著者
田中 萬年
出版者
日本産業訓練協会
雑誌
産業訓練 (ISSN:0036438X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.12, pp.20-23, 2008-12
著者
伊藤 恭彦
出版者
日本公共政策学会
雑誌
公共政策研究 (ISSN:21865868)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.20-31, 2013-12-20 (Released:2019-06-08)
参考文献数
22

公共政策は規範や価値に関する思考と深い関係にある。その点で価値や規範を正面から扱う政治哲学は公共政策学において重要な役割を果たせそうである。しかし,現実の公共政策学では規範や価値の問題はどちらかというと「周辺的」な扱いを受けている。本稿では規範や価値を扱う政治哲学が,公共政策学と現実の政策過程に関与するアクターにいかなる貢献ができるのかを検討し,政治哲学と公共政策学を架橋する試みを行った。政治哲学的思考と政策学的思考は多くの点で質を異にするが,両者の違いを自覚するならば,政治哲学は「民主主義の下働き」としての役割を政策過程で演じることができる。その役割は政策アクターや政策を考えている有権者に「道徳の羅針盤」を提供することである。「道徳の羅針盤」のうち,本稿ではアジェンダ選定における「規範的な認識のフレームワーク」と政策形成における「価値コミットメント」の明示化を例示的に検討した。政治哲学は現実政治や政策過程から距離をおいて,政策理念や政策規範を構想することができる。他方で,政治哲学は政策過程に寄り添ったり,政策過程を振り返ったりする中で,政策に関する価値と規範を明らかにし,政策的思考を豊かにしていくことに貢献できる。
著者
佐野 亘
出版者
日本公共政策学会
雑誌
公共政策研究 (ISSN:21865868)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.65-80, 2013-12-20 (Released:2019-06-08)
参考文献数
33

公共政策を論じるうえで,価値や規範の問題について検討する必要があることは多くの論者が認めている。だが実際には,公共政策の規範的側面に関する研究は必ずしも充実しているわけではないし,具体的方法論も確立していない。本稿では,規範的政策分析がこれまでわが国でじゅうぶんになされてこなかった理由について考察したうえで,その意義を確認する。そして最後に,規範的政策分析がどのようなものであるべきかを論じ,具体的な方法論の確立に向けて,必要条件を提示し,そのあり方について,おおまかなイメージを描き出す。以上の検討から明らかになったことは,以下のとおりである。第一に,価値や規範に関する議論がときに政治的に重要な役割を果たすとしても,規範的政策分析を実際の政策過程に有効なかたちで組み込むには相応のエ夫が必要である。第二に,規範的政策分析は,一般的な規範理論研究と異なり,真理の追求をおこなうこと自体が目的ではなく,合意形成や選択肢の提示にとって役立つものでなければならない。第三に,そのような役割を果たすためには,政策に関わるコミュニケーションにおいて利用される価値概念や規範概念の意味内容や関係性を明確化するとともに,ことばになりにくい感覚や感情を言語化することも必要である。第四に,以上の作業をおこなうための前提条件として,人々が実際に有している価値観やモラルを知っておく必要がある。なお,以上の議論は基本的にプラグマティズムの観点からなされており,政策過程におけるレトリックや解釈,コミュニケーションの重要性を踏まえたものである。
著者
松元 雅和
出版者
関西大学政策創造学部
雑誌
政策創造研究 (ISSN:18827330)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.21-41, 2016-03-31

