著者
柿崎 祐一
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.24-32, 1950 (Released:2010-07-16)
参考文献数
3
被引用文献数
6 6

PROBLEM. The objective of these experiments is to determine the effects of preceding retinal stimulations upon the dominancy of one figare in the binocular rivalry. First, we begin with the conditions where, preeeding the rivalry of two antagonistic figures, one of them is given to one or both eyes.APPARATUS. and PROCDURE. Two circular light patches (1°15′ in visual angle) with five parallel odlique lines are exposed one to each eye on a sort of haploscope. In binoculrr image these two sets of lines are at right angles to each other and here riv lry can be observed. The duration of the appearance of each figure in seconds (t) and the nuuber of the appearance (n) are noted by two electric keys manipulated by Os' own hands. The observations which last 90 seconds with 30 seconds pause are repeated several times in direct s quence.The dominancy of one figure over the other is defined by ΔΔr=(tr/tl)2⋅(nl/nr) where r amd l refer to right and left respectively. If Δr>1 the right figure is dominant, and vice versa.In the following experiments, the figure applied to the left eye has always the same lines_??_ (in reality five lines), and to the right_??_. The condition is schematized as (L_??_·R_??_) in what follows.EXPERIMENTS AND RESULTS.1. Precedi g the cnndition of rivalry we stimulated (a) the left eye with_??_, or (b) the right eye with_??_.The schema: (a) [L_??_·-]→[L_??_·R_??_](b) [-·R_??_]→[L_??_·R_??_]In one O out of 5, the figure which preceded showed dominancy in rivalry, but in the other four cases the opposite figure became dominant more or lets significantly. In the following experiments we omitted the first O, in view of the main purpose of our investigation, and also of his personal incov nience. Hence the problem of the individual differenee in this respect is posiponed to future investigation.2. To the remaining Os., a mere ci cular light patch was given to one eye as the preceding stimulus. Under this condition also, the figure given to the other eye showed dominancy, but the effect in this case is not so sigeificant as in 1.3. The direct comparison of the effects manifested in 1. and 2. The results were not clear enough.4. The same figure was given to both eyes as the preceding stimulus. Namely:(a) [L_??_·R_??_]→[L_??_·R_??_](b) [L_??_·R_??_]→[L_??_·R_??_]The results showed the dominance of R_??_in (a). and of L_??_in (b). From these results cults we may conclude that the effect shown in 1 was not only the effect of mere light and of the figure upon retina, but was also influenced by the figurality i.e. the direction per se of oblique lines.3. Here we gave the antagonistic figures as the preceding stimulus. Namely:(a) [L_??_·-]→[L_??_·R_??_](b) [-·R_??_]→[L_??_·R_??_]The results were not clear. Perhaps, the effect of light as the preceding stimulus (shown in 2) and that of the figure (shown in 1 and 3) had canceled each other.6. To one eye the preceding stimulus was the figure and to the othermere circular light patch. Namely:(a) [L_??_·RO]→[L_??_·R_??_](b) [LO·R_??_]→[L_??_·R_??_]In (a) R_??_ was dominant while in (b) L_??_ was dominant. So the effect of figurality is greater than tha of mere light.CONCLUSION. We may conclude from these res lts that in the field of binocular rivalry, a preceding stimulation has an effect in point of its figurality. In our Os, it manifest itself as an effect which makes the figure antagonistic to the preceding one dominant in succeeding rivalry.
著者
佐鹿 雅敏 柴山 善一郎 山本 武 今安 清光
出版者
日本森林学会
雑誌
日本林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.114, pp.283, 2003

