著者
森田 喜紀 神田 健史 山本 祐 古城 隆雄 小松 憲一 梶井 英治
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.363-365, 2014 (Released:2014-12-24)
参考文献数
1

自治医科大学地域医療学センターは, 平成25年度より栃木県小山市で始まった「小山の地域医療を考える市民会議」の活動を行政と共に支援してきた. 行政・医療者・市民が市民会議で担う役割を明確にし, とくに市民が無理なく市民会議の主役を担えるように活動の企画や運営の支援を行ったことが, 市民の意識変化や市民会議の活性化に繋がったと思われた.
著者
三島 浩路
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.121-129, 2003
被引用文献数
3

本研究は, 学級内における児童の呼ばれ方と, 学級内における児童の相対的な強さやインフォーマル集団との関係について検討したものである。学級内における児童の相対的な強さと呼ばれ方との関係を分析した結果, 男子児童の場合には, 「くん付け」で呼ばれる児童の方が, 他の呼び方で呼ばれる児童に比べて学級内における相対的な強さが一般的に強いという結果が得られた。また, 女子児童の場合には, 「ちゃん付け」や「あだ名」で呼ばれる児童に比べて, 「さん付け」で呼ばれる児童の方が, 学級内における相対的な強さが一般的に弱いという結果が得られた。次にインフォーマル集団内での児童の呼ばれ方と, 集団外の児童からの呼ばれ方について分析した。その結果, 男子児童に比べて女子児童の方が, 集団内での呼ばれ方と集団外からの呼ばれ方が異なる児童が多いという結果が得られた。さらに, インフォーマル集団の内外で呼ばれ方が異なる児童について, 呼ばれ方がどのように異なるのかを分析した。その結果, 女子児童の場合には, 集団外の児童からの呼ばれ方がより丁寧であるという結果が得られたが, 男子児童の場合には, インフォーマル集団内外からの呼ばれ方にこうしたちがいはみられなかった。
著者
小幡 拓弥 杉山 卓弥 保木 邦仁 伊藤 毅志
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2009論文集
巻号頁・発行日
vol.2009, no.12, pp.51-58, 2009-11-06

本稿では、将棋プログラムの新たな並列処理手法である”合議アルゴリズム”を提案し、その効果について検証した様々な実験を報告する。合議アルゴリズムは複数の思考プログラムの意見を集めて指し手を決定する手法で、疎結合マルチプロセッサにおける動作によく向いている。筆者らは合議アルゴリズムを用いて強豪プログラム同士を連結し、より強いプログラムを作ることに成功した。また、単一の思考プログラムから簡易な方法で複数のプレイヤを作り合議させる手法を提案し、その有効性を示した。
著者
仲野 健一 川瀬 博 松島 信一
出版者
公益社団法人 日本地震工学会
雑誌
日本地震工学会論文集 (ISSN:18846246)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.1_38-1_59, 2015 (Released:2015-02-25)
参考文献数
51
被引用文献数
2

スペクトルインバージョン手法に基づき加速度フーリエスペクトルから分離抽出された強震動特性の性質について詳細な検討を行った。伝播経路特性としてのQモデルについて既往の研究と比較し、減衰傾向の新たな知見が得られた。また、サイト増幅特性の方位依存性について検討したが、約2Hz以上の高周波域でNS/EW比が2倍 (あるいは0.5倍) 程度になる観測サイトがあることがわかった。分離した震源スペクトルからコーナー周波数fcを読み取り、Brune (1970)の応力降下量および短周期レベルAを計算した結果、川瀬・松尾 (2004)の先行研究との間に顕著な差はないこと、本震と余震の応力降下量には地震モーメント依存性がみられること、壇・他 (2001)の地殻内地震の短周期レベルとは回帰式にもばらつきに対するt検定にも有意な差があること、佐藤 (2003)の短周期レベルとは地殻内地震のばらつきに対するt検定を除いて有意な違いがないことがわかった。
著者
菊地 達夫
出版者
北翔大学
雑誌
生涯学習研究と実践 : 北海道浅井学園大学生涯学習研究所研究紀要 (ISSN:13463535)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.225-234, 2005-03-20

本研究では、伝統的建造物群の多様な活用を、福岡県吉井町の事例を通じて、若干の地理学的考察をする。吉井町は、重要伝統的建造物群保存地区に指定されており、それを中核としたまちづくりをすすめている。具体的には、ひなまつり開催における広域的な地域活性化に加え、自治体、地域住民による独自の試みも展開している。これらの実態について、調査地域への現地観察、関係機関での資料収集、地域住民への聞き取り調査を統合して、論じたい。
著者
中島 孝 神代 達司 村田 智達 益城 久治 中務 澄仁
出版者
九州歯科学会
雑誌
九州齒科學會雜誌 : Kyushu-Shika-Gakkai-zasshi (ISSN:03686833)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.193-196, 1962

