著者
友杉 直久
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.99, no.6, pp.1180-1187, 2010 (Released:2013-04-10)
参考文献数
10
被引用文献数
6 1

鉄代謝の特徴は,積極的な鉄排泄系を持たずに閉鎖系で鉄を再利用し,血清鉄濃度を一定に保つことである.これはヘプシジン・フェロポルチン系でのフィードバック機構で管理されている.細胞内の鉄は,鉄輸送膜蛋白であるフェロポルチンを介して血清に供給されており,その機能は肝で産生されるヘプシジンにより制御されている.近年,鉄代謝の主要液性制御因子であるヘプシジンの定量測定が可能になり,ヒト疾患での貧血の解析手段がひとつ加わった.
著者
矢口 貴志
出版者
日本医真菌学会
雑誌
Medical Mycology Journal (ISSN:21856486)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.J13-J17, 2014 (Released:2014-03-28)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

国際植物命名規約において,これまで多型的生活環をもつ高等菌類(子のう菌類と担子菌類)では例外的に1つの生物種を2つの学名で呼称すること(二重命名法)が認められていた.しかし,2011年7月にオーストラリア・メルボルンで開催された第18回国際植物学会で国際植物命名規約の大幅な改訂がなされ,1つの生物種に対して1つの学名を与える(1生物種1学名)統一命名法が高等菌類にも適用された.この命名規約の改訂が病原性糸状菌に与える影響,Aspergillus,Penicillium および関連するテレオモルフの学名の検討状況をについて述べる.
著者
伊藤 恵士 桐谷 佳恵 小原 康裕 玉垣 庸一 宮崎 紀郎
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.53, no.6, pp.21-26, 2007-03-31 (Released:2017-07-11)
参考文献数
13

商品購入時のパッケージデザインの重要性をふまえ、日本酒のパッケージデザインのあり方を考察するため、まず本研究では、日本酒ラベルの現状を探った。日本酒ラベルのデザイナーのインタビューからは、1)デザイナーと蔵元との間のイメージの不一致、2)吟醸酒などのクラスを意識したデザインがされていない、3)蔵元の保守的傾向、が問題点として上がった。そして、現行の日本酒ラベル689点に加え、20年前の日本酒ラベル245点、瓶などの形状が日本酒に似た焼酎と泡盛から、それぞれ207点、113点のラベルを収集し、デザインを分析した。その結果、クラス別に差別化が行われているとは言いがたいが、多少の傾向の違いはみられた。数量化理論剛類の結果から、現行ラベルは「単純一複雑」、「調和一独立」の観点から記述できる事がわかった。そして、過去のデザインの特徴と合わせて考えると、複雑で独立的なデザインから、調和あるいは単純な方向への2つのデザイン潮流も見いだされた。
著者
上田 博三
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.157-164, 2010 (Released:2014-06-12)
参考文献数
13
著者
稲葉 通将 大畠 菜央実 高橋 健一 鳥海 不二夫
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.57, no.11, pp.2392-2402, 2016-11-15

本研究では,人狼ゲームにおけるプレイヤの発話内容を表現するタグを設計し,それらのタグを人狼BBSにおけるプレイヤの発話に付与し分析を行った.分析では,襲撃対象,および処刑対象の決定にプレイヤごとの発話の傾向がどのように影響するのか,また,ゲーム全体のコミュニケーションの傾向とゲームの勝敗の関係について調査した.分析の結果,人間側,人狼側の各プレイヤが自陣営の勝利のために効果的なコミュニケーション戦略,および特定のコミュニケーションとプレイヤの行動の関係が明らかとなった.

6 0 0 0 OA 南洋群島要覧

著者
南洋庁 編
出版者
南洋庁
巻号頁・発行日
vol.昭和17年版, 1943
著者
渡邊 美智留 三田 恭平 中村 春世 田中 恒明 三原 潔 小野 秀樹
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.40, no.12, pp.726-733, 2014-12-10 (Released:2015-12-10)
参考文献数
9

Pregabalin, a useful drug for neuropathic pain, has a high incidence of dizziness and somnolence as side effects. In the present study, the incidence of both side effects and the risk factors were retrospectively investigated in hospitalized patients who were administered pregabalin after their admission. In 65 patients (median 68 years old), 34 cancer patients and 18 opioid users were included. Items studied were cancer/non-cancer, opioid user/non-user, fall/nonfall, age, sex, weight, daily dose of opioids, the number of the drugs that may cause dizziness and somnolence, daily dose of pregabalin, and the ratio of creatinine clearance to daily dose of pregabalin. Fourteen (21.5%) and 21 (23.3%) patients developed dizziness and somnolence, respectively, and 4 (6.1%) patients developed fall. In the case of opioid combination, 7 (38.9%) and 10 (55.6%) patients developed dizziness and somnolence, respectively. A logistic-regression analysis showed that opioid use is a significant augmenting risk factor for dizziness (P = 0.026) and somnolence (P = 0.016) of pregabalin. The ratios of daily dose of pregabalin to creatinine clearance did not show any relation to the incidence of dizziness and somnolence; both side effects were observed in some patients whose renal functions were normal. It is suggested that attention is necessary to the incidence of dizziness and somnolence regardless of renal function, and that particular attention is required when opioids, which have similar side effects, are combined with pregabalin.
著者
鵜飼 祐江
出版者
国立大学法人 東京医科歯科大学教養部
雑誌
東京医科歯科大学教養部研究紀要 (ISSN:03863492)
巻号頁・発行日
vol.2020, no.50, pp.67-78, 2020

「近江の君」呼称の初出は、父内大臣の会話文中に見られ、異母姉弘徽殿女御のもとでの宮仕えを機に、女房名のようにして用いられはじめる。「内大臣家のむすめ(姫君)」から女房的な存在へと、彼女の扱いに変化が生じていることを窺わせる。同じく地名に因む呼称に明石の君の「明石」があるが、「明石」は、光源氏の流離と再起の物語を内包する呼称であり、質が異なる。出仕名には、父兄の身分が反映されることが多いが、「近江の君」は父によって、むしろ内大臣家から切り離された存在として呼ばれてゆくものと考えられる。
著者
笛木 俊一
出版者
一般社団法人 日本社会福祉学会
雑誌
社会福祉学 (ISSN:09110232)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.32-44, 2018-07-20

Main issues indicated in this paper are as shown under ; (1) Infringement the rights of homeless persons. (2) Judicial remedies for the rights of homeless persons by the Public Assistance Law Cases. (3) Present Issue ; Deprivation of 'a place to live' and the way of practical actions to realize 'the housing rights' of homeless persons in the community.