著者
宮森 恒 中村 聡史 田中 克己
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.46, no.SIG18(TOD28), pp.59-71, 2005-12-15

本稿では,ウェブ上の実況チャットを利用することでテレビ番組のメタデータを自動的に抽出する手法を提案する.実況チャットは,テレビ番組と同期して視聴者によって書き込まれるウェブ上の掲示板である.番組実況チャットのデータを,利用者全体あるいは特定の傾向を持つ利用者のデータ集合として扱い,チャット上に表れる特徴的な表現を認識処理することで,番組の盛り上がり場面や,視聴者の嗜好・興味に沿ったリアクションなど,視聴者視点に関連するメタデータを効率良く抽出できる.実験の結果,提案方式により,視聴者の反応の大きさや喜び,落ち込みなどの感情度数などのメタデータを効率良く抽出できることを確認した.また,提案方式で得られるメタデータを利用した番組視聴システムを実装することにより,シーンのランキング表示やダイジェスト生成など視聴者視点を反映した多様な番組視聴へ応用可能になることを確認した.
著者
名児耶 厚 石川 慎也 小野 裕次郎 市野 学
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 : 日本教育情報学会学会誌 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.3-13, 2007-07-25

近年,少子化・出生率低下を背景とした大学入学者数の減少により,学生募集が困難な大学が出始めている.そのため,既存大学の現状を分析することは,今後の大学の改革や他大学との差別化という意味においても大変重要と考えられる.そこで我々は,大学案内に掲載されている大学の情報から既存大学の分類や特徴付け等の解析を通して大学の現状の分析を試みた.その結果,データをそのまま解析するよりも,いくつかの条件によって分類した上で解析を行うべき,という結果が得られた.さらに,その分類に従って再度解析を進めたところ,隠れていた類似性を検出することができた.本稿における解析対象は関東地区,かつデータを入手可能な大学に限られるが,大学の今後を考えていくにあたって有用な情報が得られたと確信している.
著者
武藤 佳恭 山本 浩之
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J96-B, no.12, pp.1316-1321, 2013-12-01

本論文は,(1)床発電の研究のはじまり,(2)床発電の実証実験と床発電商品としての実施例,(3)熱海市での温泉排熱を利用した温度差発電,(4)ロウソク熱を使った温度差発電,(5)たき火熱,薪ストーブの廃熱,バイクマフラー廃熱,懐炉(カイロ)廃熱などを利用した温度差発電,(6)自然廃熱を利用したマグマ熱発電まで網羅的に紹介する.エネルギーハーベスティングまたはパワーハーベスティングの研究は,新産業創出に貢献できるものと著者らは期待している.関連する測定技術や性能向上のための技術問題についても簡単に述べる.上記のうち,(1)〜(5)は,実証実験,(6)は日本国が実施すべきマグマ熱発電の概要を説明する.
著者
山田 光
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.375-381, 1990-04-30 (Released:2009-03-27)
参考文献数
13

A new method of Differential Non-linearity (DNL) error correction for the successive approximation A/D converter (SAADC) is proposed.The SAADC has very short conversion time and is very useful in various fields. But it has the largest DNL in comparison with any other type of ADC.The DNL is the channel width irregularity of ADC, and is the most difficult error to deal with since it cannot be eliminated by adjustment.The most famous research to equalize the channel width of SAADC is the Gatti's “Sliding Scale Method” proposed 28 years before approximately.This new method of DNL error correction is based upon the peculiar feature of the SAADC.First, the generation mechanism of DNL error is analyzed.Second, a new method of DNL error correction is proposed.Finally, the feasibility of this newly proposed method is confirmed through the computer simulations.
著者
富山房編輯局 編
出版者
富山房
巻号頁・発行日
1918
著者
武藤 多津郎 山本 紘子 宮地 栄一
出版者
藤田保健衛生大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2005

