1 0 0 0 OA 海舟全集

著者
勝安芳 著
出版者
改造社
巻号頁・発行日
vol.第4巻, 1929
著者
渡辺 晃 分部 利紘 綿村 英一郎 高野 陽太郎
出版者
日本認知心理学会
雑誌
認知心理学研究 (ISSN:13487264)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.23-30, 2015

系列学習に関する研究により,学習後に睡眠を経ることで,先行チャンク内項目の検索と並行した後続チャンク内項目の検索が促進されるという,"記憶の固定化"が示されてきた.しかし,学習した系列の記憶表象に睡眠がいかなる変化をもたらすのかについては未解明であった.われわれは,学習後の睡眠がチャンク間の結合を強化するのか,それとも,個々の項目間の結合を強化するのか検証した.参加者は二つのチャンクにより構成された系列を学習した後,その系列の中間部分,すなわち先行チャンクの後半から後続チャンクの前半にかけての部分系列を,それ単体もしくは系列全体の一部として実行した.結果,同部分系列に対する運動速度が睡眠により向上したのは,それを系列全体のなかに埋め込む形で実行した場合にのみ限られた.これは,睡眠が強化するのは項目同士ではなくチャンク同士の結合であること,およびチャンクの構造は記憶の固定化後も保持されていることを示唆する.
著者
清水 寛之 金城 光
出版者
日本認知心理学会
雑誌
認知心理学研究 (ISSN:13487264)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.13-21, 2015

本研究の目的は,日常記憶質問紙(the Everyday Memory Questionnaire, EMQ)を用いて,成人期における日常記憶の自己評価に関する発達的変化を明らかにすることである.299名の一般成人(1925歳の若齢者99名,3855歳の中年者97名,6375歳の高齢者103名)が本調査に参加し,日常生活における記憶活動の忘却や記憶失敗に関する28項目についての発生頻度を"最近6カ月で1回もない"から"日に1回以上"までの9件法で評定した.先行研究(清水・高橋・齊藤,2006, 2007など)によるEMQの因子構造に基づいて全項目を五つの下位項目群に分類したうえで項目群ごとに各年齢群の評定値を比較したところ,その発達的変化は(a)若齢者=中年者=高齢者,(b)若齢者>中年者>高齢者,(c)若齢者=中年者>高齢者,(d)若齢者>中年者=高齢者,(e)若齢者>高齢者,の五つのパターンに分かれた.日常記憶の自己評価は成人期に自己の記憶能力に対して悲観的な見方から楽観的な見方へと段階的に移行していくことが示唆された.
著者
日隈 美代子 漁田 武雄
出版者
日本認知心理学会
雑誌
認知心理学研究 (ISSN:13487264)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.1-11, 2015
被引用文献数
1

三つの実験によって,主観的新旧反応率によるキャリブレーション曲線と,名義的新旧反応率によるキャリブレーション曲線と比較することにより,意味情報と感覚情報が再認の正確さと確信度評定の関係に与える影響を調べた.これらの実験において,学生(<i>n</i>=273)は単語の意図学習を行い,その後,再認テストと自身の再認判断に対する確信度を評定した.意味情報のキャリブレーション曲線に対する影響を調べるため,新旧の項目の紛らわしさを変化させた.実験1(視覚)と2(聴覚)は,学習と再認の提示を,同一の感覚モダリティで行った.実験3は,聴覚提示による学習と,視覚提示による再認テストを行った.名義的反応率の分析は,先行研究の結果と同様に,意味的な紛らわしさが影響し,新項目は傾きが小さい,もしくは右下がりのキャリブレーション曲線を示した.対照的に,意味情報か感覚情報のどちらかが再認判断に使用可能であれば,主観的反応率の分析では正のキャリブレーション曲線になった.本研究の結果は,再認判断での主観的反応率での分析の重要性を示している.
著者
大野 秀夫 大野 和夫 小椋 正 木村 光孝
出版者
一般財団法人 日本小児歯科学会
雑誌
小児歯科学雑誌 (ISSN:05831199)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.653-660, 1986-12-25 (Released:2013-01-18)
参考文献数
13

乳歯生活歯髄切断処置後,乳歯の生理的歯根吸収が健全乳歯の場合と同様に進行しているか否かを検討するため,生後3カ月前後の幼犬の乳歯に,覆髄剤として,水酸化カルシウムを主成分とするCalvitalを使用し,生活歯髄切断処置を施し,病理組織学的に検索した。乳歯生活歯髄切断処置後の生理的歯根吸収は,健全な対照歯と比較し,組織学的にはほぼ同調した吸収状態を示した。このことは,乳歯生活歯髄切断処置が生理的歯根吸収に対して,何ら影響を与えているとは考え難く,乳歯の歯髄処置として,非常に意義あるものと考えられた。
著者
八若 保孝
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

