著者
釜床 美也子 安藤 邦廣
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.15, no.29, pp.211-216, 2009-02-20 (Released:2009-04-08)
参考文献数
11

In NIIZIMA Island, we can see characteristic stone constructions of MINKA that had been built until the 1930's. We researched 62 cases in NIIZIMA HON village, and measured 18 stone constructions. As a result, we got 13 typology of stone construction.
著者
金山 元春 後藤 吉道 佐藤 正二
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.83-96, 2000-09-30 (Released:2019-04-06)
被引用文献数
6

本研究では、小学3年生63名を対象に、孤独感低減に及ぼす学級単位の集団社会的スキル訓練(集団SST)の効果について検討した。児童らは、学級ごとに訓練群と統制群に振り分けられた。3つの標的スキル(規律性スキル、葛藤解決スキル、社会的働きかけスキル)を訓練するために、8セッションからなる学級を単位とした集団SSTが訓練群に対して行われた。研究1では、訓練の直後査定が実施された。その結果、訓練群の児童は、統制群に比べて、自己報告による社会的スキル得点に有意な増加を見せていたことがわかった。また、教師評定尺度においても、訓練群に社会的スキル得点の有意な増加と問題行動得点の有意な減少が確認された。さらに、統制群に比べて、訓練群の孤独感得点に有意な評定得点の減少が認められた。これらの結果は、集団SSTが児童の孤独感低減に寄与していたことを示唆している。さらに、研究IIにおいて検討されたフォローアップ査定の結果、これらの訓練効果が、訓練終了後6か月を経過した時点まで維持されていたことが示された。
著者
井佐原 均
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.297-307, 2021-04-01 (Released:2021-04-01)
参考文献数
8

本稿では,筆者のこれまでの自然言語処理や言語資源の研究開発の経験をもとに,技術開発と社会実装の連携について述べる.まず現在実施中の自然言語処理技術の社会実装プロジェクトについて,実用に向けた取り組みを交えて述べる.次に社会実装に向けて自然言語処理技術の課題や目指す方向を論じる.人工知能システムにおけるデータの重要性を述べた後,これまでの言語データ開発の経験を紹介する.データを社会で共有する試みと国際標準化にも触れる.最後により広い観点から人間の言語理解や人工知能について述べる.
著者
西廣 淳
出版者
東京大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2003

霞ヶ浦を主なフィールドとした平成16年度までの研究により、湖岸や湖底の土砂中には、現在地上植生から消失した種も含めて多様な水生植物の土壌シードバンク(埋土種子集団)が残存していることが明らかにされた。また、湖岸植生帯を構成する植物種の多くが自然の水位変動に適応した発芽戦略をもつが現在の人為的な水位管理条件下では種子からの更新の機会が大幅に抑制されていることが示された。平成17年度は、これまでに明らかにされた湖岸の植物の発芽特性、特に発芽季節と発芽や実生定着に対する冠水の影響に関する知見を活用し、湖沼の水位管理のパターンに対する湖岸の植物の発芽・定着適地(発芽セーフサイト)の動態を予測するモデルを構築し、予測・検討を行った。この研究では、先行研究の結果を踏まえ、湖岸の植物の発芽セーフサイトの定着条件を定義し、この条件をみたす場所の面積を、霞ヶ浦をモデル湖沼として湖岸の微地形(国土交通省による横断測量調査結果を活用)のデータと湖の水位データ(国土交通省による日平均水位記録を活用)から算出した。その結果、霞ヶ浦の場合では、現在の「管理目標水位」(水門による水位管理の目標とする水位で、長期を対象にした場合の平均値と一致)を現在よりも10cm上昇させると湖岸の植物のセーフサイトは50%程度まで減少すること、15cm低下させると2倍程度に増加することなどが予測された。水生・湿地生植物の発芽に対する水文環境の重要性は多くの研究からも示されているが、具体的な湖沼管理のプランが湖岸の植物に及ぼす影響を定量的に予測した研究はほとんど存在しない。植物の発芽・定着特性、湖岸地形、水位から植物のセーフサイトを予測する本モデルは、霞ヶ浦以外の湖沼でも適用が可能であると考えられる。
出版者
朝日新聞社
巻号頁・発行日
1922
著者
阿久津 聡
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.14-29, 2002-09-20 (Released:2022-08-03)
参考文献数
95
被引用文献数
1

