著者
服部 貴好 石橋 卓弥 高原 大輔 石野 岳志 竹野 幸夫
出版者
日本鼻科学会
雑誌
日本鼻科学会会誌 (ISSN:09109153)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.196-202, 2019 (Released:2019-07-20)
参考文献数
10

嗅覚障害診療ガイドラインが発刊され,嗅覚障害に対する概念や分類,原因,診断,治療に対する知識が広がりつつある。今回我々は,鼻腔所見から原因不明の嗅覚障害が疑われたものの,鼻腔CTにて上鼻甲介の内反による嗅裂閉鎖が原因であると診断できた気導性嗅覚障害例を経験した。症例1は24歳の女性。基礎疾患にアレルギー性鼻炎があり,CTにて上鼻甲介の内反による嗅裂閉鎖を認め,鼻処置にて同部位を開大すると嗅覚の改善が得られた。症例2は50歳の女性。好酸球性副鼻腔炎に対し他院にて手術を施行されていたが,術後の嗅覚は不安定で高度の変動を認めた。CTにて上鼻甲介の内反による嗅裂閉鎖を認め,嗅裂の状態で嗅覚の変動が認められた。症例3は17歳の男性。基礎疾患に慢性副鼻腔炎があり,近医耳鼻咽喉科を不定期受診していたが嗅覚は改善しなかった。CTにて上鼻甲介の内反による嗅裂閉鎖を認め,嗅裂の形態改善目的で中鼻甲介開窓術を行い嗅覚の改善が得られた。3症例はともに鼻腔CTで,上鼻甲介レベルの嗅裂の狭小化を認め,両側の上鼻甲介がそれぞれ鼻中隔側に向かって内反して閉塞した所見を認めた。本所見を基に同部位の開大を行ったところ全例において嗅覚の改善が得られたため,これら症例においては嗅裂の形態が病態形成の主要な要因であると考えられた。本病態においては鼻腔CTによる嗅裂形態の確認が重要であるとともに,恒久的な構造の改善のために内視鏡下鼻内副鼻腔手術による中鼻甲介開窓術が有効であると考えられた。
著者
設楽 仁 高岸 憲二 下山 大輔 石綿 翔 高澤 英嗣 一ノ瀬 剛 山本 敦史 小林 勉
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.755-759, 2013

<B>Background:</B> There are many studies about the relationship between brain functional changes and chronic pain such as CRPS, fibromyalgia, osteoarthritis of the knee and chronic back pain.<BR>However there is no study about the relationship between brain functional changes and shoulder disease. The purpose of this study is to clarify the brain functional changes regarding to shoulder pain using functional magnetic resonance image (fMRI) in rotator cuff tear (RCT) patients.<BR><B>Methods:</B> Nine healthy volunteers and 9 RCT patients participated in this study. Brain activation was examined by fMRI technique (3 Tesra-MRI). We applied an active shoulder motion task and a motor imagery task during fMRI.<BR><B>Results:</B> In the active shoulder motion task, there was significant activation in the right premotor cortex, right primary somatosensory cortex, right superior parietal lobule, bilateral prefrontal cortices, right intraparietal sulcus, anterior cingulate cortex, left lingual gyrus and left cerebellum in RCT group compared to normal group.<BR>In the motor imagery task, there were brain activities in the left prefrontal cortex and supplementary motor area which was related to the pain matrix despite the absence of feeling pain in RCT group compared to normal group. <BR><B>Conclusion:</B> The current study reveals that RCT can cause reorganization of the central nervous system, suggesting that such an injury might be regarded as a neurophysiologic dysfunction, not a simple peripheral musculoskeletal injury. This study is the first evidence that the pain with RCT is related to the brain functional change.
著者
青木健著
出版者
講談社
巻号頁・発行日
2008
著者
廣川洋一 [著]
出版者
講談社
巻号頁・発行日
1997
著者
鈴木幹也著
出版者
創文社
巻号頁・発行日
1985
著者
杉山 貞夫
出版者
日本宇宙生物科学会
雑誌
Biological Sciences in Space (ISSN:09149201)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.31-37, 1989 (Released:2006-02-01)

