著者
吉田 洋
出版者
学校法人滝川学園 名古屋文理大学
雑誌
名古屋文理大学紀要 (ISSN:13461982)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.153-157, 2013-03-31 (Released:2019-07-01)

資産除去債務の会計基準の影響により,企業が抱える潜在的な債務が明らかになった.本稿では外食産業を例にして資産除去債務の会計処理方法の問題点を明らかにする.資産除去債務は外食産業各社によって費用計上の考え方が大きく異なっている.企業間比較のため,外食産業における資産除去債務の会計処理の統一が課題として必要である.
著者
Kimiko Yamakawa Shigeaki Amano Mariko Kondo
出版者
ACOUSTICAL SOCIETY OF JAPAN
雑誌
Acoustical Science and Technology (ISSN:13463969)
巻号頁・発行日
vol.43, no.5, pp.241-250, 2022-09-01 (Released:2022-09-01)
参考文献数
27

Vietnamese speakers' mispronunciations of Japanese singleton and geminate stops were identified using the category boundary of the stops pronounced by native Japanese speakers. To clarify the characteristics of the Vietnamese speakers' mispronunciations, their speech segment durations were analyzed. In comparison with native Japanese speakers' correct pronunciations, Vietnamese speakers mispronounced a singleton stop with a longer closure and a shorter preceding consonant-vowel segment, whereas they mispronounced a geminate stop with a shorter closure and a longer following consonant-vowel segment. These results were consistent with the findings of Korean, Taiwanese Mandarin, and Thai speakers in previous studies, suggesting that non-native speakers may have a common tendency to have inadequate durations of closure and anteroposterior consonant-vowel segments in mispronunciations of Japanese singleton and geminate stops.
著者
木戸 康人
出版者
言語科学会
雑誌
Studies in Language Sciences (ISSN:24359955)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.43-67, 2022-09-01 (Released:2022-09-01)
参考文献数
41

本稿では、なぜ成人が促音を含む複合動詞を月齢が低い幼児に対して使う傾向が観察されるのか、また、なぜ幼児が最初に発話する複合動詞には促音が含まれているのか、という2つの問いを明らかにすることを目的としている。それらの問いを明らかにするために、CHILDESデータベース(MacWhinney, 2000)を用いて分析を行った。その結果、幼児の月齢が低ければ低いほど、成人は前部要素に特殊拍を含むという幼児語の音韻的な特徴を有した複合動詞を使っていたこと、また、日本語を獲得中の幼児が複合動詞を獲得するとき、幼児が最初に発話する複合動詞は前項動詞に促音を含んだものという共通点があったことを報告する。本稿は、主に2つの理論的示唆を与えている。第一に、幼児語の音韻的な特徴が語彙獲得を促進させていることを複合動詞の獲得の観点から示した点である。第二に、Berman(2009)によって示されたヘブライ語の複合名詞の獲得における特徴とChen(2008)によって示された中国語の複合動詞の獲得における特徴が日本語の複合動詞の獲得にも当てはまることを示した点である。
著者
高橋 満彦 大宅 裕紀 土井 徹
出版者
一般社団法人 日本環境教育学会
雑誌
環境教育 (ISSN:09172866)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.4_48-55, 2022 (Released:2022-08-04)
参考文献数
19

This paper analyzes how the management of wildlife (birds and mammals) is described in textbooks authorized by the Japan's Ministry of Education for use in elementary and middle schools. All of the textbooks authorized for Social Studies (24 items for elementary and 13 items for middle schools), Science (28 for elementary and 18 for middle schools), Life Environment Studies (17 items for elementary schools), and Technical Arts (thee items for middle schools) were investigated for discussion.  Wildlife management consists of multiple elements. Japanese wildlife policy originally focused on protective elements; however, with increasing wildlife damage, the Wildlife Act was revised in 2014 to define “protection” and “control” as dual values of wildlife management.  Through our research of textbooks, we found that they describe the “protection” of wildlife fairly well. However, the “control” of wildlife is mentioned or alluded to in only 16 items. Lethal control is discussed in only one textbook for middle school science.  The authors assert that the “control” of wildlife should be described in textbooks not only for the pupils to understand the current environmental policy, but also to comprehend the challenges towards agricultural and rural communities.
著者
小澤 雄二 小崎 亮輔 藤田 英二
出版者
日本スポーツパフォーマンス学会
雑誌
スポーツパフォーマンス研究 (ISSN:21871787)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.158-163, 2022-07-21 (Released:2022-07-28)
参考文献数
15