これまでブランドを研究対象としてきたのが主にマーケティングの分野だったこともあり,ブランド戦略の研究は経営戦略論の中で比較的関心の低いものだった.しかし,市場と組織の接点であるブランドの戦略を策定し実行することは,ポーターの競争戦略論に基づく「外から内」の え方と資源ベースの戦略論に基づく「内から外」の え方との間に生じる対立を弁証法的に綜合する作業と捉えることができる.戦略家が直面する矛盾やジレンマを乗り越えるために,ブランド戦略が広く経営戦略論の中で研究されることの意義について議論する.
著者
Takane IMADA
出版者
Japanese Rocket Society
雑誌
The Journal of Space Technology and Science (ISSN:0911551X)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.2_1-2_8, 2013 (Released:2014-08-14)
参考文献数
5

As member of the ISS international partnership program, Japan makes essential contributions to space experiments and enables human space activities through the use of HTVs. JAXA has initiated technical research into cargo return from orbit as a next step toward on-orbit services. The HTV has been used in research as a service module, and a return vehicle called HRV (HTV Return Vehicle) was added to enhance its performance. The combined vehicle is called HTV-R and it will enable JAXA to recover various samples from experiments conducted on the ISS.
著者
羽鳥 徳太郎
出版者
公益社団法人 日本地震学会
雑誌
地震 第2輯 (ISSN:00371114)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.203-210, 1998-10-15 (Released:2010-03-11)
参考文献数
21
被引用文献数
1

The generating frequency of the North-West American tsunamis is relatively lower than that of the South American region, but there are historical records of a large tsunami accompaning with the January 1700 earthquake (M 9) in the Cascadia subduction zone (SATAKE et al., 1996). In the present paper, tsunami magnitudes on the Imamura-Iida scale, m, are investigated by using the diagram of wave-height attenuation with distance. The regional characteristics of tsunami magnitudes are discussed in relation to earthquake magnitudes, Ms, during the period from 1899 to 1997. The tsunami magnitudes in the South-East Alaska to Canada region are nearly normal compared to earthquakes with similar size in the other Pacific regions, and the 1899 Yakutat tsunami being m=3 is the largest. The magnitude values in the California region are mostly m=0 or less (amplitude: 50-100cm), but those of a few tsunamis vary by the faulting mechanism. For example, the magnitude value of the 1906 San Francisco tsunami accompaning with a strike-slip earthquake (Ms=8.3) is m=-4. On the contrary, that of the 1927 Lompoc tsunami caused by a high-angle thrust earthquake (Ms=7.0) is m=1, and this tsunami was observed in Hawaii and Japan. According to the epicenter distribution of the earthquakes (Ms≥6.5) since 1812, a seismic gap exists at the segment of 700km off the Washington to Oregon states. It should be considered a region of relatively high tsunami risk.

1 0 0 0 OA SERMの分子医学

著者
浦野 友彦
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.147-151, 2006-03-25 (Released:2011-03-02)
参考文献数
18

