著者
本田 三緒子
出版者
総合危機管理学会
雑誌
総合危機管理 (ISSN:24328731)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.67-68, 2019-03-11 (Released:2019-12-10)

最近、馬および鹿肉の中のサルコシスティス寄生動物が吐き気、嘔吐および下痢を引き起こして、急性食中毒の原因物質であることが報告された。バクテリア、ウィルスおよび他の寄生動物のような他の原因物質と比較して、鹿肉では、様々な条件の下のその安定を含むサルコシスティス種寄生動物はよく理解されていません。この研究では、私たちは、氷温、冷蔵下、加熱などの条件下でのサルコシスティス種の生存可能性について検討した。
著者
日野 義一
出版者
The Society of Agricultural Meteorology of Japan
雑誌
農業気象 (ISSN:00218588)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.229-234, 1980-03-20 (Released:2010-02-25)
参考文献数
12

東北地方南部太平洋側特有の春季多照条件を効果的に利用する栽培法として, 4月下旬の田植えについて検討して来た。その結果, 従来の田植時期 (5月10日) に比べて, 生育, 収量が向上することがわかったため, 1977, 1978の両年現地実証試験を宮城県内で行なった。両年次の早植時期 (4月下旬) における県内温度分布では, 最高気温は比較的高い14~17℃の範囲であるが, 平均気温は8~12℃, 最低気温は2~6℃の範囲に分布し, この時期には, 低温障害発生危険温度を示す。しかし, 水田水温の推定値からみれば, 最高水温は24~28℃, 平均水温11~15℃, 最低水温3~9℃となって, 最低水温のやや低い地帯があるが, 水田水温全体からみれば, 低温障害の恐れのある地帯は極あて少ないことがわかった。なお, 主な試験地における水田水温 (地表温度) の平均温度はほとんど12℃以上で経過していた。田植日から最高分げつ期までの積算値でみると, 日照時数では両年次で, 早植 (4月20日) は標準植 (5月10日) より約70~100時間多い。気温, 水田水温では両田植日間にあまり大きな差がない。早植はやや少ない気温を示しているが, 水田水温では, 早植が多くなっている。最高分げつ期から出穂期まで間の積算値では, 日照, 気温, 水田水温とも田植日による差は小さい。この間に含まれる梅雨期の影響が大きい。出穂後40日間の積算値では, 日照, 気温, 水田水温とも早植の方が標準値より多く, 登熟期間中の気象は早植の場合に好条件となった。各試験田の初期生育量 (乾物重量) は, 早植ほど増加傾向を示し, さらに4月末までに田植えした場合の収量は両年次とも600kg/10a以上となり, 現地においても早植栽培の効果が確認された。
著者
桑野 裕文 Hirofumi Kuwano 九州情報大学 経営情報学部 経営情報学科
巻号頁・発行日
vol.15, pp.99-105,

運動部活動は学校教育の一環として、またスポ-ツ享受の場として、その価値は大きい。しかし、勝利至上主義、過熱化、スポ-ツ障害、事故と安全管理、教師の負担、など問題が山積しており、その諸問題を解決すべく保健体育審議会答申(1997年)やスポ-ツ振興基本計画(2000年)では「運動部の運営活動改善」が提起されている。一方学校現場では、少子化の影響もあり休部・廃部の話を耳にする。休部・廃部は入学後入りたい運動部がなく、これまで続けてきたスポ-ツを続けられなくなる子どもを生み出している。この問題に歯止めをかける一手として、今注目を浴びているのが合同チ-ムである。合同チ-ムは、運動部活動の最大の魅力「大会参加」への道を開くものとして子どもたちにとっては良報である。しかし、大会参加にはさまざまな条件が付けられている。また大会には、中体連・高体連主催、競技団体主催、民間の冠大会などがあり、それぞれに規定がある。そしてその規定は統一されたものではなく戸惑いもある。本稿では、中体連・高体連規定をベ-スに合同チ-ムの参加規定を検討し、運動部改革の主体的な取り組みの第一歩とする。
著者
落合 東朔
出版者
日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科学会雑誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.1-9, 1970-01
被引用文献数
1

