著者
Djauhar Asikin Tsuyoshi Motohashi Katsuhiko Kondo
出版者
International Society of Chromosome Botany
雑誌
Chromosome Botany (ISSN:18815936)
巻号頁・発行日
vol.9, no.3, pp.89-96, 2014 (Released:2014-09-16)
参考文献数
6

The combination of BA and NAA in concentration at 0-4 mg/l could not significantly induce shoot primordia in four endangered species of orchids. Size of shoot meristem used in the preliminary research might be too big to induce shoot primordia in Grammatophyllum speciosum and for increasing the survival frequency of Vanda and Phalaenopsis. Certain concentrations of BA and NAA affected the survival frequency of Vanda and Phalaenopsis. The type of basal medium has no effect to the growth and the survival frequency of the orchid studied, except for Phalaenopsis gigantea which only grow well in Hyponexpepton medium. The chromosome numbers of the four orchid species showed very high stabilities during the courses of their micropropagations.
著者
中村 哲子
出版者
駒澤大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

ジャガイモ飢饉とも呼ばれる1840年代後半にアイルランドを襲った大飢饉は、飢饉の最中から飢饉直後までに多くの旅行者によってその実態が書き残された。こうした旅行記とともに、飢饉は小説においてもさまざまに語られ、アイルランドの記憶として受け継がれることとなった。フィクションをノンフィクションと比較検討することにより、飢饉の文学的語りと表象の意義を解明する研究である。
著者
八藤後 猛 野村 歡
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.61, no.488, pp.159-164, 1996-10-30 (Released:2017-02-02)
参考文献数
11
被引用文献数
2 2

Researched the usage of Hoists, Table lift, Stair lift, and Home elevator used in homes. Recognized that those equipments not only reduce the physical workload of a family, but also help reduce the mental burden of both a disabled person and his or her family. Those are used in daily life and improve the quality of life. However, since the houses must be remodeled to install those equipments, most user currently own their own houses. Therefore, it is difficult for the people who need these to install immediately. Also, the number of accident while using those machines is low, and no serious accident has occurred. Yet most people worry about the safety of using those machines, except home elevators, so better safety measures for those are required in the future.
著者
山名 哲郎 高尾 良彦 吉岡 和彦 味村 俊樹 角田 明良 勝野 秀稔 前田 耕太郎
出版者
日本大腸肛門病学会
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.67, no.6, pp.371-379, 2014 (Released:2014-05-31)
参考文献数
40
被引用文献数
6 2

【はじめに】便失禁はQOLに大きな影響を及ぼす排便障害の一つであるが,これまで有効な治療法が確立されていないのが現状である.仙骨神経刺激療法は便失禁に対する有効性が認められ,欧州では1994年から,米国でも2011年に承認され使用されている.本邦でも本治療法の導入が望まれ,このたび承認申請にむけた前向き多施設共同研究を行ったのでその結果を報告する.【方法】便失禁の頻度が週2回を超える患者を仙骨神経刺激療法の適応とし,各施設の治験審査委員会の承認を得た上で,インフォームドコンセントのもとに治験を行った.最初に仙骨神経刺激用のリード埋め込みを行い,体外式刺激装置による2週間の試験刺激で50%以上の症状改善を認めた症例に,体内埋め込み型刺激装置(InterStim II,米国Medtronic社)を留置した.便失禁の症状は患者自身による排便日誌をもとに評価した.肛門内圧検査は術前および術後1ヵ月,3ヵ月,6ヵ月の時点で施行した.術前と比較して便失禁回数/週が50%以上減少した場合に治療有効と判定した.【結果】2011年1月から11月の間に治験に参加した22人の患者にリード埋め込み術を施行した.便失禁の原因は不明(特発性)10例,直腸術後8例,分娩外傷2例,その他2例であった.試験刺激による症状改善が50%未満であった直腸癌術後の1例はリードを抜去,症状改善が50%以上であった21例(男性9例,女性12例,平均年齢66.6歳)に刺激装置の埋め込みを行った.術後6ヵ月のフォローアップの時点で85.7%の症例が治療有効と判定された.平均便失禁回数/週は術前が14.9回,術後6ヵ月が3.1回と有意に減少した(p=0.0135).肛門内圧検査では術前の肛門管最大静止圧の平均値が28.4mmHg,術後6ヵ月の平均値が39.1mmHgと有意に上昇した(p=0.0026).リード埋め込みおよび刺激装置埋め込みによる重篤な合併症は認められなかった.【結語】便失禁に対する仙骨神経刺激療法は安全で有効な治療法である.
著者
島貫 秀樹 本田 春彦 伊藤 常久 河西 敏幸 高戸 仁郎 坂本 譲 犬塚 剛 伊藤 弓月 荒山 直子 植木 章三 芳賀 博
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.54, no.11, pp.749-759, 2007 (Released:2014-07-03)
参考文献数
35
被引用文献数
11