古くより更年期障害ならびに閉経後骨粗鬆症に対してエストロゲン補充療法が用いられてきた.しかし, 大規模臨床試験であるWHI試験において乳癌ならびに虚血性心疾患ならびに脳卒中が指摘されたため, この治療法が用いられることは少なくなった. 一方, 皮肉なことにWHI試験ではエストロゲンによる明らかな骨折予防効果が認められ, エストロゲンシグナルの骨における活性化は骨粗鬆症において重要であることが再確認された. 近年, エストロゲン様作用を臓器特異的に有するSERMが開発され, その一つであるラロキシフェンが臨床の現場で用いられるようになった. 大規模試験であるMORE試験でもラロキシフェンの骨粗鬆症に対する効果は認められ, 有害事象も少ないことから骨粗鬆症におけるあらたなホルモン補充療法として注目されている. さらに近年, 分子生物学的アプローチによりSERMによる組織特異的分子作用機構が急速に解明されつつある. 今後, さらなる検討により骨粗鬆症のみならず閉経後女性の広範囲の疾患改善さらには抗老化作用を視野にいれたホルモン補充療法としてSERMが用いられることが期待される.
著者
石原 陽子 郡 和宏 永井 厚志
出版者
東京女子医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

コラーゲン特異的分子シャペロンHSP47の肺の気腫化・線維化への関与について、ブレオマイシン肺臓炎、長期喫煙、TNF-α過剰発現肺線維症マウスを用いて下記の点を検討した。1.肺の気腫化と線維化病巣の並存においてHSP47は関与しているか。肺線維化と気腫化並存モデルでは、HSP47の明確な関与を示唆する明らかな所見を認めなかった。その原因として、長期喫煙暴露でのマウス肺の気腫化と線維化が軽度でありHSP47遺伝子発現へ影響するほどの肺傷害が誘導されなかった可能性があり、短期間で肺の気腫化と線維化が発現する実験モデルを作成し、さらに検討する必要がある。肺線維化に関しては、肺線維症モデル実験から、HSP47が肺線維化に関与している可能性を示唆する所見が得られた。2.HSP47遺伝子発現量と肺線維化・気腫化の発症・進展メカニズムとの関連性。喫煙モデルでは、肺気腫発症へのHSP47の関与を示唆する所見は得られなかった。可逆的肺線維症では、初期に一過性のHSP47遺伝子発現を認め、非可逆的線維症モデルでは発症よりもむしろ進展過程でHSP47遺伝子発現抑制が観察された。この結果は、非可逆的及び可逆的肺線維化の発症及び進展へのHSP47の関与を示唆する所見と考えられた。3.HSP47が可逆性及び不可逆性肺線維化の規定因子の一つとなりえるか。可逆性と不可逆性肺線維化モデルの成績を比較した場合、可逆性肺線維症では、HSP47遺伝子発現量の増加は一過性であり、不可逆性肺線維症では遺伝子発現の抑制が見られたことから、HSP47はその規定因子の一つとなりえる可能性が見いだされた。4.HSP-47の分子レベルでの発現量を調節することにより、肺マトリックス及び正常肺構築の保持は可能か。非可逆性肺線維症モデルでは、肺換気パターン、肺HOP、病理所見で肺線維化の著明な進展が認められた時期にHSP47遺伝子発現が抑制され、その状態は1年後まで保持された。この結果は、HSP47遺伝子制御によって肺マトリックス及び正常な肺構築への修復は不可能であるが、その進展を抑制することによって代償性肺呼吸機能を保持できる程度に制御できる可能性が示唆された。5.HSP47の調節による遺伝子治療の可能性。上述した実験成績から、HSP47遺伝子発現量の制御によって、ヒトにおいても肺線維化の進展抑制が出来る可能性が見いだされた。
著者
益崎 裕章 高山 千利 島袋 充生 松下 正之 小塚 智沙代
出版者
琉球大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

慢性的な高脂肪餌の摂取が食欲中枢の視床下部において小胞体ストレスを亢進させることにより、高脂肪餌への嗜好性をさらに高める悪循環の分子機構をマウス病態モデルで明らかにした。玄米含有餌を与えたマウスの解析から、玄米に特異的かつ高濃度に含有される生理活性物質、γオリザノールが経口摂取後、脳に移行し、小胞体ストレスを軽減する分子シャペロンとして機能することが明らかとなった。γオリザノールは高脂肪食によって糖尿病を来したマウスの膵島(インスリン分泌細胞)における小胞体ストレスの亢進を緩和し、β細胞の保護と機能回復に貢献することも明らかとなり、天然食品由来成分を活用する新たな医学応用の基盤が確立出来た。
著者
坂井 誠 濱松 晶彦 久保木 謙二 蔵本 築 黒澤 晋一郎
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.31, no.6, pp.447-455, 1994-06-25 (Released:2009-11-24)
参考文献数
15
被引用文献数
3 3

