著者
Ryutaro Arita Rie Ono Natsumi Saito Satoko Suzuki Akiko Kikuchi Minoru Ohsawa Yasunori Tadano Tetsuya Akaishi Takeshi Kanno Michiaki Abe Ko Onodera Shin Takayama Tadashi Ishii
出版者
Tohoku University Medical Press
雑誌
The Tohoku Journal of Experimental Medicine (ISSN:00408727)
巻号頁・発行日
vol.257, no.3, pp.241-249, 2022 (Released:2022-07-02)
参考文献数
49
被引用文献数
2

Coronavirus disease 2019 (COVID-19) causes a variety of pain symptoms in the acute phase. Severe chest pain suddenly occurs even without abnormalities on examination and is sometimes refractory to analgesics. Such pain is a clinical concern in care facilities with limited resources, and this is the first report on the use of saikanto for its treatment. In Miyagi Prefecture, Japan, COVID-19 patients with mild symptoms were admitted to a hotel that operated as an isolation facility, and their symptoms were observed. In this article, we report four cases in which chest pain comorbid with mild to moderate COVID-19 was successfully treated with saikanto, a traditional Japanese (Kampo) medicine. The patients presented with chest pain and underwent medical examination at the facility. Two patients had severe chest pain refractory to acetaminophen. Critical cardiopulmonary diseases were ruled out in all the patients, and three patients had features of pneumonia on chest radiograph. Medications, including saikanto, were administered to the patients. The patients’ chest pain and other symptoms improved 1-4 days after the administration of saikanto, and they left the care facility without hospitalization. The cause of the chest pain experienced by these patients is unclear, but we speculate that it could be minimal pleural inflammation or neuropathy. Previous pharmacological studies have suggested anti-inflammatory and analgesic properties of the crude drugs that constitute saikanto. This case report suggests that saikanto could be a treatment option for chest pain refractory to analgesics in patients with mild to moderate COVID-19.
著者
山崎 幹夫 堀江 義一 宇田川 俊一 越後 多嘉志 君 政子
出版者
Japanese Society for Food Hygiene and Safety
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.1-6_1, 1975-02-05 (Released:2009-12-11)
参考文献数
15
被引用文献数
3 2

国内および国外のはちみつ, 合計23試料について着生菌類の分離を試みたところ, はちみつ病原菌として知られる Ascosphaera apis のほか Chaetomium, Eurotium, Aspergillus, Cladosporium, Penicillium 属などの菌が分離された. 酵母に比べると一般に菌出現頻度は低く, 輸入試料に比べると国内産試料の出現頻度が低かった. グルコース, ショ糖の各濃度添加培地における分離菌の生育は可能であり, はちみつ自体における生育も可能であった. したがって, はちみつが発黴しにくい原因は単なる糖高濃度, 低pH性にあるだけでなく, 酵母による優先型環境のために菌の発育を妨げられるのであろうと推定される.
著者
安藤 直見
出版者
日本図学会
雑誌
図学研究 (ISSN:03875512)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.11, 2016 (Released:2017-09-01)
参考文献数
10

映画には,作品としての表現の一部として,あるいは背景として,建築が描かれる.本論は,映画から建築のイメージを読み取るための方法について論じ,映画を通して歴史的な建築の特徴を学ぶための教育資料を提示することを目的としている.その端緒として,本稿は,古代エジプト建築を描いた映画を取り上げ,そこに表れた古代エジプト建築のイメージの特質を検証する.古代エジプトの建築は,大ピラミッドの他,アブシンベル神殿の巨像,ルクソール神殿の大列柱など,石造の量塊的な巨大さを特徴とする.

