著者
上出 寛子 高嶋 和毅 新井 健生
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.218-225, 2016-03-01 (Released:2017-01-07)
参考文献数
26
被引用文献数
13

本研究の目的は,ロボットに対する擬人化に注目し,擬人化の程度を定量化する日本語版の尺度を作成することである。従来,欧米の研究で用いられている擬人化の程度を測定する二種類の尺度を翻訳して用いた。一つ目は心の帰属を行為の主体性/感覚の経験性の二次元で評価するものであり,もう一つは人間の本質を人間の独自性/人間の本質性の二次元で評価する尺度である。1200人の日本人が,6種類のロボットと2人の人間の写真刺激に対しこれらの尺度で擬人化の程度を評価した。その結果,日本においては,欧米での先行研究と同様の因子が明らかとなると同時に,それらの因子がポジティブな内容の因子とネガティブな内容の因子に分かれることが明らかとなった。日本においては,ロボットの人間らしさについて,ポジティブな側面とネガティブな側面を分けて考える傾向があることが示唆された。尺度の内定信頼性は十分に高いことから,今後の尺度の利用可能性について議論した。
著者
青木 竜一
出版者
東洋文庫
雑誌
東洋学報 = Toyo Gakuho (ISSN:03869067)
巻号頁・発行日
vol.103, no.4, pp.1-31, 2022-03-17

It has frequently been characterized of imperial dynastic China that its main military objective was to maintain the institutions of the state and the social order based on the emperor and the bureaucracy that served him. This means that the military had to be a part of the bureaucracy to achieve that objective. That being said, this bureaucratization of the military did not entirely coincide with the establishment of imperial dynastic governance. It is therefore appropriate to ask when and how bureaucratization was actually achieved. This article focuses on the military under the Later Han Dynasty, in order to clarify aspects of its bureaucratic character. In particular, the author addresses the following point focusing on the notion of decorum: that is, whether it was regarded as proper for the military to be controlled by the emperor and the imperial court. The author begins with a review of the principle that “State affairs should not be interfered in by the military, and military affairs should not be interfered in by the state” and how it was perceived during the Later Han Period. The author then addresses the discussions in the White Tiger Hall held during the reign of Emperor Zhang, which were decisive for spreading the notion of decorum, and analyzes perceptions held regarding the military at the time based on Baihu Tong, which summarizes the results of those discussions. As described there, the philosophy of The Methods of Sima relates to “the principles in the Spring and Autumn Annals” and ideas in the weft texts. On the other hand, “military ritual” of the Han Dynasty had followed The Methods of Sima since the second half of the Former Han Period. The author concludes that Han perceptions from The Methods of Sima connected with “military ritual” and “the ritual regulations for meeting each other” determined the notion of decorum, which was developed during the Former Han period, and was then adopted by the Later Han Dynasty, leading to the bureaucratization of the military.
著者
金久 博昭
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.43, 2016 (Released:2016-01-24)
被引用文献数
2
著者
セル[ヴァ]ンテス 著
出版者
植竹書院
巻号頁・発行日
vol.下巻(第2編), 1915
著者
岩淵 紀介
出版者
公益財団法人 腸内細菌学会
雑誌
腸内細菌学雑誌 (ISSN:13430882)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.141-146, 2014 (Released:2014-10-29)
参考文献数
22

ビフィズス菌や乳酸菌といったプロバイオティクスの摂取はアレルギーや感染を予防・軽減することが知られ,これらの生理機能はプロバイオティクスがサイトカインなどの免疫パラメーターを調節することでもたらされると考えられる.しかしプロバイオティクスが免疫パラメーターをどのように調節するかについては不明な点が多い.本研究では,抗アレルギー作用や感染防御作用が臨床試験で示唆されているBifidobacterium longum BB536を用いて,ビフィズス菌がアレルギー発症に関わるサイトカイン・ケモカインの産生に及ぼす影響およびその作用機序をin vitro試験で検証し,ビフィズス菌摂取が感染防御に関わる免疫パラメーターに及ぼす影響を臨床試験で検討した.