From the beginning of the space project to the end of it where the mission is completed, human factors consideration has to be paid to every sector of the developmental and achievement process of the space architecture as well as of the total system where human beings are involved. Human factors, originating from the human life on the earth, have aimed to accomplish a high level of reliability, efficiency, safety and other criterion variables that affect the quality of product, of mission, and of service, which are utilized on the earth. Now we are planning to design a complex system of space facility to be used in the space, where every human function is supposed to be quite different from that on the earth. In the space, some of the combinations of variables which we aim to accomplish might be entirely new for us mainly due to different physical characteristics. Now we need information and knowledges produced not only by any scientific disciplines which directly correspond with the object area. but also by combinations of disciplines, if we want to accomplish the goal. Human sciences, which have supported human factors, have numerous sectors of sciences. They are distributed from molecular biology to sociology in a wide range of spectrum. Therefore, a wide range of all sorts of sectors of human sciences has to be involved in the research on humans in space. Those sciences must cooperatively provide information and knowledges for the human factors design of space architecture and systems to be used in space.
著者
宮尾 嶽雄 花村 肇 植松 康 酒井 英一 高田 靖司 子安 和弘
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳動物学雑誌: The Journal of the Mammalogical Society of Japan (ISSN:05460670)
巻号頁・発行日
vol.9, no.3, pp.128-140, 1983-03-25 (Released:2010-08-25)
参考文献数
34

1982年1月23~26日に, 淡路島南部, 諭鶴羽山地北西山麓部の哺乳動物の調査を行なった。翼手類については, 調査できなかった。1) .生息が認められた哺乳類は, 次の6目16種である。食虫目: ジネズミ, ヒミズ, コウベモグラ。霊長目: ニホンザル。兎目: ノウサギ。齧歯目: ニホンリス, アカネズミ, ヒメネズミ, カヤネズミ, ハツカネズミ。食肉目: タヌキ, テン, イタチ (チョウセンイタチ, ホンドイタチ) 。偶蹄目: イノシシ, シカ。2) .ムササビ, スミスネズミ, アナグマなどを欠いている点に, 島のファウナの特徴を示している。キツネも絶滅している。3) .ヒミズは, 腹部を中心に体毛の白化傾向が著しく, また, ヒミズの尾部にカンサイツツガムシの多数寄生例がみられ, 寄生率も高かった。4) .アカネズミの耳介にネズミスナノミ (Tunga caecigena) の寄生がみられた。淡路島に本種が分布していること, ならびにアカネズミが宿主になっていることは, 新しい知見であろう。
著者
高野 利彦
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.Eb0644, 2012

