著者
松尾 智英 大倉 信彦 角田 浩之 矢野 泰弘
出版者
日本ダニ学会
雑誌
日本ダニ学会誌 = Journal of the Acarological Society of Japan (ISSN:09181067)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.1-23, 2013-05-25
参考文献数
105
被引用文献数
7

マダニ上科は主に2つの科,すなわちマダニ科(Hard tick)とヒメダニ科(Soft tick)とに分類され,マダニ科はさらにそれらの繁殖の違いによって Prostriata(マダニ科マダニ属)および Metastriata(マダニ属を除くマダニ科の属)に分けられる.すなわち,各グループに属する種はそれぞれ特徴的な繁殖システムや器官を有している.加えて,マダニ類は様々な病原体のベクターとしても重要な生物群である.Metastriataグループに属するフタトゲチマダニは単為生殖系統と両性生殖系統が存在するという特徴をもち,オーストラリア,ニュージーランド,ニューカレドニア,フィジー諸島,日本,朝鮮半島および中国・ロシア北東部に広く分布している.本種はまた Q熱リケッチア,ロシア春夏脳炎ウィルス,タイレリアおよびバベシア原虫のベクターとしても知られており,我が国における牧野の最優占種であるフタトゲチマダニは放牧牛にピロプラズマ病を媒介するという点で農学・獣医学上重要であると考えられている.そこで,我々がこれまでに明らかにしてきたフタトゲチマダニ両性生殖系統の繁殖に関する知見をここにまとめる.
著者
髙橋 隆博
出版者
関西大学出版部
巻号頁・発行日
2010-03-31
著者
岡田 知弘
出版者
農業問題研究学会
雑誌
農業問題研究 (ISSN:0915597X)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.4-13, 2015 (Released:2018-12-21)
参考文献数
13

本稿では,2014年5月に発表された日本創成会議の人口減少問題検討分科会報告「ストップ少子化・地方元気戦略」(増田レポート)と,その「地方消滅」論を前提にして第二次安倍晋三内閣の下で推進されつつある「地方創生」に関わる政策群(とりわけ成長戦略,地方制度,国土計画)を,批判の対象として採り上げた.その際,地域経済学の視点から「地方消滅」論の検証を行うとともに,「地方創生」に対抗する地域再生の基本方向を明らかにした.
著者
岩井 浩
出版者
関西大学出版部
巻号頁・発行日
2010-03-20
著者
Alowasheeir Azhar Jacob Earnshaw Mohamed Barakat Zakaria Ping Cheng Yusuf Valentino Kaneti Md. Shahriar A. Hossain Saad M. Alshehri Tansir Ahamad Yusuke Yamauchi Jongbeom Na
出版者
Hosokawa Powder Technology Foundation
雑誌
KONA Powder and Particle Journal (ISSN:02884534)
巻号頁・発行日
pp.2021015, (Released:2020-08-29)
参考文献数
29
被引用文献数
2

This work demonstrates the fabrication of a nanoporous iron carbide-iron oxide/reduced graphene oxide (IC-IO/rGO) hybrid via a controlled one-step thermal treatment of Prussian blue (PB)/GO hybrid at 450 °C under N2 flow. The PB/GO hybrid is initially prepared through the in-situ deposition of PB nanoparticles on the GO sheets through electrostatic interactions. The morphological analysis of the hybrid reveals the uniform coverage of the rGO sheets by IC-IO nanoparticles and the even distribution of carbon (C), oxygen (O), and iron (Fe) on the rGO nanosheets. As a result of the hybrid composition and controlled morphology, the surface area of the obtained IC-IO/rGO hybrid (~40 m2/g) is significantly enhanced compared to those of the calcined GO sheets and PB nanoparticles (without GO).
著者
鶴永 陽子 松本 敏一 倉橋 孝夫 持田 圭介 板村 裕之
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.5, no.3, pp.321-324, 2006-09-15
参考文献数
17
被引用文献数
4 6

14年生カキ&lsquo;西条&rsquo;を用い,成育中の柿葉におけるアスコルビン酸,イソケルシトリン,アストラガリン,ポリフェノール量含量の推移を検討した.その結果,アスコルビン酸とポリフェノールは6月から7月の含量がもっとも高く,それぞれ3700 mg/100 gDW,16100 mg/100 gDW(アストラガリン相当量)であった.また,イソケルシトリン,アストラガリン含量は5月葉が最も高く,それぞれ480, 520 mg/100 gDWで,その後新梢長の急激な伸長の伴い6月には激減することが明らかとなった.<br>
著者
鶴永,陽子
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学研究
巻号頁・発行日
vol.5, no.3, 2006-09-15

