著者
平松 彩子
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

特別研究員として採用された平成二一年四月から、特別研究員を辞退した同年八月までの五ヶ月間に、下記二点の研究成果をあけた。(1)共和党多数であった一九九五年から二〇〇六年までの米国連邦議会下院二大政党においては、政党のイデオロギー的分極化が進み、政党指導部による党議拘束の強化が図られたとされてきた。このような中、五つのイデオロギー的議員連盟(民主党プログレッシブ・コーカス、ニュー・デモクラット・コアリション、ブルードッグ・コアリション、共和党チューズデー・グループ、リパブリカン・スタディー・コミッティー)が、次の役割を果たしていたことが本研究から明らかになった。まず政党指導部選出過程においては、共和党穏健派が党内古参の保守派下院議長を支持し、共和党保守派内での世代間の対立が存在した。民主党内では、指導部支持基盤がリベラル派と保守派に別れていた。また本会議投票では、環境保護政策、均衡財政法案、対中国貿易自由化法案に関して、二大政党の内部は分裂していた。さらに下院農業委員会においてブルードッグ・コアリション所属議員の占める割合が高く、また司法委員会ではプログレッシブ・コーカスとリパブリカン・スタディー・コミッティー議員が多く所属し、同委員会においてイデオロギー的対立が生じやすい構成となっていた。以上の内容を、論文として公表した(「11.研究発表」の第一項参照)。(2)Sean Theriault,Party Polarization in Congress.(Cambridge University Press,2008)の書評を執筆した(「11.研究発表」の第二項参照)。同書は、一九七三年以降およそ三十年間にわたり議会二大政党が分極化した理由を、本会議投票における審議手続き投票の増加に求める。同書の貢献は、審議手続き投票の増加を可視化し、その増加の論理を明らかにした点にある。また同書に対する批判として、同書が法案の実質の内容を考慮しない点が挙げられる。イデオロギー的議員連盟を通じた議会政治分析は、同書の弱点を補完しうるものと考えられる。
著者
石川 悟
出版者
北星学園大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究では、他者とのやり取り場面において、他者の意図および行動を推定しながら自身がより柔軟に行動できるために必要な処理機能について、行動実験による分析と、処理機構を念頭においた機能モデルの提案を目指した。行動実験結果から、他者の意図や行動の推定に必要な情報の抽出と、それらの情報に基づく行動予測・意図推定とともに、推定された他者の意図に合わせ、自身の行動をあらかじめ調整し適切な行動を選択できることが明らかになった。一方機能モデルの構築には、他者から得られる情報の価値の評価機構をより詳細に検討する必要性が示された。
著者
佐藤 功
出版者
地域保健研究会
雑誌
月刊地域保健 (ISSN:03852229)
巻号頁・発行日
vol.32, no.9, pp.68-74, 2001-10
被引用文献数
1
著者
Hitoshi YOSHINO
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
IEICE TRANSACTIONS on Communications (ISSN:09168516)
巻号頁・発行日
vol.E95-B, no.4, pp.1036-1043, 2012-04-01

Cognitive radio is an emerging technology to further improve the efficiency of spectrum use. Due to the nature of the technology, it has many facets, including its enabling technologies, its implementation issues and its regulatory implications. In ITU-R (International Telecommunications Union – Radiocommunication sector), cognitive radio systems are currently being studied so that ITU-R can have a clear picture on this new technology and its potential regulatory implications, from a viewpoint of global spectrum management. This paper introduces the recent results of the ITU-R studies on cognitive radio on both regulatory and technical aspects. This paper represents a personal opinion of the author, but not an official view of the ITU-R.
著者
秋山 大輔 細川 和宏 安倍 広多 石橋 勇人 松浦 敏雄
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.9, pp.1-6, 2010-02-22
被引用文献数
2

本稿では,多数の 2 次元位置情報を P2P ネットワークを用いて分散管理する一手法を提案する.提案手法では,2 次元平面を Z 曲線を用いて分割し,各領域を一つのピアが管理する.管理領域内のデータ数が一定数を越えると領域を分割することでピアの負荷を一定に保つ.範囲検索のためには構造化オーバレイネットワークの一種である Skip graph を用いる.範囲検索に要するホップ数を削減するために,領域の分割方法を工夫している.提案手法はシミュレーションにより範囲検索に要するホップ数と管理に必要なノード数を評価した.In this paper, we propose a distributed management scheme for 2D location information using Peer-to-Peer network. In the proposed scheme, a 2D plane is divided into fragments with Z-curve and each fragments is managed by a peer. Skip graphs, a kind of structured overlay network, are used for range queries. To reduce hop counts required for range queries, we devised a method to choose appropriate points on dividing. We have evaluated the method with regard to number of hops required for range queries and number of requried peers.
著者
秋山 大輔 細川 和宏 安倍 広多 石橋 勇人 松浦 敏雄
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT)
巻号頁・発行日
vol.2010-IOT-8, no.9, pp.1-6, 2010-02-22