目的 本研究は,高齢者の介護予防推進ボランティアへの参加による社会・身体的健康および QOL への影響について,1 年間の縦断データをもとに一般の高齢者との比較によって明らかにすることを目的とした。方法 初回調査は,2003年に宮城県の農村部に在住する高齢者(70~84歳)を対象として行われた。初回調査に参加した1,503人の中から介護予防推進ボランティアの募集を行った。その結果,77人がボランティアリーダーに登録した。一年後,ボランティア活動による影響を明らかにするために,追跡調査をした。最終的に,介護予防推進ボランティア参加者69人と一般高齢者1,207人を分析対象者とした。ボランティア活動の社会・身体的健康指標および QOL 指標への影響については,ボランティア活動状況を説明変数,社会・身体的健康指標および QOL 指標を目的変数とするロジスティック回帰分析を用いて分析した。結果 ボランティア参加者に比べ一般高齢者は,知的能動性(OR:4.51,95%CI:1.60-12.74),社会的役割(OR:2.85,95%CI:1.11-7.27),日常生活動作に対する自己効力感(OR:4.58,95%CI:1.11-18.88),経済的ゆとり満足度(OR:2.83,95%CI:1.11-7.21),近所との交流頻度(OR:3.62,95%CI:1.29-10.16)の項目において有意に低下することが示された。結論 高齢者の介護予防推進ボランティア活動への参加は,一般高齢者に比べ高次の生活機能やソーシャルネットワークの低下を抑制することが示唆された。
著者
村上 寛
出版者
日本宗教学会
雑誌
宗教研究 (ISSN:03873293)
巻号頁・発行日
vol.85, no.3, pp.669-691, 2011-12-30 (Released:2017-07-14)

本稿は、マルグリット・ポレート(Marguerite Porete)及びその著作『単純な魂の鏡(Mirover des Simples Ames)』に対する異端審問における思想的問題について考察している。異端判決では一五箇所が異端箇所として列挙されたが、その内現在までその内容が伝わるものは三箇所であり、それぞれ徳理解、自然本性理解、神を巡る意図についての理解が問題視されている。その徳理解について問題となるのは、自由権(licentia)を巡る徳と魂の師弟関係の逆転、それに実践(usus)に関する理解である。自然本性理解については、身体と必要性という観点が考慮されるべきである。そして神を巡る意図については、慰めと賜物に関する理解及び「一切の意図が神を巡るものである」ことの意味が考察された。以上の考察によって、それらの概念に関するポレート自身の理解が明らかになったものと思われる。
著者
大庭 卓也 荒河 一渡 三浦 哲也 秋重 幸邦
出版者
特定非営利活動法人 産学連携学会
雑誌
産学連携学 (ISSN:13496913)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.1_17-1_23, 2021-01-31 (Released:2021-03-15)
参考文献数
1

島根県には日本で発達したたたら製鉄と関連のある特殊鋼関連企業の集積がある.島根大学ではキラリと光る地方大学実現と地域の金属産業の活性化に資するため交付金事業を活用し,次世代たたら協創センター(NEXTA)を設立した.オックスフォード大学教授をセンター長に迎え,材料工学の4つの柱をバランスよく配置し,先端金属素材のグローバル拠点の創出を目指している.
著者
中 敬夫
出版者
愛知県立芸術大学
雑誌
愛知県立芸術大学紀要 = The bulletin of the Aichi Prefectural University of Fine Arts and Music (ISSN:03898369)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.39-51, 2006-03-31

本稿の課題は『芸術作品の根源』における「世界と大地の闘い」をめぐるハイデッガーの芸術論を、なぜ両者は闘い合わなければならないかという問題を中心に、批判的に検討することである。ここではわれわれは、その芸術論の全体を紹介することはできない。本稿での論考は、大地のそれ自体における現象化の可能性に留意しつつ、大地は世界と闘い合う必要がないという主張までに限られる。
著者
川村 卓也 繁桝 博昭
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.141-147, 2016-03-31 (Released:2017-02-01)

We examined proprioceptive drift in the situation where an image of a hand was presented at the position slightly displaced from a participant's real occluded hand. When motion of the image hand was presented synchronized with that of the real hand, the drift was nearly same as the displacement of the visual position of the image hand irrespective of the congruence of depth position of the image and real hand. The drift persisted at least for 20 seconds. These results suggest that when the visual position of virtual body is shifted from the real position in a VR system, an observer may experience constant proprioceptive drift of their own body.
著者
市川 哲
出版者
立教大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