14年生カキ'西条'を用い,成育中の柿葉におけるアスコルビン酸,イソケルシトリン,アストラガリン,ポリフェノール量含量の推移を検討した.その結果,アスコルビン酸とポリフェノールは6月から7月の含量がもっとも高く,それぞれ3700mg/100gDW, 16100mg/100gDW (アストラガリン相当量)であった.また,イソケルシトリン,アストラガリン含量は5月葉が最も高く,それぞれ480,520mg/100gDWで,その後新梢長の急激な伸長の伴い6月には激減することが明らかとなった.
著者
川合 恭平 鈴木 汎
出版者
社団法人 有機合成化学協会
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.37, no.6, pp.494-500, 1979

We, Toagosei Chemical Industry, have buckled down seriously to the safety problem with making the best use of our experience of plant accidents happened in the past.<BR>With an explosion accident in 1952 as a momentum, our plant operation was standardized. Then, with an explosion accident in 1972 as a momentum, an expert committee for the prevention of plant accidents was institutionalized.<BR>By the said committee, the checking for causes of accidents is done as to each stage of research, engineering, and test operation. The check list is used for this purpose. Now, we would introduce the part relating to the explosion.<BR>Differential Scanning Calorimeter is effective for the checking against explosive chemicals of which counterplan is difficult to be set.
著者
小峰 啓吾 石岡 千加史
出版者
一般社団法人 日本遺伝性腫瘍学会
雑誌
遺伝性腫瘍 (ISSN:24356808)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.13-17, 2020 (Released:2020-08-24)
参考文献数
7

進行がんの治療は免疫チェックポイント阻害薬などの新しいがん分子標的治療薬の開発により確実に進歩しているが,最近がんゲノム医療が臨床に導入され,いよいよ個別化治療の時代を迎えつつある.臨床研究中核拠点病院である東北大学病院は2017年に個別化医療センターを設置し,がん,生活習慣病や希少疾患のゲノム医療の開発・普及を推進している.また、本院と東北メディカル・メガバンク機構が協力して東北大学に指定国立大学の重点研究プロジェクトとして同年に設置された未来型医療創成センターの運営を開始し,ゲノム医療を含めた次世代医療開発へ取り組みを本格的に開始した.本院は2019年6月がんゲノム医療中核拠点病院に指定され,国内でのがんゲノム医療を中心的に牽引してくこととなった.臨床での運用については治療へのアクセスや二次的所見への対応など様々課題があるが,それらは少しずつ克服されている.
著者
高井 範子 岡野 孝治
出版者
学校法人 天満学園 太成学院大学
雑誌
太成学院大学紀要 (ISSN:13490966)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.61-73, 2009

本研究では,大学生および成人が,「男らしさ」や「女らしさ」をどのように考えているのか,また,「異性に求めることは何か」を質問紙の自由記述欄において尋ねたものをまとめた。その結果,「男らしさ」としては,包容力,頼りがい,たくましさ・強さ,決断力・判断力,行動力・積極性,リーダーシップなどが,「女らしさ」としては,上品,気遣い・繊細さ,家庭的,かわいさ,愛嬌,色気,美しさといった内容が上位にあがっていた。これらの多くは,従来から示されているものとほぼ同様であり,男性性,女性性に関するジェンダー意識に余り変化がみられなかった。また,「男らしさ」「女らしさ」に共通してみられた内容としては,優しさ,包容力,忍耐強さ,誠実さなどがあげられる。さらに,異性に求めるものとしては,男女共に優しさが最も多かった。次いで,男性が女性に求めることとして,癒し・安心感,ルックスのよさや,自分にないものをもっている,話が合う,従順さや気が利くことなどが上位にあがっていた。一方,女性が男性に求めることとして,包容力,経済力,頼りがい,楽しさ・ユーモア,誠実さなどが上位にあがっていた。
著者
中嶋 隆行
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.997-1002, 2020-09-25

インプラント周囲骨折のうち,治療に難渋する横・斜骨折と非定型大腿骨骨折(atypical femoral fracture:AFF)の関連が注目されている.Vancouver type B1,AO分類32A2,A3(斜骨折,横骨折)の9骨折に関してAFFの診断項目,大腿骨の外弯,骨癒合期間,偽関節の発生に関して検討した.全例AFFの診断基準を満たし,ビスフォスフォネート製剤,大腿骨外弯の影響も示唆された.治療はプレートによる骨接合術を選択する場合,外側ロッキングプレート単独でgapを残した場合には遷延癒合となる可能性が高いため,骨片間圧迫をかけたうえでの前方と側方へのdouble platingが有用であると考えられた.