著者
佐藤 賢一
出版者
電気通信大学
雑誌
電気通信大学紀要 (ISSN:09150935)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.68-96, 2019-02-01

This paper introduces the collection of traditional Japanese Mathematical books in the library of the University of Tokyo. This collection has 1376 titles gathered from 1891 to 1899 by traditional Mathematicians, HAGIWARA Teisuke and ENDO Toshisada. The author traces bibliographical datum of each title in order to clarify the time of registration.
著者
柿原 泰 今中 哲二 尾松 亮 山内 知也 吉田 由布子
巻号頁・発行日
2016-05-29

会議名: 日本科学史学会第63回年会・シンポジウム7「チェルノブイリ30年―原発事故後の放射線健康影響問題の歴史と現在―」
著者
小出 治都子 尾鼻 崇 Chitoko KOIDE Takashi OBANA
雑誌
大阪樟蔭女子大学研究紀要 = Research Bulletin of Osaka Shoin Women's University
巻号頁・発行日
vol.8, pp.69-74, 2018-01-31

本稿は、「乙女ゲーム」の歴史の変遷とともに、「乙女ゲーム」におけるキャラクターの重要性についてイメー ジカラーを中核として考察したものである。「乙女ゲーム」は、1994 年に発売されて以降、ノベルゲーム化していく とともに、さまざまなゲームタイトルが発売されてきた。このような「乙女ゲーム」を紹介するゲーム雑誌を分析す ると、「乙女ゲーム」が多く発売されるようになる 2010 年以降、キャラクターやストーリーを重視したものとなって いたことが明らかとなった。さらに、「乙女ゲーム」の攻略対象キャラクターとイメージカラーのもつ意味との関係 性を考察した。そのような攻略対象キャラクターに、「声」を当てることによって、読むだけよりも臨場感のあるゲー ムといえ、「乙女ゲーム」の特徴として捉えることができるのである。
著者
松浦 昭洋 大島 悠 栗原 秀典 折小野 嘉輝
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC)
巻号頁・発行日
vol.2014-EC-34, no.4, pp.1-5, 2014-12-12

本稿では,いくつかの凸曲面からなるディスプレイ上で棒状インタフェースを回転させ,棒とディスプレイの接触情報を用いてマルチタッチ入力を行うコンピュータシステム Stick'n Roll を提案する.本システムでは,曲面上に座圧分布センサを貼付して棒とディスプレイの接触情報をリアルタイムで取得し,コンピュータ上でデータ処理,アプリケーション処理を行った後,曲面上方から曲面に映像をプロジェクションする.本システムの有効性,一定の汎用性を示すために制作した風船割ゲーム,鍵盤楽器等のアプリケーションも紹介する.
著者
坪井 良介 各務 裕太 山口 大輔 倉光 君郎
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.22, 2018-06-26

型推論は,構文パターンから型を推論する方法で,型アノテーションなしで静的型付けを実現する.ただし,構文パターンからの型推論はアルゴリズムが複雑になりがちですべての言語に採用しにくい問題がある.本発表は,よりお手軽に型推論を実現するため,名前からの型推論を提案する.まず,実際のソース・コードを解析し,型と名前の法則性を調べる.それに基づき,名前からの型を推論するシステムと言語設計を定義した.我々は,これらのアイディアを関数型スクリプト言語konoha 5λに実装し,その使いやすさを検証し報告する.
著者
田中 健夫
出版者
東京女子大学
雑誌
東京女子大学紀要論集 (ISSN:04934350)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.119-134, 2021-03-30

It is an important practical issue to understand and intervene in the minds of perpetrators in clinical psychological support for those who have committed harmful acts. It is important to distinguish between the perpetrator’s own past experiences of victimization, such as being abused, and their sense of victimhood. One of the origins of victimhood is identification with the aggressor’s guilt that was internalized through the experience of being abused. This paper discusses the importance of the client’s development of guilt, intervening to understand the client’s train of thought, and sharing the psychological circumstances that compel the client to become dissociative.臨床心理学的な支援において、加害行為に至った者の心の中にある被害体験と被害者意識をいかに理解し取り扱っていくのかは重要な実践的課題である。加害者が実際に経験をした過去の被虐待などの被害体験と、被害者意識とを識別することがまずは重要である。被害者意識は、被虐待経験を通して内面化された攻撃者の罪悪感への同一化にひとつの起源がある。罪悪感を発達させること、クライエントの思考の筋道を把握するための介入、解離的にならざるをえない心的状況を共有していくことの大切さについて考察した。
著者
新井 庭子 分寺 杏介 松崎 拓也 影浦 峡
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:21888957)
巻号頁・発行日
vol.2017-CH-114, no.5, pp.1-8, 2017-05-06

