著者
中川 清隆 松山 寛子 原田 元 二神 成一 谷藤 泰正 天木 嘉清 古幡 博
出版者
日本医療機器学会
雑誌
医科器械学 (ISSN:0385440X)
巻号頁・発行日
vol.76, no.3, pp.83-89, 2006-03-01
参考文献数
12

The Jikei University Hospital is located about 600m from the Tokyo Tower in the central area of Tokyo. This means that the patients and staff members of the hospital may be exposed to strong electromagnetic field intensities (EMFI) radiated from the tower antenna and to various telecommunication EMFI that exist in a large city like Tokyo. EMFI was measured at eight points of the hospital buildings facing the tower. Two types of antenna were used to cover the frequency range from 30MHz to 1.5GHz. EMFI was calculated from every peak value in the frequency spectrum recorded logarithmically. Every peak intensity was less then 2μW/cm at the maximum of the whole spectrum, which is a much lower value than the standard value specified by the Japanese 'Radio Radiation Protection Guidelines For the Human Body in Electromagnetic Fields'. Additionally the total value of the whole spectrum was less than 6μW/cm at all eight points. It is concluded from these actual results of measurement that our hospital does not need to perform any urgent safety measures to protect patients and staff members from the various electromagnetic environments, including strong broadcasting waves from Tokyo Tower.
著者
吉田 道利 泉浦 秀行 清水 康広 沖田 喜一 竹田 洋一 佐藤 文衛 清水 康広 沖田 喜一 竹田 洋一 佐藤 文衛
出版者
国立天文台
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

岡山天体物理観測所の188cm望遠鏡に装着された可視光高分散エシェル分光器用に、望遠鏡カセグレン焦点から光を導く光ファイバー天体導入システムの開発を行った。また、ファイバー集光システムに付随する問題点とその解決策を明らかにした。さらに、巨星周りの惑星探査計画を進め、散開星団に世界ではじめて系外惑星を発見するなど、巨星周りに惑星を新たに8個発見することに成功し、恒星質量・年齢と惑星質量・軌道半径の間に相関関係が存在する兆候を見出した。
著者
土橋 一仁
出版者
大阪府立大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1993

1.本研究の目的星は高密度ガスが重力収縮することによって造られる。一方、形成されつつある星では、分子流と呼ばれる質量放出現象がしばしば観測される。本研究の目的は、分子流の年齢と、高密度ガスの質量・乱流運動の大きさとの間の関係を観測的に見い出し、両者(分子流と高密度ガス)の間の相互作用についての知見を深めることである。2.観測と結果本研究の対象となる分子流のサンプルは、望遠鏡の角分解能の制約により、太陽系近傍(<1kpc)のものである必要がある。また、均一なデータを取得するために、等しい距離にあるサンプルを見つけなくてはならない。そこで本研究は、散開星団IC5146に付随する暗黒星雲(0.9kpc)において、分子流を伴う若い星(分子流天体)を捜索することから始まった。この捜索により、同分子雲中で新発見4個を含む5個の分子流天体を検出した。さらに、これらの分子流天体に付随していると考えられる高密度ガスを検出するために、一酸化炭素の同位体(C^<18>O)の輝線スペクトル(回転遷移J=1_-0)を用いた観測を行なった。その結果、これらの分子流天体全てに10^3cm^<-3>以上の高密度分子ガスが付随していることが明らかになった。以上一連の観測は、本研究を推進するのに不可欠な分子流天体のサンプルを得るという予備的かつ基礎的な性格を帯びており、その成果は平成5年度、米国の専門誌に発表済みである(Dobashi et al.1993)。これらの基礎観測に基づいて、本研究の目的を達成するための本観測を、野辺山宇宙電波観測所の45m電波望遠鏡を用いて行なった。同望遠鏡の高角分解能を活かして、5つの分子流と、それらに付随する高密度ガスの空間分布を〜0.1pcスケールで描き出した。現在、分子流の年齢と高密度ガスの質量・乱流運動の大きさを算出するためのデータ解析をしており、その結果は平成6年度に公表する予定である。
著者
田村 元秀 林 正彦 周藤 浩士 西川 淳
出版者
国立天文台
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2004

すばる望遠鏡と高コントラスト観測装置などを用いた観測により、原始惑星系円盤と残骸円盤の観測を行い、その形態の多様性、氷の分布、偏光に基づく塵の性質を初めて空間的に分解し、直接的に明らかにした。若い星の比較的遠方に惑星質量(約10木星質量)に匹敵する伴星天体を発見した。マウナケア山頂群のファイバー干渉計実験(OHANA)にも成功した。また、次世代高コントラスト装置HiCIAOを開発した。
著者
石元 裕史
出版者
日本惑星科学会
雑誌
遊・星・人 : 日本惑星科学会誌 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.61-69, 1996-06-25
被引用文献数
1
著者
松岡 勝 大野 洋介 戎崎 俊一 清水 裕彦 吉田 篤正 河合 誠之
出版者
理化学研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1996