心房細動による塞栓症の一次予防の観点から老年者心房細動40例 (固定性33例, 発作性7例, 平均年齢76歳, 基礎疾患: 弁膜症15例, 非弁膜症25例) を対象に経食道心エコー (TEE) 法による心房内血栓の検出と凝固線溶分子マーカーの動態, 血栓のワーファリン溶解効果について検討した. 凝固線溶分子マーカーとして以下の9項目を測定した. FDP-E, Thrombin-ATIII複合体 (TAT), Plasminogen activator inhibitor-1 (PAI-1), α2PI複合体 (PIC), D-dimer, t-PA, free tPA, tPA・PAI-1複合体, Prothrombin fragment 1+2. また, 動脈硬化性疾患を有しない洞調律21例 (平均年齢75歳) を対照として同様にこれらのマーカーを測定した.TEEにて左房内血栓は心房細動例中14例, 35% (心耳内8例, 心房内6例) に認められ, 弁膜症 (57% vs 27%), 心房内モヤモヤエコー (79% vs 42%) を血栓を認めない例に比し高頻度に有した. 左房径, 左室収縮能と血栓の有無には関連がなかった. 心房内および大動脈壁在血栓 (6例) を有する例は対照群に比しFDP-E, D-dimer, PICの有意の上昇を認め, マーカー9項目中4項目以上の異常を有する頻度が高かった. マーカーからみた心房内と大動脈血栓に対する sensitivity 90%, specificity 65%, predictive accuracy 72%. 左房内に大血栓を有する6例中4例ではワーファリン投与後, 血栓の消失と凝固線溶分子マーカーの正常化を認めたが, 血栓非溶解例でも凝固線溶分子マーカーは低下した. 血栓非溶解例のワーファリン投与前のtPA, PAI-1, tPA・PAI-1複合体値は溶解例に比べ高かった.以上より, 心房内血栓例は凝固線溶分子マーカーの異常を有し, TEEによる心房内および大動脈壁在血栓の検出と凝固線溶分子マーカー測定の組合わせは心房細動例における塞栓症発現ならびに血栓のワーファリン溶解効果を早期にスクリーニングしうる可能性がある.
著者
森山 重雄
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.13, no.6, pp.371-383, 1964-06-01 (Released:2017-08-01)
著者
岡田 順太
出版者
日本法政学会
雑誌
法政論叢 (ISSN:03865266)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.28-42, 2005-05-15 (Released:2017-11-01)

In the series of the Administrative Reform, the new administrative system led by politicians has born and grown. However, on the other hand, the National Diet, prescribed as "the highest organ of state power" by the Constitution, has not wrested the policy initiative from the administrative apparatus of the central government, which has been in place since the Meiji Era. To reform this situation, it is essential to enhance the Diet members' policy forming ability. For this purpose, the Diet members should make the best use of their assistants substitute for the bureaucracy. This article will examine the system and the problems of the Diet member's assistant as compared with the U.S. Congress staff on which the current system has been modeled, and then try to show ways to improve on the effect for Parliamentalism.
著者
松本 直樹
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.39-56, 2008-03-31 (Released:2017-05-04)
被引用文献数
2

地方自治,特に住民自治を実現する制度的な機関である議会の公立図書館及び学校図書館への関心について検討するため,埼玉県内市議会を対象に,全41市の議会会議録の分析を行った。議会会議録の分析から,図書館に比較的強い関心を持つ議員が全体の2.4%存在し,彼らが全質問の28%を占めていた。政党・会派では,公明党,共産党の質問回数が多かった。また,女性議員の関心が高いことが分かった。質問内容としては,施設・職員の充実を望むものが多かった。