林業上重要である樹幹の曲がりや傾きを簡単に測定できるようにするためにポケットコンパスに着目して簡便な測定法を提案した.方法はつぎのとおりである.立木の曲がりや傾きが良く見える場所にコンパスを水平に設置して、測定対象木とコンパスとの水平距離を測った.樹幹のある高さの中央部を視準して、コンパスの黒針が指し示す方位角を0.25°刻みで読み取った. 測定高は,仰角が最大44°までとし,俯角は木の根元までで,それぞれ2°刻みで読み取った.測定対象木は高知大学農学部内の造園木であるアベマキ、ラカンマキ、クス、ナギなどの計28本と愛媛県久万町のヒノキさし木品種である東山1号桧、東山3号桧の親木などの計38本である.コンパスでの測定結果として、造園木では特徴のある樹幹の曲がりや傾きをみた目に近い形で的確に表現することができた.ヒノキ植林木については,みた目では極めて通直に見える立木でも樹幹にゆれや傾きが観察された.この測定法の長所と短所について簡潔にまとめた.コンパスを使った簡便な方法でも,眼では確認しにくい立木の曲がりや傾きを表現できた.今回測定した造園木や植林木の中には,根元から梢端に至るまで真直ぐで水平面に垂直に立っているような樹木は1本もないことが明らかになった.コンパスを使った測定精度は必ずしも高くはないが、現場の人誰でもが立木の曲がりや傾きを簡便に測定できるので有益である.
著者
高橋 直子 布川 雅雄 今村 健太郎 細井 温 須藤 憲一 増田 裕 森永 圭吾 藤岡 保範
出版者
特定非営利活動法人 日本血管外科学会
雑誌
日本血管外科学会雑誌 (ISSN:09186778)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.487-493, 2010-04-25 (Released:2010-04-26)
参考文献数
27
被引用文献数
11

【目的】腹部内臓動脈瘤は稀な疾患であるが,破裂した際には死に至ることも多い極めて重篤な疾患である.そのため早期発見と確実な診断が必要であり,今回われわれは,当該病変に対する治療方針を検討した.【対象・方法】2005年3月から2008年10月に当院で内臓動脈瘤と診断された30例(男性21例,女性9例)30瘤を対象とし,発生部位や治療方法,経過についてまとめた.【結果】内訳は脾動脈瘤13例,膵十二指腸動脈瘤5例,腹腔動脈瘤5例,上腸間膜動脈瘤4例,肝動脈瘤3例であった.治療は経過観察17例,塞栓術10例,開腹手術3例であった.当科での侵襲的治療の適応基準は瘤径が2 cm以上,破裂,仮性瘤,拡大傾向,腹痛等の有症状,膵十二指腸動脈瘤,胃十二指腸動脈瘤,上腸間膜動脈分枝の瘤とし,末梢の動脈瘤では血管内治療を第一選択とした.経過観察症例では観察期間は約2カ月から3年9カ月であったが,経過不明1例,他疾患での死亡1例を認めたが,その他15例では瘤の拡大を認めることなく経過した.塞栓術,開腹手術症例では術後観察期間は約1カ月から4年で,破裂症例の2例で一過性の十二指腸狭窄を認めたが,その他では重篤な合併症や手術死は認められなかった.【結論】低侵襲な血管内治療を第一選択とし,瘤の占拠部位や大きさ,再建の必要性に応じて開腹手術を考慮すべきである.われわれの治療成績は緊急症例も含め良好であり,経過観察症例でも治療に移行した症例はなく,当科の腹部内臓動脈瘤に対する侵襲的治療の適応基準は妥当と考えられた.
著者
水谷 光 穴田 夏樹 内藤 祐介 堀 耕太郎 堀江 里奈 山崎 広之 山田 有季
出版者
メディカル・サイエンス・インターナショナル
雑誌
LiSA (ISSN:13408836)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.75-85, 2020-01-01

関西地方の麻酔科医たちが「症例カンファレンス」を実際に集まってやってみた。 通常の「症例カンファレンス」は,提示症例に対して各施設が周術期管理計画を原稿で示し,相互のやりとりはない。別の施設で働く麻酔科医が顔を合わせて,提示症例に対して思うことを述べることによって,互いのプランに取り入れられること,足りないことなどがその場で発見できるのではないか。それは読者にとっても新しい発見につながるのではないか。そんな思いで今回の「リアル症例カンファレンスin Osaka」は開催された。
著者
内藤 祐介 穴田 夏樹 桐山 有紀 豊田 浩作 堀江 里奈 水谷 光
出版者
メディカル・サイエンス・インターナショナル
巻号頁・発行日
pp.1233-1242, 2020-12-01