根管治療におけるリーミング・ファイリングは根管内壁にスメア層を形成する。本研究は、このスメア層を除去する根管洗浄方法の確立を目的とした。その結果、永久歯ではEDTAあるいはEDTAとNaOClを併用して超音波洗浄を行う方法が、スミヤー層を効果的に除去し、乳歯ではNaOClの超音波洗浄を行う方法がスミヤー層を除去することが示された。超音波の根管洗浄への使用は、水酸化物イオンの拡散に有効であることが示唆された。
著者
南谷 林太郎
出版者
公益社団法人 腐食防食学会
雑誌
Zairyo-to-Kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.265-271, 2007-06-15 (Released:2007-12-01)
参考文献数
18
被引用文献数
7 11

硫黄ガス環境での銀の腐食を管形容器および箱形容器を用いて検討した.単体硫黄から放出される硫黄ガスは,管形容器内の銀板および箱形容器内の腐食センサの銀電極と反応する.銀板の表面に形成された腐食生成物の厚さはカソード還元法により,銀電極の表面に形成された腐食生成物の厚さはレジストメトリにより測定した.暴露後に銀板および銀電極の表面に形成された腐食生成物を分析し,硫化物であることを確認した.単体硫黄から放出される硫黄ガス環境で銀の腐食速度を決定するのは硫黄ガスの拡散である.単体硫黄から放出される硫黄ガス環境での銀の腐食速度は,腐食反応を考慮した拡散ネットワークモデルを用いて推定される.硫黄ガスは,3×10-5の反応確率に対応する一定速度で銀と反応する.この推定技術は,電子装置の効果的な防食対策を検証し,装置信頼性を向上させるのに有効である.

1 0 0 0 本末謌解

著者
岩政信比古著
出版者
柏原屋清右衛門
巻号頁・発行日
1850
著者
武田 俊一 金子 弘昌 船津 公人
出版者
公益社団法人 日本化学会・情報化学部会
雑誌
ケモインフォマティクス討論会予稿集 第38回ケモインフォマティクス討論会 東京
巻号頁・発行日
pp.100-103, 2015 (Released:2015-10-01)
参考文献数
12

新薬を開発するために新薬となる可能性の高い多様な構造からなるライブラリを構築する手法の開発が求められている。我々はそのような手法として化学空間上の任意の領域に構造を多数生成する手法であるde novo design algorithm for exploring chemical space (DAECS)に注目し、その改良を行った。DAECSはリガンドデータで規定された部分空間上の特定の領域に存在する構造のみを生成することができる。しかしDAECSでは多様性の高い構造を生成することと活性値以外の性質を考慮することができない。本研究ではこの問題を解決するために部分構造を用いた構造変化及び化学空間上のドラッグライクネス分布の可視化を用いた領域選択を導入した。GVKのデータベースより取得したヒトalpha2Aアドレナリン受容体に対するリガンド活性データを用いて手法の優位性を確認したところ、ドラッグライクネスを考慮したうえで高い活性が期待できる構造を多様に生成できることを確認できた。
著者
荒川 正幹 長谷川 清 船津 公人
出版者
公益社団法人 日本化学会・情報化学部会
雑誌
Journal of Computer Aided Chemistry (ISSN:13458647)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.1-7, 2000 (Released:2000-08-03)
参考文献数
6
被引用文献数
5 2 6

3次元構造活性相関において活性コンフォメーションと重ね合わせルールを決定することは、モデルの適用能力を左右する重要な因子である。これら因子は互いに密接な関連があり、X線結晶解析などの構造情報がない場合には、容易には推定できない。本論文では、4way PLS法による合理的な活性コンフォメーションと重ね合わせルール推定法を提案する。4way PLS法はPLS法の変数を2次元の行列から4次元配列へと拡張した手法であり、PLS法と比較しノイズに強い安定なモデルを得ることが可能である。本論文では、Glycogen phosphorylase b(GPb)の阻害剤であるGlucose誘導体47サンプルを用いたCoMFA解析に本手法を適用した例を示す。サンプル、フィールド変数、コンフォメーション、重ね合わせルールからなる4次元配列を説明変数とし4way PLS法で阻害活性との関係を検討した。そしてモデル係数値を用い阻害活性に大きく寄与する活性コンフォメーションと重ね合わせルールの推定を行い良好な結果が得られた。またX線結晶解析によるGPbの3次元構造との関係について考察を行った。
著者
丸谷 宜史 間瀬 健二 平山 高嗣
出版者
人工知能学会
雑誌
研究報告 ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.4, pp.1-4, 2011-05-20

多視点スポーツ映像はスポーツ映像を自由な視点から見ることを可能にする一方で,視聴者にとっては視点やシーン選択の自由度が増えるため,見たいシーンの選択に負担がかかる.このため,ハイライトシーンを提示することで視聴を支援することは重要である.本研究ではスポーツ映像としてフィギュアスケートを対象とし,選手の演技内容をタグとして付加することでハイライトシーンを提示することを目指す.その実現のため,撮影と同期してリンク上の選手の状態をレンジスキャナにより計測し,獲得したレンジデータに対して演技に応じた処理を行うことで選手の演技を検出する手法について検討を行った.It is necessary to support viewing multiple view sports videos because there are so many view points and scenes in the multiple view sports videos.We aim to tag scenes on the multiple view sports videos according to players' actions in order to support viewing the multiple view sports videos. To achieve this goal, we use range scan camera to capture player's position data without using wearable sensors. By processing the range data according to the players' actions, we segment the multiple view sports videos into scenes.
著者
荒川 正幹 長谷川 清 船津 公人
出版者
公益社団法人 日本化学会・情報化学部会
雑誌
Journal of Computer Aided Chemistry (ISSN:13458647)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.99-106, 2002 (Released:2002-08-23)
参考文献数
15
被引用文献数
1 1

