6 0 0 0 OA 文芸年鑑

著者
文芸家協会 編
出版者
新潮社
巻号頁・発行日
vol.昭和5年版, 1931
著者
児玉 直起
出版者
日本演劇学会
雑誌
演劇学論集 日本演劇学会紀要 (ISSN:13482815)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.27-51, 2009 (Released:2018-01-12)

KISHIDA Kunio (1890-1954), “Japan's finest prewar playwright” (J. T. Rimer), published a great deal of critical writings on shingeki (the modern Japanese theatre) in order to improve it. In 1936 he began to write as “a fundamental manoeuvre” on Japanese society or culture in which the theatre itself is born and fostered. It was a time when Japan was getting deeply involved in the war with China, which was leading to the Pacific War. Kishida, well versed in European culture, proposed that, in order to defend his country and win the war, traditional Japanese virtues must be revived as “her own humanism” and “culture as strength” be built. His only wartime play Kaeraji-to (I Shall Not Return, 1943) was written for Nihon idô engeki renmei (Japan Mobile Theatre League) based on this conviction.In the play Kishida tried to create “humanism” through the protagonist's way of living/dying so that it would have a universal truth. Despite his “patriotism,” however, the army authorities claimed that the play ridiculed the Imperial Army and they rebuked the magazine for carrying it. Consequently, it was revised as an “authorized script” by an unknown person for the Theatre League's first performance in Tokyo. This paper compares the two versions and makes it clear how Kishida's “play as strength” was diluted.
著者
Hiroshi Takagi Akihiko Ito Heon-Sook Kim Shamil Maksyutov Makoto Saito Tsuneo Matsunaga
出版者
Meteorological Society of Japan
雑誌
SOLA (ISSN:13496476)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.213-219, 2021 (Released:2021-12-14)
参考文献数
45
被引用文献数
2

Numerous wetlands, including the world's two largest contiguous wetlands, lie along the free-flowing Paraná and Paraguay Rivers that travel the length of subtropical South America (SSA) region. These wetlands are floodplains that are inundated with rising river water in flood events; their morphology and area are highly changeable with flooding extent. The long-term variability of methane emission from this wetland hotspot and its sensitivity to meteorological conditions are not well known. We herein explore this unknown using space-based estimates of methane flux for the SSA region between 2009 and 2015 along with data of water balance. We find that methane emission from this region coherently varies with precipitation and inundation areal extent.
著者
渡嘉敷 亮二
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会会報 (ISSN:24365793)
巻号頁・発行日
vol.125, no.2, pp.185-190, 2022-02-20 (Released:2022-03-10)
参考文献数
6

音声障害は耳鼻咽喉科の中でも極めてなじみの薄い分野であり, 音声障害に関する十分な知識を持ち合わせている医師は少ない. しかしながら音声言語障害はコミュニケーションの障害であり, 潜在患者数や治療の需要は極めて多い. 例えば吃音の有病率は幼少期で8%, 成人でも1%であるが耳鼻咽喉科医はその治療にほとんど関与していない. 言語聴覚士と協働し音声障害の治療に積極的に参加することはコロナ後の耳鼻咽喉科の在り方としても極めて意味のあることと思われる. 一方でこれを推進していくためにはいくつかの問題がある. 一つは医師・言語聴覚士ともにこの領域に関する知識が浅いこと. もう一つは言語聴覚士の雇用に伴う支出に見合うだけの収益が得られるかということで, これが成り立たなければ言語聴覚士の雇用促進も患者の需要に応えることもできない. 前者に関しては, 声帯結節や加齢性の声の機能低下に対するリハビリテーションは診療所レベルでも容易に行える. 吃音や構音障害については病態や治療法に対する理解と学習が必要だが, 上述のように極めて多くの患者が存在するため治療の需要が多い. 本来耳鼻咽喉科医と言語聴覚士が協働して治療や研究に当たるべき疾患であり, 今後積極的に取り組むべき分野である. 後者に関しては同じリハビリテーションを行っても施設基準により診療報酬が倍以上違う, あるいは, 非常に時間のかかる言語機能に関する諸検査に対して診療報酬が設定されていないなどの問題があり, 学会レベルで改善に取り組む必要がある.
著者
大西 真理子 庄司 一郎 小川 宣子 中上 寧 長岡 俊治 下村 道子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.305-313, 2004-04-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
20
被引用文献数
4