【はじめに、目的】 年々、当施設を利用している利用者の介護度は高まっており、社会全体としても今後も高まっていくことが予想される。それに伴い、車いすを使用する利用者が増加しており、車いすに関する問題も増えてきている。その問題の一つとして、車いすのスリングシートのたわみの悪影響があげられる。木之瀬は、骨盤が後傾した滑り座りになるのは車いすのスリングシートの影響が大きいとし、車いすの駆動にも悪影響を及ぼすと述べている。筆者は第46回日本理学療法学術大会において、第1報として車いす座面シートのたわみ(以下たわみ)が駆動速度やズレ度に与える影響について調査・報告したが、たわみの影響は明らかにならなかった。その原因として、ベニヤ板の有無に関わらずクッションにより接地面が広くなっていたこと、ベニヤ板の有無での座面の高さの差が多かったことが考えられた。そこで本研究では、第1報での反省点を踏まえ、たわみの有無での座面の高さの差を軽減するとともに座面の材質を同一かつ殿部との接地面が広くなりすぎない状況を作り駆動速度の測定を行ったところ、たわみの有無での影響がみられたためここに報告する。【方法】 対象は当施設職員14名(平均年齢27.8±9.2歳,男性名26.6±5.6歳,女性2名32.0±15.1歳)とした。まず上肢長(肩峰~中指先端)を測定し、たわみ有りの車いす(座面に2cmのチップ材を敷いたもので前座高41~44cm)もしくはたわみ無しの車いす(座面にスタイロフォームで作成したたわみを埋めるものと、1cmのチップ材を敷いたもので前座高43cm)のどちらかに乗車してもらった。どちらに先に乗車するかは、被験者毎に交換した。10mの駆動の練習を1回実施した後に、浅沼らの車いす駆動能力評価6)を用い,キャスターをスタートラインに接地させた時点から5m先のゴールラインにキャスターが接地した時点までの所要時間をストップウォッチで計測した。その際,両上肢で全力での駆動を3回実施してもらい所要時間を測定した。3分間の休憩を入れ、たわみの有無を変更し同様に測定を実施した。統計処理は,たわみの有無それぞれの駆動速度の平均値、最速値の比較を対応のあるt検定にて行った。なお統計学的有意水準は5%未満とした。【倫理的配慮、説明と同意】 被験者本人に対し,本研究の目的と内容を説明し同意を得たのち実施した。【結果】 駆動速度は、たわみ有りの車いすでの平均値1.66±0.18m/s、最速値1.71±0.18m/s、たわみ無しでの平均値1.72±0.21m/s、最速値1.78±0.22m/sであり、平均値と最速値に有意差がみられた(p<0.05)。【考察】 仮説としては、たわみにより骨盤の不安定性や後傾位となることですべり座りとなり、駆動速度が減少すると考えた。本研究の結果では、平均値と最速値の両者において有意差がみられた。浅沼らにより、車いす駆動能力評価の平均値、最速値の信頼性が認められており、森田らにより最速値にて検者内信頼性や妥当性が認められている。そのため本研究の結果からたわみによる悪影響が示唆された。対象は健常成人であったが、たわみにより姿勢が変化し、上肢や体幹の動きに悪影響をもたらしたと考えられた。しかし、何名かはたわみ有りのほうが座り心地がよく、駆動しやすく、駆動速度も速い結果がみられた。駆動速度が速かった原因として、たわみにより骨盤後傾し、バックサポートによりかかることで姿勢が安定したことが考えられた。また座り心地については、座面の高さを合わせるためにたわみ有りの車いすではチップ材を厚くしたことで柔らかさにつながったことや、たわみ無しではチップ材の下にスタイロフォーム(断熱材)があることで硬く感じられたこと、普段の姿勢の個人差により、たわみにより骨盤が後傾した方が心地よいと感じられたことなどが原因と考えられた。本研究ではたわみにより駆動速度が低下することが示唆され、車いす駆動について考える際に、たわみの悪影響を考慮していくことが必要と考えられた。今後もたわみを含めた車いすを取り巻く問題を調査し、その対応を考えることで当施設の利用者への対応につなげていきたい。【理学療法学研究としての意義】 車いすの座面シートのたわみに対して着目した研究はみられるが、座面シートのたわみと駆動速度の比較研究は多くない。また、施設では車いすの老朽化に伴いたわみが増大している場合がみられ、そのような車いすが施設利用者に悪影響を与えていることを証明するためにも意義があると考える。
著者
祝 広孝 大通 恵美 大城 広幸 猿渡 勇 森川 綾子 野中 昭宏 古野 信宏 近藤 真喜子 坂田 光弘
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.Cb0480, 2012