本研究の目指すものは、超広視野光学望遠鏡システムの基礎開発を行うことである。この装置を使った科学的な意義は、短時間で変動する天体・天体現象を連続的にモニター観測をして予測のできない天体現象を捉えることである。この研究で鍵となるのは「広視野望遠鏡」と「画像データの連続短時間読出し」の2点である。このため、本研究では(1)「広視野望遠鏡」ユニットを設計・製作し、(2)市販のCCDを焦点面にセットした試験観測を実行した。5度の視野をもつ望遠鏡は、通常の天文学用としては考えられない大きな視野である。このような広視野の天文観測用望遠鏡が実際実現され得るかどうかが、広視野トランジェント天体監視用望遠鏡システム実現の最初の試験項目であった。この試験観測のため、八ケ岳南麓天文台で試験観測を行った。散開星団M45(すばる)の観測を行い、測光制度0.1の限界等級が12等級であった。アナログ回路のノイズが60e相当であったが、現在は30e相当まで抑える見通しがつき、引き続き試験観測を行っている。CCD読み出し回路は、汎用CCD駆動・読み出しシステムを開発した。これを使って「連続短時間読み出し」に関して鍵となる技術であるTDI(ドリフトスキャン)方式による試験観測を野外で実施し、10秒間、望遠鏡固定の状態で鮮明な星像を捉えることができ、初期の目的が達成された。本研究の最大の目的であった望遠鏡システムの基礎開発は、ほぼ初期の目的を達成した。今後は、引き続いてこの望遠鏡の詳細な特性を試験観測で行う予定である。また、大量にこのような広視野望遠鏡を安価で製作する方法についての検討が必要である。さらに、大量の画像データを速やかに処理するソフトウヱアも将来の問題として残されている。
著者
小倉 勝男 杉谷 光司
出版者
国学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

本研究の目的は、マウナケア天文台の世界一のシーイングの良さと新たに開発されたグリズム分光器WFGS2の広い写野の強みを活かして、至近距離の分子雲において若い星の候補としてのHα輝線星の探査をほぼ極限の暗さ・弱さまで行うことである。その観測対象としては、申請調書の段階ではL1457をあげたが、その直後にこれは従来考えられてきたほど近距離にはないとする結果が相次いで出されたので、交付申請書の段階で探査対象をL1642に変更した。この分子雲は星形成が確実に起こっているものとしてはL1457に次いで2番目の近さとされてきたものである。観測はハワイ大学2.2m望遠鏡を使用して2005年1月になって行われた。WFGS2の完成の遅れのためである。天候と観測時間の制限により予定していたL1642の天域の約50%しか探査観測ができなかった。残った天域は急きょアルメニアのMagakian博士に依頼して同国の2.6m望遠鏡と同様なグリズム分光器により観測してもらった。どちらの観測においても既知もの以外にはHα輝線星は検出されなかった。したがって残念ながらこの研究課題の主要な目的は達成できなかった。この他に共同研究として、大質量星形成領域とされる2つの領域(W3 MainとNGC 7538)において深い限界等級の近赤外の測光的研究を行ったが、このような領域でもTタウリ型星と思われる低質量星が非常に多数形成されつつある、という興味深い結果が得られ、2編の論文として発表された。この結果をふまえて大質量星形成領域においてTタウリ型等のHα輝線星を検出する探査観測をインドの2m望遠鏡とグリズム分光器を使用して開始し、成果が得られ始めた。別な共同研究として、星形成時の情報を残しているような若い散開星団(NGC654とNGC663)の光学域の測光学的研究にも参加した。
著者
Alejandro Lucía Alfredo Carvajal Margarita Pérez Araceli Boraita Luis Serratosa José L. Chicharro
出版者
日本生理学会
雑誌
The Japanese Journal of Physiology (ISSN:0021521X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.155-158, 2000 (Released:2004-06-22)
参考文献数
15
被引用文献数
1 4

We analyzed the kinetics of heart rate (HR) response during incremental treadmill exercise in thirteen master runners (62 ± 1 yr). The HR/running speed (HR/S) relationship showed the existence of a point of downward deflection (HRd) in only ~31% of the subjects. Resting echocardiographic evaluations showed similar heart dimensions in all of the subjects. In conclusion, HR does not seem to show a curvilinear response (downward deflection) in most aged athletes.
著者
松尾 美惠子 深井 雅海 藤田 英昭 小宮山 敏和
出版者
学習院女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、紀州藩付家老の水野忠央が収集した当史料群の成立過程や伝来経緯を解明しつつ、水野忠央がなぜ幕府史料を収集したのか、その背景を検討したものである。他機関に伝来する幕府史料と比較し、当史料群の固有性を明確にするとともに、水野忠央の政治動向と関連づけて収集目的に迫った。また、研究会を通じ当史料群の中の個別史料を分析・検討し、幕府文書論の構築をめざした。今後、研究成果をまとめ、刊行する予定である。
著者
日吉 功 児玉 直樹 和久井 章人 福本 一朗
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.478, pp.39-44, 2000-11-23
被引用文献数
1