本稿では,多数の 2 次元位置情報を P2P ネットワークを用いて分散管理する一手法を提案する.提案手法では,2 次元平面を Z 曲線を用いて分割し,各領域を一つのピアが管理する.管理領域内のデータ数が一定数を越えると領域を分割することでピアの負荷を一定に保つ.範囲検索のためには構造化オーバレイネットワークの一種である Skip graph を用いる.範囲検索に要するホップ数を削減するために,領域の分割方法を工夫している.提案手法はシミュレーションにより範囲検索に要するホップ数と管理に必要なノード数を評価した.
著者
厳島 行雄
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

裁判等の証人は記憶を頼りに、自分の経験を語る。そのような記憶は再構成的であり、経験される出来事の記憶の正確さは、その出来事の後に触れる社会的情報によって大きく損なわれることが知られている。本研究ではそのような影響の基礎的研究を行い、情報が伝えられる媒体の違いによる効果、嘘をつくという行為による記憶への影響、耳撃証言の正確さを明らかにした。
著者
荒川 泰彦 NA Jongho
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2006

本年度は、窒化ガリウム半導体(GaN)量子ドットの形成技術の確立に関しては,GaN量子ドットデバイス用ウェハの作製をおこなった。単一ドットを用いた量子情報デバイスに最適な低密度量子ドット、高品質半導体膜形成の成長条件を見出した。これと並行して,新しい半導体材料である有機半導体に関する研究にも取り組んだ。有機半導体に関する研究としてはフレキシブル基板上のNチャネルおよびPチャネル有機トランジスタの低電圧化に取り組んだ。また,その応用として,フレキシブル基板上にNチャネルおよびPチャネルの有機トランジスタを形成しCMOS回路を構成し,CMOS回路の動作に成功した。駆動電圧は2-7Vと有機トランジスタとして極めて低い電圧である。さらに,フレキシブル基板上のCMOS回路の高性能化を図るため低温製膜可能な無機酸化物半導体の開発にも取り組んだ。結果として,低温製膜においても移動度17cm2/Vsという値が得られ,有機半導体と比較すると極めて高い移動度が達成できた。また,低電圧駆動の有機トランジスタに用いた技術による酸化物トランジスタについても数Vでの動作を可能にした。上で述べたように,有機トランジスタおよび無機酸化物トランジスタは低温で製膜可能なため,フレキシブルデバイスへの応用が可能であり,本研究で得られた結果は,有機のPチャネルトランジスタと無機酸化物のNチャネルトランジスタを組み合わせた,フレキシブル基板上の高性能CMOS回路の実現を期待させる結果である。
著者
前田 幹夫 松下 吉宏 野田 勉 原田 守夫 瀬藤 幸児 尾花 毅 改正 高章 清水 信作 井口 政昭
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会技術報告 (ISSN:03864227)
巻号頁・発行日
vol.20, no.35, pp.31-36, 1996-06-20
被引用文献数
6

Through utilization tests or the 64QAM signal under tentative specifications, intensive works have been made to standardize digital broadcasting signal format over cable television systems. At first, we describe an indoor experiment on the adjacent interference between the 64QAM signal and 3 types of analog modulation signals so far being supposed to transmit through cable television facilities. Next, we describe field tests conducted at 2 operative facilities under allowable ranges of DU ratio.
著者
平田 栄一朗
出版者
慶應義塾大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

同研究により、日本とドイツ演劇のドラマトゥルギーに関連するドイツ語書籍を一冊編纂・出版し、ユートピア研究と文学・演劇に関する日本語書籍を出版することができた。さらには、ドイツ、ギリシア、カナダ、アメリカの国際シンポジウムに参加し、日本とヨーロッパ演劇の比較論的考察について議論する機会をもつことができた。とりわけ上記のドイツ語は、日本と諸外国の研究者が現代日本演劇をドイツ語で最初に網羅的に紹介する世界初の研究書となった。
著者
黒川 淳一 森川 薫博
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.51, no.467, pp.2076-2083, 1985-07-25
被引用文献数
15

円管内の加速・減速流れにおける速度分布,遷移および管摩擦係数に及ぼす加速度の影響をおもに実験的に検討した.その結果,粘性の伝ぱ速度に対して加速が大の場合と小の場合では断面速度分布および遷移レイノルズ数が著しく異なり,層流加速域と乱流加速域では管摩擦係数の傾向が異なること,および減速流れではほぼ全期間を通じて乱流状態が保持され,管摩擦係数は準定常値より大きくなることなどを明らかにした.
著者
勝山 成美
出版者
東京医科歯科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