6 0 0 0 OA 装束着用之図

出版者
巻号頁・発行日
vol.[2],

6 0 0 0 OA 日本書紀 30巻

著者
舎人親王 編
出版者
巻号頁・発行日
vol.[14],
著者
田中 信行
出版者
一般社団法人 日本温泉気候物理医学会
雑誌
日本温泉気候物理医学会雑誌 (ISSN:00290343)
巻号頁・発行日
vol.79, no.2, pp.97-105, 2016-05-31 (Released:2016-07-04)
参考文献数
22

私の温泉,入浴の研究は昭和48年,鹿児島大学霧島分院(現霧島リハセンター)で始まった.  1.まず単純泉または人工塩類泉の41℃,10分の入浴により,有意の末梢血管抵抗の低化による血圧下降と心拍出量増加,静脈血ガスの浄化(pO2上昇,pCO2低下)をはじめて報告した.それは温熱性の末梢血管拡張と心拍出量増加による「組織への十分なO2供給とCO2排出」という,入浴効果の基本的機序を示している.  2.田中式自律神経機能検査法を用いて,心拍増加は血圧降下に対する反射性の迷走神経抑制,血管拡張は非自律神経性(多分温熱性のNO産生)のものであることも示した.  3.また入浴によりPAHを用いた腎血漿流量は著明に上昇し,また内服したアセトアミノフェンの血中濃度上昇速度から,入浴による消化管吸収の著明な促進も示した.  4.鄭,堀切らと従来の「入浴は心不全に禁忌」の定説に,温熱性血管拡張(Afetrload低下)の有用性への信念からSwan-Ganzカテーテル下の入浴に挑戦した.更にサウナ浴で入浴時の静水圧による心内圧上昇を防止し,重症心不全で心拍出量の増加,NYHAの改善をCirculation誌91:1995に発表し,鄭らの心不全の「和温療法」の基盤となった.  5.また大学退官後は民間の病院で,指宿砂むし温泉の腰痛や筋肉痛等への効果が,砂の圧力による静脈還流増加に基づく著明な心拍出量増加と組織の好気的代謝の促進にあることを,乳酸,ピルビン酸濃度の低下から明らかにした.  6.その他,ほぼ同一レベルの心拍を示す41℃10分の入浴と200m/1.2分走行の血液ガス,組織代謝の比較,またブドウ糖静注後の血糖低下がOne Compartment Theoryで説明できることから,簡便な入浴,運動時の糖処理速度の算出法も示した.  7.昭和63年,霧島分院を国立大初のリハ医学講座と霧島リハセンターに改組し,温泉医学は物理療法としてリハ医学の一部門に位置づけた.
著者
伊藤 資浩 宮崎 由樹 河原 純一郎
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第14回大会
巻号頁・発行日
pp.140, 2016 (Released:2016-10-17)

外見や社会的地位だけでなく名前そのものが対人評価に影響することがある。例えば,名前の魅力や流暢性の高さが付加価値となり,社会的な評価場面において好意的な印象が形成される。本研究では,名前の奇抜さが見た目の社会性,特にリーダーシップ性に及ぼす影響を検証した。具体的に,名前の奇抜さ(奇抜な名前・一般的な名前)と元々の見た目のリーダーシップ性の程度(低群・中群・高群)を実験要因として,被験者は呈示される若年者の顔画像と名前から見た目のリーダーシップ性の程度を評価した。その結果,元々の見た目のリーダーシップ性の程度に関わらず,一般的な名前に比べて奇抜な名前が呈示されたとき,リーダーシップ性は低く評価された。またこの効果は,高齢者の顔画像が呈示されたとき強く生じた。これらの結果は,近年のいわゆるキラキラネームは社会性評価において付加価値とならず,外見に関わらず非好意的な印象を生むことを反映している。
著者
福本 学 木野 康志 鈴木 正敏 山城 秀昭
出版者
東京医科大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2014-04-01

福島第一原発事故の被災動物臓器アーカイブを構築し、以下の結果を得た。事故後2年経過し、ほぼ放射性セシウムのみが検出され、全臓器であった。ウシ血中の酸化ストレス関連因子は内部被ばく線量率と相関を示した。末梢血リンパ球のDNA二本鎖切断数は多かったが、線量とは無関係であった。ウシ精子に形成異常を認めなかった。地表を這い、γ、β線両方の被ばくが大きいアカネズミでは、精子形成の細胞回転が亢進しているが成熟精子に異常を認めなかった。野生ニホンザル骨髄は低形成傾向だが、抹消血球に異常を認めなかった。著変は認めないもののサルの内部被ばく線量率は現在も高く、生物影響を知るための詳細な観察継続が必要である。