著者
小林 弘和 中西 俊博 杉山 和彦 北野 正雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LQE, レーザ・量子エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.90, pp.17-21, 2006-05-26

光電子増倍管の光電面における2光子吸収を利用した光子対検出について紹介する。2光子吸収は時間的、空間的に接近した2光子に対して起こる現象であるため、光子対検出に用いることができる。また、2光子吸収による光電流の入射パワー依存性は、光子の統計的性質に依存し、コヒーレント光では2乗特性、時間相関を持った光子対では線形特性を示す。本稿では、コヒーレント光における光電流の入射パワー依存性の測定により、2乗特性を得たので、その結果を述べ、さらに時間相関光子対の生成実験の結果を述べる。
著者
牛尼 剛聡 渡邉 豊英
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.172, pp.157-162, 2005-07-07
被引用文献数
1

本論文では, ライフログ検索に利用することを目的として, 個人時間空間の要素に対してキーワードで索引付けを行う手法を提案する.デジタルカメラで撮影された画像をはじめとして, 多くの種類のライフログは時間軸上に対応付け可能である.本手法で生成される索引を利用すれば, 時間軸に対応付け可能なライフログを, 人手によるアノテーション無しでキーワード検索可能となる.本手法では, 索引の自動生成のために, 個人が送受信した電子メールメッセージを利用する.本研究で対象とするのは, 索引語と個人時間空間の要素間の関係である.本手法ではその関係を, (1)索引語とメッセージの関係, (2)メッセージとメッセージ中に現れる時間表現の関係, (3)時間表現と個人時間空間の要素間の関係, という3種類の構成要素に分解する.そして, それぞれの構成要素に関して, 局所的重み, 大局的重み, 正規化係数という3種類の基準に基づいて重み付けを行う.
著者
大森 寛史 和田 哲 五嶋 聖治 中尾 繁
出版者
日本甲殻類学会
雑誌
Crustacean research (ISSN:02873478)
巻号頁・発行日
no.24, pp.85-92, 1995-12-15
被引用文献数
7

函館湾葛登支岬の潮間帯転石城において,ホンヤドカリの貝殻利用状況と貝殻資源量について調査を行った.コドラート採集の結果,巻貝の出現頻度に比べクロスジムシロガイとタマキビガイを利用している個体の割合が有意に高いことがわかった.ヤドカリの貝殻の種類に対する選好性実験では,クロスジムシロガイを最も好んでいることから,貝殻の種類に対する選好性が貝殻利用状況に影響を与える1つの要因となっていることが示唆された.採集された個体の貝殻サイズの適合度(SAI)はヤドカリのサイズの増加に伴って減少する傾向が認められた.貝殻の種類別にSAIと貝殻資源量との関係についてみると,貝殻資源量が最も多いと思われるサイズの個体は比較的適した大きさの貝殻(SAI=1)を持っており,それより大きい個体ではSAIは1より小さく,それよりも小さい個体ではSAIは1より大きい値となることが明らかになった.すべての個体についてみると,いずれの種類の貝殻を利用している個体も比較的通した貝殻を利用していた.ヤドカリサイズの増加に伴って利用している貝殻の種類が変化していたことから,貝殻の種類を変えることによって,全体としては比較的高いSAIを維持していることが示唆された.
著者
サトワ E.
出版者
新潮社
雑誌
芸術新潮 (ISSN:04351657)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.94-97, 1963-01
著者
吉村 健太郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.171-176, 2007-02-15
被引用文献数
5