関西地方の麻酔科医たちが「症例カンファレンス」を実際に集まってやってみた。第3弾となる今回は,新たなメンバーも加わり,「抜管」をテーマに語っていただいた。
著者
柳樂 明佳 芦田 欣也 真壁 昇 宮澤 靖 富田 則明 秋山 和宏 川島 昭浩 金子 哲夫 山地 健人
出版者
日本静脈経腸栄養学会
雑誌
静脈経腸栄養 (ISSN:13444980)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.711-716, 2012 (Released:2012-05-10)
参考文献数
16
被引用文献数
2

経管栄養時の胃食道逆流の発生に栄養剤の胃内滞留量が関与すると考えられている。そのため、本試験ではラットを用いて酸性半消化態流動食の胃排出を、類似の栄養組成をもつ中性半消化態流動食と比較評価した。流動食固形分の胃排出は中性半消化態流動食より酸性半消化態流動食の方が速かった。さらに、胃内容物の液相部分の胃排出には両者に差はなかったが、固相部分の胃排出は中性半消化態流動食より酸性半消化態流動食の方が速いことが示唆された。そこで各流動食の人工胃液消化試験を行ったところ、中性半消化態流動食では酸によるカード化のため、凝固物の形成が認められたのに対し酸性半消化態流動食では認められなかった。以上の結果から、酸性半消化態流動食は中性半消化態流動食と比較して胃排出が速く、その理由の一つとして、酸性半消化態流動食では中性半消化態流動食で観察される胃内でのカード形成が起こらないことが考えられた。
著者
谷口 英喜 辻 智大 中田 恵津子
出版者
日本静脈経腸栄養学会
雑誌
静脈経腸栄養 (ISSN:13444980)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.731-737, 2012 (Released:2012-05-10)
参考文献数
17

【目的】経口補水液の前投与が、経腸栄養剤の胃排出速度に与える影響を検討した。【対象および方法】健常成人ボランティア7名を対象としてクロスオーバー研究を実施した。何も投与しない群 (N群) とミネラルウォーターを投与した群 (MW群) および経口補水液を投与した群 (ORS群) における、胃排出速度を、13C呼気ガス診断を応用した胃排出能検査標準法により評価した。Primary end pointとして個々における前処置ごとに最高血中濃度到達時間 (Tmax) の変化 (⊿ Tmax) を比較した。【結果】N群のTmaxを基準にして⊿ Tmaxを比較した結果、MW群に比べORS群において経腸栄養剤の胃排出速度を促進する効果が大きかった[⊿ Tmax(MW) vs. ⊿ Tmax (ORS) :-5±15.0 min vs. -17.1 ±9.1 min ; P=0.03]。【結論】この結果から、経腸栄養剤投与前に経口補水液を投与することで、摂取された経腸栄養剤の胃排出速度が促進されると考えられた。
著者
末永 貴俊 飯野 恵秋 黒田 知宏 大城 理 千原 國宏
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.J83-D2, no.1, pp.324-332, 2000-01-25

超音波診断装置を用いて実時間で遠隔医療を行うためには,超音波診断動画像の伝送及び,計測用の超音波プローブを患者にあてる位置・角度などが リアルタイムで指示できる環境が必要である.特にプローブ操作については空間情報を直感的に伝える必要があり,既存の音声・画像通信技術だけでは伝達が困難である.そこで本論文では計測側の計測風景の上に超音波診断に用いられるプローブと同じ形のCG(CGプローブ)を重ね合わせ,診断側の専門医が遠隔地から計測者にプローブをあてる位置・角度などを教示するシステムを提案する.
著者
山口 高弘 坂野 寿和 藤井 竜也 安藤 裕 北村 正幸
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.J84-D2, no.6, pp.1203-1212, 2001-06-01