挿管法により家兎及びヒトの子宮収縮を記録し以下の成績を得た. 1) 家兎非妊: estrogen 投与時は去勢時に比し, 収縮の高さは著明に増大し持続時間も延長するが回数に差はない. progesterone 投与時は est. 投与時より高さの増大は少なく, 持続は短縮するが回数は著しく増加する. est.-prog. 投与時は prog. 投与時より高さは大きく持続も長いが回数は減少する. 2) 家兎妊娠: 妊娠10日は高さの小さな持続の短い頻回の収縮であるが, 妊娠20日には高さは増し持続も延長するが回数は減る. 妊娠30日は20日と比較し高さは変化しないが持続は長く回数は少ない. 妊娠30日の胎盤附着部と非附着部を比べると, 持続, 回数に差はないが, 高さは前者平均 (以下平均を略す) 1,9mmHgに対し後者 4.5mmHgであり附着部の収縮の抑制を認めた. 3) ヒト非妊: 月経時が最も大きく規則的な収縮で高さ 4.5mmHg, 持続23.2秒, 10分間の回数(以下回数と略す)は22.5回である. 増殖期になると, 中等大のやゝ不規則な収縮で高さ2.5mmHg, 持続17.9秒, 回数22.7回である. 分泌期は最も小さくさざ波様で高さ1.5mmHg, 持続16.0秒, 回数22.9回である. 閉経後の収縮は高さ1.3mmHg, 持続22.3秒, 回数16.0回であり, 閉経後の年数が長い程, 回数は減少し小さい. 4) ヒト妊娠初期: 分泌期の収縮に類似し, それより小さく高さ0.8mmHg, 持続16.8秒, 回数22.7回である. 5) ヒト分娩時: 分娩第1期は高さ37.9mmHg, 持続87.9秒, 回数3.8回であり, 分娩第2期は高さ57.1mmHg, 持続84.1秒, 回数5.5回である. 6) ヒト妊娠初期流産: 高さ3.5mmHgで, 進行流産が高さ4.7mmHgで最も大きく, 不全流産が1.8mmHgでこれにつぎ, 完全流産が1.4mmHgで最小である.
著者
Hiroaki Abe Akira Michimata Kazuyoshi Sugawara Naoki Sugaya Shin-Ichi Izumi
出版者
Tohoku University Medical Press
雑誌
The Tohoku Journal of Experimental Medicine (ISSN:00408727)
巻号頁・発行日
vol.218, no.3, pp.193-199, 2009 (Released:2009-06-27)
参考文献数
24
被引用文献数
41 66

Stroke is the leading cause of long-term disability, and many stroke patients have hemiparesis. Hemiparesis induces ankle-control disturbances and equinovarus deformity, leading to difficulty in walking and an increased risk for falling. Plastic ankle-foot orthosis (PAFO) is frequently prescribed to correct ankle joint alignment and increase walking speed and stride length during ambulation. While several studies have shown that PAFO improves gait parameters, such as stride length and walking speed, in hemiplegic patients, the effect of PAFO on gait stability remains unclear. We quantitatively assessed the effect of PAFO on gait stability in 16 hemiplegic stroke patients (mean age 55.9 ± 11.8 years; 5 female and 11 male subjects; and 11 hemorrhagic and 5 ischemic stroke) using an ink footprint record. Wearing PAFO significantly improved the stride length, step length on the unaffected and affected sides, step width, walking speed, step frequency and functional ambulation ability. The coefficient of variation (CV), as an index of stability of movement from trial to trial, provides a measure that defines motor skills for a given task. Unaffected-side step-length CV and step-width CV were significantly decreased, when using PAFO. Furthermore, the correlation was found only between unaffected-side step length and its CV. The decrease in CV indicates that PAFO improved gait stability. We concluded that in addition to providing a faster gait, PAFO improves gait stability during walking. Gait stability and gait efficiency need to be considered separately in evaluating the effects of ankle-foot orthosis on gait performance in hemiplegic patients.