公共政策学はその下位部門として、公共政策に関する価値の諸問題を扱う研究分野をもっている。その目的は、公共政策の善し悪しを規範的に評価したり、その意思決定を手助けしたりするための処方的知識を提供することである。それでは公共政策学者は、個々の公共政策に関して、具体的にどのようにして処方的知識を提供しうるのであろうか。本稿では、公共政策学と隣接する政治学において規範研究を担う政治哲学から知見を得ることを目指したい。はじめに、政治哲学における〈規範研究〉の方法論的性質について概観し(第Ⅱ章)、次に、応用倫理学の方法論的知見も参照しながら、〈応用研究〉に従事するにあたっての具体的な方法を整理・評価する(第Ⅲ章)。最後に、以上の方法論を規範的政策研究に転用するにあたっての留意点を列挙したい(第Ⅳ章)。Public policy studies aim to illuminate various aspects of public policy, a subfield of which deals with value-related issues in this subject. The purpose of the subfield is to provide a necessary prescriptive knowledge to evaluate the good and the bad of public policy, and to assist its decision-making. Now, how do public policy scholars provide a prescriptive knowledge for a particular public policy? This paper aims to get some instructions from political philosophy, which is concerned with addressing normative themes in the field of political science. First, it will explore the methodological nature of "normative studies" in political philosophy (Chapter II). Next, with reference to methodological discussion in applied ethics (biomedical ethics in particular), it will develop and evaluate a specific method of how to conduct "applied studies" (Chapter III). Finally, it will address the remaining points to remember when applying these methodologies to normative public policy studies (Chapter IV).
著者
安田 憲二 竹生田 秀夫 宮川 隆 清水 保夫
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.183-187, 1997-06-15 (Released:2017-05-31)

1995年7月6日(木)午前9時59分ごろ,神奈川県内の秦野市伊勢原市環境衛生組合清掃工場の焼却炉において爆発事故が発生し,3名の職員が死傷した.事故の原因は,灰落としシュートおよび灰押し 出し機内で発生した水素を主成分とする可燃ガスが,シュート点検口から供給された空気と混合して爆発限界内の混合気体になり,クリンカー等の着火源によって発火し,燃焼爆発に至ったものと推定された.
著者
谷田沢 道彦 石原 隆
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.229-234, 1955

In the preceeding papers<sup>(3)</sup>the authors reported the radioactive contamination of plants<sup>(3)</sup> in Japan covered with rain-out from H-bomb detonated in Spring 1954, at Bikini-atoll. In this paper; absorption of the fission products by sweet-clover and rice plants are released.<br> <b>I. Investigation on the radioactiv contamination of sweet-clover</b>.: Sample plants were taken from grass-land of Shiga Agr. College at three different period of time. In the field, sweet-clovers were cut down at about three weeks interval, and every time new leaves sprouted before long. Since early of June, radioactive density of rain had greatly decreased.<br> Plants ash was analysed in routine procedure of inorgenic separation<sup>(6)</sup>. Ratio of radioactivity of each analytical group was shown in Table. 1. By examining the table, it may be concluded that radioactive alkaline earths especially Sr<sub>89</sub> and S_??_<sup>90</sup> were selectively accumulated in plants from the fact that the increasing ratio of alkaine earths highly exceeded what was brouhht from different half-life time of each radioactive elements.<br> <b>II. Selective absorption of Bikini-ash by rice plants</b>.: A part of long-line (rope) on board No. 5 Fukuryu-Maru was ashed and then dissolved in nitric acid. Excess of acid were neutralized with ammonia to pH 5.2, and diluted with 1 distilled water. Resulted solution was evaluated as about 4m&mu;c/m<i>l</i> in its radioactivity.<br> Nbn-contaminated rice plants were cultivated in this radioactive solution for 20 days in greenhouse, then the absorption by plant of Bikini-ash was examined radiochemically. Group separations of radioactive elements in plant ashes and remaining culture solution were made chromatographically in the use of cation exchanger Amberlite IR-120. Elution curves were shown in Fig. 1 to 3. Total radioactivity and ratio of each separation group was shown in Table 2. From these figures and table, it becomes clear that rice plants accumulated larger parts of fission products in their roots, and selectively absorbed and translocated radioctive alkaline earths in their shoots even if the absorption ratio of Bikini fission products was comparatively small.
著者
田﨑 典子 鍬塚 大 東 美智子 鍬塚 さやか 鈴木 貴久 波多 智子 宇谷 厚志
出版者
日本皮膚科学会西部支部
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.79, no.1, pp.19-23, 2017