本研究では,柔道選手が「積極的に前に出て相手を押し込んで試合を展開することの利点」と「握力発揮の影響」を明らかにするために,重心位置の相違や,握力発揮の有無を設定した条件下における単純全身反応時間を検証し,柔道のコーチングに活かすことを目的とした.結果は,以下に示すとおりである. 1.単純全身反応時間は,握力発揮の有無に関わらず,重心位置が前方,自然体,後方の順に速かった. 2.単純全身反応時間は,重心位置に関わらず,握力発揮なし時に比べ,握力発揮あり時には遅延した. 以上のことから,試合において積極的に前に出て相手を押し込むことや,組み手の工夫によって柔道衣の握り方に強弱を付けることは,より素早い反応による素早い技出しや防御動作が期待できるという点において,有利に試合を進めるための戦術となり得るものと考えられる.
著者
樋口 秀行
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.347-351, 2016-05-14 (Released:2016-07-07)
参考文献数
7

デスフルランの物理的特徴として,標準沸点が22.8℃と他の揮発性麻酔薬と比べて,極めて低いという点がある.そのため,保存・供給する容器,気化器も特徴的になっている.デスフルランは化学的に極めて安定している.すなわち,生体内代謝はほとんど受けず,二酸化炭素吸収剤と反応して分解されることはない.しかしながら,乾燥したソーダライム,バラライムと反応して一酸化炭素を生成する.また塩素分子を有さないので,オゾン層破壊作用はないが,地球温暖化効果を有し,対流圏における寿命は他の揮発性麻酔薬より長い.
著者
下澤 雅明
出版者
大阪大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2022-06-30

本研究課題では、温度感度の優れた超伝導小型温度センサーを走査システムと組み合わせることで、超高感度の走査型熱顕微鏡を開発することである。さらに、開発した測定システムを用いて、キタエフスピン液体や量子スピン液体などのバルク熱測定で見られる実験ごとの矛盾点・不一致点に対して、局所的な視点から考えるきっかけを作る。
著者
藤代 有絵子
出版者
国立研究開発法人理化学研究所
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2022-04-01

本研究では、電子スピンが固体中で作る非共面的な構造(立体角を張る)とその揺らぎを制御し、新たな電気輸送特性の探索を行う。特に、螺旋スピン構造の電流駆動がもたらすインダクタンス効果や、磁性が外部パラメーター(圧力など)の制御によってゼロ温度で消失する量子相転移近傍での輸送特性に着目する。従来の研究で着目されてきた静的な長距離秩序の枠組みを超えて、スピン構造のダイナミクスがもたらす新規現象についての学術的理解を深めることを目指す。
著者
酒井 英明
出版者
大阪大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2022-06-30

次世代トポロジカル量子計算に必須のマヨラナ準粒子を実現できる系として、超伝導体とトポロジカル絶縁体の人工超格子薄膜が注目されている。これに対し本研究は、鉄系超伝導体を高温超伝導層とトポロジカル絶縁層の自然超格子物質として新規開拓することを目的とする。本系ではマヨラナ粒子の高温化に加え、熱輸送測定による検出が可能になると期待される。そこで、元素置換によるキャリア濃度の精密制御を行い、得られた最適物質においてマヨラナ粒子特有の熱伝導・熱ホール効果を実証する。これにより、多彩なマヨラナ粒子を実現できる物質の設計法を確立することを目指す。
著者
上野 貴弘 大橋 正良
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:21888760)
巻号頁・発行日
vol.2022-HCI-199, no.25, pp.1-6, 2022-08-15