テキストの難しさの研究として,既存の研究ではテキストか人間の認知の仕組みかどちらかしか研究対象にされてこなかった.本研究は,この 2 つの視点の両方を持ちつつ,主に知識構成を支える言語表現の形式に焦点を当て,小 ・ 中の理科教科書を材料にこの問題への接近を試みる.我々は,読みを困難にするテキストのパラメーターを予測し,小 ・ 中教科書テキストの間にそのパラメーターで表現できるギャップがあることを示したが,その研究はまた,表層的な特徴に加え,質的な観点から言語表現を検討する必要性を示した.本研究では,質的な関連から言語表現を特徴付けるカテゴリーとして,定義表現と分類の表現に着目し,計量的な分析を行った.
著者
常光 徹
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.108, pp.255-270, 2003-10-31

本稿は、ある対象に向けて意識的に息を吹くしぐさと、何らかの意図のもとに息を吸うしぐさについて論じたものである。しぐさの伝承に関する資料にはまとまったものが無く、部分的な事例が各種の報告書に混在しているケースが多い。これまでの研究においでも、特定のテーマ以外には話題になる機会が少なかった。本稿では「吹く」と「吸う」にまつわる資料を分類し、その呪術的な内容を明らかにする。第一章では、息を「吹く」しぐさを取り上げる。火傷や怪我、あるいは毒虫に刺されたときなどに、呪い歌を唱えて負傷した箇所をフーフーと吹くしぐさは広く行われてきた。呪い歌の力で痛みを取り去り治癒の効果を期待するものだが、その際、息を吹きかけるのは、邪悪なモノや不浄なものを祓い浄化するためだといってよい。また、息を吹いて妖怪を追い払う場合もあるが、反対に、妖怪から人が吹かれるのは危険な状態だと考えられている。民間説話の怪談のなかには、妖怪が息を吹きかけて人を殺すモティーフが成立している。口をすぼめて息を強く吹いたり口笛を吹くことをウソブキという。ウソブキをすると、風が起きるとか、蜂が逃げていくという俗信についても考察する。第二章では、息を「吸う」しぐさを取り上げる。チュウチュウと音をたてて息を吸うしぐさをねず鳴きといい、漁師が魚を釣るときや海女が海に潜る際に行う。これは豊かな海の幸を期待する呪術的な行為である。かつては、遊女が客を呼び込もうとするときにもねず鳴きを行ったことはよく知られている。また、動物を呼ぶときにもこのしぐさがみられる。吹くしぐさに、邪悪なモノを払いのけ遠ざけるはたらきが強調されるのに対して、吸うしぐさには、外部のものを招き寄せるはたらきが認められる。この違いは「吹く」と「吸う」という息遣いのあり方と重なっており、「吹く」か「吸う」かの違いは、それぞれの伝承群の意味や機能の方向性を基本的に規定している。
著者
髙瀨 真理子
出版者
実践女子大学
雑誌
歌子 = Utako (ISSN:27581551)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.37-56, 2023-03-07

ライトノベルというジャンルにおける作品の大衆化の中で、これらが主に電子出版として伸張し、ウェブのレベルから読まれるのはなぜか。また、イラスト、コミカライズ、アニメ化、ドラマ化、さらには映画化にまで発展するだけの力のある作品も出始めており、これらの作品の持つ意義を「悪役令嬢もの」に絞って抽出する。その背後には、現代が抱える時代背景と現代の世界や社会が抱える課題からの影響が考えられる。
著者
大塚 英志 小松 和彦 安井 眞奈美 エルナンデス アルバロ 荒木 浩 劉 建輝
出版者
国際日本文化研究センター・プロジェクト推進室
雑誌
日文研大衆文化研究叢書 全5巻序論集
巻号頁・発行日
2022-03-17

国際日本文化研究センターによる大衆文化研究プロジェクト(人間文化研究機構機関拠点型基幹研究プロジェクト「大衆文化の通時的・国際的研究による新しい日本像の創出」)の成果として刊行された「日文研大衆文化研究叢書」シリーズ全5巻 [『日本大衆文化史』(KADOKAWA, 2020年9月)、『禍いの大衆文化 : 天災・疫病・怪異』(KADOKAWA, 2021年7月)、『身体の大衆文化 : 描く・着る・歌う』(KADOKAWA, 2021年11月)、『〈キャラクター〉の大衆文化 : 伝承・芸能・世界』(KADOKAWA, 2021年11月)、『戦時下の大衆文化 : 統制・拡張・東アジア』(KADOKAWA, 2022年2月)] の序論を集めたもの
著者
富沢 大介 池田 心 橋本 隼一
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2011論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.6, pp.9-16, 2011-10-28