マレーシア、サラワク州における主にエスニック・ツーリズムに関する観光の特徴を、複数の民族集団や地域集団同士の関係といった、在地の社会関係の中に位置づけて把握することを試みた。特にサラワク州における先住民による手工芸品の制作や、都市部における販売、エキゾチックなイメージを消費する外国人ツーリストによるそれらの購入や、それとは異なる脈絡での現地の住民による手工芸品の利用といった様々な状況に関する現地調査を行った。さらにこのようにして得た知見を東南アジアの他地域の事例と比較し、その特徴の把握を目指した。
著者
富澤 晃文 力武 正浩 伏木 宏彰 坂田 英明 加我 君孝
出版者
一般社団法人 日本聴覚医学会
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.43-52, 2017-02-28 (Released:2017-06-29)
参考文献数
15
被引用文献数
1

要旨: 聴覚障害乳児における VRA の条件付け形成月齢を明らかにすることを目的とした検討を行った。中等度~重度難聴の20名を対象に, インサートイヤホン装着下の気導 VRA (および骨導 VRA) による純音聴力測定を実施した結果, 月齢 6 ~ 11ヵ月の期間に19名 (95%) の条件付けが形成された。VRA の測定可能率は, 0 歳 6 ヵ月時点で 1名 (5%), 7 ヵ月で 5名 (25%), 8 ヵ月で 11名 (55%), 9 ヵ月で14名 (70%), 10 ヵ月で 18名 (90%) であった。気導 VRA の反応閾値 (2000Hz) と ABR の V 波閾値の間には強い正の相関 (r = 0.87) がみられ, 両者は近似した。VRA の平均反応閾値と条件付け形成月齢の間にはやや強い正の相関 (r = 0.58) がみられ, 聴力の程度が増すほど条件付け形成月齢が遅れる傾向が示された。一方, 運動発達 (定頸, 座位, 独歩) の遅れは条件付け形成月齢に有意な遅れをもたらさなかった。早期の聴覚補償とハビリテーションの上では, 0歳後半の月齢期に気導/骨導 VRA を重点的に実施した上で他覚的検査とのクロスチェックを行うことが重要と考えられる。
著者
富澤 晃文 遠藤 まゆみ 坂田 英明
出版者
日本小児耳鼻咽喉科学会
雑誌
小児耳鼻咽喉科 (ISSN:09195858)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.263-269, 2014 (Released:2015-03-13)
参考文献数
16
被引用文献数
1

聴覚障害乳幼児を対象に VRA (visual reinforcement audiometry)による骨導聴力測定を行った。6 症例(0~2 歳)の気導/骨導 VRA による気骨導差の推定について,他検査との整合性の観点から検討した。トリーチャー・コリンズ症候群,中耳炎併発例の 2 例においては,VRA により気骨導差が示された。70 dB 以下の感音難聴であった 2 例では,VRA による気骨導差はみられなかった。高度・重度感音難聴であった 2 例の骨導 VRA はスケールアウトを示した。骨導聴力が一定レベルまで残存していれば,気導/骨導 VRA の組み合わせにより気骨導差の有無とその程度の推定が可能であった。得られた検査結果は誘発反応・画像などの他覚的検査の所見と概ね整合しており,行動観察的手法によって良側の骨導オージオグラムを得る意義が示された。本手法と他検査とのクロスチェックは,乳幼児における伝音/感音障害の鑑別に有用と思われた。
著者
小飯塚 徹
出版者
Hokkaido University
巻号頁・発行日
2018-09-25

人類の生活向上に貢献した光は多々あるが、その中の 1 つに照明がある。照明の進化は、発光材料に求められる性能を知るうえで重要な手がかりとなる。近代照明の歴史の始まりは、ガス灯からと考えられる。ガス灯は 1797 年イギリスのマンチェスターに初めて設置された。このガス灯によって工場での夜間作業も可能となり、照明は産業革命に大きく貢献した。日本では文明開化の流れを受けて、1872 年(明治 5 年)に横浜馬車道通りに初めて街灯としてガス灯が用いられている。1879 年の Edison による炭素フィラメントを使用した白熱電球の商業化により光がさらに身近なものになった。B1 白熱電球はさらに、CoolidgeとLangmuirによるタングステンフィラメントと不活性アルゴンガスを使用する改良を施したことで現在の白熱電球が完成し、その地位を確固たるものにした。その後、高効率な白色光源としてハロリン酸カルシウム蛍光体を利用した白色蛍光灯、希土類を利用した三波長蛍光灯が普及していった。さらに現代においては LED (Light Emitting Diode)を利用した照明が普及しつつある。白色 LED は蛍光体を利用したものが多いく普及しており、同様に蛍光体を利用している白熱電球や蛍光灯と比較しその省電力と長寿命な光源として注目されている。地球温暖化対策 CO2 削減の手段として、白熱電球から LED 等の高効率照明への切り替えを推奨している。日本政府は「新成長戦略」および「エネルギー基本計画」において、グリーン・イノベーションによる環境・エネルギー大国戦略の柱の1つとして、高効率次世代照明である LED 照明、有機 EL 照明を 2020 年までにフローで 100%、2030 年までにストックで 100%普及させる目標を掲げている。白色 LED は最も地球にやさしい光源の1つとして注目を集めている。