著者
齋藤 真里 大村 和典
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HI,ヒューマンインタフェース研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.69, pp.9-16, 1996-11-15
参考文献数
6
被引用文献数
2

目標が不明確な情報探索行動をモデル化するために, 情報探索の課題を用いた心理実験を Thinking Aloud 法で行った. この実験の課題で得られた発話を分析し, 目標が不明確な情報探索行動には,「情報の取捨選択を行うプロセス」と「目標を明確化するプロセス」が存在することがわかった. また, 探索目標が構造化されていくパターンが見いだされた. ここでは, この二つのプロセスが探索行動でどのように機能しているかを表すモデルを提案する, また, この二つのプロセスと, 情報探索行動における動機付けの要因である「達成感」と「目標の明確化」との関連性が示唆された.
著者
川久保 陽基 東 和信 小杉 信
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.26, no.33, pp.13-16, 2002-05-24
参考文献数
9
被引用文献数
2

自然な景観画像に今や人体は欠かすことは出来ない.しかし,現在の手法では予め指定する定まった動作生成が主流であるため作業が煩雑で結果の多様性にも欠ける.そこで,本研究では人間の動作の源泉を心理学に求め,自律的な動作生成を行う.まず,各人の性格や好みの定義と時間依存の変動パラメータを用い,葛藤を表現する事で行動選択に人間味を持たせた.また,他者に対して相対魅力値を評価することで対人関係に親密度を表現した.このようにして,各人体の生理的欲求と社会的欲求を自律的に生成し,具体的には大学における学生の行動をシミュレートした.
著者
佐藤 文昭 見上 彪 林 正信 喜田 宏 桑原 幹典 小沼 操 遠藤 大二 児玉 洋 久保 周一郎
出版者
北海道大学
雑誌
一般研究(A)
巻号頁・発行日
1987

本研究の主眼は有用な動物用リコンビナント多価ワクチンの作出に必要な基磯実験の実施にある。リコンビナント多価ワクチンはベ-スとなるベクタ-ウイルスとワクチンの決定抗原遺伝子を結合することにより作出される。ベクタ-ウイルスとしてはマレック病ウイルス(MDV)と鶏痘ウイルスに着目し、それらのチミジンキナ-ゼ遺伝子中に挿入部位を設定した。また同時に、MDVの感染から発病の過程に関る種々の抗原遺伝子の解折とクロ-ニングを行った。すなわち、ワクシニアウイルスをベ-スとしてNDVのHN蛋白遺伝子を組み込んだリコンビナントワクシニアウイルスを作出し、NDV感染防御におけるHN蛋白に対する免疫応答が感染防御に重要な役割を果たすことを明かにした。加えて、インフルエンザウイルスおよびニュ-カッスル病ウイルスの感染防御に関る抗原遺伝子の解折により、抗原遺伝子群の変異を検討した。続けて上記のウイルスベクタ-に外来遺伝子を組み込み、リコンビナント多価ワクチン実用化への可能性を検討した。すなわち、ニュ-カッスル病ウイルス(NDV)のヘマグルチニンーノイラミニダ-ゼ蛋白(HN蛋白)とマレック病ウイルスのA抗原の遺伝子をバキュロウイルスベクタ-に組み込み、生物活性と抗原性をほぼ完全に保持した蛋白を得ることができ、ワクチンとしての使用に有望な結果を得た。MDVの単純ヘルペスウイルス(HSV)のB糖蛋白類以蛋白遺伝子をバキュロウイルスベクタ-へ組み込み、高純度の蛋白を得た。さらに、本研究では、将来非常に有用なワクチンを作出するための基磯的な知見とリコンビナント多価ワクチンの実用化を近年中に可能にする実験結果も含むといえる。これらの有用な知見により、本研究は初期の目的を達成したばかりではなく、リコンビナントワクチン実用化への次の目標である野外試験による効用の証明のためにも一助となったといえる。
著者
松平俊雄 編述
出版者
北沢清三郎 (印刷者)
巻号頁・発行日
vol.上巻, 1885
著者
森 信寛
出版者
日本ビタミン学会
雑誌
ビタミン (ISSN:0006386X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.12, pp.768-770, 1994-12-25
著者
藤倉 良 中山 幹康 押谷 一 毛利 勝彦
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