1 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1937年10月12日, 1937-10-12
著者
宮津 和弘 佐藤 忠彦
出版者
一般社団法人 日本統計学会
雑誌
日本統計学会誌 (ISSN:03895602)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.113-146, 2019-03-29 (Released:2019-10-07)
参考文献数
34

心理会計のもとでは,経済学の原理である金銭の代替可能性が完全には成立しておらず,同じ金銭的価値の財でも,消費者の使用目的や購買状況に応じて,異なる価値基準を有する.本研究では,心理的状況の変化を心的負荷と在庫金額という二つの潜在指標で捉えてモデル化し,消費者の内面的要因が来店間隔に与える影響を解明する.これにより,一見非合理的とも思える消費者の購買行動を,行動経済学の観点から理解する.本提案モデルでは,心理的状況を閾値変数とした閾値型モデルに消費者の異質性を階層ベイズの枠組みで取り込み,マルコフ連鎖モンテカルロ法で推定する.小売店舗のID付POSデータを用いて実証分析した結果,消費者の購買行動には心理的状況が影響し,来店間隔の生起メカニズムに差があることを示した.
著者
北川 俊輝 河西 大悟 下内 良平 児玉谷 仁 神﨑 亮 冨安 卓滋
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集 2019年度日本地球化学会第66回年会講演要旨集
巻号頁・発行日
pp.259, 2019 (Released:2019-11-20)

水俣湾は1977年~1990年にかけて25 mg kg⁻¹以上の水銀を含む底質は浚渫・埋め立てが行われたが、未だにバックグラウンドの数十倍の水銀を含む底質が存在する。本研究では2013年~2018年に採取された底質中の総水銀濃度及び底質化学組成の測定を行い、排出された水銀の拡散について検討を試みた。八代海表層底質中総水銀濃度は、水俣湾に近いほど高く、遠ざかるほど低くなる傾向が見られた。底質化学組成を見ると主要成分はSiO₂、Fe₂O₃、Al₂O₃であった。SiO₂に対しFe₂O₃及びAl₂O₃をプロットすると、八代海底質ではともに正の相関が見られ、水俣湾沿岸に近い程それらの割合が高くなる傾向が見られた。水俣湾、袋湾の底質では、SiO₂に対するFe₂O₃、Al₂O₃の割合は八代海底質に比べて高く、SiO₂に対するこれらの値は八代海底質とは明らかに異なる領域にプロットされた。

1 0 0 0 OA 道中画譜

著者
葛飾北斎
出版者
東璧堂

魚屋北渓画か。東海道五十三次絵本。半紙本1冊。永楽屋東四郎刊。板元は奥付広告、巻頭の東壁堂店頭図による。淡色摺り。戸塚図に描かれた道標に「文政十三」とあり、成立は同年(1830)中か、翌年と推定される。画工は、高井蘭山の序に「前北斎為一翁」とあるが、同序にはそれ以外、『道中画譜』を連想させる口吻は認められず、他の北斎本の序の混入が疑われる。最終京図以外はすべて見開き図で、通例、見開きの左右に地名を書き入れる。各宿駅の風景を背景に、菅笠を被った旅行者を描くことが多い。本絵本は、もと臥龍園撰、呉(魚屋)北渓画の高点狂歌集『狂歌東関駅路鈴』の絵の丁だけを集め、各丁に彫り込まれた3、4首の高点狂歌を削ったものである。当館蔵の『狂歌東関駅路鈴』(請求記号:181-78 『狂歌寄波』8所収)は、「平塚」までの5丁のみの収録であるが、絵と対応する狂歌だけの丁も「平塚」までで一区切りとする。ハワイ美術館のリチャード・レイン旧蔵本に天保6年(1835)正月、名古屋皓月堂文助刊本がある。(鈴木淳)
著者
図司 直也
出版者
法政大学現代福祉学部現代福祉研究編集委員会
雑誌
現代福祉研究 = The bulletin of the Faculty of Social Policy and Administration : reviewing research and practice for human and social well-being (ISSN:13463349)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.127-145, 2013-03-01