CoMFA法をはじめとする多くの3D-QSAR手法において、対象とする分子構造を適切に重ね合わせることは、解析を成功させるための重要な因子であるため、種々の重ね合わせ手法が提案されている。著者らもHopfield Neural Network(HNN)を用いた新しい分子構造重ね合わせ手法を提案しており、COX-2阻害剤のCoMFA解析に適用し良好な結果を得ている[M. Arakawa, K. Hasegawa, K. Funatsu, Journal of Computer Aided Chemistry, 3, 63-72 (2002)]。本研究ではこの重ね合わせ手法のさらなる有用性を検証するため、human epidermal growth factor receptor-2 (HER2)阻害剤の3D-QSAR解析を行った。HER2阻害剤27化合物について、HNNによる重ね合わせを行い活性配座を推定した後、CoMFA法による3D-QSAR解析を行った結果、R²=0.805、Q²=0.701の良好なPLSモデルが得られた。また、その回帰係数の等高線図についての考察を行い、このモデルが妥当であるとの結論を得た。
著者
荒井 経
出版者
東京芸術大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

日本画を規定する材料となった近代の岩絵具と和紙の起源と普及を多角的な手法で調査し、岩絵具については明治30年代から40年代、和紙については大正後期から昭和初期に主な開発と普及があったことを明らかにした。また、1980年代以降の留学生によって中国に伝播した日本画技法を調査し、伝播の経緯と普及状況を把握した。
著者
丸島 令子 有光 興記
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.78, no.3, pp.303-309, 2007-08-25 (Released:2010-07-16)
参考文献数
13
被引用文献数
7 11

The generative concern scale (GCS) and the generative behavior checklist (GBC) based on the multifaceted model of generativity (McAdams & de St. Aubin, 1992) were reconstructed based on item analysis in preliminary research. The reconstructed scales were administered to 996 adults. Factor analysis of GCS-R and GBC-R data revealed the following three factors which showed high internal consistency: offering, maintaining, and creativity. Significant positive correlations between the GCS-R and the GBC-R implied that generative concern may lead to generative behavior. The GCS-R and GBC-R showed significant positive correlations with the Erikson Psychosocial Stage Inventory (Nakanishi & Sakata, 1993) and the Inventory of Psychosocial Balance (Domino & Affonso, 1990), which supports concurrent validity. Adults with higher scores on the GCS-R were more extroverted, open-minded to experiences, and the less depressive based on scores on the Big Five Scale (Wada, 1996) and the Beck Depression Inventory (Hayashi & Takimoto, 1991). These results indicate convergent and predictive validity.
著者
崔 在東
出版者
政治経済学・経済史学会
雑誌
歴史と経済 (ISSN:13479660)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.15-31, 2011-01-30

From the late 19th century to the early 20th century, there was a ten-fold increase in fire incidents in rural Russia. In particular, from the beginning of the 20th century until right before WWI there was a two- to three-fold increase in fire incidents in comparison to the end of the 19th century. Arson was the cause of some 30 percent of these fires, but in some regions and provinces over 50 percent were caused by arson. Fires did not necessarily lead to bankruptcy for Russian peasants, but were an opportunity to receive a significant payment of insurance money that enabled them to reset their economic situation. Peasants in Moscow province actively purchased coverage in the higher zemstvo additional insurance program, the zemstvo voluntary insurance program and from fire insurance companies. As a result in 1904, more than 40 percent of those who purchased zemstvo compulsory insurance coverage received 70 to 80 percent of the registered value of the insured asset, the value of which was frequently overestimated two or three times. 50 percent of policy holders of zemstvo compulsory insurance received payouts in 1909, while more than 60 percent did so in 1914. Farmers in Russia did not consider it a shame or a crime to cause arson, if it was not harmful to others. They saw arson as a quicker and more secure way to resolve the economic difficulties of rural management than bringing issues to the courts, which took into consideration various interests, or by bringing issues forward for an administrative procedure. It was not only quicker and easier to receive a large insurance payout for fire and arson, but insurance payouts also resolved the problems more quickly. In addition, there were very few cases where a suspect of arson was tried and punished as a criminal. During WWI and the Russian Revolution in 1917, there was a sharp decrease in the number of fire incidents. The primary reason for this was that the economic gain from insurance payouts decreased remarkably due to the sudden rise of prices for building materials and of worker pay. For this reason, in contrast to the 1905 Revolution, farmers seeking to restart their businesses during the revolutionary period beginning in 1917 were extremely careful about fire and arson.