著者
伊東 久徳 原 康 吉見 奈津子 原田 恭治 根津 欣典 余戸 拓也 越智 広樹 長谷川 大輔 織間 博光 多川 政弘
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.70, no.7, pp.701-706, 2008-07-25
参考文献数
28
被引用文献数
2 34

日本において椎間板ヘルニアに罹患した犬の297症例に対して,遡及的に疫学的特徴の検討を行った.診療記録から,犬種,性別,年齢,罹患椎間板,神経学的重症度の診療情報を記録した.罹患部位から132症例の頸部椎間板ヘルニア群と165症例の胸腰部椎間板ヘルニア群に分類した.日本では,頚部および胸腰部椎間板ヘルニアに罹患する主な犬種はダックスフント,ビーグルおよびシーズーであることが確認された.日本特有の犬種である柴犬に関しては,全体に対する割合は少ないながらも,両部位の椎間板ヘルニアに罹患することが確認された.また,日本において本疾患に罹患する犬の性別の分布は,欧米の報告と異なり,雄が雌に対しての2倍の割合であった.主要な3犬種であるダックスフント,ビーグルおよびシーズーにおける検討では,発症年齢は,ダックスフント,ビーグル,シーズーの順番で高い傾向が確認された.そして,シーズーは,3犬種の中で多発性の病変を伴う傾向が見られた.日本の椎間板ヘルニアの疫学的な特徴は,これまでの欧米における報告と類似していたが,日本独自の特徴もまた確認された.
著者
針金 由美子 森下 知晃 Snow Jonathan 田村 明弘 道林 克禎 小原 泰彦 荒井 章司
出版者
日本鉱物科学会
雑誌
日本鉱物科学会年会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.56-56, 2011

白鳳丸KH07-2航海において採取されたフィリピン海パレスベラ海盆のゴジラメガムリオン中央部(KH07-02-D18地点)から採取されたはんれい岩を用いて、はんれい岩に含まれる熱水変成作用で形成した角閃石の変形微細構造と微量元素組成から考察される流体の特徴について述べる。

1 0 0 0 OA 文林海錯 11巻

著者
海保元備
出版者
巻号頁・発行日
vol.[9],
出版者
日経BP社
雑誌
日経ニューメディア (ISSN:02885026)
巻号頁・発行日
no.1425, pp.9-10, 2014-07-14

日本映画衛星放送は2014年7月11日、4Kコンテンツである「史上最高画質!ゴジラ4Kプロジェクト」の試写・取材会を開催した。「史上最高画質!ゴジラ4Kプロジェクト」は、ゴジラの映画作品のフィルムを1コマ単位で4Kスキャンし、ゴジラ全28作品から厳選した名シーン…
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.1048, pp.60-69, 2015-05-25

新宿コマ劇場の閉館から6年半近く。その跡地に新宿東宝ビルがオープンした。板状の高層ホテルは、南側の妻面全体が新宿駅からの誘導塔の役割を果たす。低層部の屋上から顔をのぞかせるゴジラの話題もあり、新たな客層を呼び寄せている。
著者
宮﨑 尚子
出版者
学校法人 尚絅学園 尚絅大学研究紀要編集部会
雑誌
尚絅大学研究紀要 A.人文・社会科学編 (ISSN:21875235)
巻号頁・発行日
vol.2017, no.49, pp.01-08, 2017 (Released:2017-11-13)
参考文献数
2

現物が確認できなかった大正初期の雑誌「団欒」を十八冊発見したとして,それらの目次を「石丸梧平主宰の家庭雑誌『団欒』に関する調査①」「石丸梧平主宰の家庭雑誌『団欒』に関する調査②」「石丸梧平主宰の家庭雑誌『団欒』に関する調査④」において紹介した。今回は,その『団欒』の中でも、雑誌『青鞜』の作家でもある加藤みどりについて紹介する。
著者
手代木 琢磨 山本 秀夫 坂本 宗仙 砺波 宏明
出版者
The Society of Fiber Science and Technology, Japan
雑誌
繊維学会誌 (ISSN:00379875)
巻号頁・発行日
vol.36, no.12, pp.T560-T563, 1980
被引用文献数
8

