著者
高橋 めい子
出版者
京都大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究の主題は「放射線誘発甲状腺がんの発症リスクに関与する遺伝子多型性SNPsの同定」である。申請者らはチェルノブイリ原子力発電所の事故により乳幼児期に放射能被爆を受けたベラルーシ人から、早発型甲状腺乳頭がんの患者群の検体と、その患者と年齢、性別、被爆時の居住地が一致する健常者群の収集をし、全ゲノム関連解析GWASを実施した。
著者
富田 隆 幸田 幸直 工藤 賢三
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.138, no.3, pp.353-356, 2018-03-01 (Released:2018-03-01)
参考文献数
5
被引用文献数
1 4

For patients with dysphagia in medical facilities and nursing homes, food thickeners are routinely used to aid the ingestion of medicines such as tablets. However, some types of thickeners affect the disintegration and dissolution of tablets, such as rapidly-disintegrating magnesium oxide tablets and donepezil hydrochloride orally disintegrating tablets. Additionally, delayed disintegration and dissolution of tablets affect a drug's efficacy. As an example, with Voglibose orally disintegrating tablets, marked differences are observed in changes in glucose levels during glucose tolerance testing. When using food thickeners to aid tablet ingestion, it is therefore necessary to select a product that has little effect on drug disintegration, dissolution, and activity.
著者
大家 泉
出版者
日本高圧力学会
雑誌
高圧力の科学と技術 (ISSN:0917639X)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.185-190, 2012 (Released:2012-09-05)
参考文献数
2
被引用文献数
2

Helium is a rare gas found in limited quantities worldwide. Numerous problems will appear regarding production and distribution arising from the various circumstances confronting helium in recent years. This article analyzes the current status of helium for industrial use and based on this shows the difficulties faced by helium for use.
著者
板橋 知子 佐々木 淳 倉持 好 御領 政信
出版者
日本獸医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 = Journal of the Japan Veterinary Medical Association (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.64, no.7, pp.549-553, 2011-07 (Released:2012-12-03)

オカメインコにおける甚急性型オウム嘴羽病(PBFD)の作出を目的として、PBFDウイルス(PBFDV)接種実験を行った.PBFDV抗体フリーのオカメインコの幼雛(1~7日齢)5羽にウイルス乳剤を筋肉内接種し、接積後1、3、4、6、10週に剖検、全身諸臓器の病理組織学的検索を行った.また、剖検時に採取した組織を用いて、PCR法による病因学的検索を行った.接種後3週以降の症例でPBFDVの感染が成立していることが確認されたが、発症時期や病理組織学的検索結果は甚急性型PBFDよりも急性型PBFDの特徴と一致した.これらのことから、孵化間もないオカメインコ幼雛がPBFDVに感染しても急性型PBFDを発症し、甚急性型の実験的再現は難しいことが明らかになった.
著者
萩野 寛雄
出版者
Waseda University
巻号頁・発行日
2004

制度:新 ; 文部省報告番号:甲1957号 ; 学位の種類:博士(政治学) ; 授与年月日:2004/10/26 ; 早大学位記番号:新3864

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著者
清水晴風 [画]
出版者
清水晴風
巻号頁・発行日
1800
著者
鳥谷 善史
出版者
国立国語研究所
雑誌
国立国語研究所論集 (ISSN:2186134X)
巻号頁・発行日
no.9, pp.159-176, 2015-07