炊飯過程において調味料の添加が, 飯粒の水の吸水・膨潤にどのような影響を及ぼしているのか, 米の品種に違いがみられるのかを食塩を用いて検討し, 以下の結果が得られた.(1) 米の粗タンパク質およびみかけのアミロース含量はコシヒカリよりも初霜の方が多かった.(2) コシヒカリと初霜の飯の物性をテクスチュロメーターによって測定した.低圧縮測定した付着性については両品種とも食塩飯粒は普通飯粒よりも有意に減少していた.高圧縮測定した中心部の硬さ, 付着性, 凝集性のいずれも, コシヒカリについては, 食塩添加による影響はみられなかったが, 初霜については, 特に硬さについては有意に増大し (p<0.001, n=20), 付着性は減少傾向がみられ, 凝集性は有意な増加を示した.(3) 飯粒横断面の組織は, コシヒカリでは, 食塩飯粒と普通飯粒は同様の形態を示し, 胚乳細胞は表層部, 中心部ともに膨潤していた.初霜の食塩飯粒では, 飯粒の表層部は膨潤しているが, 中心部の胚乳細胞は小さく, 膨潤が抑制されているのが観察された.組織構造への食塩添加の影響は, 品種問に違いがみられた.(4) コシヒカリと初霜の白米 (掲精度90%) における蒸留水の吸水率は, 両品種間に差はなかったが, 食塩水の吸水率は, 蒸留水のそれよりも有意 (p<0.01) に低かった.また, 白米中心部 (搗精度50%) では, 蒸留水における吸水率は, 両品種間に差がみられ, 初霜の蒸留水の吸水率はコシヒカリの蒸留水のそれよりも低く, 食塩水においても有意に低かった.(5) 初霜の米粒を蒸留水および食塩水に浸漬したときの粗タンパク質の溶出は, 両浸漬水でみられ, 蒸留水におけるよりも食塩水の方が溶出率は高かった.そして, 溶出タンパク質のうちグロブリン, アルブミンおよびグルテリンが多いことをSDS-PAGE分析により確認することができた.
著者
堀田 結孝 山岸 俊男
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.169-177, 2008 (Released:2008-03-19)
参考文献数
23
被引用文献数
2 1

最後通告ゲームにおいて,相手の責任や意図とは無関係に生じる不公正分配の拒否が,不公正結果に対する嫌悪によって生じる行動であるかを検討するために,137名を対象とした最後通告ゲームと独裁者ゲームを実施した。参加者は,最後通告ゲームで受け手の役割に割り当てられ,不公正分配の提案を受け入れるか拒否するかを決定した。最後通告ゲームでは,提案者が意図的に不公正分配を行う“意図あり条件”と,提案者の意図とは無関係に不公正分配が生じる“意図なし条件”の2つの条件が個人間要因として操作された。更に,参加者は最後通告ゲーム終了後,独裁者ゲームに分配者として参加し,別の相手へ分配する金額を決定した。実験の結果,意図なし条件でも拒否者が観測され,また意図なし条件での拒否者は受け入れ者よりも,独裁者ゲームで公正分配を行う傾向にあった。実験結果は,相手の意図とは無関係に生じた不公正分配の拒否が,純粋に公正結果を追求する動機に基づく行動である可能性を示唆している。
著者
大竹 智久 中江 雄亮 本橋 龍郎
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会論文集 (ISSN:13446460)
巻号頁・発行日
vol.55, no.644, pp.439-445, 2007 (Released:2007-10-10)
参考文献数
17
被引用文献数
29 64