8種類のアミノデオキシセルロースと6-アミノ-6-デオキシデンプンをジメチルホルムアミドーSO<sub>3</sub>錯体で硫酸化して,抗血液凝固剤として有名なヘパリンに類似した構造をもつ,酸性ムコ多糖同族体を合成した。生成物のイオウ含有量は,原料の窒素含有量に無関係に10~12%で,これは硫酸基の置換度がほぼ1に該当する。ただし6-アミノ-6-デオキシセルロースは例外で,その硫酸化に対する反応性は非常に低く,イオウ含有量は約7%であった。またこの原料の選択的N-硫酸化をピリジンーSO<sub>3</sub>錯体で行うと,約半分のアミノ基が反応し,イオウ含有量は約4%であった。さらにこれらの生成物の赤外吸収スペクトルを測定し,比較険討した。
著者
眞鍋 史乃
出版者
日本応用糖質科学会
雑誌
応用糖質科学 : 日本応用糖質科学会誌 = Bulletin of applied glycoscience (ISSN:21856427)
巻号頁・発行日
vol.2, no.4, pp.231-233, 2012-11-20
参考文献数
8

生理活性を持つ糖鎖の中には,抗血液凝固剤であるヘパリンや抗生物質など1,2-cis糖アミノ構造を有するものが多い。有機合成化学による糖鎖合成はこの20年間に非常に大きく進歩したが,1,2-cisアミノ糖の合成は,選択性などの点からいまだ問題がある。我々は,2,3-transカーバメート基を持つ糖供与体が,非常に高い1,2-cis選択性を示すことを見出し,ピロリ菌増殖抑制が期待される糖鎖の合成に成功した。また,弱い酸性条件において,1,2-trans体から1,2-cis体への異性化反応を起こすことを見出し,ピラノシドにおいてのendocyclic cleavage反応の存在を明らかにした。
著者
宮本 晃 長谷川 隆光 北村 信三 梅田 正五 川野 幸志 進藤 正二 陸川 秀智 塩野 元美 小笠原 弘二 並木 義夫 折目 由紀彦 瀬在 幸安 渥美 和彦 藤正 巌 井街 宏
出版者
JAPANESE SOCIETY FOR ARTIFICIAL ORGANS
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.604-607, 1986

開心術後のLOS症例と, 体外循環からの離脱困難症例2例に補助循環として補助人工心臓を使用した。症例1は61才女性, AR+MRの診断にて二弁置換術を施行, 症例2は23才女性, MR+TRの診断にて僧帽弁置換術と三尖弁弁輪形成術を施行, 症例3は急性心筋梗塞症に心室中隔穿孔と左室瘤を合併し, 穿孔部閉鎖術と瘤切除を施行した。このうち2例は離脱可能であったが, 3例とも救命できていない。補助人工心臓の効果についての異論はないが, 成績向上のためには補助心臓シヌテム運用面における問題点を解決する必要があり, 本シヌテムの改良点を含めて経験症例を検討した。補助心臓ポンプの容量およびカニューレのサイズは, 抗血液凝固剤の使用を減少させる意味で最小限とした。適応基準については既に確立されているが, 運用面では補助心臓適用時期の問題, 補助心臓とIABP併用の際の駆動時相の問題, さらに補助循環中の心拍出量等について解析を加えた。
著者
三須 俊宏 Toshihiro Misu 獨協医科大学越谷病院耳鼻咽喉科 Department of Otorhinolaryngorogy Koshigaya Hospital Dokkyo University School of Medicine
雑誌
Dokkyo journal of medical sciences (ISSN:03855023)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.57-63, 2004-03-25

