著者
小島 定吉
出版者
一般社団法人 日本数学会
雑誌
数学 (ISSN:0039470X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.25-37, 1997-01-30 (Released:2008-12-25)
参考文献数
28
著者
桂野 文良 山下 公司 石崎 滉介 岡田 智
出版者
北海道大学大学院教育学研究院附属子ども発達臨床研究センター
雑誌
子ども発達臨床研究 (ISSN:18821707)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.59-68, 2019-03-25

WISC-Ⅳの解釈については、因子分析研究から得られた4指標による解釈モデル(WISC モデル)と、CHC 理論に基づく解釈モデル(CHC モデル)がある。また、4指標によるWISC モデルを拡張したGAI・CPI による解釈モデル(GAI モデル)も提案されている。本研究では、WISC モデル、GAI モデル、CHC モデルによるWISC-Ⅳの解釈を2事例に対して適用した。そして、この事例研究を通して、GAI またはCHC モデルによる解釈が、通級指導教室を利用している子どもの認知特性の把握と支援に有効であることを確認した。WISC-Ⅳの解釈にあたっては、事例によって最適な解釈モデルを選択していく必要があると考えられた。
著者
吉永 直胤 磧本 力 園田 健乙 田中 二秀 橋口 泰豊 斎藤 重明 大石 功
出版者
一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会
雑誌
日本輸血学会雑誌 (ISSN:05461448)
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.156-160, 1958 (Released:2010-03-12)
参考文献数
18

The authors made statistical observations on the incidence of post-transfusion jaundice during the period from January 1, 1954 to October 30, 1957 in 365 patients answering their questionnaires.1). The frequency of post-transfusion jaundice was 4.1per cent, the incubation period being 30-120 days (mean value: 65 days) and the duration of the disease 5-60 days (mean value: 39 days).2). No relationship was found between the morbidity and blood type or sex. The highest incidence was in individuals below 20 years of age, followed by those between 30 and 50 years.3). Both fresh and preserved bloods produced the disease and the difference between the two was difficult to estimate, since the use of fresh blood was made only in a few cases.4). The incidence seemed to be higher in transfusions of more than 4, 000cc of blood than in those of lesser amounts.5). The disease occurred more frequently in patients with tuberculosis who received large quantities of blood both before and after the operation, and less in those with gastric cancer.6). The prognosis was generally good and there were no fatalities.
著者
佐久間充著
出版者
岩波書店
巻号頁・発行日
1984
著者
晴山 仁志 武田 直毅 山口 辰美 服部 広太郎 石崎 善昭 兼元 敏隆 山口 潤 水無瀬 昂
出版者
公益社団法人 日本臨床細胞学会
雑誌
日本臨床細胞学会雑誌 (ISSN:03871193)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.633-639, 1984 (Released:2011-11-08)
参考文献数
18

23歳, 未婚女性. 無月経と著明な男性化徴候を呈し来院. 血中testosteroneの異常高値と, 右側の付属器腫瘍を認め, 諸検査から, 卵巣の男性化腫瘍を疑い, 開腹した. 右側の充実性卵巣腫瘍を確認し, 組織学的に, 中等度分化型のSertoli-Leydig cell tumorの像を呈していた. 摘出腫瘍の捺印細胞診, 酵素抗体法を用いた組織内testosteroneの検索, および電顕的検索を行った. 本例は, 術後血中testosteroneが征常化し, 月経も再来した.
著者
鯉渕 幸生 小野澤 恵一 中村 格之 原本 英二 片山 浩之 古米 弘明 佐藤 愼司 岡安 章夫 磯部 雅彦
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
海岸工学論文集 (ISSN:09167897)
巻号頁・発行日
no.52, pp.886-890, 2005
被引用文献数
4