Aerodynamic characteristics of NACA0012 airfoil at low Reynolds numbers (Re=1.0×104∼1.0×105) are measured systematically to clarify nonlinearity of the aerofoil characteristics. The variation of the lift curve with the angle of attack is divided into 5 sub-regions; the gradient of the lift curve much depends on the incident angle. Negative values of the gradient of lift coefficient are observed at lower angles of attack in a Reynolds numbers range. The sub-regions are summarized in a diagram of angle of attack and Reynolds numbers. The coefficients of drag and moment around 0.25 chord length have also unique characteristics.
著者
小城 英子 坂田 浩之 川上 正浩
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
pp.2024, (Released:2022-06-10)
参考文献数
28

The purpose of this study was to revise the Attitudes towards Paranormal Phenomena Scale (APPle) to capture various aspects of skeptical attitudes, so that the believing and skeptical attitudes toward paranormal phenomena could be measured in detail. A questionnaire survey was conducted with undergraduates. Using exploratory factor analysis, six factors (Total Denial of Paranormal Phenomena, Denial Based on Current Situational Awareness, Inclination Towards Fortunetelling and Magic, Believing in Spirituality, Intellectual Curiosity about Paranormal Phenomena, and Fear of Paranormal Phenomena) were extracted, and a scale with 25 items called APPle II was created. From the viewpoints of internal consistency, confirmatory factor analysis, test-retest reliability, and criterion-related validity, sufficient reliability and validity were confirmed. Among the six factors, “Inclination Towards Fortunetelling and Magic” and “Believing in Spirituality” were regarded as believing attitudes, whereas “Total Denial of Paranormal Phenomena” and “Denial Based on Current Situational Awareness” as skeptical attitudes. “Intellectual Curiosity about Paranormal Phenomena” could be both believing and skeptical, and seemed to be based on analytical and critical thinking.
著者
榎村 寛之
出版者
法制史学会
雑誌
法制史研究 (ISSN:04412508)
巻号頁・発行日
vol.59, pp.53-79,en5, 2010-03-30 (Released:2017-03-01)

本稿は律令国家の初期段階における神祇祭祀法について、社会に対する法の効能と社会における法の受け取られについて考察するものである。国家的な祭祀とは、習俗ではなく、国家の形成過程における重要な「政治」であった。七世紀後期の日本社会においては、祭祀は税の体系を維持するほどの効力があった反面、全国的な統制は未成立だった。日本最初の総合的な法典である、「大宝律令」のうち「神祇令」は、「慣習としての祭祀」を「イデオロギー統制」に転化させる側面を持ち、祭祀に縛られた未開社会から社会が祭祀を規制し、国家が統制する文明社会への転機に出現した法といえる。しかしながら、社会体制の異なる唐の祠令から継授したという側面があるので、その内容には極めて不完全な部分が残されていたことが近年の研究により明らかにされている。神祇令の目的は、多様な神から、「神祇」と呼ばれる神を抽出することである。神祇とは、天神地祇のことで、「天皇中心の国家秩序を確認するために有効な神」であり、その基盤イデオロギーは天孫降臨であったと見られる。祠令が、中国の伝統的祭祀すべての規定を意識しているのに対し、神祇令は「未定型の祭祀を神祇官の下に法として整理する」ための法だということができる。神祇令は神を定義する法なのである。ところが、国家的注釈書である『令義解』では、神祇令の注解は、天神地祇の定義をしていないことをはじめ、総体に些末な語義の注釈に留まり、法の観念性やその実効性についての議論には至っていない。これが九世紀前半の律令法の理解の実態であった。神祇法を支える意識に大きな転換が見られるのは、一〇世紀に法細則を集成した『延喜式』の「神祇式」である。神祇式の条文からは、唐の祠令を読み込み、その解釈を日本社会に適合させようとする努力が読み取れる。例えば、国家的祭祀のシンボルである伊勢神宮は、八世紀末の政治改革によってその統制が強められ、国家的な位置づけが明確になるが、神祇式はその意識の下で書かれている。また、伊勢神宮に奉仕する未婚の皇族女性である斎王は、神祇令には定義されなかったが、神祇式では、天皇の命令で置かれることが明記されている。天皇祭祀の存在を前提にした事務規定に過ぎなかった神祇令とは違い、神祇式は、王権祭祀の内容にまで踏み込んで規定した法なのである。すなわち、延喜神祇式は単なる神祇令の細則ではなく、天皇の祭祀を含め、祭祀全般を法で規制することに一部成功した、画期的な法だといえる。神祇式によって、天皇の責任下でシステム化された国家祭祀体制が確立された。すなわち、地域に定着した「神祇」意識と国家祭祀の方向性がようやく連動し、共通した神意識の形成が形成される道筋ができた。それは「神祇令」という「理念的な統治法」が「神祇式」という「実効性のある行政法」へ転換したことを意味するのである。
著者
本間 茂継
出版者
日本化粧品技術者会
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.2-10, 2014-03-20 (Released:2016-03-22)
参考文献数
12
被引用文献数
4 2