【はじめに、目的】 我々は第44回学術大会において骨格筋の筋腱移行部に軽い圧迫刺激を加えることにより筋緊張抑制効果が得られることを報告した.同様の効果が腱骨移行部への刺激によっても得られることが確認され,それらを組み合わせて「筋腱移行部及び腱骨移行部刺激:Muscle tendon junction and Enthesis stimulation」(以下,MES)と称し臨床に用いている.MESは速効性に優れ,評価や治療場面で広く応用できる手技である.そこで今回,MESの実施方法を紹介すると共に足関節背屈可動域と肩関節外旋可動域及び屈曲可動域に対し前者は腱骨移行部,後者は筋腱移行部を刺激部位としてMESの効果を検証し,MESの臨床における有用性について報告したい.【方法】 <u><b>MESの実施方法</b></u>骨格筋の筋腱移行部もしくは腱骨移行部に対し,軽い圧迫刺激(圧迫力は筋腱移行部で1kg-3kg,腱骨移行部では0.5kg程度)を加える.筋緊張抑制に必要とする刺激時間は1秒-5秒程度であるが,関節可動域練習や筋力増強練習時においては刺激を持続しながら行うと効果的である. <u><b>対象</b></u>検証1:足関節背屈可動域では成人15名(男性8名,女性7名,年齢31.9±9.0歳)30肢を対象に,検証2:肩屈曲・外旋可動域では成人17名(男性10名,女性7名,年齢31.6±8.7歳)のなかで,肩屈曲制限があり尚且つ外旋可動域に制限を有した24肢(右11肢,左13肢)を対象とし,各々MESを行うMES群とMESを行わないControl群(以下C群)に分けた(検証1:MES群15肢,C群15肢/検証2: MES群12肢,C群12肢).<u><b>方法</b></u>検証1)足関節背屈可動域へのMES効果(腱骨移行部を刺激部位に選択):MES実施肢位は仰臥位,下肢伸展安静位にて後脛骨筋停止腱の腱骨移行部(舟状骨後縁)及び短腓骨筋停止腱の腱骨移行部(第5中足骨底後縁)に対し,触れる程度の触圧刺激を同時に5秒間加え,MES実施前後で股・膝関節90°屈曲位での自動背屈可動域を1°単位で測定.C群についてはMES実施時の肢位にて5秒間の休憩を入れ休憩前後の角度を測定した.検証2)肩屈曲及び外旋可動域へのMES効果(筋腱移行部を刺激部位に選択):MES群における刺激肢位は仰臥位.肩屈曲120°-130°位で大円筋線維が広背筋停止腱に停止する筋腱移行部(腋窩後壁前面)に対し軽い圧迫刺激を5秒間実施.MES前後で端坐位での肩屈曲可動域を,仰臥位にて肩外転90°,肘屈曲90°での肩外旋可動域を1°単位で各々測定した.C群に関しては検証1と同様.統計処理には検証1,検証2共にMES(C群:休憩)前後の角度変化の比較にはWilcoxonの符号付順位和検定を,MES群とC群の角度改善率の比較にはWilcoxonの順位和検定を用いた.【倫理的配慮、説明と同意】 全ての対象者には事前に本研究の趣旨を十分に説明し,同意を得た上で実施した.【結果】 検証1)C群においては休憩前後の背屈角度に有意な差は認められなかったが,MES群においては,MES前24.8±7.4°,MES後28.4±6.4°と有意な差を認めた(P<0.01).またC群との角度改善率の比較においてもMES群で有意な差(P<0.01)が認められた.検証2)C群においては休憩前後の肩外旋可動域及び屈曲可動域の角度に有意な差は認められなかったが,MES群においては,肩外旋可動域でMES前74.3±7.8°,MES後86.6±7.0°,肩屈曲可動域でMES前144.8±6.9°,MES後154.5±7.3°と両可動域で有意な差を認めた(P<0.01).またC群との角度改善率の比較においても外旋・屈曲可動域各々でMES群に有意な差が認められた.【考察】 ストレッチングの筋緊張抑制効果として知られるIb抑制は筋腱移行部に存在するゴルジ腱器官(以下GTO)からのインパルス発射に起因する.GTOはその発射機序より筋腱移行部の圧迫刺激による変形によってもインパルスを発射する可能性があり,大円筋の筋腱移行部への刺激による可動域改善にはIb抑制の関与が推測される.腱骨移行部刺激による効果については,多くの筋が腱骨移行部またはその間近まで筋線維を有することが知られており,それらの筋においてはGTOの働きが関与していると思われる.しかし今回刺激部位とした後脛骨筋や短腓骨筋停止腱の腱骨移行部については筋線維の存在は確認されておらず,今後その機序の解明に努めていきたい.【理学療法学研究としての意義】 MESは解剖学的知識と触察技術を用いて触れる行為そのものに目的を持たせた手技であり,本研究によって理学療法士の技術向上に寄与できればと考える.
著者
高橋 和宏 山路 雄彦 白倉 賢二
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.Cb0507, 2012

