著者
湯浅 涼 湯浅 有
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.289-294, 2001

耳鼻咽喉科診療において, 顕微鏡下あるいは内視鏡下での観察・手術は欠かせない現状である。これらの記録写真は動画用の3板カラーCCDカメラにより記録された動画の一部を静止画像として用いているのが現状である。動画用CCDの画素数は30~40万画素が一般的で, 静止画としては現在の民生用デジカメの1/10程度と解像度の点で不満足である。また, デジタル出力でないためにコンピュータ処理上でもAD変換を要する。近年, プロ用デジタルー眼レフカメラが各社から発売され, 医用に試用してみたが, その重量, 大きさ, 価格などの点から, 手術用顕微鏡あるいは内視鏡に装着し, 撮影するには問題が少なくないことが判明した。そこで, 日進月歩が著しい民生用デジカメを無改造で顕微鏡または内視鏡に装着できるカメラアダプターを試作し, 安価な民生用デジカメにより, 手術用顕微鏡下, 内視鏡下での高画質デジタル静止画像を得ることに成功した。この試作品を更に改良し, 大多数の民生用デジカメが顕微鏡ならびに内視鏡に装着可能となる量産品を目下検討中である。
著者
岡崎 まりえ OKAZAKI Marie
出版者
岩手大学大学院人文社会科学研究科
雑誌
岩手大学大学院人文社会科学研究科研究紀要
巻号頁・発行日
vol.17, pp.127-147, 2008-07-01

ドイツには,目に見える「壁」と目に見えない「壁」がある。前者は,ドイツがまだ東西に分断されていた頃の国境のことであり,後者は,心の中に存在する「壁」である。17年前,ニュースはベルリンの壁の開放と長年わけ隔てられた同胞との再会に歓喜する人々の姿を,逮日放送した。だが,人々はあれほど喜んでいたことを忘れ,今心の中に,再び東西ドイツを隔てる壁を,以前の何倍もの高さで築いていると感じずにはいられない。 去年,日本に交流事業でやってきたドイツ・ハンブルクの青年たちは,「汚い」,「貧しい」,「(経済的に)遅れている」といった否定的な形容詞で東ドイツのイメージを語り,「親がそう言っていた」とか「学校でそう習った」と答えた。統一して17年も経つとはいえ,東西ドイツ人の間には,親から子に受け継がれるような根強い偏見があって,どうやらそれが「心の壁」の主要因となっているようだと,私は思ったのである。 今回の研究の目的は,この「心の壁」という問題を紹介し,そうした問題がなぜ,どのように生じているのか,そのメカニズムを考えることである。そして単なる制度的な統一ではなく,「心の壁」を解決しての真の統一を実現するために何ができるか,考えてみたいと思う。
著者
扶桑社 [編]
出版者
扶桑社
巻号頁・発行日
vol.21(8), no.1097, 1972-02
著者
村田 真悟 山下 祐一 有江 浩明 尾形 哲也 谷 淳 菅野 重樹
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第28回全国大会(2014)
巻号頁・発行日
pp.2K4OS04a3, 2014 (Released:2018-07-30)

人間は知覚経験を通して生じた現象の解釈を行い,受動的適応・能動的適応という二つの対立した戦略を動的に選択していると考えられる.我々は,この選択の実現に「予測精度の予測」が重要であると考え,それが実現可能な再帰結合神経回路モデルを提案する.提案モデルをロボットに実装し,適応行動の生成学習実験を行った結果,受動的・能動的な行動を実現する二つの神経メカニズムが同一の神経回路に自己組織化された.
著者
新谷 敏朗
雑誌
第77回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, no.1, pp.203-204, 2015-03-17

トランプの一人遊びを意味するソリティアにはいくつもの種類があるが、その中で台札から始まる列の完成を目的とするものについて、ひとつの仮説を提示する。対象は、「籠城」とその変種である。これらはすべてのカードを表向きにした状態でプレイするので完全情報ゲームである。特定の初期局面を根とするゲーム木を作成することによって解を求めることができる。「籠城」について計算を行ってみた範囲では、場に空の列が3列以上できた場合で解が存在しない場合はなかった。つまり、「空列の個数が3以上になれば、成功可能である」という性質が成り立つのではないかと推測できる。このことは人間がプレイする際に大きな指針となると考えられる。
著者
後藤 寛
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.100176, 2012 (Released:2013-03-08)

喫茶店も他の多くの飲食店業と同様に,時代の変化に対応しつつ変化し生き残りを図っている.近年ではフランチャイズチェーンの台頭によりどこの街でも同じ看板の店である割合が高まっており,またファーストフード等の隣接他業態との垣根が低くなっている感があるが,人々の日々の休息に役立っている存在と考えられる.このような喫茶店がどこにどのように立地しているのか,本報告では大都市圏とその都心部分として,首都圏全域,東京23区内,山手線内エリアの3スケールで比較しながら,喫茶店・カフェ業態の立地分布と密度,そしてとくにチェーン店間の競合の現状についての分析を行う.
著者
青山剛昌著
出版者
小学館
巻号頁・発行日
1994
著者
柚木 正敏
出版者
日本脊髄外科学会
雑誌
脊髄外科 (ISSN:09146024)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.285-289, 2018 (Released:2019-01-24)
参考文献数
32
著者
中島 そのみ 仙石 泰仁 中村 裕二 加藤 静恵 岸 玲子
出版者
日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.309-316, 2010-06-15

要旨:ベイリー乳幼児発達検査一第2版(以下,BSID-Ⅱ)は乳幼児期の発達状況を評価できる,国際的にも用いられることの多い検査の一つである.しかし,日本では標準化されておらず使用報告が少ない現状にある.本研究では,生後6ヵ月児192名にBSID-Ⅱを実施し,日本版デンバー式発達スクリーニング検査(以下,JDDST)から見たBSID-Ⅱの有用性を検討した.BSID-ⅡのMentalとMotorの平均得点は米国の標準値よりも約10低い値であった.また,BSID-ⅡのMental,MotorはともにJDDSTの関連領域との間で感度・特異度が高く有用性が認められた.しかし,本邦においてはBSID-ⅡのMotorは過剰に遅れと判定する可能性があった.
著者
松崎 多千代 松井 三枝 中澤 潤 市田 蕗子 八木原 俊克
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.308-312, 2008-07-01 (Released:2011-12-12)
参考文献数
12

Bayley乳幼児発達検査 (BSID-II) は先天性心疾患児の発達評価として世界的に使用されているが, 日本版は作成されていない. そこで, 本邦でのBSID-IIの導入を目的として, 1歳心疾患児と健常児にBSID-IIを施行した. その結果, 健常児の値は米国基準より低値であり, 心疾患児は我が国の健常児より運動発達全般が遅延していた. 津守式乳幼児精神発達質問紙では両群に得点差はなかった. BSID-IIと乳幼児精神発達質問紙には項目間の高い相関関係が確認された. BSID-IIを施行するにあたって翻訳上や用具等の問題はなく, 我が国でも乳幼児の発達評価として有用であることが示唆される.
雑誌
立教經濟學研究
巻号頁・発行日
vol.71, no.3, pp.167-172, 2018-01