著者
鈴岡 節 木村 和広 伊藤 悦雄 天野 真家
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.第40回, no.人工知能及び認知科学, pp.105-106, 1990-03-14

ワードプロセッサのかな漢字変換において,多くの同音異義語に対してユーザが正しい漢字を選択する必要がある.この作業を軽減するための手段として,現在は短期学習(同音語内で最も最近選択された語が優先される)と共起テーブルの利用とが一般に用いられている.しかし,短期学習の場合,前とは違った分野の文章を入力するしかな漢字変換の質が下がる.また共起テーブルは予め作成することが非常に困難である上に,共起テーブルでは対処できない場合がある.これらの問題を克服するために,かな漢字変換に神経回路網技術を導入した.神経回路網を用いたかな漢字変換では,入力されている文章の文脈を把握する.そして文脈に応じて同音語内の語の優先順位を変え,今までに出現していない語であっても,現在の文脈と関連する語であれば,選択され易くする.
著者
住吉 孝明 中村 有沙 南原 拓弥 村上 将登
出版者
関西大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

ムスカリン受容体は副交感神経を活性化する神経伝達物質アセチルコリンの受容体である。ムスカリン受容体にはM1-M5の5つのサブタイプがあり、M1受容体の活性化が認知機能を向上させる効果がある。本研究は、作動性と拮抗性を併せ持ち、適度にM1受容体を活性化する部分作動薬を創製し、副作用を低減した新たな精神神経疾患治療薬になりうる化合物を見出すことを目的とする。M1受容体およびM4受容体の両方を作動する化合物の構造を種々変換した結果、ムスカリンM1受容体選択的部分作動性を示す化合物を見出した。これらの化合物はアルツハイマー病等の精神神経疾患の改善薬への応用が期待できる。
著者
櫻井 孝 楊 波 高田 俊宏 横野 浩一
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.37, no.12, pp.962-965, 2000-12-25 (Released:2009-11-24)
参考文献数
4
被引用文献数
4 5

アルツハイマー病脳ではグルコース代謝率の低下, 乳酸代謝率の上昇が知られている. そこで細胞外液のグルコース濃度を調節し, 或いは乳酸に置換した時の神経活動, シナプスの可塑性および神経の生存について検討を行なった. 神経活動は海馬の貫通線維を刺激して歯状回で記録される集合電位の振幅で評価した. 細胞外液のグルコースを除くと神経活動は非可逆性に抑制されたが, グルコースを乳酸に置換すると神経活動は一過性に抑制されたが自然に回復した. 一旦無グルコースから回復した海馬切片では乳酸による神経活動の抑制は見られなかった. シナプスの可塑性は長期増強現象の発現について検討した. 細胞外液に10mMグルコースが存在する時は高頻度刺激により約140%の長期増強現象を誘発したが, 乳酸では神経活動の増強は約110%に留まった. 次に海馬スライス培養系を用いて乳酸の神経生存に及ぼす作用を検討した. 培養24~48時間では Propidium iodide の取り込み, LDHの分泌は乳酸栄養での培養ではグルコース栄養での培養と同程度に抑制した. 以上の結果より神経細胞でグルコースの利用が障害された時, 乳酸は神経活動の維持に利用され, 神経細胞の生存にも寄与するが, シナプス可塑的現象 (長期増強現象) の発現には十分でないことが示された.

1 0 0 0 OA 栄花物語 40巻

出版者
巻号頁・発行日
vol.[13],
著者
堤 博美
出版者
奈良大学
雑誌
奈良大学紀要 (ISSN:03892204)
巻号頁・発行日
no.32, pp.21-40, 2004-03

筆者はこれまで、浪漫的詩人ヘルダリーンの全貌を解明しようとして、色々な角度から考察してきた。とくに才能と気質、運命と予感、ヒュペーリオンとディオティーマという三点に主眼を置いて論じた。今回は文体とモラル、自立への道、ズゼッテの愛という視点から詩人を観察したい。第一章の文体とモラルでは、ヘルダリーンの詩と小説と戯曲の中に範例を検索し、そこからその文体的特長を具体的に例示し、詩人特有の文体と徳性の関係を推断した。第二章ではヘルダリーンの書簡から自立への意志を読み取り、第三章ではズゼッテ(ディオティーマ)の手紙を抜粋引用して、彼女の愛と苦悩をつぶさに観察し、その光と影を呈示しようと試みた。
著者
佐々木 豊史 宮崎 浩一
出版者
電気通信大学
雑誌
電気通信大学紀要 (ISSN:09150935)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.21-32, 2005-01-31

