著者
小松 佑人 浜田 宏一 磯田 貴宏 上田 貴郎 羽生 博之
雑誌
第78回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, no.1, pp.9-10, 2016-03-10

日本のリビングでのエアコン使用時、暖房時に部屋のどこにいても「足もとから暖めたい」、冷房時は「風があたって不快」など快適性に関する声が聞かれた。屋内で靴を脱ぐという日本の生活習慣と床の表面温度が同じでも床の種類によって「接触温冷感」が異なることに着目し、「フローリングでも素足で過ごせる暖房」を、また冷房時は輻射熱など室内の潜在的な課題と「冷房の風が直接当たって不快」という不満にも配慮し、室内環境を踏まえた「気流を感じさせないやさしい冷房」をめざした。新たに床の種類を判別することで快適な空調を実現する。
著者
根津 朝彦
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.216, pp.121-152, 2019-03

本稿は,『毎日新聞』の社会部記者であった内藤国夫(1937~1999年)を中心に,東大闘争の専従記者が「1968年」報道にいかに携わったのかを明らかにする。第1節では,運動学生の行動動機を顧みずに,かれらを「暴徒」と見なす全般的な報道の特徴を検討した。それをよく示すものが『山陽新聞』の改ざん事件と,内藤国夫が取材した王子デモ報道であった。この背景には,学生運動の「暴徒」観を根強く抱く編集幹部の存在が挙げられる。第2節では,大学担当記者になった内藤国夫が東大専従記者となり,大河内一男総長の辞意報道に及ぼした影響や,各社が集った東大記者クラブと取材班の陣容を整理した。第3節では,内藤の日頃の取材先を押さえた上で,東大専従記者と運動学生の緊張関係が高まった読売新聞記者「暴行」事件に焦点をあてた。この事件を契機に学生の新聞不信が激化したことと,内藤の学生のために取材をしているという「君らのため」観との間に乖離があることを示した。第4節では,安田講堂の攻防で時計台放送が投げかけた,記者たちにとって東大闘争と報道とは一体何であったのかという,内藤を含めた記者たちの主体性を突きつける問題を考察した。それとともに警察側のデモ現場での巧妙な潜入や学生対策の実態について言及した。内藤は,東京大学法学部の卒業生という利点をいかし,取材源に食い込み,多くのスクープをものにした。しかし,その取材現場では学生の「暴徒」観に象徴されるように,事実に向き合おうとする記者と報道機関の姿勢も問われていた。そして多様な事実を報じる回路を制約したのが,現場記者と編集幹部の認識の差であった。記事決定の裁量権をもつデスクや編集幹部の力関係の構造の下,「1968年」報道も多面的な現実を読者に報じる役割が妨げられていたのである。最後に東大闘争と学生運動における暴力の問題についても見通しを提示した。
著者
石原 比伊呂
出版者
青山学院大学史学会
雑誌
史友 (ISSN:02873826)
巻号頁・発行日
no.42, pp.19-33, 2010
著者
鈴木 圭輔
出版者
日本神経治療学会
雑誌
神経治療学 (ISSN:09168443)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.152-159, 2019 (Released:2019-11-25)
参考文献数
57

Sleep disorders are common in neurological diseases but are still underrecognized and undertreated. Different brain lesions related to neurological diseases result in altered sleep–wake rhythm and sleep structure. Additionally, insomnia is caused by sensorimotor symptoms related to neurological diseases, medication use and comorbid primary sleep disorders, such as sleep apnea syndrome, restless legs syndrome and rapid eye movement sleep behavior disorder. In headache disorders, headache can be caused by sleep disturbances. For further understanding of the relationship between neurological diseases and sleep disturbances, this review addresses 1) sleep and wakefulness disorders due to focal brain lesions, 2) sleep disturbances in Parkinson's disease and related disorders, 3) sleep disturbances in dementia disorders and 4) sleep disorders and headache disorders.
著者
鶴田 和寛 藤本 孝 張 文農
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会誌論文集 (ISSN:13488724)
巻号頁・発行日
vol.71, no.10, pp.1281-1285, 2005 (Released:2007-05-15)
参考文献数
4