携帯電話,デジタルカメラ,自動車等,我々の身近な電子製品において,組込みソフトウェアは製品の競争力を左右する重要な要素である.ところが,製品機能の増加に伴ってソフトウェアは大規模・複雑化しているにもかかわらず,一機種あたりの開発期間は大幅な短期化が求められている.この問題を解決するためには,組込みソフトウェアを機種間で共通化・再利用化することで,機種あたりの開発コストを低減することがきわめて重要である.本稿では,類似製品間でのソフトウェア共通化技術として産業界からも注目されているソフトウェア・プロダクトライン工学(SPLE:Software Product Line Engineering)の概要,最新の適用事例および研究トピックについて述べる.
著者
岡部 博明 藤村 昌寿 栖原 敏明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LQE, レーザ・量子エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.515, pp.1-6, 2007-01-22

量子情報通信、量子情報処理の分野において量子相関を持つ光子対が重要な役割を果たすと期待されている。本研究では導波型TypeII擬似位相整合直交偏波光子対発生デバイスの設計、作製、評価を行った。また、このデバイスを用いて偏波エンタングル光子対の発生を試み、量子干渉実験を行うことで偏波エンタングル光子対の発生を実証した。
著者
羽倉 淳 嘉数 侑昇
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.44, pp.57-58, 1992-02-24

これまでの推論、知識生成といった知識活動に関する研究において扱われてきた知識は一般に離散空間内で表現されており,基本的に与えられた知識を用いた知識活動が扱われてきたといえる。しかしながら,知識,及び概念とは空間的性質をもつ連続的なものであり,そこに知識活動の巧妙さが隠されていると考えられる。従って,本研究ではそういった見地に立ち,概念に与えられる特徴によって構成される特徴空間内にインスタンスを用いてn個の特徴間に関係付けを行い得られる特徴空間内の超曲面として表現される知識,すなわち,特徴間関係を用い,未知のインスタンスの同定,未知の特徴量の決定問題,さらにその他の応用へのアプローチを試みる。
著者
大沢 裕 坂内 正夫
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.37, pp.1600-1601, 1988-09-12

筆者らは従来より図形の輪郭線をベースにした図面自動入力システムAI-MUDAMSの開発を行っている。予め全ての図形の輪郭線を追跡し折れ線近似(ベクトル化)しておき、以後の処理は全てこの輪郭線データを参照しつつ行うというものである。このシステムで処理の中心となるのは、線図形の輪郭線から、その中心線を求める処理(芯線化処理)である。芯線化は線的な図形部に対してのみ行い、線の交点部分や他の図形との接触部では芯線は途切れさせたままで扱う。図面の認識・理解、会話的な図形修正に際しては、この「芯線が途切れている部分には図形を理解する上で重要な特徴点が存在する」という性質を有効に利用している。芯線が途切れている部分の周辺の図形(即ち輪郭線の形)を詳しく調べるための演算としては、途切れた芯線の端点を中心としてある大きさの探査枠を設定し、この枠内に何本の輪郭線と芯線が存在するか、輪郭線の形はどの様になっているかを、順に追跡して調べるという方法を取っている。この演算は2次元的なベクトルデータの管理に適したBD木と呼ぶデータ構造を用いて全てのデータ管理を行い、演算をこのデータ構造上で行うことにより高速化している。しかし、問題は特徴的な部分を詳細に調べる時の探査枠の大きさを一意に決定することが出来ず、実際には数種類のサイズで試みることが必要になる。この繰り返しが処理時間の増大につながっている。
著者
佐藤 洋平 杉原 厚吉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.669, pp.91-96, 2005-02-17
被引用文献数
6

Human-computer interactionに関連した研究でジェスチャの認識があるが、本稿は, その中でもPCへのマウスやキーボード以外の入力手段としてのジェスチャ認識について研究したものである.このシステムは実時間処理が要求されるが, 本稿では先行研究に比べより実時間処理に適した手法を用い, さらにその手法に対して認識率を上げるための改良も行った.そして結果として, 先行研究よりも計算コストを減らし, かつ認識率を上げることが出来た.また、実際に実装することによって, このシステムがPCと安価なUSBカメラのみで容易に実現可能であることも実証できた.
著者
齊藤 英樹 佐野 昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.457, pp.41-46, 2003-11-14
被引用文献数
1