現代日本の農山村地域は、過疎化、高齢化が全国に先んじて進み、そこでは集落機能の維持に必要な人手が不足し、次世代の確保が危ぶまれている。その反面、2000年代に入り、農山村地域に向かう若者の存在が目立ち始め、近年では国主導のもとで、「地域おこし協力隊」のように地域サポート人材導入事業が施策化され、急激な広がりを見せる。しかし、「人」を施策対象に据えているために、受入地域と若者のマッチングや、若者と地域の成長を意識したプログラムづくりなど、民間の先発的な取り組みの工夫に学ぶ必要があり、若者移住を目指す以前に、まず若者が地域に馴染む最初の段階を大事にする姿勢が求められる。さらに、地域サポート人材を志す若者の目的や動機、任期中の展開、さらに任期後の動向について、相互を結び付けて検討する動態分析が未着手であり、本研究では、応募動機と任期後の進路展開に関する実態調査から今後求められる分析視角を検討した。
著者
鈴木 五六
出版者
日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科学会雑誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.24-32, 1967-01

胎児心音に関する今日までの研究は,いずれも単独記録であり,胎児心電図と同時記録によつて,その関連を検索した報告は甚だ少ない.これは胎児心電図との同時記録が技術的に困難なためでもあるが,著者は胎児心音,心電同時の写真記録により両者の相互関係を求め,これが臨床上いかなる意義を示すか検討した.すなわち妊娠,分娩時を通じI II時間は0.15~0.22秒,II I時間は0.15~0.31秒,QI時間0.02~0.06秒の範囲にあり,分娩時児心音数減少例でこの範囲を僅かに逸脱するものが数例みられた.II I/I IIは従来まで1.0~1.6を正常とし,それ以外の値をとると,出産時仮死が多いというが,必ずしも該当しないようである.むしろQII/√<RR>の値,I II時間の不整に臨床意義を認め,前者では0.33~0.39を正常,それ以外の値をとれば仮死児の出生の多くなること,後者では0.03秒以上の不整のとき分娩時胎児心音数減少の起りやすいことを認めた.胎児心音の波形ではI音に続く雑音,分裂,振幅不揃などの出現が,児の切迫仮死を示すものとして重視するものもあるが,今回の検索ではこれに反し,この種の成績に意義を見出せなかつた. 次に胎児心音の臨床応用として,母体に硫酸アトロピンを投与し,胎児心拍数の変動が起るまでの時間から胎盤機能の判定を行う方法が最近実施されている.これに代る安全な方法として2%塩化カルシウム20ccの静脈内注射によつても,この種の検査は実施出来ることを認めた.本検査法が果して胎盤機能を示すものか再検討した結果,本法により現われた胎児心拍数の変動は,母体に投与された薬物そのものの作用によるものでなく,母体心拍数の変動により二次的に影響されたものでないかとの成績を得た.したがつてHonらのいう重症妊娠中毒症,あるいは予定日超過例にみる胎盤機能不全例において,本検査成績の出現し難いということ,これにより胎盤機能が判定できるという説とは異つた成績となつたが,橋本らのいうような胎児機能,すなわち本法実施により胎児心拍数の著明な変動を来たした症例に仮死児が多いという成績に対しては,仮死が必ずしも多くみられなかつたが,分娩中胎児心音数の100以下減少例が多かつたという面で一致の成績を得た.
著者
阿部 裕
出版者
名古屋大学
巻号頁・発行日
2015-03-25
著者
平野 友規 落合 健太郎
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究特集号 (ISSN:09196803)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.14-20, 2014

UI(ユーザーインターフェイス)デザインのトレンドは、従来のスキューモーフィックデザインからフラットデザインへと移行し、説明過多な装飾から脱却した。フラットデザインという共通のデザイントーンによってUIビジュアルデザインの「モジュール化」が起きている。そのことからUIのビジュアルデザインがコードのみで実装可能となり、これまで困難とされていたUIビジュアルデザインのライブラリ化がはじまると考えられる。近い将来、UIのビジュアルデザインという仕事がエンジニア側のワークフローに組み込まれるだろう。「描画」というデザイナーの専門性が揺らいでいる。本稿では、デザイナーの仕事の本質とはデザイニング(行為)とそれを支える知恵にあることを主張する。そのために、著者らの業務体験を参考に考察する。