好酸球類粒蛋白の一つであるECPは,気道上皮障害を引き起こす事が知られている.血清ECPは,喘息や鼻アレルギー症状の重篤度を,反映していると報告されているが,血漿ECPは,血清ECPに比べ,常に低値となる.その値の違いが生じる理由を解明するため,アレルギー性鼻炎の症例を対象にして,検討した.患者血液を3種類の試験管に採血した.血液凝固剤入り,抗血液凝固剤入り,無添加の3種類である.その結果,血清ECPは,血漿ECPに比べ,常に高値を示した.しかも凝固剤を入れた血清ECPの方が無添加の血清ECPより高値であった.血清採取後の血餅中に存在する好酸球は,細胞膜が破綻し,顆粒の空胞化も顕著であった.一方,血漿採取時に生じたbuffy coat中の好酸球は,正常な形態を示すものが,大部分であった. ECP値は,好酸球細胞膜の破綻程度と有意な相関を示した.空胞化した顆粒を待った好酸球の細胞膜が破綻した時は,更なるECP高値を示した.以上の結果よりECPは,採血後に好酸球が,血餅という物理的な圧迫を受け,細胞崩壊をきたし,放出されるものと思われた.従って血清ECPは,好酸球の崩壊しやすさを,測定しているものであると思われた.ECP is one of the basic proteins in eosinophil granules. It is known that the serum ECP reflects well the seriousness of asthma and nasal allergy. But ECP does not exist in the blood stream. It is detected in the blood serum preserved in the test tube for one hour, especially with blood coagulant. Only a small amount of ECP is detected in the blood plasma. One hour after blood collection, the blood was centrifuged and ECP in serum and blood plasma was measured by radioimmunoassay. The eosinophils in cruor and buffy coat were observed by electron microscope. Ten to fifteen eosinophils in each test tube were observed. The value multiplied the factor of the destruction of the cell membrane by the factor of the vacuole change of the granules was defined as destruction index. The highest ECP value was detected in serum with blood coagulant, the lowest ECP value was in blood plasma and middle value was in serum with additive free (p = 0.0063). Most eosinophils in buffy coat had intact cell membrane, but many eosinophils in cruor were destroyed. The degree of the destruction of the cell membrane and the destruction index showed the significant difference in 3 groups. The ECP value (ECP/Eosinos) showed the significant correlation both with the degree of destruction of the cell membrane (p = 0.0030) and the destruction index (p = 0.0021). It is concluded that ECP in serum was released from destroyed eosinophils in test tube during clot formation after the blood collection. It is considered that the eosinophils compressed in clot formation cause destruction. Therefore, the level of serum ECP indicates the easiness of eosinophil destruction.
著者
黒山 政一 熊野 和雄 村瀬 勢津子 朝長 文弥 酒井 糾
出版者
The Japanese Society for Dialysis Therapy
雑誌
日本透析療法学会雑誌 (ISSN:09115889)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.525-532, 1993

血液透析時の抗血液凝固剤としてヘパリン, 低分子ヘパリン, メシル酸ナファモスタットを使用しているHD施行患者の血清を用いて, 代表的なセフェム系抗生剤であるCPM・CET・LMOXの蛋白結合率を血液透析開始直前から透析終了6時間後まで検討した.<br>抗血液凝固剤としてヘパリンおよび低分子ヘパリンを使用したHD施行患者におけるCPMおよびLMOXの蛋白結合率は透析終了直後に低下し, その後, 経時的に透析前値にまで復した. CETの蛋白結合率は透析終了直後に増加し, その後, 前値にまで復した. CPMおよびLMOXの蛋白結合率は血清中のNEFAと負の相関を, CETの蛋白結合率は正の相関を示した. 一方, メシル酸ナファモスタットを使用した場合の蛋白結合率は, いずれの抗生剤においても, 透析前後で殆ど変動しなかった. HD施行患者における透析前後の経時的なセフェム系抗生剤の蛋白結合率の変動は, 透析施行時の抗血液凝固剤として使用されるヘパリンおよび低分子ヘパリンによりリパーゼが活性化され, 血液中のNEFA濃度が変化したことに関連するものと思われる.<br>セフェム系抗生剤のHD施行患者における透析後の蛋白結合率は, 使用するセフェム系抗生剤の種類, 抗血液凝固剤の種類により大きく変化し, その体内動態に大きな影響を与える可能性がある. HD施行患者へのセフェム系抗生剤の投与に際しては, このような蛋白結合率の変化にも十分考慮した投与設計が必要であろう.
著者
伊藤 幹雄 横地 英治 鬼頭 利宏 鈴木 良雄
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.77, no.4, pp.419-425, 1981
被引用文献数
2