お台場海浜公園周辺において, 栄養塩類, 大腸菌, アデノウイルスなど雨天時越流水起源物質の時空間変動過程を詳細に観測した. 微生物の変動傾向は, 栄養塩類のそれとは異なり, 大腸菌については数mmの降雨でも, 降雨後数日間にわたって遊泳には不適切な糞便汚染を疑わせるレベルとなった. これらの微生物は下水管路内の堆積物に存在していると考えられ, 降雨量よりも先行晴天日数により濃度が大きく変動する. 現在では, 糞便性大腸菌群数により感染リスクを評価しているが, 細菌類とウイルスの変動過程は異なるため, 今後はアデノウイルス等の観測結果を蓄積することが, 都市沿岸域での感染リスクを正しく評価するために望ましいと考えらえる.
著者
中村 有希 原科 幸爾
出版者
農村計画学会
雑誌
農村計画学会誌 (ISSN:09129731)
巻号頁・発行日
vol.35, no.Special_Issue, pp.234-240, 2016-11-20 (Released:2017-11-20)
参考文献数
8

Animal damage to agriculture, forestry, and human has been serious problem in rural areas in Japan. In Iwate Prefecture, apple wastes abandoned near mountain attract wildlife such as Japanese black bear to human settlements. To assess the feasibility of apple waste use as livestock feed in order to reduce a factor attracting wildlife to settlements, hearing investigations and questionnaire surveys were conducted to apple and pig farmers. The results showed it is feasible to use the apples as supplementary feed under certain conditions such as small-scale pig farm with a distance of less than about 15 km from apple farm.
著者
草地 功 小林 祥一 武智 泰史 中牟田 義博 長瀬 敏郎 横山 一己 宮脇 律郎 重岡 昌子 松原 聰
出版者
一般社団法人日本鉱物科学会
雑誌
日本鉱物科学会年会講演要旨集 日本地質学会第118年学術大会・日本鉱物科学会2011年年会合同学術大会
巻号頁・発行日
pp.142, 2011 (Released:2012-03-28)

岡山県備中町布賀鉱山のゲーレン石・スパー石スカルンに近接した結晶質石灰岩を貫く,武田石など種々のカルシウムホウ酸塩鉱物からなる不規則な脈中の含水カルシウムホウ酸塩鉱物(草地ら,2004)について,新たな分析を行い,このたび国際鉱物学連合,新鉱物命名分類委員会より,新種「島崎石」として承認された。命名は、スカルンの鉱物学、鉱床学に多大な貢献をした島崎英彦東京大学名誉教授に因む。
著者
Shoichi KOBAYASHI Hiroshi MIYAKE Tetsuya SHOJI
出版者
Japan Association of Mineralogical Sciences
雑誌
Mineralogical Journal (ISSN:05442540)
巻号頁・発行日
vol.13, no.6, pp.314-327, 1987 (Released:2007-03-31)
参考文献数
19
被引用文献数
14 16

A jadeite rock from Oosa-cho, northern part of Okayama, is associated with serpentinite of the Sangun metamorphic belt. It consists predominantly of jadeite with such accessary minerals as grossular, analcime, prehnite, vesuvianite, natrolite, thomsonite, stronalsite, zircon, deweylite, chlorite and diopside. It is cut by many veinlets composed of one or more of grossular, analcime, vesuvianite, stronalsite, chlorite and zeolite minerals.On the electron microprobe image, some of jadeite crystals show a growth zoning of diopsidic (Jd96Di3Fs1) and pure (approximately Jd100) parts. Some crystals of garnet show chemical zoning. The core is poor in TiO2, FeO and CaO, but rich in Al2O3 as compared with the rim. Zircon occurs sporadically. Under the microscope, a few grains of stronalsite are observed. Its chemical composition is very similar to the ideal formula, Na2SrAl4Si4016. Ba-rich parts are also recognized in a stronalsite crystal.
著者
萬家 俊博
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.26, no.7, pp.665-670, 2006 (Released:2006-12-22)
参考文献数
15
被引用文献数
1

最近, 地球環境に及ぼす悪影響や種々の副作用を理由に亜酸化窒素 (笑気) が使用されなくなる傾向にある. プロポフォールとフェンタニルによる全静脈麻酔や酸素・空気・セボフルラン吸入とフェンタニルを併用した方法によって麻酔が成立し, 管理になんら困難を感じないことが多い. しかし, 鎮痛作用を有する亜酸化窒素を併用すれば, セボフルランの維持濃度やフェンタニルの投与量を減らしても安定した血行動態を維持できる. また, 亜酸化窒素は術中覚醒の予防に有用といわれている. 余剰麻酔ガスの分解処理対策を行い, その欠点や副作用を考慮して対象症例を限定すれば, 亜酸化窒素は手術室における全身麻酔にも有用な麻酔薬としてまだ存在する余地はあると考える.