世界ダム会議(WCD)は,大型ダムに関する国際的に受入れ可能な基準を開発し,普及することを目的として組織された独立の国際委員会であり,2000年11月にWCD報告書を刊行して解散した。WCD報告書に盛り込まれた基準やガイドラインに対しては,開発途上国政府やダム建設業界が明確に反対する姿勢を示し,国際的に受入れ可能な基準作りは失敗に終わった。WCD勧告を文字通り世界が受入れ可能な基準とガイドラインにするためには,その実施可能性を明らかにすることが必要であり,これが本研究のめざすところであった。本研究は,まず,WCD勧告の根拠が必ずしも明確でないということを明らかにした。WCD勧告はWCD報告書の後半部に記述されているが,それは前半部に記述された研究調査結果に基づいていることになっている。しかし,報告書を精査すると,すべての勧告が調査結果に基づいてはいないことが指摘できた。こうした問題点を踏まえ,本研究では,WCD勧告を実現可能にするための選択肢を示した。次に,実現可能性を高めるための条件を検討するため,本研究では日本のODAプロジェクトにWCD勧告を適用する場合に,どのような課題,改善すべき点があるかを明らかにした。さらに,WCD勧告について最も意見が対立した住民移転のありかたについて,提言を行うための知見を収集するためのケーススタディを実施した。一つは日本の過去の経験である。もうひとつは,現在のダムプロジェクト事例として,インドネシアで円借款により実施されたコタパンジャンダムプロジェクトの現地調査である。望ましい住民移転のあり方を示すためには,今後さらなる現地調査及び検討が必要であると考えられるが,このケーススタディによって幾つかの好事例(good practices)を示すことができた。
著者
佐々木 絢子
出版者
文献探索研究会
雑誌
文献探索
巻号頁・発行日
no.1997, pp.142-148, 1998-03-23
著者
益田 忠雄 林 清史
出版者
岡山大学農学部
雑誌
岡山大学農学部学術報告 (ISSN:04740254)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.45-54, 1956

1) 葱頭の開花は5月31日に始まつて6月28日に終り,従つて開花期間は29日間であつた. 2) その中で開花数の多かつたのは,6月8日から22日の15日間で全開花数の84.9%であつた. 3) 開花は開花前日及び開花当日の日照量によつて影響されるものの如くである. 4) 1花球に於て最も多く咲いた花数雄842で平均は291であつた. 5) 1花球当りの開花数の多いものは,開花始めも早く,開花期間も長い. 1) 葱頭の花柱の伸長竝に雌蘂の授精力保有期間について実験した. 2) 葱頭の花柱は開花後徐々に伸長するが,その伸長は変異があり,一定の傾向は見られなかつた.最大の長さに達するのは,開花の翌日以後であつて,又葯が全部開葯してからであつた. 3) 雌蘂の授精力は開花2日目より生じ,6日目に終つた. 4) 結局,形態的にも,機能的にも葱頽の雌蘂は開花当日には成熟していなくて,雄蘂先熟の性質をもつていた。
著者
鳥居 祥二 田村 忠久 吉田 健二 笠原 克昌 小澤 俊介 片寄 祐作 森 正樹 福家 英之 西村 純
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2009-05-11

高エネルギー電子・陽電子の直接観測による宇宙線近傍加速源と暗黒物質の探索を目的として、国際宇宙ステーション日本実験棟に搭載するCALorimetric Electron Telescope (CALET)の開発を実施した。CALETは当初予定の気球搭載型プロトタイプ(bCALET)による観測に対して、30倍以上の統計量が得られるだけなく、宇宙空間での高精度観測が可能である。bCALETによるCALETの観測性能実証と,熱構造モデルによるCERN-SPSでのビーム実験等により、搭載装置性能を確認した。その結果、世界に先駆けたTeV領域における電子観測を実現することが確証できている。