著者
宮内 健 向後 千春
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会研究報告集 (ISSN:24363286)
巻号頁・発行日
vol.2022, no.2, pp.136-143, 2022-06-27 (Released:2022-06-27)

児童の「きく」力と教科の学力との関連について検討した.首都圏公立A小学校第4学年児童125人を対象とした.児童の「きく」力の指標を「話す・聞く」テストと児童の「きく」力尺度(質問紙)の聴解基礎力の2つとした.どちらの指標においても児童の「きく」力は教科の学力と正の有意な相関があることが示された.
著者
菊地 昌弥 竹埜 正敏 古屋 武士
出版者
日本フードシステム学会
雑誌
フードシステム研究 (ISSN:13410296)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.155-168, 2019 (Released:2019-04-02)
参考文献数
11

In the distribution channel of frozen vegetables, the relationship between developmental importers and domestic manufacturers is not necessarily considered important. However, recently leading developmental importers have served as major market channels for those manufactures handling domestic products. Under these circumstances, in the present study, we clarified the cooperation among them. Moreover, through this discussion, we also found the fact that developmental importers have a positive impact on the performance of domestic manufacturers.
著者
吉田 怜司 菅谷 みどり
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとパーベイシブシステム(MBL) (ISSN:21888817)
巻号頁・発行日
vol.2019-MBL-90, no.13, pp.1-5, 2019-02-25

センサデータを元に人の感情を推定する手法は数多く存在し,心拍や脳波などの生体情報を用いた感情解析が研究されてきた.生体情報を用いた感情推定手法はその精度を計るために,評価主の主観との一致度を求めるのが一般的であるが,そもそも評価主の主観が本心での感情と一致しているという保証がない.そこで,EQ 指標を用いて生体情報を用いた感情推定手法の評価を行った.結果,刺激に対する主観評価の信憑性を表す指標をしての有効性を示すことができた.また,本発表では生体情報を用いた感情推定の応用についても述べる.
著者
川上 洋平 駒澤 真人 菅谷 みどり
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:21888760)
巻号頁・発行日
vol.2019-HCI-182, no.16, pp.1-8, 2019-03-11

軽度なうつ状態や精神疾患等者は増大している一方支援が少ないことが課題となっている.支援を行うためには精神科医による治療にある 2 つの工程であるアセスメントとカウンセリングを支援することが重要である.アセスメントでは,通常心理学に基づいた検査により受診者の心理を読み解き感情を把握するが,本研究では,本人が判定できない感情を脳波と脈拍値から感情分類により感情推定する手法および指標を提案する.また,カウンセリングは様々な方法が存在するが,本研究では色彩療法を利用し,支援システムによって分類された感情に合わせた色彩を提示することにより,感情の安定化を図るシステムを提案する.照明の変更が可能なスタジオにて複数人の実験協力者により実験を実施した結果,提案指標による感情分類および,色彩を用いた安定化が有効であることが示唆された.
著者
山内 晋次
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
Jiangnan Culture and Japan : A Rediscovery of Resources and Human Exchange
巻号頁・発行日
pp.201-211, 2012-03-23

江南文化と日本 : 資料・人的交流の再発掘, 復旦大学(上海), 2011年5月27日-29日
著者
武笠 俊一
出版者
The Japan Sociological Society
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.291-304, 1990-12-31 (Released:2009-10-19)
参考文献数
8

時間論には、いろいろなアプローチがありうるが、本稿では時間計測の歴史に焦点をあてることによって、その計測技術の飛躍と近代社会の成立との関連を論じてみたい。近代以前の社会において、時計には時刻を知るためのものと時間の量を計るもの、二つのタイプがあった。ところが、ともに時間をはかる器具でありながら、この二つの時計は互換性をほとんど持っていなかった。しかし、近代の初頭において振り子が機械時計の調速部に採用されると、時間計測の精度は飛躍的に向上し、二つの時計は一つに統合されてゆく。「時計の統合」にいたってはじめて時間計測の普遍性が確立される。それは、近代科学、工業技術の発達の基礎となったばかりでなく、近代人の時間意識を作りかえ、複雑きわまりない近代的社会システムの形成を可能にしたのである.
著者
森本 康裕 鶴田 俊介 坂部 武史
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.378-386, 2005 (Released:2005-07-29)
参考文献数
17

脳動脈瘤に対しては開頭下に動脈瘤にクリップをかけるクリッピング手術が一般的であったが, 最近は血管内手術も増えてきた. 麻酔法としては, プロポフォールの登場で吸入麻酔薬あるいは静脈麻酔薬による麻酔維持の使い分けが可能になった. 脳動脈瘤手術は緊急手術となることが多く, まず患者の重症度や全身合併症を把握する必要がある. 麻酔のポイントは脳灌流圧と動脈瘤の経壁圧を保ち, 動脈瘤の破裂 (再破裂) を防ぎ, 脳の腫脹を抑え, 脳血管攣縮を予防することにある. 麻酔薬および麻酔関連薬の脳循環, 代謝への影響を理解し, 脳神経外科医と十分なコミュニケーションをとり個々の患者の病態に応じて適切な管理を行うことが重要である.

