の諸氏に深く感謝する。
著者
村瀬 隆二
出版者
千葉大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:05776856)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.19-41, 1959
著者
天野 誠齋
出版者
日本幼稚園協會
雑誌
幼兒の教育
巻号頁・発行日
vol.23, no.12, pp.242-245, 1923-12
著者
蘆原 郁
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.55, no.12, pp.838-844, 1999-12-01
被引用文献数
2

聴覚内の非線形性に由来する差音及び結合音の可聴域を明らかにするため,周波数掃引音による差音及び結合音知覚閾値測定法を提案した。周波数変化方向を手がかりとして非線形成分と原音を知覚的に分離させる本手法により,健聴者を被験者とする閾値測定を行った結果,広い周波数帯域にわたり,閾値上20dB程度の刺激で結合音,閾値上50dB程度の刺激で差音がそれぞれ知覚できることが確認された。しかし,可聴周波数帯域をこえる超音波では,提示音圧が80dB SPLに達しても差音や結合音が知覚されなかった。結果から,可聴周波数全域にわたり,差音及び結合音の閾値がMAFに対して,ほぼ一定の関係に保たれていることが示唆された。