In this article, we examine whether bad news on a company impacts on the correlations betweenthe equity return of the company and those of other companies based on the Japanese equity datain 1997, when some of major financial institutions bankrupted. We define "contagion" or "exclusion" as a significant increase or decrease, respectively, in the correlation after the announcement of thebad news. Our major findings are (1) whether the effect of the bad news is "contagion" or "exclusion" basically depends upon the nature of the bad news, (2) heteroskedasticity in thecorrelation has some influence on the identification of the bad news effect and it is important toadjust the heteroskedasticity in the correlation to correctly identify the effect.
著者
石島 正之
出版者
一般社団法人 日本生体医工学会
雑誌
BME (ISSN:09137556)
巻号頁・発行日
vol.4, no.7, pp.27-36, 1990-07-10 (Released:2011-09-21)
参考文献数
36
著者
基辨撰
出版者
中野宗左衛門
巻号頁・発行日
1771
著者
Christopher W. Ashelby Sammy De Grave Nguyên Van Xuân
出版者
Carcinological Society of Japan
雑誌
Crustacean Research (ISSN:02873478)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.17-27, 2018-02-14 (Released:2018-02-14)
参考文献数
12
被引用文献数
3

A new species of Palaemon is described from Cần Giớ District, Vietnam. This species has previously been reported from Vietnam as a colour morph of Palaemon sewelli (Kemp, 1925), to which it is clearly morphologically very closely related. However, the new species can be separated from P. sewelli through the position of the branchiostegal tooth relative to the branchiostegal groove, the shape of the suborbital lobe, a hirsute carapace and abdomen and the colour pattern of living individuals. The description of this new species brings the number of species of Palaemon known from Vietnam to eleven species.
著者
大森 房吉
出版者
東京大学
雑誌
震災豫防調査會報告
巻号頁・発行日
vol.87, pp.95-105, 1918-09-20
著者
佐藤 準一 山村 隆
出版者
一般社団法人 国立医療学会
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.57, no.7, pp.441-455, 2003-07-20 (Released:2011-10-07)
参考文献数
107

近年インターフェロンベータ(interferon-beta; IFN β)が多発性硬化症(multiple sclerosis; MS)で再発抑制に有効であることが立証されたが, また同時にIFN β高応答群(responder)・低応答群(nonresponder)の存在が明らかになった. 現在までMSにおけるIFN β治療効果の分子細胞生物学的機序は十分解明されていない. IFN βは第一にIFN γによるクラスII主要適合性抗原発現誘導に拮抗して抗原提示能を抑制し, 第二に抗原提示細胞によるIL-12産生を抑制してTh1シフトを是正し, 第三に活性化. 自己反応性T細胞の血液脳関門通過を阻止することにより, 強力な抗炎症作用を呈することが報告されている. 最近われわれは遺伝子アレイを用いてMSにおけるIFN β治療効果発現に重要な役割を果たすと推測されるIFN応答遺伝子群(IFN-responsive genes; IRG)を同定した. IRGにはIFN β産生における正の制御転写因子IRF-7や抗原呈示機構の主要構成要素IFI30, TAP1が含まれている. われわれの研究結果はIRGがMSにおけるIFN β responder, nonresponderを識別するマーカーとなる可能性を示唆する.
出版者
日経BP社
雑誌
日経レストラン (ISSN:09147845)
巻号頁・発行日
no.297, pp.78-81, 2001-03

お客は、ただ待っていても来ない。時には店の内や外でアピールし、店に足を運んでもらうきっかけ作りをすることが必要だ。その手段としてよく使われるのが、割引券、景品引換券といった「クーポン券」だ。 だが最近は、「せっかく配ったのに、効果がない」という声をよく聞く。
著者
[藤田幽谷] [著]
巻号頁・発行日
vol.[87], 1800
著者
山下 民治
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.38, no.10, pp.883-890, 1991-10-15 (Released:2009-04-21)
参考文献数
22
被引用文献数
1 2

市販大豆たん白あるいは小麦グルテンを添加したかまぼこについて,それが,かまぼこの物性に及ぼす影響について加熱条件や添加量,水分量,坐り条件を種々変えて検討を行い,次の結果が得られた.(1) 大豆たん白添加かまぼこは60℃,小麦グルテン添加かまぼこは80℃以上の加熱温度で硬いゲルを生じた.(2) 植物性たん白を添加したかまぼこを,90℃で加熱し続けたときに起こるゼリー強度低下や軟らかさおよび圧出水分率の増加は,小麦グルテン添加区は大豆たん白添加区よりも幾分大きかった.(3) かまぼこの水分量が一定で,植物性たん白の添加量が0~10%の間では,ゼリー強度は添加量が多い程,小さくなった.圧出水分率は,大豆たん白添加区は添加量が多い程小さくなったが,小麦グルテン添加区では逆であった.(4) かまぼこの植物性たん白量が一定で,水分量が68.8~79.0%の間では,水分量が多い程,ゼリー強度は小さく,軟らかさや圧出水分率は大きくなった.また,これらの物性の相違は,小麦グルテン添加区は大豆たん白添加区よりも大きかった.(5) 坐りによるかまぼこの弾力増強効果は,植物性たん白添加かまぼこは無添加かまぼこに比べて小さかった.(6) 植物性たん白のかまぼこの弾力補強効果には,大豆たん白の場合は3%塩化ナトリウム溶液不溶性画分が,また,小麦グルテンの場合は加熱で生じるゲルのゼリー強度が影響しているものと考えられた.