メカトロニクスのサーボ系において, 位相の遅れた速度信号を用いてフィードバック制御した場合, 制御ゲインを高く設定することができず, 応答が遅くなるという問題がある. 我々は, 数サンプリング先までの速度信号を予測し, 位相遅れを補償した速度予測方式を開発し, 高速・高精度位置決め応答を実現した. 本論文では, 速度予測方式の原理, シミュレーションおよび1軸スライダの位置決め応答結果を報告する.
著者
稲垣 栄洋 栗山 由佳子 前島 固女 石上 恭平
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.235-238, 2007 (Released:2008-02-21)
参考文献数
9
被引用文献数
4 4

撹乱依存型絶滅危惧植物のミズアオイとオオアブノメの大規模な群落の保全を図るために,省力的な撹乱方法として湿地ブルドーザの活用を試みた。湿地ブルドーザの撹乱により,3月撹乱,6月撹乱ともに,ミズアオイとオオアブノメの発生が誘発される傾向が認められた。また,ミズアオイとオオアブノメの出現率は,湿地ブルドーザによる大規模な撹乱作業と,市民による手作業の撹乱作業とで差異が認められなかったことから,湿地ブルドーザの利用は,群落保全の手法として有効であると考えられた。ただし,夏季以降に3月撹乱区ではヒメガマ,6月撹乱区ではイヌビエが優占し,ミズアオイやオオアブノメの出現率は低下したことが問題点として残された。
著者
原田 浩二 森山 美知子
出版者
日本精神保健看護学会
雑誌
日本精神保健看護学会誌 (ISSN:09180621)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.31-39, 2013-11-30 (Released:2017-07-01)
被引用文献数
1

本研究は,飲酒者の飲酒理由や節酒に向けた介入に抵抗を示す理由を明らかにすることを目的に,男性飲酒者12人にグループインタビューを実施し,データを質的に分析した.その結果,飲酒者は「飲酒することに人生の価値」があり,飲酒のための努力は惜しまない傾向にあった.そして価値は容易に歪められないので「節酒に対する意図的な無関心」や「飲酒することの正当化」が認められた.節酒への介入に対しては,節酒効果を体感しにくい上,自分の人生の価値の否定につながるので抵抗を示した.しかし飲酒者は,健康被害によって飲酒ができなくなると人生の価値を示されなくなるから,節酒が「酒と長く付き合いができる」,「いつまでも飲み続けられる」という目的であれば,節酒介入への抵抗は少なくなった.そこで節酒に向けた介入を実施する者は,飲酒者の人生の価値を理解することが基本姿勢として重要であることが示唆された.
著者
Sakura Nakatani Keisuke Maeda Junji Akagi Misato Ichigi Marina Murakami Yoshihiko Harada Sara Utsumi Masaki Fukunaga Yuki Narita Yuki Kondo Yoichi Ishitsuka Tetsumi Irie Daisuke Kadowaki Sumio Hirata
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Biological and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:09186158)
巻号頁・発行日
vol.42, no.8, pp.1350-1357, 2019-08-01 (Released:2019-08-01)
参考文献数
30
被引用文献数
1 7

