著者
高田 誠二
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.137-141, 2003
参考文献数
20

作用量子定数hは1900年末にプランクによって提唱され,有効3桁の数値を与えられたが,この業績にノーベル賞が与えられるまでには18年の歳月が必要であった。この時間差を学術と社会の両面から分析し,供せて,プランクの諸活動が日本の物理教育に及ぼした影響を総括する。
著者
Kudo Toshiyuki Yamamoto Hiroaki Sato Seiji SUTOU Shizuyo
出版者
THE SOCIETY FOR REPRODUCTION AND DEVELOPMENT
雑誌
The Journal of reproduction and development (ISSN:09168818)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.101-107, 1996-05-01
参考文献数
28
被引用文献数
1 10

Aromatase (EC 1.14.14.1.) is a key enzyme of feminizing hormone biosynthesis and catalyzes the conversion of androgens to estrogens. In birds, sex-steroid hormones, especially estrogens, play a critical role in the development of the gonadal glands and the aromatase is one of the most important factors in sex determination. Herein, we cloned the 5' upstream regions of chicken and quail aromatase genes and determined these sequences, which showed high homology between chicken and quail. Moreover, the transcription initiation site of the chicken aromatase gene in early development was determined by the 5'-RACE method. The findings showed that the transcription of the chicken aromatase gene starts from a more upstream site than previously reported.
著者
高田 誠二 Seiji TAKATA 久米美術館
出版者
日本計量史学会
雑誌
計量史研究 = Bulletin of the Society of Hist[o]rical Metrology, Japan (ISSN:02867214)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.29-34, 2004-06-30
参考文献数
9
被引用文献数
4

Amano Kiyosi (1907-1945), who was an able physicist and a distinguished historian of science but killed by the air raid 4 months before the termination of the W.W.II, performed extensive researches, both bibliographical and experimental, on the Japanese weights and measures of historical importance. Summarized in this paper are the achievements as well as the legacy of his researches, particularly on l) the relation between the old Japanese and the modern Metric units of length, 2) the variety of the local standards of volume in the feudalistic era of Japan and 3) the actual mass of the traditional weights preserved by several museums in Japan.
著者
大蔵省
出版者
財務省
巻号頁・発行日
no.(384), 1984-04-30
著者
伊丹 宏三
出版者
日本水産増殖学会
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.119-125, 1964-10-30 (Released:2010-03-09)
参考文献数
8

明石瀬戸西部鹿ノ瀬において, 昭和38年7月5日~17日の間4回にわたり, マダコの標識放流を行ない, その移動について検討し, また標識について簡単な実験を試みた。1) 平均体重3419のマダコ約1, 600個体について焼印により標識し, 9月2日までに14個体を再捕, その全再捕率は0.9%成長率は1ケ月半で約3倍に達した。2) 放流点から最遠隔地点で再捕されたのは, 播摩灘で48km, 大阪湾で30kmのところであった。3) 鹿ノ瀬と大阪湾北西部の横瀬との関連は密接のようで, この時期における瀬と瀬への渡りはかなり存在するようである。4) point表示による焼印標識は, 施術後の減粍は殆んどないが, その標識の識別は時日の経過と共にかなり熟練を要するので, 標識の明確化を図る上に更らに検討を加える必要がある。
著者
宇丹 裕一朗 稲木 雅人 永山 忍 若林 真一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. VLD, VLSI設計技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.450, pp.115-120, 2012-02-28
参考文献数
7

バイオインフォマティクスやデータベース検索で使用されている近似文字列マッチングにおいて,より高度なマッチングを行うため,正規表現を扱うシストリックアルゴリズムとそのFPGA実装法が提案されている.しかし,このFPGA実装では,DNAの配列検索などに必要な長いパターンを扱うことができない.そこで本研究では,スケーラブルな処理が可能なGPU上での近似正規表現マッチングの高速解法を提案する.また,FPGA実装と比較することで近似正規表現マッチングをGPU上で実装することの有用性を検証する.実験の結果,CPUと比較してFPGA実装が8.3倍,GPU実装が2.9倍高速に実行できることが分かった.特に,パターン長が3200以上の場合,CPUと比較してGPU実装では18倍以上の高速化ができた.また,FPGA実装ではパターンの文字数がFPGAの規模に制限されるのに対し,GPU実装ではFPGA実装よりも長いパターンを容易に扱えることを確認した.
著者
津川 定之
出版者
日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.13, no.7, pp.946-949, 1995-10-15 (Released:2010-08-10)
参考文献数
10
著者
秋友 和典
出版者
京都大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1993

