著者
佐藤 永欣 梅木 紀之 鈴木 彰真 村田 嘉利
雑誌
第24回マルチメディア通信と分散処理ワークショップ論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.102-108, 2016-10-12

スキージャンプ競技の練習のうち,練習メニューの仕上げがジャンプ台で行われる.スキージャンプ競技においては踏切が飛距離の要因の 8 割を占めるといわれており,スキージャンプ競技の練習はよい踏切をするための練習である.ジャンプ台における練習では,踏切台付近にいるコーチが踏切前後の模様をビデオ撮影し,ビデオを選手と一緒に再生して踏切が理想に近いかどうかを確認している.しかし,選手は着地後,踏切台付近のコーチのところまで 100 メートルほどジャンプ台を登る必要があるため,確認するまでジャンプ後 5 分以上かかってしまう.本システムは,着地点付近と踏切台をネットワーク接続して双方に端末を置き,ビデオを共有することで着地後直ちに踏切のビデオを確認しコーチの指導を受けることを実現する.
著者
大内 公安
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.282-287, 2012 (Released:2013-06-12)
参考文献数
4

2011 年6 月より計画的避難区域である飯舘村での農地の物理的な除染技術の開発を目的として(独)農研機構農村工学研究所とともに調査・試験を開始して,その後内閣府の除染モデル事業と飯舘村長泥地区,飯舘村小宮地区,川俣町山木屋地区での東北農政局の農地除染実証事業で,(独)農研機構と共同開発した表土削り取り機器の指導・成果検証,福島市渡利地区のり面除染方法の検討等を担当し,一定の知見と解決すべき課題を得ることができた。
著者
加登 遼 神吉 紀世子
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.10-19, 2019-04-25 (Released:2019-04-25)
参考文献数
45
被引用文献数
1 1

本研究の目的は、ウォーカビリティ指標に基づき、スプロール市街地の各街路に対する主観的評価を把握することで、スプロール市街地のスマートシュリンキングに向けた居住エリアのデザインアイデアを解明することである。そのために、プレイスメイキングという概念を導入することで、ウォーカビリティに対する主観的評価を把握する評価指標を開発して、ヒアリング調査を実施することで、スプロール市街地の各道路に対するウォーカビリティ評価を分析した。その結果、居住者が「アクセス性」を求めるのは区画道路であり、細街路に対しては「移動における安心感」を求めていることを解明した。また、ウォーカビリティを向上するデザインアイデアとして、各街路の評価に応じて徒歩と自転車との関係性を良好にする必要性を解明した。
著者
中野 泰 Nakano Yasushi
出版者
神奈川大学 国際常民文化研究機構
雑誌
神奈川大学 国際常民文化研究機構 年報 (ISSN:21853339)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.57-74, 2010-10-30

本稿は、「漁業民俗」の研究動向(1980年代〜)を取り上げ、海洋民族学(海洋人類学)と対比しつつ、社会・歴史的文脈を重視する視角から整理・検討した。研究史の展開を4つのテーマ領域(「漁民社会研究」「知識・技能研究」「サブシステンス研究」「資源利用の研究」)別に整理し、以下の3 点が主たる課題として導かれた。 既存の「漁業民俗」の研究においては、第一に、「漁業民俗」の担い手の位置づけが、漁村、あるいは主体的個人という二通りの捉え方に乖離したままで不充分であること、第二に、「漁業」の範囲を、生産や技能中心の概念へ暗黙裡に限定しており、現況を捉える困難さがあること、第三に、変化の契機、条件や要因の分析が不充分な点である。 以上の課題に対し、本稿では、第一に、世帯・家族レベルに焦点化して「主体」概念を深化させ、社会構造との間の弁証法的関係を重層的に関連づける必要を説いた。そのためには、具体的な場の文脈に即して検討する必要がある。第二に、「漁業」概念を拡張し、家内労働を含め、地域社会における生活文化と連関させること、第三に、地域社会外と連鎖する関係性も捉え、科学技術や社会経済の動向などのより広い国内外の時代的文脈に位置付け、変動の契機、その諸条件や要因の分析が必要であると説いた。 漁業をめぐる価値観が多様化しつつある現在、「漁業民俗」の研究は、グローバルに展開する関係性を対象に入れ、異なる立場で関わる者へもミクロに迫り、現象を取り巻く力関係を歴史的社会的文化的文脈へ位置づける必要がある。その力関係を対象化する上で、巷間に流布する「海民」概念など、「主体」に関わる民俗学の表象が有する歴史的背景と政治性への省察を行う必要もあることを説いた。
出版者
日本建築学会
雑誌
建築雑誌 (ISSN:00038555)
巻号頁・発行日
no.108, 1895-12
著者
伊東 忠太
出版者
日本建築学会
雑誌
建築雑誌 (ISSN:00038555)
巻号頁・発行日
no.108, pp.321-326, 1895-12
著者
佐藤 貴彦 新明 脩平 仲里 三希 見上 慧 佐藤 智矢 境野 翔 大西 公平
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌D(産業応用部門誌) (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.131, no.3, pp.283-290, 2011-03-01 (Released:2011-03-01)
参考文献数
19