近距離無線通信でアレーアンテナを用いる場合,入射波の平面波という仮定が妥当でなくなる.つまり,従来のMUSICやESPRITなどの到来方向推定アルゴリズムを適用すると精度が劣化する.このような近傍マルチパス環境において有効な到来方向推定アルゴリズムがなく,本報告では最尤推定に基いて入射波の到来方向だけでなく,アレーアンテナからの距離推定も行う手法を提案する.局所最小解の問題に関しては,ソフトコンピューティング法の1つであるPSO (Particle Swarm Optimization)を用いることで大域最小解周辺の解を得て,そこから繰り返し計算であるNewton法を適用し最適解を得る.数値シミュレーションを行い,Cramer-Rao Boundと比較することで本手法の有効性を確認した.
著者
岡本 青史
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.53, pp.185-186, 1996-09-04

最小近傍法は,パターン認識の分野に起源を持つ分類手法であり,機械学習や情報検索等の広い分野に応用されている.最小近傍法は理論的にもよく研究されているが(例えば[1]),最小近傍法の正答率がノイズによってどのような影響を受けるかは明らかになっていない.本論文では,平均的解析の枠組を用いることにより,最小近傍法に対するノイズの影響を解明する.対象とするノイズは,関連属性ノイズ,非関連属性ノイズ,クラスノイズの3つのタイプである.本解析ではまず,既存の平均的解析の枠組を3つのタイプのノイズが扱えるように拡張し,最小近傍法の正答率を理論的に導出する.次に,この導出結果を用いて,各ノイズが最小近傍法の正答率に与える影響を明らかにする.
著者
村田 真樹 馬 青 内元 清貴 井佐原 均
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.698, pp.25-32, 2001-03-16

テンス・アスペクト・モダリティは,翻訳が難しい問題として知られている.従来はテンス・アスペクト・モダ゛リティの表現は人手で作成した規則によって扱われていたが,近年用例ベース(k近傍法)の方法などのコーパスベースに基づくアプローチでも処理されるようになってきた.本研究では,このテンス・アスペクト・モダリティの翻訳の実験を,k近傍法も含めて様々な機械学習手法を用いて行なった.その結果,サポートベクトルマシンに基づく方法が最も高い精度を得た.また,用例ベースを用いた先行研究では解析に用いる情報は文末の一致文字列のみであったが,この情報に加え,一文全体の形態素情報も解析に用いることにしたところ,精度が上昇するという結果を得た.このことにより,テンス・アスペクト・モダリティの翻訳には文末情報だけでなく一文全体の形態素情報も有用であることがわかる.
著者
丸山 祐太 吉光康大 重野 寛 岡田 謙一 松下 温
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.31, pp.55-60, 2004-03-18

本研究では,遠隔講義中に受講者が起こしたイベントに,受講者のストリーミング映像を対応させて講師に提示する,講師支援システムを提案する.講師がPCを利用して講義を行い,受講者も独自に自宅などでリアルタイムに受講する同期分散型の遠隔講義を想定環境としており,そのような環境では受講者の様子を講師が把握しにくいという問題点がある.そこで,受講者の発言や受講者間コミュニケーションといった受講者の行動を講義イベントとして扱い,受講者の映像をイベントに対応して効果的に切り替えて提示できるようにした.評価実験により講師に提示する手法について,講師のアウェアに要する時間が短いことも確認することができた.In this paper, we describe a teacher supporting system which effectively switches the students' streamed image by using the "Lecture Events" received from the students. We made an assumption that distance education takes the following form; the teacher gives a lecture in a remote place and the students takes that lecture in real-time at home. In this case, it is difficult for the teacher to recognize the reactions of the students. In our system, the students' images are displayed in response to events. From the results of the evaluation experiments, we confirmed that the time for the teacher to grasp the state of the students is shortened when the "Lecture Events" are displayed.