Lingual papillae were studied on the zebra (Equus lebra) aged 12 old. The results were summarized as follows. On the dorsal surface of the tongue there were viewed, Papillae vallatae, Papillae foliatae, Papillae fungiformes, Papillae filiformes, and Papillae conus. 1) Papillae vallatae occurring counted 3. They were very large, longitudinal diameter 8∿10mm-, oval or longoval in shape. The taste buds numbering approximately 10-15 were located on the epithelium facing to the groove, but few in the rate of the size. 2) Papilae foliatae were small, longitudinal diameter 10mm, counted approximately 5-6 groove. The taste buds counted approximately 10-15. 3) Papillae fungiformes were distributed on the lateral margin of the anterior of the tongue (5-7 on each side). They lacked taste buds, but in the Lamina propria muoosa nerve fibers bundle were rich. 4) Papillae conus occured on the lateral margin of the tongue (30-40 on each side).
著者
井元 智子
出版者
環境経済・政策学会
雑誌
環境経済・政策研究 (ISSN:18823742)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.14-23, 2014-09-28 (Released:2014-12-11)
参考文献数
22
被引用文献数
1

東日本大震災により発生した大量の廃棄物を迅速に処理することが難しいとの判断により,他の自治体での廃棄物処理の枠組みが提案された.協力したいという意見の一方,受入れる災害廃棄物が放射能に汚染されているのではないか,放射能被害が出るのではないかとの意見も存在する.このような状況下で,最初に受入れを表明した東京都は住民説明会を開催した.本研究はこの住民説明会を対象とし,放射能リスクに対して人々がどのような情報を必要としているのかを明らかにした.解析の結果,人々の属性によって欲している情報に有意な差があることがわかった.また,説明される情報と参加者が欲している情報にギャップがあることも明らかになった.
著者
神野 直彦
出版者
有斐閣
雑誌
ジュリスト (ISSN:04480791)
巻号頁・発行日
no.702, pp.p96-108, 1979-10-15
著者
名倉 泰三 八村 敏志 上野川 修一
出版者
JAPAN BIFIDUS FOUNDATION
雑誌
腸内細菌学雑誌 = Journal of intestinal microbiology (ISSN:13430882)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.7-14, 2004-01-01

アレルギー発症と腸内細菌叢に関する疫学的調査から, ヒト腸内に生息する<i>Bifidobacterium</i> や<i>Lactobacillus</i> などの乳酸菌がアレルギーの予防に寄与することが推測される. 乳酸菌はTh1免疫応答を亢進させることで, アレルギー発症に関わるTh2免疫応答を抑制することが報告されている. 難消化性オリゴ糖の摂取は, 腸内に住み着いている乳酸菌, 特に<i>Bifidobacterium</i> を増殖させることがよく知られている. 我々は, オリゴ糖の一種であるラフィノースがTh1/Th2応答に与える影響について, 卵白アルブミン特異的T細胞レセプタートランスジェニックマウスを使って調べた. トランスジェニックマウスへの卵白アルブミン経口投与によって誘導された腸管膜リンパ節細胞のIL-4産生や血中IgE上昇は, ラフィノース添加食によって有意に抑制された. ラフィノース食によって培養可能なマウス盲腸内細菌の菌数変化が認められなかったため, この免疫応答の変化に関係する腸内細菌の種類は不明であるが, ラフィノースの摂取は, 経口抗原によって誘導される不利益なTh2応答を抑制することが示唆された.
著者
蓮沼 直應
出版者
筑波大学倫理学原論研究会
雑誌
倫理学 (ISSN:02890666)
巻号頁・発行日
no.28, pp.65-80, 2012-03-20
著者
井上 綾野
出版者
目白大学
雑誌
目白大学経営学研究 (ISSN:13485776)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.63-74, 2007-03

本稿は,消費者情報処理モデルに代表される功利的買物行動と対極にある快楽的買物行動の基本的視座を快楽消費との関連で提示する理論的研究と,特定の店舗における快楽的買物動機と支出行動の関連を示す実証的研究から成り立っている。快楽的買物行動は,「快楽消費」から派生した概念でありながら,快楽消費と同一のものとは言い難い。また,功利的買物行動との関連で快楽的買物行動の理論的枠組みを提示する必要がある。さらに,快楽的買物行動の本質に迫るために,どのような楽しさを追求しているのかを知る必要がある。そのために必要とされるのが,買物動機研究の系譜を辿ることである。次に,理論的研究に基づいて実証的研究を行う。その手順は以下のとおりである。第一に,快楽的買物行動における快楽的買物動機を因子分析によって確認する。第二に,店舗別(駅前商店街・コンビニエンスストア・スーパーマーケット・百貨店)にデータを分割し,各店舗における快楽的買物動機とその店舗における支出金額との関係性を,共分散構造分析によって検証する。最後に,その結果に基づいて各店舗における戦略を提案する。
出版者
毎日新聞社
雑誌
仏教芸術 (ISSN:00042889)
巻号頁・発行日
no.277, pp.13-118,図巻頭8p, 2004-11
著者
張 楠
出版者
創価大学日本語日本文学会
雑誌
日本語日本文学 (ISSN:09171762)
巻号頁・発行日
no.23, pp.89-107, 2013-03

本論文は『源氏物語』の中に出てくる上巳(三月三日)の行事を取り上げ,中国の歳時文化と道家の文化が重なっている事実で,古代日本の年中行事における道学思想の受容を考察してみた。具体的に三方面から展開する。一, 上巳の祓いと曲水の宴は,道家思想から生まれた行事である。二, 桃に避邪の呪力があるという道教の信仰に支えられて,桃の花は上巳の祓えの花としての位置を確立して行くのであると思われる。三, 桃の女性象徴は,女の子の無邪気と結び付いて,日本の桃の節供(女の節供)になるかもしれないと思われる。