1 0 0 0 OA 牧豚の心得

出版者
北海道第二部
巻号頁・発行日
1888
著者
白﨑 愛里 並木 崇浩 山根 倫也 小野 真由子
出版者
関西大学臨床心理専門職大学院 心理臨床センター
雑誌
関西大学心理臨床センター紀要
巻号頁・発行日
vol.12, pp.93-103, 2021-03-15

本稿は、Schmid(2001)の"Acknowledgement: The art of responding. Dialogical and Ethical Perspectives on the Challenge of Unconditional Relationships in Therapy and Beyond" の紹介とそれに基づく考察である。Schmidは無条件の肯定的関心を、対話や出会いの哲学、社会倫理の視点に基づいて「承認」として再提起した。承認とは、他者の、具体的で、特徴的な、独自のあり方に開かれることを意味する。他者とは、同一化もコントロールもできない、私とは本質的に異なる存在である。それゆえ他者を知ること(knowledge)はできない。他者の他者性を破壊せず関係を結ぶには、ただ共感し、承認すること(acknowledge)である。また理解し得ない謎を含んだ、無限の他者こそが、自己の限界を克服する。他者に出会うには、何よりもまず、他者が真に「向こう側に立っている」と理解する必要がある。反対側に立たずして出会いはない。この隔たりが、他者を、自立的な価値ある個人として尊重する。Schmidの言う承認に基づくセラピーでは、セラピストは、自身の内的照合枠を脇に置くどころか、クライエントの影響を受けて自己を問いただしながら応答することになる。これはセラピー関係の中にTh自身を投入し、Th自身が変化することであり、まさに勇気が問われる在り方といえる。またSchmidは、「(承認が重要なのは)承認が実現傾向を育てるから、というだけではない。これこそがパーソン・センタードという在り方の表れなのだ」と述べ、パーソン・センタード・アプローチの本質にも迫っている。
著者
中田 行重 今林 優希 岡田 和典 川崎 智絵
出版者
関西大学臨床心理専門職大学院 心理臨床センター
雑誌
関西大学心理臨床センター紀要
巻号頁・発行日
vol.6, pp.79-88, 2015-03-15

Person‒Centered Therapy(以後PCT と略す)において非指示性(Nondirectiveness)は重要であるが、同じPCT の内部においても、その重要さに関する考え方に違いがある。ここでは2 人の論客Cain, D. J. とGrant, B. との間で起こった論争を紹介する。まずCain が、クライエント(以後Cl と略す)の中には心理的成長の上でセラピスト(以後Th と略す)の非指示性が促進的でない場合にまで非指示性に拘るのはパーソン・センタードとは言えない、と論じる。それに対してGrant が、非指示性には道具的なそれと、原理的なそれとがあり、道具的非指示性がCain のようにCl の成長促進の道具として非指示性を活用するものであるのに対し、原理的非指示性はCl を尊重しているかどうかが焦点であり、原理的な方こそ、Client‒Centered Therapy(以後CCT と略す)の中心的な意義である、と主張する。それに対しCain は、Grant の言う原理的非指示性におけるCl への尊重という考え方は、Th という、いわば外側からの仮説に過ぎず、それが本当にCl にとって良いものかどうかは分からない、と批判する。これらの議論は、Cl の成長になるようにTh が対応を変えて対応すべきという主張と、Cl の成長をTh が判断するのではなく今のCl をそのまま尊重すべきという主張のぶつかり合いであり、CCT/PCT の本質を問うものである。両者の議論からは、こうした問いがPCT の今後も続く哲学的な大きな課題であろうことが示唆される。