1991年にコンパイルから発売された対戦型パズルゲームぷよぷよにおいてコンピュータAIの強さは4~5連鎖程度であり,中級者以上が満足できるレベルではなかった.本研究では,ぷよぷよのAIを強くすることを目的として,強いぷよぷよのプレイヤーに必要な要素の内の一つである,長い連鎖を効率的に組むことに着目し,囲碁の“定石”や将棋の“囲い”にあたる人智の結晶である“定型連鎖”を構成する方法に取り組む.関連性行列という形での状態表現・テンプレート表現を用いた構成法により,定型連鎖を構成することに成功した.さらに従来の探索型連鎖構成法を組み合わせることで従来法を上回る平均11.75連鎖を達成することに成功した.
著者
室井 康成
出版者
専修大学人間科学学会
雑誌
専修人間科学論集. 社会学篇 (ISSN:21863156)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.65-105, 2018-03-23

2000年以降、いわゆる「荒れる成人式」問題が顕在化している。一般に成人式は、多くの日本人が加齢の過程で経験する重要な人生儀礼の一種として理解されているため、その荒廃ぶりは現代の若者の未熟さを示すものとして、しばしば睥睨の対象となっている。それは成人式が、近代まで日本各地において、15歳前後の若者に対して行なわれてきた成人儀礼「元服」の現代版として捉えられることも一因だと思うが、実は両者に連続性はない。これまで現行の成人式は、敗戦直後に埼玉県蕨市で行なわれたものが全国に普及したとする説が有力であったが、本稿の調査を通じて、それがすでに戦前の名古屋市で行なわれていたことが明らかとなり、その開催趣旨や運営方式から、そこに元服的要素はなく、あくまでイベントとして開催されていたことを確認した。翻って成人式定着以前の類例を、各地の民俗事象を手掛かりに見てゆくと、何歳を成人と見なすかという基準は、ほぼ集落単位で取り決められており、全国一律の基準などなく、またその認定時期も個人の成熟度に応じて、かなりの柔軟性を持っていたことが明らかになった。この場合の成熟度とは、男子は「親の仕事を手伝う能力」、女子の場合は「結婚可能性」であり、いずれも個人差を前提としていた。だが、そうした柔軟性を駆逐したのが、明治期の徴兵制に起源をもつ「成人=20歳」という新基準であったが、これも全国民の間で共有されたと政府が認めたのは、戦後10年を経た頃であった。逆説的だが、「成人=20歳」という認識も、戦後の官製成人式の普及によって国民の間に浸透したのである。しかし、現在では新成人の約半数は就学者であり、しかもその段階で既婚である者も少ないであろう。前代に比べて現代の若者が幼く見えたとしても、それは仕方のないことである。法の規定とは別に、成人と見なす基準は時代や個人の境遇によって変わるということは、近代の民俗史が語るところだが、そうした様々な差異を無化して、無作為に人を一堂に集めるから荒れるのであり、そこに官製成人式の限界がある。とはいえ、多くの人が経験し、しかも70年以上の歴史をもつ行事であれば、それは十分に民俗学の対象である。通常、民俗学はその対象を「保護・顕彰」すべきものとして捉えるが、本稿では、現行の成人式が民俗的根拠を欠いた意義なきものであることを論じ、その廃止を提言する。
著者
青池 亨 里見 航 川島 隆徳
雑誌
じんもんこん2018論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.97-102, 2018-11-24

The National Diet Library is now developing techniques for automatically recognizing which areas of a printed page are illustrations and which are graphemes, as a means of improving the searchability of digitized material. The ability to distinguish between illustrations and graphemes is expected to im- prove the accuracy of OCR processing by allowing areas without graphemes to be ignored while ena- bling the application of contrast correction to areas with graphemes, thereby improving readability of the digital images. Moreover, the ability to extract areas with illustrations is expected to have practical applications for content-based retrieval of similar images. This paper focuses on the extraction of areas with illustrations and reports on the creation of a system that is consistently able to extract illustra- tions from digital images of documents as well as perform content-based retrieval of images.Services incorporating these proposed techniques will be released on a trial basis on the NDL Lab web- site. (https://lab.ndl.go.jp/).