遠隔医療コンサルテーションは,地方の診療所と中央の病院を結び,遠隔の医師に対して中央の専門医が診断支援を行うサービスである.本研究は,そうしたサービスを実現するために必要な機能を明らかにし,そうしたシステムを具現化することを目標としている.我々は,高速ネットワーク,医用画像データベース,超高精細画像読影ステーション,IPテレビ会議システムをベースとした遠隔医療システムを構築し,それをベースとして遠隔医療コンサルテーションシステムを開発した.開発したシステムを用いて,遠隔の2人の医師が同じ画像を参照しながら放射線治療に関して相談する遠隔医療コンサルテーション実験を行った.ネットワーク速度に依存しない高速な画像表示切換を実現する画像プリロード機能や,画像表示連携機能,共有ポインタ表示機能などシステム上に実装した連携機能の有効性を実験的に明らかにした.
著者
村瀬 澄夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CS, 通信方式
巻号頁・発行日
vol.106, no.450, pp.71-72, 2007-01-04
参考文献数
5
被引用文献数
1

テレラジオロジー(遠隔放射線画像診断)、テレパソロジー(遠隔病理診断)からはじまった遠隔医療は、家庭へのブロードバンドネットワークの普及により、テレケア(遠隔在宅医療支援)として家庭へ浸透しつつある。これらは機器の進歩により、eHealthとして、意識されない健康管理へと進化しつつあり、テレケアは、医療の枠にとどまらず、介護や保健の役目を担い、今後の予防医療や国民の健康増進ための重要な分野になってきている。本講演では、そのような状況を踏まえ、日本の遠隔医療の最前線のトピックと日本遠隔医療学会の取り組みや活動や課題について報告する。
著者
Satoru Mitsuboshi Junichiro Date Naoki Tsuruma Hirokazu Yamaga Kazuya Watanabe Hiroko Kijima Manami Nakashita Hiroki Hosokawa Masami Tsugita
出版者
National Institute of Infectious Diseases, Japanese Journal of Infectious Diseases Editorial Committee
雑誌
Japanese Journal of Infectious Diseases (ISSN:13446304)
巻号頁・発行日
pp.JJID.2020.589, (Released:2020-10-30)
参考文献数
14

The prevalence of quinolone- and macrolide-resistant Group B Streptococcus (GBS) is increasing worldwide, but the relationship between GBS resistance to these antibiotics and patient outcome remains unclear. Therefore, we evaluated whether blood stream infection caused by quinolone- or macrolide-resistant GBS is associated with high mortality. Our findings in 77 patients with GBS bacteremia demonstrate that quinolone and macrolide resistance may not be risk factors for 30-day mortality.
著者
山元 亜希子
出版者
帯広大谷短期大学
雑誌
帯広大谷短期大学紀要 (ISSN:02867354)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.29-42, 2005-03-31 (Released:2017-06-16)
参考文献数
9

カルシウムはイライラをおさえる、イライラしているときはカルシウムが足りない、というフレーズは、昔から言われていた。しかし、筆者の知る限り、栄養に関する教科書には載っていない。そこで、抗不安作用に関する文献調査を行った結果を報告する。さらに、今回、管理栄養士・栄養士を対象として、彼女らが教科書どおりの病態に関する栄養指導に利用している栄養情報の情報源と食事因子・栄養素の抗不安作用という教科書には記載が無い栄養情報についての情報源について知ることを目的として横断的研究を実施した。その結果、教科書どおりの病態に関する栄養指導に利用している栄養情報の情報源(教科書・成分表、パンフレット・リーフレット、勉強会・講習会・研究会・学会など)と教科書にはほとんど記載されてはいない食事因子・栄養素の抗不安作用についての情報源(テレビ・ラジオ、新聞・ミニコミ誌など)とは異なることが示された。栄養情報が溢れかえっている今日、管理栄養士による栄養の指導がより効果的であるためには、医療において展開されてきているEBM(evidence-based medicine)の方法論を栄養指導(栄養教育)に応用することの必要性が示唆された。