我々はこれまで遺伝性アルツハイマー病(FAD)の原因遺伝子の一つであるプレセニリン1(PS1)の突然変異がもたらす脂質とくに糖脂質代謝への影響を明らかにし、それが神経細胞の情報伝達に如何なる影響を与えるのかを主に脂質ラフトの観点から研究を展開してきた.その結果現在まで下記のような事実を明らかにした.1)変異PS1の発現する神経芽細胞腫では、グルコシルセラミドのsteady state levelが著減しており、したがって全ての種類のガングリオシドもまた著減している.2)この異常は、同じ変異PS1を発現するトランスジェニックマウス脳組織を用いた解析でも確認された.3)これら異常の原因を詳細に調べたところ、グルコシルセラミド合成酵素蛋白量が変異PS1の発現により著明に減少することが明らかとなり、この変異PS1の有するγ-セクレターゼ活性が前記酵素を切断・分解している可能性が示唆された.4)さらに、最終年度ではこうした変異PS1を発現する神経芽細胞腫を用いてパッチクランプ法でイオンチャネル機能を及ぼす影響を調べたところ、変異型細胞ではNaチャネル機能大きな異常が存在することを見出した(論文作成中)5)また、上記のグルコシルセラミドの本症病態発現に於ける意義を探るため、この中性糖脂質に対する自己抗体を有する疾患を同定するためのスクリーニングを神経患者血清を用いて実施し、陽性となる疾患を同定した.これら疾患は何れも亜急性の記憶・認知機能障害を呈する疾患であった(FEBS Lett 2006)
著者
須賀 祐治 荒木 啓二郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.104, pp.13-18, 1997-11-06

本報告ではアソシエーションスキームを用いたゼロ知識対話証明(以下ZKI)を提案する。ZKIPは相手認証やディジタル署名などといった情報セキュリティの技術へと形を変えることができる。今回提案するZKIPは認証方式としてはまだ実用的ではないが、秘密分散方式にも対応できる点で優れている。現在、RSA 等多くの認証方式の安全性を保証しているのは、十分大きな数の因数分解は難しいという事実である。近い将来、効率のよい因数分解のアルゴリズムが発見された時点で、これらの認証方式の安全性が失われることも想定される。本研究はRSA等とは全く別の観点から新しい認証方式を導入することで、これらの事故が起きた場合の一つの代替方式として提案する意味合いも持つ。This paper proposes zero-knowledge interactive proofs (ZKIPs in short) using association schemes. ZKIPs can be transformed into technologies of securities such as authentication, digital signature and so on. Proposed protocols are not practical, but are superior others because these can use as the secret sharing schemes. The difficulties of the solution into factors assure everyone of one's securities. So if useful algorithms for the solution into factors are found, RSA for ferfeits confidence. This paper also proposes a new substitute method by viewing from a different angle.
著者
多田 智彦
出版者
海人社
雑誌
世界の艦船
巻号頁・発行日
no.792, pp.82-87, 2014-02
著者
加瀬 友喜 狩野 泰則
出版者
日本貝類学会
雑誌
貝類学雑誌Venus : the Japanese journal of malacology (ISSN:00423580)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.1-8, 1999-03-31
被引用文献数
2

A bizarre gastropod species, Pluviostilla palauensis from a shallow-water, submarine cave (gloomy to totally dark inside) in Palau is described as a new genus and species based on the empty shells. The species is small in size and has unique shell features such as an overall inverse raindrop-shape, architectonicoidean-like planispiral early teleoconch whorls, abapically projected tube-like aperture and hollowed umbilicus completely closed by the whorls. Shell wall microstructure and protoconch morphology suggest a possible affinity to neritopsines, but it is very tentative and the systematic position of this species is still unknown. A sedentary mode of life, as in architectonicoideans, is inferred for the species.
出版者
朝日新聞社
雑誌
週刊朝日
巻号頁・発行日
vol.102, no.40, pp.168-170, 1997-09-05
著者
山住 勝広 龍崎 忠 島田 希
出版者
一般社団法人日本教育学会
雑誌
日本教育学会大會研究発表要項
巻号頁・発行日
vol.62, 2003-08-20

ポスト産業主義への激烈な社会変化は産業化の時代に確立した教育と学習の社会システムの根本的な見直しをせまっている。ヴィゴツキーとデューイは、共に近代化の激動期にあって、その後に支配的になっていった教育と学習の組織形態とはちがった構想を練り上げた。あまり知られてはいないが、ヴィゴツキーの学習と発達の理論は見事に20世紀初頭の新教育運動に呼応している。それはデューイの新しい学校の構想、すなわち'an embryonic typical community life'ととての学校のヴィジョンと完全に共振する。両者は、その後の大量生産型教育システムとはまったくちがった学校モデルを私たちに提起しているが、それはポストモダン的な価値多元論や脱構築主義とも一線を画している。むしろ二人は、諸個人の社会的知性がそこにおいて成長し、かつ逆にその社会的知性がつくりだしていく新しいコミュニティとして、学校の社会統合的な可能性を称揚する。私たちは、いまこそヴィゴツキーでありデューイであるとの考えから、諸個人の自立的連帯をキーとするカリキュラムと教育方法の活動理論的研究を展望することにしたい。

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著者
内ケ崎作三郎 著
出版者
実業之日本社
巻号頁・発行日
1914