天理大学近畿中央部の否定形式には「~ン」や「~ヘン」類という2種類の形式が存在する。現在その意味的異なりは若い世代においてはなくなりつつあるという。その中で,大阪府や奈良県の世代差に注目した調査結果から若年層の2拍一段動詞及び変格動詞において,「~ヤン」という否定形式が急速に広がりはじめていることがわかった。これは近畿周縁部である「和歌山県」や「三重県」の若年層から「大阪府」や「奈良県」の若年層への流入であることを言語地理学的調査結果などから確認する。また,その変化要因としては,言語内的には,これまで「~ン」と「~ヘン」の2種類で否定をしてきたがそれらが,意味的異なりを失ったことを契機として,体系的整合性や発話としての経済性を獲得するとともに,関西全域で一つの否定形式として「~ン」のみの方向に向かっているとの見解を調査結果から論究した。ただ,五段動詞以外の2拍語では,これまでの形式との関係から単純に語幹+「ン」のみに変化できず,その変化の一段階として「ミヤヘン」などの「~ヘン」から「ミヤン」といった標準語形とは全く別の地域のアイデンティティーを生かした形式を取り入れたと考えた。この仮説は,標準語等の言語的影響を直接受けずにいる台湾日本語の変化モデルも視野に入れつつ導いたものである。
著者
菅原 道夫
出版者
日本比較生理生化学会
雑誌
比較生理生化学 (ISSN:09163786)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.68-75, 2013-05-10 (Released:2013-07-10)
参考文献数
25

ニホンミツバチが,捕食者であるスズメバチを蜂球に閉じ込め殺す仕組みを明らかにした。スズメバチが蜂球に捕捉されると,蜂球内では温度だけでなく湿度も急速に上昇する。5分後には温度は46℃に,湿度は90%以上になる。この時,蜂球内の炭酸ガス濃度は4%に達する。多くのスズメバチは,蜂球内では10分で死ぬ。スズメバチの死をもたらす要因を,蜂球内の湿度とCO2濃度を変え致死温度を測定することで考察した。実験に使用した4種のスズメバチのいずれにおいても,CO2濃度3.7%(ヒトの呼気環境)では,2℃以上も致死温度が低下した。相対湿度が90%以上になると,さらに致死温度が低下した。ヒトの呼気環境中では,大気中に比べCO2は増加し酸素は減少するが,酸素を補っても致死温度は変わらなかった。ニホンミツバチは,蜂球中のスズメバチを酸素欠乏によって窒息死させるのでなく,高温,高湿,高濃度のCO2,の環境中でスズメバチの致死温度を下げることで殺していると考えられた。
著者
酒井 章吾 石橋 敏朗 浦辺 幸夫
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.43 Suppl. No.2 (第51回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0609, 2016 (Released:2016-04-28)

【はじめに,目的】様々なスポーツにおいて,運動中に声を発する場面をしばしば目にすることがある。これはシャウト効果(Shout effect)を期待しており,自ら発声することによって最大努力時の筋力が増加するというものである。シャウト効果については様々な先行研究があるが,筋出力時の言葉の種類について言及したものは少ない。筆者らは,もし言葉の種類によってシャウト効果に差が生じるのであれば,スポーツ場面で選手が発する言葉を選択することで,より高い筋力発揮ができると考えた。本研究では,母音の種類によるシャウト効果に違いがあるか検証を試みた。【方法】一般成人男性30名(平均年齢21.6±1.1歳)を対象に無発声,「あ」「い」「う」「え」「お」の各母音の最大発声をランダムに行い,各母音発声中の等尺性膝伸展筋力を測定した。筋力の測定には,Cybex 6000(メディカ株式会社)を使用し,1条件に対し2回測定を行い(筋出力時間は5秒間),測定間の休息時間は60秒間とした。また,各条件間の休息時間は10分間とした。測定肢位は,膝関節は60°屈曲位,背もたれ角度は110°(座面が基本軸)とした。統計処理には,PASW statistics 18を使用し,1元配置分散分析を行い,事後検定には,Bonferroniの方法を用いた。危険率5%未満を有意とした。【結果】無発声および各母音の発声時の筋力測定値の平均値を示す。無発声で2.70±0.53(Nm/kg),「あ」で2.97±0.63,「い」で3.01±0.52,「う」で2.88±0.66,「え」で3.00±0.47,「お」で2.90±0.57だった。「え」では無発声に対して有意に筋力が増加した(p<0.05)。「あ」「い」「う」「お」では無発声に対して,全て筋力が大きくなったが,有意な増加ではなかった(NS)。【結論】シャウト効果が生じる要因について,先行研究では,音刺激による心理的影響や脊髄前角細胞の興奮順位の増強により,筋力発揮が増加すると考えられている。また,「い」「え」を選択すると運動能力が向上したという報告もある。本研究結果では,「え」の発声時のみ,無発声時よりも筋力が増加した。先行研究では「い」「う」「え」の発声時に,精神的緊張が高まるとされており。この緊張と筋出力のタイミングが合致することで運動に対し有効に働くとされている。今回,「え」のみで筋力の増加が認められたが,発声に関与する筋や頸部周囲筋の特性を含めて検討を進めたい。
著者
井上 有史 久保田 英幹 栗原 まな 馬場 啓至 平田 幸一 松岡 洋夫
出版者
日本てんかん学会
雑誌
てんかん研究 (ISSN:09120890)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.483-489, 2009-01-31
参考文献数
4
被引用文献数
4