1 0 0 0 実業往来

著者
実業往来社 [編]
出版者
実業往来社
巻号頁・発行日
no.228, 1970-12
著者
丸山 武
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, 1970-01-15
著者
大貫 智洋
雑誌
研究報告ソフトウェア工学(SE)
巻号頁・発行日
vol.2012-SE-175, no.10, pp.1-8, 2012-03-08

制御ソフトウェアの開発手法として,モデルベース開発の普及が進んでいる.モデルベース開発では実装コードを機械的に生成することが可能であるため,実装に誤りが混入する危険性は低い.その一方で,要求仕様や制御仕様の記述は人手により行っているため,誤りが混入しやすい.このような課題を解決するため,本論分では上流工程で仕様を正確に記述する手法について,調査・分析した.要求分析を正確に記述する手法,制御仕様を検証する手法についてまとめたのち,今後の課題を分析する.
著者
西谷 一平 山口 智也 加賀 智之
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.118-123, 2018 (Released:2018-01-25)
参考文献数
8

大規模・複雑化する制御ソフトの品質確保は重要課題である。これに対し、望ましくない振る舞いにつながる入力シナリオを自動探索するサーチベーステストを開発してきた。本研究では探索効率の向上を目指し、実走行データより得られる実走行条件分布を基にした新たな入力シナリオ生成機能を開発した。
著者
今村 哲也
出版者
[出版者不明]
巻号頁・発行日
2012

制度:新 ; 報告番号:甲3747号 ; 学位の種類:博士(法学) ; 授与年月日:2012/9/26 ; 早大学位記番号:新6118
著者
宗岡 光彰 小森谷 久美 村上 康二郎
出版者
東京工科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

本研究は、「情報アクセシビリティ」を基本的人権の一つとして位置づけ、その実現に困難があると想定される障害者の情報利用、とくにインターネットの利用に焦点を当て、その実態を把握し、障害者の情報アクセシビリティ保障のための方策を探ることを目的としている。研究は平成14年度、15年度の2年度に亘って行った。研究の初年度(平成14年度)には、基本的文献の研究および質問紙法による障害者の情報利用の実態調査を行った。とくに、障害者のITおよびインターネットを活用しての情報の取得・利用やコミュニケーション、社会参加の手段としての利用の実態把握に重点をおいて調査を実施した。この調査により、障害者の情報アクセシビリティの現状や問題点を把握することができた。最終年度の平成15年度は、文献研究の継続、前年度の実態調査結果の詳細分析、障害者の情報アクセス・情報利用の事例研究、技術分野の専門家へのインタビュー調査、アメリカの関連法の調査を実施した。これらの研究調査結果を整理、分析、考察し、さらに、前年度の研究結果を融合して、研究のまとめを行った。研究結果の内容は、まず、障害者の現況、支援政策の最近の動向を整理した。次いで、前年度に実施した障害者の情報利用の実態調査データの詳細分析を行い、携帯電話、インターネットの保有・利用状況、つまり、メディア行動を分析するとともに、問題点・課題を把握した。続いて、障害者の情報化サポートの施策、実状、関連技術の動向をまとめた。また、障害者の情報アクセシビリティの保障のためには、法的、制度的バックアップが欠かせないことから、アメリカの関連法の分析を行い、わが国への示唆を得た。さらに、情報アクセシビリティの経済的問題点について考察を行った。以上の結果を踏まえ、障害者の情報アクセシビリティの問題点と課題を整理し、障害者の情報アクセシビリティの保障のための方策をまとめた。
著者
大村 美菜子 髙橋 稔
出版者
容装心理学研究編集委員会
雑誌
容装心理学研究 (ISSN:24363367)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.13-19, 2022 (Released:2022-05-02)

産後女性のストレス要因の中で「容姿の変化」は大きく,本研究では産後の化粧行為に焦点を当てた。本研究では,産後の化粧行為の実態について把握することを第一の目的,化粧行為とメンタルヘルスとの関係について把握することを第二の目的とした。産後の出産という大きなライフイベントを迎えた産後女性を対象に,化粧行為とメンタルヘルスとの関連について検討した。調査対象者は,20~40代の産後1年以内の経産婦206名であった。結果としては,化粧行為にかける時間は産前と比較して産後は減少し,化粧行為の内容についても産後は簡易化していることが確認された。また,産後において化粧行為による満足が自己肯定感を高め,それによって気分の落ち込みが低下することが明らかになった。