71 歳,男性。2010 年 7月,再発性多発軟骨炎を発症し,内科でプレドニゾロン 20 mg/day の内服治療が開始された。2012 年 3 月,<i>Mycobacterium intracellulare</i> による肺非結核性抗酸菌症を発症し,プレドニゾロンに加え,3 剤併用療法が開始された。2013 年 8 月,発熱と皮疹が出現し皮膚科を紹介された。皮疹は無痛性の 2 cm までの紅色結節で,頚部,上肢,体幹に散在していた。病理組織で真皮浅層から脂肪織にかけ好中球を主体とする密な細胞浸潤を認めた。一般細菌培養,真菌培養,抗酸菌培養はすべて陰性であった。以上より皮疹は Sweet 病と診断した。貧血と血小板減少のために行った骨髄穿刺にて骨髄異形成症候群も同定され,最終的に再発性多発軟骨炎と骨髄異形成症候群を合併した Sweet 病と診断した。 プレドニゾロンを増量,ステロイドミニパルスを行うも効果は一時的で浸潤性紅斑,結節の出没を繰り返し,2014 年 1 月に永眠した。本症例では約 4 カ月の間に臨床的には多彩な皮疹が出現したが,病理組織像はいずれも真皮から脂肪織に至る好中球浸潤であった。このように再発性多発軟骨炎,骨髄異形成症候群,Sweet 病の 3 者を合併する症例は過去にも報告されており,これらの症例につき文献的考察を行った。
著者
藤田 英明 中川 茂樹 広川 二郎
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会誌 (ISSN:13405551)
巻号頁・発行日
vol.140, no.11, pp.720-723, 2020-11-01 (Released:2020-11-01)

1.はじめに藤田英明:中川先生,広川先生,今日はお集まりいただきありがとうございます。今日は「電気電子工学科は何を教え・学ぶところなのか」というテーマで,Zoomを使ったオンラインミーティングで意見交換などさせていただきたいと思っています。
著者
鈴木 博志 宮崎 幸恵
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.53-62, 1995

