著者
田中 五郎 西脇 威夫 島田 静雄
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:00471798)
巻号頁・発行日
vol.1958, no.59, pp.d1-d16, 1958-12-25 (Released:2010-08-24)
参考文献数
3

吊橋用に製造されたスパイラル・ロープの引張り試験を行い, 伸び, トルクおよび両端を回転自由にした場合のより戻り角度を測定して, それの弾性的性質を実験的に調べた。更にスパイラル・ロープの弾性的変形に対して理論式を導き, 実験値と計算値を比較検討し, プリテンション加工の一指針を与えた。
著者
神山 智美
出版者
富山大学経済学部
雑誌
富山大学紀要.富大経済論集 (ISSN:02863642)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.517-549, 2017-03

環境法とは,「現在および将来の環境質の状態に影響を与える関係主体の意思決定を社会的に望ましい方向に向けさせるための方法に関する法,および,環境をめぐる紛争の処理に関する法」である。よって,関係主体を構成する諸個人における「これが望ましい方向だ」と思う方向への働きかけが適切に行われ,議論が深められた上での社会的合意がなされることが求められる。よって,そのための示威的行動等を含む意見表明が確保されねばならず,議論の場が確保されることが望ましい。しかしながら,住民らの意見表明に対してそれを威嚇するような動きを事業者が取る場合,または事業者の行為が不当に侵害されるような反対運動等が展開された場合等,いくつかの克服すべき課題も見受けられる。本稿は,とくに開発行為の事業者側が原告となって提起する訴訟における,事業者の適切な対応を勘案すべくこれらの課題を検討するものである。よって本稿においては,(1)事業者対住民:住民らの意見表明に対してそれを威嚇するような訴訟提起および遂行を事業者側が行う場合,(2)事業者対地方公共団体の長:地方公共団体の長が,その事務執行に当たり,建物建築および販売等を妨害したことには重大な過失があるとして事業者が国家賠償法1条1項等に基づく訴え等を行った場合について検討する。なお,以下で取り上げる事案(2)には,当該地方自治体の条例公布行為の有効性,当該地方自治体の債権行使および国家賠償法1条2項に基づく求償権の不行使等,少なからずの論点が含まれているが,本稿においては,事業者対地方公共団体の長という観点に焦点を当てて扱うこととする。
著者
松永 是
出版者
一般社団法人 日本生体医工学会
雑誌
BME (ISSN:09137556)
巻号頁・発行日
vol.3, no.11, pp.40-46, 1989-11-10 (Released:2011-09-21)
参考文献数
7
著者
山野 敬士
出版者
別府大学会
雑誌
別府大学紀要 = Memoirs of Beppu University (ISSN:02864983)
巻号頁・発行日
no.58, pp.27-37, 2017-02

本論は、映画『ミッドナイト・イン・パリ』を利用して「アメリカ文学史」の講義を効果的に実践する方法を考察したものである。映画に登場するロスト・ジェネレーションのアメリカ人作家達の伝記的事実や作品の読解が、どのような影響を映画鑑賞に与えるかを分析した。また、逆に映画内の描写を考えることが、文学作品の解釈の幅を拡げる可能性も探った。
著者
塚本 泰造
出版者
熊本大学
雑誌
国語国文学研究 (ISSN:03898601)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.1-49, 1988-09-10

いわゆる「陳述論争」の帰結の一つは、文法用語としての「陳述」の定着である。現在の構文論において、「陳述」を項目として論ずべき部分は多いであろう。ところで、この論争の過程で、論者が必ずなさねばならない作業があった。それは、山田文法の「陳述」「統覚作用」これら二つの文法用語の関係を見極める事であった。文法用語としての「陳述」が山田博士によって初めて取り入れられたとされる以上、論者自身の「陳述」(あるいはそれ相当の何か別の言葉)のオリジナリティを明確にし、山田文法の批判克服に向かうためにも、右の語義の検討は重要なことであった。そして、論者の「陳述」「統覚作用」の関係の理解は、統一されているとは言えないのである。
著者
藤野 良孝
雑誌
情報学研究 = Studies in Information Science (ISSN:24322172)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.25-33, 2017-03-31

本研究では、料理の「混ぜる動作(生卵)」、「絞る動作(生クリーム)」、「潰す動作(茹でたジャガイモ)」、「入れる動作(油の中)」で同一の意味を有するオノマトペに着目し、それらが動作イメージにどのような影響を与えるのかをアンケート調査から探ることを目的とした。その結果、「混ぜる動作」、「絞る動作」、「潰す動作」、「入れる動作」で使用される同一の意味を持つオノマトペの動作イメージは、一部類似するオノマトペがあるものの、それぞれにおいて差異(微妙なニュアンス)を及ぼす傾向が示された。こうした微妙なニュアンスをもつオノマトペは、料理作業における共通理解や感覚伝達の一助となる可能性が分かった。