糸球体腎炎の発症および増悪において,血液凝固系の役割を明らかにするために,liquoid(Liq)を正常あるいは腎炎ラットに反復投与した場合の影響について検討した.正常ラットに Liq 10mg/kg 毎日1回計22回 i.v. 投与(I群)した場合,尿中への蛋白,N-acetyl-β-glucosaminidase の排泄,血中尿素窒素含量は正常対照群と比較して,ほとんど変わらなかった.また,抗ラット糸球体基底膜ウサギ血清(AGS)[0.5ml/150g体重]のi.v. 投与後15日目から Liq を 10mg/kg,3日目毎に計8回 i.v. 投与(III群)しても,毎日1回計22回 i.v. 投与(IV群)しても,これらの生化学的パラメーターは AGS のみを投与した腎炎対照群(II群)との間に有意差を認めなかった.螢光抗体法による糸球体への fibrin あるいは fibrinoids の沈着は弱かったが,10匹中I群およびII群では2匹,III群では8匹,そしてIV群では10匹に認められた.光顕所見ではI群においても係蹄壁とボウマン嚢との癒着,富核,半月体形成や硝子化を示す糸球体が少数例認められた.腎炎ラットに対する Liq の影響に関して,特に硝子化が顕著となり,硝子化を示す糸球体はII群ではわずか17%であるのに対してIII群では14%,IV群では55%であった.他の糸球体変化は富核を除いてII群に比しIII群では変わらなかったがIV群では明らかに増加を示した.しかし富核は逆にIII群,IV群では減少した.糸球体毛細管腔閉鎖はI群でも軽度ながら認められた.また腎炎群においてはII群に比しIV群ではその閉鎖の程度は明らかに強度であった.以上の結果から,糸球体内の血液凝固亢進が,糸球体腎炎の発症,増悪の主要な因子と考えられる.
著者
黒山 政一 熊野 和雄 本橋 茂 村瀬 勢津子 朝長 文弥
出版者
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
雑誌
The Japanese Journal of Antibiotics (ISSN:03682781)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.323-330, 1993

代表的な経口用セフェム系抗生剤であるCefdinir, Cefixime, Ceftibutenの蛋白結合率を, 健常人及びContinuous ambulatory peritoneal dialysis (CAPD) 施行, Hemodialysis (HD) 施行の慢性腎不全患者各6名の血清を用いて, 平衡透析法により同一条件下で比較検討した。慢性腎不全患者における各経口用セフェム系抗生剤の蛋白結合率は健常人と比較して低下し, 明らかな遊離型薬物濃度の上昇がみられた。HD施行患者の透析前後における検討において, 抗血液凝固剤としてヘパリンナトリウムを使用した場合, 各経口用セフェム系抗生剤の蛋白結合率は, 透析開始直前と比較し透析終了直後で明らかに低下していた。一方, 抗血液凝固剤としてメシル酸ナファモスタットを使用した場合, 各経口用セフェム系抗生剤の蛋白結合率はほとんど変動しなかつた。代表的な遊離脂肪酸の一つであるパルミチン酸を添加した健常人プール血清を用いた検討では, 各経口用セフェム系抗生剤の蛋白結合率はパルミチン酸の添加量が増すと共に減少した。ヘパリンナトリウムを使用したHD施行時の蛋白結合率の変動は, 透析時に使用されるヘパリンによりリパーゼが活性化され血清中の遊離脂肪酸濃度が増加したたあと思われる。<BR>CAPD施行患者の蛋白結合率低下の要因に関しては, 今後更に検討したいと考えている。<BR>今後, 慢性腎不全患者への経口用セフェム系抗生剤の投与に際しては, このような蛋白結合率の変動をも考慮した投与設計が望まれよう。