This paper proposes a knee stretch walking method for biped robots; the method involves the use of the toes and heel joints to increase walking strides. A knee can be stretched by switching control variables. By a knee stretch walking with heel contacts to the ground and toe takeoffs from the ground, biped robots can increase their walking stride and speed. The validity of the proposed method is confirmed by simulation and experimental results.
著者
渡辺 昭一郎
出版者
Japan Oil Chemists' Society
雑誌
油化学 (ISSN:18842003)
巻号頁・発行日
vol.29, no.8, pp.536-542, 1980-08-20 (Released:2009-11-10)
参考文献数
58
被引用文献数
1
著者
桐渕 壽子 川嶋 かほる
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.38, no.10, pp.877-887, 1987-10-20 (Released:2010-03-10)
参考文献数
14
被引用文献数
3

1) 未加熱の調理においては, 一部の食品を除いては, 総アスコルビン酸量はほとんど変化がなかった.アスコルビン酸酸化酵素を有するものはただちにデヒドロアスコルビン酸に酸化されるが, それ以上変化することはなかった.2) 大根と人参の “もみじおろし” の場合も酸化型になってしまうが, 総アスコルビン酸量には変化はなかった.3) 馬鈴薯を加熱調理したさい, 高温急速加熱ではアスコルビン酸はほとんど変化せず残っていた.比較的低温で長時間 (140℃, 60分) かけて焼くと, 約60%は分解された. “ベークドポテト” は総アスコルビン酸は約50%残存し, 大きめの馬鈴薯 (約200g) を1個食べるとアスコルビン酸の1日の所要量をほぼ満たす.4) 馬鈴薯をゆでた場合, 馬鈴薯のほうには約50%残存し, ゆで汁への溶出は約10%で, 他の葉菜類に比べると溶出量は少ない.30~40%は分解されていた.5) キャベツやピーマンをゆでた場合, ゆで汁と合わせると, 総アスコルビン酸量はほとんど変化していなかった.また油いためも同様, 分解はみられなかった.6) 酸化型の生理学的効力もレアスコルビン酸と同等とみなすと, 総じて, 調理による損失はきわめて少ないといえる.
著者
魚津 知克
出版者
史学研究会 (京都大学大学院文学研究科内)
雑誌
史林 (ISSN:03869369)
巻号頁・発行日
vol.100, no.1, pp.178-211, 2017-01

本論文では、「海を舞台とした人間活動と深い関連をもつ脈絡により、海の近くに築造された古墳」である「海の古墳」を研究することの意義と限界、そして展望を示す。まず、研究の意義として、首長墳の立地論や、海浜部の複合生産型臨海集落との関連、北方・南方の海蝕洞穴塞や海岸墓にも視点が広がることを挙げる。続いて、「規模」「立地」「海岸線と前方部の向きとの関係」という三項目での分類案を提示する。これにより、集団構成員から支配者層に至るまで、地域や時期の傾向を持って築造されたことが明らかとなる。一方、研究の限界も存在している。「海の近く」が曖昧であり、「海を舞台とした人間活動」も切り分けが難しい。それぞれ打開案を示したが、多くの分析検討の余地がある。しかし、古墳時代の生業や生産のあり方や、王権の統治原理や一般の生活論理を知る重要な糸口が、「海の古墳」から見えてくる。古代世界全体へと、研究の展望がひろがる。
著者
佐藤 晴彦
出版者
中央大学経済研究所
雑誌
中央大学経済研究所年報 = The annual of the Institute of Economic Research, Chuo University (ISSN:02859718)
巻号頁・発行日
no.50, pp.293-314, 2018

少子化対策や社会保障施策の効率性の検証とその打開策を検討した。少子化対策については,政府施策は無効性が少なく,重複額も小さかった。しかし,全体的にバランスが取れていたかどうかという点では,外面性(夫婦の共有時間,保育,家計収入)1)からも内面性(結婚の価値観,夫婦関係,子供を持つことの価値観)2)からも評価は低く,体系性に欠けていた。この意味では効率が悪い施策だったと言える。社会保障対策については,少子・高齢化の進行,非正規社員の増加,女性のワーク・ライフ・バランス問題,高齢者の就業問題に対応した改革は,一筋縄で進めるのは至難の業である。これらは家族にまつわる問題であるため,さまざまな案件とその法律作成はスムーズに進められるべきである。そのためには、諸事案の解決は、体系的に構築され、さらに1つ1つの解決案には、重要度の順位が付されているべきである。そうなれば、アジェンダ設定として、法律化には効率的に運ばれうる。「家族省」を設立されればそれは一層可能になる。