【はじめに、目的】 インピンジメント症候群の原因は様々であるが,インピンジメント症候群者を対象とした上肢挙上の研究では肩関節回旋筋腱板や肩甲胸郭関節での前鋸筋,僧帽筋の筋機能低下,肩甲骨運動異常などが報告されている.また,インピンジメント症候群のリスクとして,挙上速度の速い上肢挙上があげられている.臨床ではそれらに加え,体幹の機能低下を認めることも多い.腹部筋群の筋活動は,背臥位に比べ立位にて増大し,特に内腹斜筋や腹横筋で増大すると報告されている.上肢挙上に関する体幹機能としては,feedforwardに関する研究は多く報告されている一方,上肢挙上運動中に伴う腹部筋群の筋活動についての報告はあまりみられない.本研究では健常者を対象に,異なる挙上速度において上肢挙上中の腹部筋群の筋活動を調査し,安静立位時の腹部筋群の筋活動と比較検討することを目的としている.【方法】 神経学的および整形外科的に既往のない健常男性20名(平均年齢26.4±3.5歳)を対象とした.矢状面上での右上肢挙上を課題とし,測定には筋電図(WEB-5000)と三次元動作解析装置(VICON612)を用いて,サンプリング周波数1080Hzと60Hzとで同期させた.対象筋は,両側の外腹斜筋(EO),内腹斜筋(IO),腹直筋(RA)とした.赤外線反射マーカーは右肩峰,右肘頭に貼付した.挙上速度は,fast(最大速度),natural(至適速度),slow(6秒間かけての上肢挙上)の3段階とした.各挙上速度ともに3回ずつ測定を行った.筋電図の分析には安静時(rest)および各挙上速度での上肢挙上開始から挙上150°までの平均RMSを用い,各筋の最大等尺性収縮時のRMSを100%として正規化し,%RMSを求めた.統計学的検定にはDunnettの方法を用いて,restを対照群として,fast,natural,slowの各群との比較を行った.有意水準は5%とした.【倫理的配慮、説明と同意】 本研究は群馬大学医学倫理委員会で承認を得て実施した.研究実施の際は,本研究の趣旨を書面にて対象者に説明し,同意書に署名を得たうえで行った.【結果】 右EOはrest7.4±5.3%,fast18.1±7.9%,左EOはrest7.4±4.8%,fast23.6±18.9%,右IOはrest10.2±5.0%,fast32.7±26.5%,左IOは11.0±6.6%,fast25.1±20.1%,右RAはrest6.2±3.5%,fast12.9±8.8%,左RAはrest6.8±4.5%,fast13.3±9.4%であった.両側EO,右IOにて,fastではrestに対し有意な差が認められた.一方,natural,slowではrestに対し有意な差は認められなかった.【考察】 Hodgesらは挙上速度の速い上肢挙上では,上肢運動による反力や姿勢変化による重心移動をコントロールするために,feedforwardとして体幹筋群が先行して働くことを報告している.今回,fastにおいて腹部筋群の筋活動が安静時に比べ有意に高くなっていた理由としては,上肢挙上中も身体への反力や重心移動が大きく生じ,それをコントロールするために,肩関節周囲筋群のみでなく腹部筋群の筋活動も必要となったと考えられる.一方,natural,slowでは腹部筋群の筋活動は安静時比べ差がないため,肩関節周囲筋群の筋活動がより重要であると考えられた.今回の結果より,速度の速い上肢挙上では,腹部筋群の筋活動が必要であることが示唆された.【理学療法学研究としての意義】 スポーツ動作など最大速度を必要とする際には,腹部筋群を含めたアプローチが重要となってくると考えられる.一方,至適速度での上肢挙上では,安静時と比べ腹部筋群の筋活動が変化しないため,肩関節や肩甲胸郭関節の局所的なアプローチが重要となると考えられる.
著者
荒木 裕子 山本 直子 箕口 重義
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.363-372, 1998-04-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
26