2002年6月に道路交通法が改定され、てんかんをもつ人でも条件により運転が許可されるようになった。すべての人が更新を終えた法施行後5年後の実態および問題点について調査するため、警察庁(公安委員会)とてんかん学会会員にアンケートを送付した。警察庁からの提供資料は2003年、2005年と比較し、てんかん学会会員の回答は2003年の調査結果と比較した。合法的に免許を取得した人は2544人で、48%は再適性検査不要であり、要再検査は3年後がもっとも多かった。一方、免許不許可は169人、保留・停止は60人であった。95%が自己申告であり、多くは主治医診断書で処理され、臨時適性検査医によるものは2.5%であった。てんかん学会員は43名が回答し、半数以上がてんかんをもつ人の運転免許に関する意識がポジティブに変わったとした。すべてのてんかんで一律に同じ基準で判定することの問題、殊に希発発作、最近発症のてんかん、誘因のある場合等では、別個に判定すべきであるという意見があった。適性検査における問題点として、発作がおきるおそれがないとは断定できないこと、再発時の免許取消を改善すべきこと、判定医の責任の所在の明確化などが挙げられ、警察の適切な情報公開、学会の判定マニュアル作成や実証的研究推進などの要望があり、啓発活動の重要性が指摘された。法施行後5年が経過し、法の内容および処理手順については浸透してきており、具体的な問題点の整理検討と改善にむけての行動の必要性が指摘された。
著者
白川 俊之
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.570-586, 2010-03-31 (Released:2012-03-01)
参考文献数
26

不公平感を生じさせる要因について検討をおこなう.本稿は,獲得的地位にもとづく領域別不公平感を,資源配分への評価の指標としてとりあげる.そして獲得的地位による資源配分への異議申し立てになるものとして,機会の不平等という社会状況に着目する.分析では,機会の不平等を認知する傾向が,客観的な階層的地位と,不公平感と,それぞれどのような関係にあるのかを重点的に検討する.このような方法をとることで,階層が機会の不平等という状況認知への影響を介することで,不公平感といかなる関係にあるのかを明らかにすることが本稿の目的である.分析の結果,機会の不平等を認知すると,不公平感が上昇するという関係があることがわかる.階層と上記の両変数との関係を見ると,低階層の人において,高い不平等認知と不公平感とが観測される.階層と不平等認知から不公平感を説明する重回帰分析では,階層要因のなかでは教育が負の,そして不平等認知が正の影響を,不公平感に対してもっており,不平等認知を統制しても教育の効果は消えない.以上より,回答者の階層的地位が低いと機会の不平等を認知する傾向が高まり,結果,不公平感が上昇するという間接的な関連がある一方で,低学歴層における高い不公平感という直接的な関連が存在することが判明する.