以上の結果は, 次のように要約される.<BR>(1) 単身世帯の男女とも, 年齢層が高くなると住宅水準の高い [マンション] や [鉄賃アパート] への住み替えが進むが, その一方で [木賃アパート] の「沈殿層」が一定程度析出されている.この「沈殿層」は, 「50歳以上」の女性に多いとみられる.若年層から高年層まで, 女性は男性より水準の高い [マンション], [鉄賃アパート] の居住が多い.いずれの住宅型でも女性の平均収入は男性より低いが, 逆に畳数水準は高く, 女性の住宅への関心の高さが伺われる.また, 長期居住による住居費の低廉化は, 高年層の女性に多く寄与している.<BR>(2) 単身世帯の現住宅に対する不満度は, 総合評価で44%と高い.各評価項目別の不満度についても同様に高いが, とくに住宅の居住空間より設備・性能に関する項目の不満度が高い.全体に女性の不満度は男性より低いが, これは現住宅の居住水準が高いことの反映でもある.住宅の評価を具体的な客観的指標 (規模, 日照, 設備水準) と照合してみると, 住宅水準が低下すると不満度が高くなる傾向が読み取れる.他方, 単身世帯の住環境に対する不満度は, 総合評価で27%と低い.各評価項目別では, 中央線沿線の立地, イメージの良さから男女とも立地の利便性や地域イメージに関する項目の不満度は低い. しかし, 居住地の安全性やアメニティに関する項目の評価では, 不満度が高く表れている.<BR>(3) 単身世帯の現住宅選択理由は, 「通勤・通学の利便性」が圧倒的に多い.二義的選択理由として, 男性は「価格・家賃が適当」の経済重視が多いが, 女性は「買物などに便利」とする日常生活の利便性を重視する傾向に分かれる.今後の住宅選択の重視項目では, 全体に「通勤・通学の便利さ」の利便性以上に, 「家賃・価格の安さ」の経済性を重視する傾向にある. [~29歳], [30歳代] では, 男女とも「通勤・通学の利便性」, 「家賃・価格の安さ」が重視されるが, [40歳代] では, 「日常生活の便利さ」, 「住宅の広さ」の比重が高くなる.高年層になると, 男性は「家賃・価格の安さ」の経済性が依然として多いが, 女性は「日常生活の便利さ」, 「住宅の設備・性能」など日常生活のしやすさを重視する傾向が強くなる.<BR>(4) 単身世帯の定住希望は, 全体で61%を占める.性別では女性の方が高い.定住希望の高い年齢層は, 男性では若年層だけであるが, 女性では若年層と高年層の両極で高い.<BR>(5) 単身世帯の住宅関連設備の要求では, 男女とも「専用の風呂」や「専用のトイレ」と最も基本的な要求であり, 「独立のキッチン」や「エアコン (冷暖房用) 」は, それにつぐ高い要求とされる。女性は, とくに住宅の安全性や生活の便利さに配慮した要求内容が多い.また, 男女とも年齢が高い層に「エレベーター装置」, 「住棟内トランクルーム」, 「衣類乾燥機付浴室」の要求がやや多い.単身世帯の住宅関連サービスの要求については, 「ゴミ処理サービス」や「セクレタリーサービス」が最も多い.「セキュリティサービス」など住宅の安全性は, 女性では若年層から高年層まで共通して多い.男女とも「ケアサービス」は, その必要性の認識が高くなる高年層に多い.
著者
中村 遊香 中村 満洲雄 加納 塁 渡辺 晋一 高橋 久 長谷川 篤彦
出版者
日本獣医皮膚科学会
雑誌
獣医皮膚科臨床 (ISSN:13418017)
巻号頁・発行日
vol.3, no.4, pp.47-51, 1997-12-20 (Released:2008-05-16)
参考文献数
2

食物性アレルギー, 接触性皮膚炎, 動物寄生性皮膚炎, 細菌性皮膚炎など原因が特定される疾患が除外されるそう痒を伴う皮膚炎の犬3例に対して, 十味敗毒湯エキス (ツムラ十味敗毒湯エキス顆粒 (医療用)®) を経口投与した。その結果, 3症例すべてで十味敗毒湯エキス投与2週間後にそう痒は概ね認められなくなり, 皮疹も改善傾向を示した。また, 3症例とも投与4週間後にはそう痒, 皮疹は消失したので, 投与を終了した。試験期間中に実施した身体一般検査, 血液学的検査及び血液化学検査において副作用と思われる所見は認められなかった。以上のことから, 十味敗毒湯エキス (ツムラ十味敗毒湯エキス顆粒(医療用)®) が有効な, そう痒を伴う皮膚炎の犬の症例があることが判明した。
著者
後藤 幸 加藤 聡之 橋本 理恵 榊原 隆志 足立 守
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.236-241, 2008-12-29 (Released:2016-12-28)
参考文献数
8

吸入薬を使用中の呼吸器疾患症例では吸入再指導が重要である.今回,吸入継続中にどういう点ができなくなるのかを検討した.その結果,(1)吸入器の一連の操作を確認し,できていない点のみを是正する,(2)「吸入前の深呼気」,「吸入後の息止め」を再徹底する,(3)薬剤の効果と病態を再教育する,が再指導時の重要ポイントと考えられた.多忙な日常業務のなかではこれらに重点を置けば有効な再指導につながると思われる.
著者
坂口 裕英
出版者
九州大学法政学会
雑誌
法政研究 (ISSN:03872882)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.401-416, 1960-04
著者
越田 崇夫
出版者
国立国会図書館調査及び立法考査局
雑誌
調査と情報 (ISSN:13493019)
巻号頁・発行日
no.679, pp.1-12,巻頭1p, 2010-04-22