南極周極流(ACC)を構成する主要な前線の周極構造とその熱・物質輸送に果たす役割を明らかにするため、これらを再現できる高分解能数値モデルにより、南緯20度以南の現実の地形を用いて、季節変動を含む現実的な水温、塩分分布及び風応力場によって流れを駆動するという診断的手法で数値実験を行った。その結果、ACCの前線は南極大陸を一周して連続してはおらず、海嶺や海台など起伏の大きな海底地形に対応して明瞭な前線構造を持つのに対して、海盆など平坦な海底地形の海域では前線が不連続になることが分かった。これら海底地形の起伏に対応したACCの前線は、ほぼf/Hの等値線に沿った流れが、この等値等の海嶺線が影響で収束するのに対して、水平的に収束することで生ずる。更に、これらの前線は周極で完全な水の境界ではなく、これを横切る海水の輸送は、前線が不連続な海域ばかりでなく連続な海域でも存在し、その量はほぼ等しくともに重要であることが分かった。時間平均流によって、これらASF及びPFを横切る正味の熱輸送は、ほぼ0ないしは北向きで、観測による南向きの熱輸送とは一致せず、時間変動流による熱輸送の重要性があらためて確認される。しかし、本研究で明らかになった前線域を横切る水平的な海水輸送は、観測と一致して南向きの熱輸送を担っており、ACCの前線域を横切る熱輸送過程に対して、少なからぬ役割を果たしていることが明らかになった。
著者
市栄 誉
出版者
日本海洋学会
雑誌
日本海洋学会誌 (ISSN:00298131)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.105-120, 1980-05-30 (Released:2011-06-17)
参考文献数
30
被引用文献数
1

海底摩擦および水平渦粘性を考慮した順圧モードの南極周極流 (以下A. C. C. と略す) に対する無次元方程式を導いた. 流線に沿って渦度方程式を積分すると, 水深をコリオリパラメーターで割った量の値にのみ依存する0次の流線が得られる. 流線に沿って運動方程式を積分すると, 風の応力による運動量の入力と海底摩擦および水平渦粘性による運動量の消散との間の関係式が得られる.この関係式により得たA. C. C. の全流量はKAMENKOVICH (1962) が鉛直粘性102cm2s-1を用いて得た値の1/3であるが, この式からBRYAN and Cox (1972) が求めた全流量がモデルによって異っている原因を説明できる.彼らは水深が一定であるモデルと変化するモデルを用いて, 鉛直粘性係数1cm2s-1の場合, それぞれ650×106m3s-1と32×106m3s-1の流量を得ている. 高い流量は主にA.C.C.の幅が大きくなることによって生じる. 一方, 低い流量は流れの幅が細くなって蛇行することにより (A. C. C. の両側で生じる摩擦による) 水平渦粘性が増加し, さらに風による応力の入力が一定水深に対するほとんど帯状流の流れの場合より小さくなることによって生じる.付記では地衡流を与えて海底の摩擦応力の大きさを正しく推定するための海底境界層の力学を考察した. さらにその理論をフロリダおよびサン・ディエゴ沖の海峡における海底境界層内の流れの最近の観測結果と比較した.
著者
青木 亮三
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌 (ISSN:00047120)
巻号頁・発行日
vol.3, no.9, pp.711-716, 1961-09-30 (Released:2009-03-26)
参考文献数
5

大気中塵埃放射能の濃度を東京国分寺で1959年4月から1961年6月まで測定した結果, 60年および61年の春季増大(約4~5倍)を検出した。圏界面上放射能蓄積量の拡散降下による減少半減期は300~400日程度と得られた。 γ線スぺクトル測定解析によって, 1959年3月採集の試料から144Ce-144Pr, 106Ru-106Rh, 137Cs-137mBaを, 1960年2月~7月採集の試料から144Ce-144Pr, 106Ru-106Rh, 95Nb, 103Ruを検出した。スぺクトル解析に用いたシンチレータピーク効率にはウェル型NaIのcascade-sum効果を考慮した。
著者
金子 順一
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1247, pp.149-152, 2004-06-21

私どもホテルオークラ福岡は前期(2004年3月期)末までに、取引先の金融機関6行と株主で運営委託先のホテルオークラから総額約140億円の債権放棄を実行していただきました。関係する方々には、ご迷惑をおかけして大変申し訳ありませんでした。破綻するのが目に見えていた 金融支援を実行していただいた背景には、収益力を上回る財務悪化がありました。
著者
大木 友美:筆頭著者 水谷 郷美 城丸 瑞恵
出版者
昭和大学保健医療学部
雑誌
昭和大学保健医療学雑誌 (ISSN:1349029X)
巻号頁・発行日
no.10, pp.45-49, 2012-08

A看護系大学では、成人看護学実習(周手術期)における学生の学びを深め共有させるために、15日間ある実習期間中の10日目に学内でデモンストレーション(以下デモ)「個別性を活かした看護援助」を実施している。今回、2010年9月~2011年1月に実施した学生102名に質問紙調査を行い、「デモ実施までの準備状況」「デモでの学び」「デモの必要性」「デモ実施の困難性」などについて回答を求めた。結果、準備状況については多くの学生がデモ前に周手術期の看護ケアを経験する機会を得ていた。デモによる学びは約9割の学生が実感していたが、実習期間中にデモが必要であると答えた学生は約4割にとどまった。デモ実施の困難性については、「とても難しい」と答えた学生が3%、「やや難しい」が38%、「簡単」が4%、「どちらとも言えない」が56%であった。「とても難しい」「やや難しい」と答えた群(以下A群)と、「簡単」「どちらとも言えない」と答えた群とで、デモ実施までの準備期間を比較したところ、A群のほうが有意に長かった。