Creatinine (Cr) levels are strongly affected by muscle mass, and the estimated glomerular filtration rate (eGFR), a measure based on serum creatinine (SCr), is often overestimated in patients with sarcopenia. To evaluate the coefficient of determination (R2) between eGFR and the actual measured value, we performed a linear regression analysis of a modified GFR (mGFR: measured Cr clearance × 0.715) and various renal function estimates adjusted for muscle mass in 19 patients with sarcopenia. The eGFR values based on SCr (eGFRcr) were higher than those based on mGFR, although a high R2 (0.704; p < 0.001) was found between these values. There was no deviation between eGFR based on serum cystatin C (eGFRcys) and mGFR, although the R2 value 0.691 was equivalent to that of eGFRcr. In the equation used to calculate eGFRcr not adjusted for body surface area (mL/min), muscle mass parameters obtained from bioelectrical impedance analysis were used instead of actual body weight to recalculate the eGFRcr. The R2 between this eGFRcr and mGFR did not improve, although there was less deviation. However, assuming that all patients were female by using female coefficients for all patients, the R2 between eGFRcr-fcc (eGFRcr with female coefficient correction) and mGFR improved and was the highest (0.808) on substitution of appendicular skeletal muscle mass. The correlation between eGFRcr-fcc and mGFR improved over eGFRcys when muscle mass was substituted for body weight in the equation used to estimate eGFR in patients with sarcopenia and sex differences were removed.
著者
猪子 芳美 河野 正己 清水 公夫
出版者
日本歯科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

「研究の目的」睡眠中、舌筋(特にオトガイ舌筋)が弛緩することで舌根沈下が起き、睡眠時無呼吸のトリガーとなることが知られている。本研究は、覚醒時のオトガイ舌筋をトレーニングで強化させることで、睡眠中の筋弛緩を減じ、無呼吸の発生を抑制させることによって睡眠時無呼吸の重症度を減少させる新たな治療方法の構築および臨床への応用を目指す。「研究実績」①舌の筋力測定と分析:夜間のいびきや日中の眠気から睡眠外来に睡眠時無呼吸を疑い来院した患者に対して研究の協力を依頼し、舌圧測定器を用いて舌の筋力計測を行なった。その後、終夜睡眠ポリグラフ検査を行なった。舌圧(舌の筋力)と睡眠時無呼吸の重症度の解析を行ない、舌筋のトレーニングが必要な対象者の選択を行なった。②舌筋のトレーニング:舌圧値(舌の筋力)が健常者に比べて低下し、睡眠時無呼吸の検査データとの関係から舌の筋肉トレーニングが必要と思われる対象者に対し、研究の必要性を説明し、同意を得られた者について研究を継続した。トレーニング前のデータ収集としてウオッチパッドを用い、睡眠の簡易検査を施行することによってトレーニング前の状態を把握した。その後、対象者の筋力に応じて、適切な舌トレーニング器具(ペコパンダ)を選択し、ペコパンダを用いた毎日のトレーニングを開始した。トレーニング後に再度、ウオッチパッドを用いて睡眠の簡易検査を行い、トレーニングの成果を評価し、その結果について国内外学会において発表を行い、研究論文の投稿を行う。
著者
IWASA Mitsuhiro
出版者
東京昆蟲學會
雑誌
昆蟲
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.148-162, 1989

The Japanese species of the genus Chyliza FALLEN are revised. Of the seven species determined, five, namely takagii, flavifrons, crinita, nigrifemorata and splendida, are described and illustrated as new to science. A key to the Japanese species is also presented.
著者
薮木 登 中山 秀延 西原 貴大 鷲見 育亮 築谷 隆雄
出版者
National Institute of Technology, Tsuyama College
雑誌
津山工業高等専門学校紀要 = Bulletin of National Institute of Technology, Tsuyama College (ISSN:02877066)
巻号頁・発行日
no.57, pp.25-32, 2016-03-25

We propose an eye-gaze control system using multiple network cameras to reduce the burden of users. The proposed eye-gaze system is a remote control system that allows the users to control appliances by gazing at the electrical appliances. The proposed system is composed of a block of Face Detector, Camera Controller, Eye-gaze Detector and Remote Controller. And the proposed system was added methods of a face judgment and a new eye-gaze detection. Therefore, it can be freely installed using the method in which multiple network cameras have been proposed. The operation of the proposed system was confirmed by some experiments.
著者
杉田 泰之
出版者
日本ハンセン病学会
雑誌
日本らい学会雑誌 (ISSN:03863980)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.100-104, 1995-07-20 (Released:2008-02-26)
参考文献数
17

1 0 0 0 将棋年鑑

出版者
日本将棋連盟
巻号頁・発行日
1990