Purkinje-Sanson像計測法を用いて仮性近視回復の効果を測定した.対象は仮性近視8名, 正視2名の合計10名であった.今回比較を行ったのは, Purkinje-Sanson像計測法と市販されている計測器であるMD-SS型視力訓練機であった.Purkinje-Sanson像による計測ではPS-1とPS-3の間の距離の変化を測定した.Purkinje-Sanson像計測法はMD-SS視力訓練機に比べて, 回復傾向が見られた.これらのことから, Purkinje-Sanson像計測法を用いて仮性近視の回復が行える可能性が示唆された.
著者
小田 亮
出版者
名古屋工業大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

旭川市旭山動物園のシロテテナガザルを対象に、ソングのテンポに対する認知を調べる野外実験を行った。テナガザルのソングはノートと呼ばれる個々の発声が組み合わされて構成されている。昨年度に引き続き、3種類の異なるノート間隔をもったソングを作成し、これらをテナガザルに対して再生した。再生中と再生後の行動をビデオに記録し比較することで、テンポの認知がどのようになされているのか調べた。まず刺激音であるが、伊豆シャボテン公園において飼育されているシロテテナガザルのオスが自然に鳴いたソングを録音し、デジタルファイルに変換した。ノート間の時間間隔をすべて倍にしたものと、半分にしたものを作成した。このようにして作成した通常のソング(S)、ノートは同じだが間隔が倍のもの(D)、そして間隔が半分のもの(H)のそれぞれを、旭山動物園の野外ケージにおいて飼育されているシロテテナガザル4頭(オトナメスとその子供3頭)に対して再生した。再生は馴化を避けるために午前中に1回、午後に1回の1日2回のみとした。反応はデジタルビデオカメラ2台に記録し、動画ファイルに変換した後に動画分析ソフトウエアを用いて分析した。前年度は最年長のオス(長男:5歳)を分析対象としたが、今年度は第二子のオス(次男:3歳)の反応を分析した。ソングを再生中と、再生後同じ時間のあいだの移動時間割合を分析したところ、長男ではHの場合のみ、再生後に移動時間が有意に多くなっていたが、次男ではそのような差がみられなかった。長男と次男でソングへの反応に差が見られた原因としては、年齢が関係している可能性が高い。テナガザルが出自群を出て独立するのは8〜10歳といわれており、歌への反応もこれに伴って高くなると考えられる。5歳の長男は他個体の歌にある程度敏感であると考えられるが、次男はまだ性成熟にも達しておらず、歌への関心が低いと考えられる。
著者
吉田 篤司
出版者
浜松医科大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1995

IL-12はTh1細胞やNK細胞にIFN-γ産生を誘導することが知られている。我々はIFN-γがマクロファージにIL-12mRNAの発現を誘導する事を見出し、IFN-γ⇒マクロファージ⇒IL-12⇒Th1細胞⇒IFN-γというPositive regulatory circuit(PRC)が存在するのではないかと考えた。本研究ではこのPRCがどの程度生体防御に関与しているかを明らかにするために、実験動物にはIFN-γレセプターを持たずPRCを形成できないIFN-γレセプターノックアウト(IFN-γ-KOマウス)を用い、そのBCGに対する生体防御能を調べた。しかし、このマウスではIFN-γレセプターを持たないため一酸化窒素(NO)等のIFN-γにより誘導されるもの全てが産生されないのでBCGの増殖抑制を指標にしたのではPRCの重要性を見ることはできない。そこでIFN-γmRNA産生を指標にしてPRCのBCG排除における重要性を調べた。IFN-γ-KOマウス及びコントロールマウスにBCGを経静脈的に感染させ、脾臓に発現するIFN-γ,IL-12及び誘導型NO合成酵素(iNOS)mRNAの量を定量的RT-PCR法で比較したところ、iNOS mRNAの発現は有意に低下していたが、IFN-γmRNA及びIL-12mRNA発現は僅かに低下が認められたのみであった。また、これらマウスより得た脾細胞を試験管内でBCG刺激し、脾細胞に発現するIFN-γ,IL-12及びiNOSmRNAの量を同様に調べたが、結果は同じであった。さらに、これらマウスより得た骨髄マクロファージを試験管内でBCG刺激し、発現するIL-12mRNAの量を定量的RT-PCR法べたがこれにはまったく差がなかった。以上の結果より、コントロールマウスに比べPRCを形成できないIFN-γ-KOマウスではBCG感染によるIFN-γ mRNA及びIL-12mRNA発現は僅かに低下していることが分かったが、これはそれほど有意なものではなく、PRCはBCGに対する生体防御において中心的な働きをするものではないことが明らかになった。