天候・季節による強弱の差はあれ,屋外活動のなかで人は常に紫外線を浴びている。紫外線から身を守るために紫外線防御機能を有した化粧品が使用されるが,化粧品開発においてその機能を付与するために,無機酸化物粉末 (微粒子酸化チタン,微粒子酸化亜鉛など) である紫外線散乱剤と,有機化合物である紫外線吸収剤が用いられる。本稿では,一般的に用いられる紫外線散乱剤と紫外線吸収剤の特徴を紹介するとともに,高機能性を有した新規水分散型微粒子酸化チタンについて報告する。
著者
柿崎 景二
出版者
尚美学園大学芸術情報学部
雑誌
尚美学園大学芸術情報研究 = Journal of informatics for arts, Shobi University (ISSN:18825370)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.27-41, 2020-03

これまでデジタル音楽作品の音量レベルは、DAWなどで波形を表示し、それをもとに推察するしかなかった。しかしそれは波形表示の縮尺により、見え方が変わってしまう。ここでは、オーディオデータの新しい解析・表現方法として、音の大きさの出現頻度をグラフ化したものを提案する。これによって楽曲の音量レベルが一目でわかるようになった。またこの表現方法を用い、同一楽曲で各年代にマスタリングされた音源を解析することにより、CDが発売された80年代以降の年代ごとの音量レベルについて考察する。
著者
岡根 好彦
出版者
情報メディア学会
雑誌
情報メディア研究 (ISSN:13485857)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.67-80, 2020-11-16 (Released:2020-11-16)
参考文献数
53

検索エンジンで機械的に表示された検索結果が表現の自由で保障されるかについて,米国の裁判例や学説は,①検索エンジンのプロセスや結果表示を意見とみるアプローチ,②マス・メディアの編集行為とみるアプローチを通じた検討を示唆している.①のアプローチからは,検索エンジン自体の意見として保障することは”人”ではないので認められず,プログラム作成者の意見として保障することも,検索結果にプログラム作成者の意見は通常反映されていないため,認められない.②のアプローチからは,検索エンジンは編集上の地位を通じて表現をコントロールしていないし,表現物を収集して全体として1つの表現を構成してもいないので,編集行為としても保障されないとの結論が導かれる.
著者
岩崎 寛 山本 聡 権 孝〓 渡邉 幹夫
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.247-249, 2006 (Released:2007-04-10)
参考文献数
10
被引用文献数
12 14

近年、植物による癒しの効果に注目され、屋内空間においても多くの植物が配置されるようになった。しかし、それらが実際に人の生理的側面に与える効果に関する検証は少ない。そこで本研究では屋内空間における植物の有無が人のストレスホルモンに与える影響を調べた。その結果、観葉植物を配置した場合、無い場合に比べ、ストレスホルモンが減少したことから、室内における植物の存在はストレス緩和に効果があると考えられた。