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著者
高橋新吾 著
出版者
一橋書房
巻号頁・発行日
1952
著者
憲政会本部 [編]
出版者
憲政会本部
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, 1921-02
著者
憲政会本部 [編]
出版者
憲政会本部
巻号頁・発行日
vol.3, no.7, 1920-11
著者
植村 邦彦
出版者
關西大学經済學會
雑誌
関西大学経済論集 (ISSN:04497554)
巻号頁・発行日
vol.47, no.5, pp.481-510, 1997-12

マルクスの数多い著作の中でも、1852年に書かれた『ルイ・ボナパルトのブリュメール18日』ほど、これまでに様々な読まれ方をしてきたテクストはないだろう。たとえばエドワード・サイードは、文学批評の方法を論じたエッセイの中で小説と「情況的現実」との関係を論じながら、やや唐突に次のように述べている。「しかしながら、いかなる小説家も、『ルイ・ボナパルトのブリュメール18日』を書いたときのマルクスほどに現実的情況について明確な態度を取ることはできないだろう。私から見れば、現実的情況が甥[ルイ・ボナパルト]を革新者としてではなくて、偉大な叔父[ナポレオン]の笑劇的な反復者として仕立て上げたことを示すときの筆法の正確さがこれほどに才気あふれ、これほどに圧倒的な力をもって迫ってくる著作はない(1)」。サイードが強調する第一点は、「マルクスの方法にとって言語や表象は決定的な重要性を持って」おり、「マルクスがあらゆる言語上の工夫を活用していることが『ブリュメール18日』を知的文献のパラダイムたらしめ(2)」ているということであり、第二は、ナポレオン伝説によって育まれた「実にひどい過ち」を修正するために、「書き換えられた歴史は再び書き換えることが可能であることを示」そうとするマルクスの「批評的意識(3)」である。こうして、マルクスにおけるレトリックという問題が設定される。あるいは、「オウムと世界最終戦争」という副題をもつ著書『虚構の時代の果て』の「あとがき」で、大澤真幸はこう述べている。「民主主義体制の下で極端な独裁が国民の広範な支持を獲得できたのはなぜか。マルクスは、この人物、ルイ・ボナパルト(ナポレオン三世)のク・デタが人民投票で承認された直後に、彼が政権を獲得するまでの過程を社会学的に考察する『ルイ・ボナパルトのブリュメール18日』を著している。今日でもなお、マルクスのこの議論は、ボナパルトが成功しえた理由についての、最も説得力ある分析であろう。ちょうどこのマルクスの分析のような、私たちが内属している『オウム』という文脈に対する透徹した考察が必要である(4)」。ここでは、マルクスのこの書は、「考察する者自身が内属している<現在>」に関する「社会学的考察」の模範例とみなされている。このような『ブリュメール18日』の読み方は、言うまでもなく、「マルクス主義」の側からの正統的な読み方とはかなり異なる。マルクスの死後まもない1885年に、エンゲルスはこの書の第三版に付した序文で、次のような位置づけを試みているからである。「マルクスこそ、歴史の運動の大法則をはじめて発見した人であった。この法則によれば、すべて歴史上の闘争は、政治、宗教、哲学、その他どんなイデオロギー的分野でおこなわれようと、実際には、社会諸階級の闘争の――あるいはかなりに明白な、あるいはそれほど明白でない――表現にすぎない。そして、これらの階級の存在、したがってまた彼らのあいだの衝突は、それ自体、彼らの経済状態の発展程度によって、彼らの生産、およびこの生産に条件づけられる交換の仕方によって、条件づけられているのである。……マルクスは、ここでこの[フランス第二共和制の]歴史によって自分の法則を試験したのであって、彼はこの試験に輝かしい成績で合格した、と言わざるをえないのである(5)」。この見方によれば、『ブリュメール18日』は「唯物論的歴史観の定式」の一つの例示だということになる。本稿の課題は、『ルイ・ボナパルトのブリュメール18日』に関する最近の注目すべきいくつかの「読み方」の批判的検討を通して、マルクスの思想の展開の中に占める『ブリュメール18日』の位置づけを明らかにすることにある。マルクスにおける歴史認識の方法、それがテーマとなる。