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出版者
日本動物心理学会
雑誌
動物心理学研究 (ISSN:09168419)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.125-127, 2011 (Released:2011-07-15)
著者
渡邉 研斗 松林 優一郎 深山 覚 中野 倫靖 後藤 真孝 乾 健太郎
雑誌
研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:21888663)
巻号頁・発行日
vol.2017-SLP-116, no.16, pp.1-12, 2017-05-08

本研究では楽曲のメロディを考慮した歌詞の自動生成手法を提案する.人間の作詞現場においては,予め作曲されたメロディに対して歌いやすい歌詞を創作する 「曲先」 と呼ばれる方法が広く行われている.しかしながら,自動歌詞生成の既存手法の多くは,韻やシラブルに基づく生成手法を提案しているものの,メロディと歌詞の関係を考慮しておらず,メロディの区切りと単語の区切りが一致しないような不自然な歌詞を生成してしまう問題がある.本研究では,メロディの音符と歌詞の読みが対応づいたデータを用いて,メロディの音の長さ ・ 休符の位置 ・ 繰り返し構造などの特徴と歌詞の相関を詳しく分析し,その結果をもとにした自動歌詞生成モデルを構築する.結果として作成されたモデルにより,休符や長い音符付近で行や段落 (連) が区切れている自然な歌詞が自動生成された.
著者
西澤 秀哉 中山 英人
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.36, no.5, pp.626-628, 2016-09-15 (Released:2016-11-05)
参考文献数
16

頭部外傷患者の麻酔管理は,二次性脳損傷の発症・進展を防ぐために,頭蓋内圧を制御して脳灌流圧を維持することが重要となる.臨床使用濃度におけるデスフルランが頭蓋内圧を大きく変動させることはないが,頭部外傷患者は脳血流自己調節能が破綻している可能性が高いため注意を要する.術後早期に神経学的機能評価を行うことで治療可能な合併症を捕捉できる利点を有することから,デスフルランの速やかな覚醒は有用である.
著者
堤 彩香 平賀 譲
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2014-MUS-105, no.5, pp.1-6, 2014-11-13

日本語には高低のアクセントが存在し,各単語はそれぞれのアクセント型を持つ.楽曲の歌詞を日本語という点から見たとき,日本語の持つ音や響きがメロディへ影響をもたらす可能性があると考え,その関係性について調べることにした.本研究では唱歌・童謡について歌詞を文節に区切りアクセント型別に分類し,詞のアクセントとメロディの関係を調査した.その結果,童謡・唱歌どちらにおいてもアクセントとメロディ上下の高い一致が見られた.
著者
上村 靖司 星野 真吾
出版者
公益社団法人 日本雪氷学会
雑誌
雪氷 (ISSN:03731006)
巻号頁・発行日
vol.70, no.5, pp.477-485, 2008 (Released:2021-04-09)
参考文献数
5

一般に氷を製造する場合の熱移動は,熱伝導または対流熱伝達が支配的であり,放射を工業上利用した製氷技術は見当たらず,その得失は未知である.本研究は,放射冷却による製氷(放射製氷) の技術開発を目的とし,実証実験装置を試作しその製氷過程の観察を行った.実験装置は低温熱源と断熱水槽で構成され,両者の間の熱伝導と対流熱伝達を排除し,かつ霜の成長を抑制するための真空層を挿入した. 実験は雰囲気温度約2℃に保持された低温室内で行い,水槽側面の静止画像撮影と水温測定を行った.初晶は冷却開始から数時間後に水槽上面で自然発生し,その後鉛直下向きにほぼ一定速度で成長し,40時間で約20mm の厚さとなった.その間の成長速度は0.6mmh-1であった. 生成された氷は目視では完全に透明で気泡も見られなかった.そして結晶は全体が鉛直方向をc軸とする単結晶であった.熱伝導による製氷(伝導製氷)と比較を行った結果, 伝導製氷は氷が厚くなると成長速度が低下するのに対し,放射製氷では速度低下が見られず,また取り込まれる気泡のサイズが小さいという違いが見られた.