我々は床や壁に映った影(キャストシャドウ)によって、物体の位置や動きを知ることができる。しかし、このようなキャストシャドウによる奥行き知覚が脳のどこで、どのように処理されているのかはわかっていない。そのため我々は、機能的MRI実験によってヒトがシャドウから物体が奥行き方向に動いて見える錯視動画を見ている時に活動する脳部位を調べた。その結果、MT野、V3A野、および右の後部頭頂間溝など、後頭葉から頭頂葉に至る視覚野が活動することがわかった。さらに我々は、サルに同じ動画を見せ、サルもヒトと同じようにシャドウから奥行き知覚を得ていることを明らかにした。
著者
喜多 孝仁
出版者
日経BP社
雑誌
日経マネー (ISSN:09119361)
巻号頁・発行日
no.344, pp.104-106, 2011-07

'91年大阪大学歯学部卒業。きた歯科院長。日経平均株価の影響を受けない投資法を目指し、需給のゆがみやバイアスを利用して「負けない投資」を目指す。確率や期待値、心理学的なアプローチをもとに投資を行う。『選抜株式レース』に出場中で、通算成績は+9695%で歴代4位。
著者
浅田 健太朗
出版者
広島大学
雑誌
広島大学大学院教育学研究科紀要. 第二部, 文化教育開発関連領域 (ISSN:13465554)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.207-214, 2002-02-28

This article intends to consider the origin of the notes, "半音"(Han-on; it means half sound) in the scores of Shōmyō. Also, it clarifies via what course it led for " 半音" to be used for the scores of Shōmyō. "半音 ", which was devised as the note to the closed syllable in Sanskrit language in the Ancient Chinese time was inherited to the research of Sanskrit in Japan and it was diverted to the scores of Shōmyō after that. It is estimated in the late Heian era.
著者
松村 利行
出版者
駒澤大学
雑誌
東洋學研究
巻号頁・発行日
vol.4, pp.182-192, 1934-12-15
著者
井上 宏
出版者
園藝學會
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.75-82, 1989
被引用文献数
3 10

カラタチ台ウンシュウミカン('興津早生'または'宮川早生') の1~3年生樹 (素焼鉢またはワグナーポット植え) を環境制御室の15,20,25及び30°C室に適宜,搬入し, 昼夜恒温の条件下で栽培し, 新梢上の花芽の分化と発達の温度条件を, 露地においた個体との比較で観察した.<br>1. 1年生樹を, 3月1日または4月1日から各温度室に搬入して, 地上部の生長周期を調査した. 露地区では春枝の伸長停止後, 30~50日して, 春枝上に夏枝が発生した. 温度処理区では高温区ほど春枝の発芽までの日数が短く, その伸長期間も短く, また夏枝発生までの伸長停止期間も短くなった. ただし, 15°C区では春枝上に夏枝は発生せず, 直花が多数に発生した. 20°C区でも夏枝の発生はごくわずかで, 有葉花を含む花蕾が多発した. 一方, 25°C区と30°C区では夏枝が盛んに伸長したが, 花蕾の発生は認められなかった.<br>2. 1年生樹を, 春枝が伸長停止し, 充実を開始した6月中旬より20°Cまたは15°C室におく期間を種々変え, その後25°C室に移して花蕾発生の有無を観察した.15°C室に2か月, 20°C室に2.5か月以上おいた個体で発蕾したが, 低温の室におくほど, また長期間おくほど発蕾数が多くなり, 直花の割合は高くなった. 20°Cまたは15°C室に開花までおいたものでは, 大きな偏平な子房を示したが, 25°C室に早く移した個体ほど腰高の子房となり, 小さかった.<br>3. 3年生樹を花芽の形態的分化期(3月20日) 及びその前後1か月に15, 20, 25°C室に搬入して, 花芽の分化と発達の状態を観察した. 形態的分化1か月前でさえも, 各温度室で極めて短期間 (25°C室で8日で発蕾) に花器が完成され, 開花に至ることを認めた. 開花期間も高温におかれるほど短くなった.<br>4. 2年生または3年生樹を9月下旬から各月に2回, 20°Cまたは25°C室に搬入して, 発蕾及び開花の状況を調査した. 25°C区では10月下旬搬入区から花蕾が発生して開花したが, 20°C区では11月上旬以前には花蕾が極端に少なく, 開花までに落下した.
著者
石井 久雄
出版者
数研出版
雑誌
数研国語通信つれづれ
巻号頁・発行日
no.19, pp.10-13, 2011-04
著者
村田 昌巳
出版者
サレジオ工業高等専門学校
雑誌
サレジオ工業高等専門学校研究紀要 (ISSN:18812538)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.19-23, 2008

Missionaries in Japan have always had to overcome language difficulties to fulfill their tasks, and consequently they have in many cases produced insightful analyses of grammatical characteristics and vocabularies of the Japanese language since the time of Saint Francis Xavier in the sixteenth century. This paper presents introductory remarks about the research on Fr. Vincenzo Cimatti, who brought the Salesian society of Roman Catholic Christianity to Japan in 1926, and his great efforts toward the Japanese language acquisition. The study on the extraordinary life and work of Fr. Vincenzo Cimatti will contribute to the research field of inter-cultural communication since the field still waits for advancement of historical explorations.