著者
川畑 泰子
出版者
一般社団法人 社会情報学会
雑誌
社会情報学 (ISSN:21872775)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.47-64, 2019-12-31 (Released:2020-01-18)
参考文献数
44

オンライン上の私たちの挙動は,公衆ネットワーク通信網上のログとして1秒1秒膨大かつ精密な情報として蓄積されている。昨今,オンライン上の過剰な意見の衝突がオンラインから日常生活へダイレクトにもたらすソーシャルリスク,フェイクニュースの膨張など懸念材料が多くニュースや書籍などでも参照され出している。社会通念における認識や理解,定義なども良い面でも悪い面でも増長・フォーカスされやすくなっている。社会規範から逸脱した発言における言語単位での規制は各国々のOSN(Online Social Networks)によっても異なる。今後,合意形成に関して定量的な知見や傾向に関する知見を集約し,社会的・経済的リスクをもたらす状況に対する定量的な見解を導く手法の提案も求められるだろう。本論では,実測のデータを用いながらオンライン上のソーシャルネットワークに関する研究と数理モデルを用いた計算社会科学的な解析アプローチによるケーススタディの比較手法の事例に関して述べたい。
著者
石井 千春
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会誌 (ISSN:09120289)
巻号頁・発行日
vol.83, no.11, pp.1006-1009, 2017-11-05 (Released:2017-11-05)
参考文献数
4
被引用文献数
2
著者
趙 頔 ZHAO Di
出版者
名古屋大学
巻号頁・発行日
2018
著者
河原 秀久
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.89, no.5, pp.355-363, 1994-05-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
16

食品加工の際に産出する食品廃棄物の再利用は, 資源有効利用の面のみならず環境汚染防止の面からも急務の事項である。著者は, 食品廃棄物の再利用の困難はそれが水に不溶であることに着目した。そこで, 不溶性脱脂大豆の可溶化とオカラの分解を微生物の酵素を利用することにより, 従来利用のむずかしい廃棄物の再利用について解説していただいた。
著者
鮫島 輝美
出版者
公益財団法人 集団力学研究所
雑誌
ジャーナル「集団力学」 (ISSN:21854718)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.33-61, 2010-07-01 (Released:2013-04-16)
参考文献数
21
被引用文献数
1

本研究は、現代医療の欠陥として、医師-患者関係における2つの問題点を指摘した上で、フィールドワークで接した医師と住民の姿を理論的に考察することを通じて、それら2つの問題点を克服する方途を提言しようとするものである。まず、第1節では、現代医療の2つの問題点として、①患者という人間ではなく、患者の「病気」だけが医療の対象とされる傾向があること、②病気の専門家である医師と患者の間に、「強者-弱者」の関係が形成される傾向があることを指摘する。さらに、それらの問題点を、フーコーの言う「生-権力」が閾値を超えて過度に強化された帰結であることを論じる。次に、第2節では、筆者のフィールドワークに基づき、2つの問題点を克服する実践例を紹介する。第3節では、まず、「生-権力」概念を、大澤の規範理論に基づき再定位する。すなわち、「(a)原初的な規範形成プロセス → (b)規範の抽象化 → (c)規範の過度の抽象化 → (d)原初的規範形成フェーズへの回帰」という一連の規範変容プロセスにおいて、「生-権力」の形成・強化は(b)の最終段階、「生-権力」の過度の強化は(c)に対応することを論じる。それに対して、上記の実践例は、(d)原初的規範形成フェーズ((d)の段階)を具現化したものであり、したがって、過度に強化された「生―権力」を原因とする上記2つの問題を克服する方途を示唆するものと考察される。
著者
川田 智美 藤本 桂子 小和田 美由紀 神田 清子
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.175-184, 2012-05-01 (Released:2012-06-22)
参考文献数
27
被引用文献数
2 1

【背景・目的】 本研究は, 患者および家族の "不確かさ" に関連する研究を分析し, 患者や家族が病気に伴って経験する "不確かさ" とはどのような内容であるのか, その表現を明確にし, 言語化する. そして, 不確かさをいかにマネジメントしていくかという適応上の課題に対して看護の示唆を得ることを目的とする. 【対象と方法】 2001年から2011年7月までの原著論文を対象とした. 医学中央雑誌を使用し, "不確かさ" and "看護" をキーワードに検索を行ない, 患者および家族を対象とし, テーマ内容に沿った35論文について内容分析を行った. 【結 果】 "不確かさ" に関する研究内容は, 《身体感覚に確信が得られないことにより生じる不確かさ》《適切な情報が得られず状況を把握できないことによる不確かさ》《将来の見通しが立たないことに関する不確かさ》《病状や治療効果を予測できないことに対する不確かさ》《迫りくる死への不安から生きる意味が見いだせず感じる不確かさ》の5カテゴリから形成された. 最も大きなウエイトを占めたカテゴリは, 《適切な情報が得られず状況を把握できないことによる不確かさ》であった. 【結 語】 患者および家族が不確かさを受け入れ, 適応に向けて生活していけるよう, 適切な情報提供と不確かさを傾聴することが重要な課題であると示唆された.