アスパラガスにおける収穫後の木化現象について調べた. 市場規格 A および B 級に該当する収穫 1 日後のアスパラガス若茎を 15~23℃ の室温で貯蔵し, 0, 3, 7 日後の試料についてリグニン含量の分析, 組織化学的呈色反応, および食味テストを実施した.貯蔵7日後試料のリグニン含量は貯蔵による試料重量減耗を考慮しても対照群試料の2倍以上に達し, また A および B 級試料間のリグニン含量は全試験区間を通じ B 級のほうが高かった.4種の組織化学的呈色反応の観察結果から, 厚壁組織, 維管束鞘, および髄部柔組織の細胞壁リグニンの種類はグアイアシル・シリンギル型, 維管束系組織など, その他の組織のそれはすべてグアイアシル型と推定された.また, 道管と厚壁組織細胞壁へのリグニン沈着は貯蔵開始時から, その他の組織細胞壁への沈着は貯蔵期間後半になって検出された.また, 細胞間に貯蔵後半に生成したコロイド状または, 顆粒状のリグニン様物質はすべてグアイアシル型であった.アスパラガス若茎の貯蔵による木化が, 若茎下部から上へと進行することは, リグニンの分析値と食味テストの結果から明らかであった.
著者
橘 邦英
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.75, no.4, pp.399-411, 2006-04-10 (Released:2019-09-27)
参考文献数
92
被引用文献数
5

近年,μm〜mmスケールの微小なプラズマが注目されてきている.大気圧を含む高気圧領域で生成されるマイクロプラズマは,低圧下のマクロスケールで生成される従来のプラズマとは違ったプラズマパラメーターや微小空間に起因するパラメーターで特徴づけられる.そのような特性をプラズマ本来の反応性,発光性,導電・誘電性と組み合わせることによって,材料合成や微細加工,化学分析やフォトニックデバイスなどへの新しい応用技術への発展の兆しがみえてきた.そこで,マイクロプラズマの生成と診断・シミュレーションの現状や今後の課題とともに,バイオマテリアルのプロセスを含めた多方面への新しい応用の方向を解説し,マイクロプラズマが創成する学術分野や応用技術の将来を展望する.
著者
高橋明雄著
出版者
北海道新聞社
巻号頁・発行日
1999
著者
明石 満
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子 (ISSN:04541138)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.148-152, 1999-03-01 (Released:2011-10-14)
参考文献数
37
被引用文献数
1
著者
今村 貴浩 遊佐 真一 森島 洋太郎 藤井 秀司 中村 吉伸
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子学会予稿集 第58回高分子討論会
巻号頁・発行日
pp.3335, 2009 (Released:2011-09-01)

親水性のポリエチレングリコール(PEG)と疎水性のポリスチレン(PSt)、pH応答性の親水性ポリマー(PDEA)とPStから成る2種類の両親媒性ブロック共重合体をRAFT重合で合成し、水中で両者を混合してPStから成るコアとPEGとPDEAの2種類のコロナ鎖から成る微粒子を合成した。
著者
明石 満 赤木 隆美
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.62, no.5, pp.520-528, 2004-05-01 (Released:2009-11-13)
参考文献数
44
被引用文献数
1 1

Monodisperse polymeric nanospheres, which consist of hydrophobic core and hydrophilic corona on their surfaces, were prepared by the free radical dispersion copolymerization of hydrophobic monomers and hydrophilic macromonomers in a polar solvent. For example, copolymerization of methacrylate-terminated poly (ethylene glycol) (PEG) macromonomers and styrene in ethanol/water mixture gives water dispersible PEG coated nanospheres with a mean diameter around 100-2000 nm. An electron spectroscopy for chemical analysis (ESCA), dynamic light scattering (DLS) and transmission electron microscopy (TEM) observation of ultrathin cross section embedded in a resin supported accumulation of PEG component at the surface of nanospheres. The core-corona type nanospheres can be widely applied to various technological and biomedical applications, because of their possible variety of chemical structure. These nanospheres were utilized as oral drug carriers for peptide drugs physically adsorbed on the nanosphere surfaces, and demonstrated to be useful carrier for incorporating highly water-soluble peptides. Moreover, lectin-immobilized nanospheres could efficiently capture HIV-1 particles and HIV-1-capturing nanospheres may have great potential as a prophylactic vaccine against HIV-1 infection through sexual intercourse.