いじめは被害者の心身的苦痛に基づく主観的な事象であるため,特定の動作から検出することは難しい.そこで,本研究では,被害者の心拍情報を用いて,主観的ストレスに対応したいじめの検出手法を検討する.実験では動画視聴による疑似的な体験から,いじめとリラックスのケースに基づく被験者の心拍情報を取得し,主観ストレスのアンケートを実施した.現在投稿中の論文では,いじめとリラックスを二値分類する機械学習モデルの精度と主観ストレスの相関を分析しているが,本稿では,分析結果を踏まえ,高ストレスと低ストレスにそれぞれ区別したデータを用いて解析した結果を報告する.
著者
植野 洋志 武市 陽一郎
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1998

1.CAD65遺伝子をパン酵母に組み込み、酵母内可溶化タンパク質としてグルタミン酸デカルボキシラーゼを発現する系を作成した。2.発現効率の向上を目指して、培地中に加える炭素元の検討、誘導をかけるためより効率のよい誘導因子の探索、ベクターの変更、プロモーターの変更、ターミネータの変更、及び宿主の変更を行った。3.発現タンパク質の安定性に関わる因子について見当を行った。熱安定性について調べた結果、発現タンパク質は40℃に置くことで失活するが、基質アナログ、特に拮抗阻害剤、の存在下では顕著な熱安定性を示した。この結果より、基質アナログはGAD65の構造安定化に寄与し、その抗原性を長期にわたり保持できる可能性を示唆することができた。4.GAD活性の測定は従来より放射性同位元素であるC-14でラベルされたグルタミン酸を気質として用い、遊離の二酸化炭素中の放射線量を定量する手法がとられてきた。放射性同位元素の使用は環境問題とも関連して避けたいのでこれに代わる高感度で簡便な二酸化炭素測定装置の開発を行った。その結果、マイクロキャピラリー管と光センサー・カウンターの組み合わせが有効であることが判明し、現在さらなる改良を加えている。5.我々が開発した発現系は外来タンパク質の発現に有効利用できることをヒト由来のヒスチジンデカルボキシラーゼを発現することで示すことができた。これにより、従来困難であった微量タンパク質の大量培養・精製に応用できると考える。
著者
浜口 毅 山田 正仁
出版者
日本神経感染症学会
雑誌
NEUROINFECTION (ISSN:13482718)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.65, 2020 (Released:2020-05-13)
参考文献数
33

【要旨】Creutzfeld-Jakob 病(Creutzfeldt-Jakob disease、以下 CJD)に代表されるプリオン病は、脳における海綿状変化と異常プリオンタンパク質蓄積を特徴とする神経変性疾患である。ウシ海綿状脳症からヒトへ伝播したと考えられる変異型 CJD やヒト乾燥屍体硬膜移植や成長ホルモン療法、脳外科手術等によって伝播したと考えられる医原性 CJD のように、プリオン病は同種間あるいは異種間で伝播しうる。一方、Alzheimer 病(Alzheimer's disease、以下 AD)の病理学的特徴の一つであるアミロイドβタンパク質(amyloid β protein、以下 Aβ)の脳への沈着も、プリオン病の異常プリオンタンパク質と同様に個体間を伝播することを示す動物実験結果が近年多数報告され、さらに、硬膜移植後 CJD や成長ホルモン製剤関連 CJD といった医原性CJD 剖検脳の検討から Aβ病理変化がヒトにおいても個体間を伝播した可能性が報告されている。脳血管へのアミロイド沈着症である脳アミロイドアンギオパチー(cerebral amyloid angiopathy、以下 CAA)は、脳血管へ Aβが沈着する孤発性 CAA(Aβ-CAA)が、高齢者や AD 患者でしばしば認められるが、若年での報告はきわめて少ない。しかし、近年、若年発症の CAA 関連脳出血の症例が複数報告され、それらの症例は脳外科手術歴を有していたことから、脳外科手術での Aβ-CAA が個体間伝播した可能性が指摘されている。 これらの症例にはヒト乾燥屍体硬膜移植がはっきりしない症例も含まれており、ヒト乾燥屍体硬膜移植だけでなく脳外科手術器具によって Aβ-CAA が個体間伝播した可能性も疑われている。

1 0 0 0 東奥年鑑

出版者
東奥日報社
巻号頁・発行日
vol.昭和7年, 1932
著者
富永半次郎著
出版者
中央公論社
巻号頁・発行日
1944