著者
足立 聡 高柳 昌弘 依田 眞一
出版者
社団法人プラズマ・核融合学会
雑誌
プラズマ・核融合学会誌 (ISSN:09187928)
巻号頁・発行日
vol.83, no.2, pp.130-133, 2007-02-25

プラズマプロセス関連の微小重力実験は,著者らが知る限りでは,我が国のSpace Flyer Unitで実施されたプラズマCVDの実験が唯一の実施例である.また現時点において,プラズマプロセス関連の微小重力実験は日本および海外において計画されていない.その一方,プラズマの基礎的な微小重力実験は,ドイツが中心となり積極的に進められている.ここでは,まずドイツの微粒子プラズマ実験の状況について説明し,次に日本の現状および将来計画について説明し,最後に微小重力実験を目指した宇宙航空研究開発機構におけるプラズマ研究の現状を説明する.
著者
ペレツ ネメシオ ヘルナンデス ペドロ カストロ ローデス サラサー ホセ 野津 憲治 森 俊哉 岡田 弘
出版者
特定非営利活動法人日本火山学会
雑誌
火山 (ISSN:04534360)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.347-351, 2002-09-17

有珠山2000年噴火の18月前の1998年9月に, 山頂域, 麓域の150箇所で採取した土壌中のホウ素とアンモニアの定量を行った. その結果, 土壌中のホウ素含有量は1,300μg/kgに達し, アンモニア含有量は14mg/kgに達した. ホウ素含有量の空間分布は, 900μg/kg以上の極めて高い領域が高温噴気活動が見られる山頂カルデラ内のほかにも, 2000年の噴火地点に近い北西山麓に存在していた. また, アンモニア含有量の高い領域は, ホウ素含有量の高い領域に一致し, さらに昭和新山でも見られた. 土壌中のホウ素, アンモニアの高濃度異常域は, 二酸化炭素の土壌からの放出量が高い領域 (Hernandez et al.,2001) とよく合っており, これらの成分が共通の起源をもつことを示唆している. このことは,土壌中のホウ素やアンモニアが, 二酸化炭素と同様に,火山体における揮発性物質の挙動を知る上で有用な指標となることを示している.
著者
矢羽田 第二郎 野方 仁
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.68, no.5, pp.987-992, 1999-09-15
被引用文献数
3 6

イチジク果実の糖含量と糖組成比について, 秋果および夏果の品種間差異, 果実の部位, 結果節位による相違を検討し, 以下の結果を得た.1. 供試した普通型10品種の秋果と, サンペドロ型3品種および普通型1品種の夏果のすべてで, 小果の全糖含量に占める果糖, ブドウ糖の合計値の割合が90∿95%以上に達し, ショ糖の割合は低かった.しかし, 糖組成比の品種間差異はショ糖で顕著に認められた.2. '桝井ドーフィン'と'蓬莱柿'の秋果では, 成熟期に小果, 果托の果糖, ブドウ糖含量が急増するとともに, 全糖含量に占めるブドウ糖の割合が低下して果糖の割合が高まった.収穫期における糖組成比は, 両品種とも小果, 果托の間に有意な差がなかった.3. 小果, 果托の重量は, 収穫前の約2週間で急激に増加し, その際, '桝井ドーフィン'は果托, '蓬莱柿'は小果の重量が大きくなった.小果, 果托の重量から換算した部位別の糖含量は成熟期に急増し, とくに小果の重量が大きくなった'蓬莱柿'では, 小果の各組成糖の含量が果托に比べて顕著に多くなった.4. '桝井ドーフィン'と'蓬莱柿'の秋果では, 結果節位が高い果実で, 小果の全糖に占めるショ糖の割合が高くなった.結果節位の上昇に伴う糖組成比の変化には, 秋季の気温低下が影響していると考えられた.
著者
山下 達雄 松本 裕治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.99, pp.17-22, 1998-11-05
被引用文献数
1

形態素解析処理において、日本語などのわかち書きされない言語と英語などのわかち書きされる言語では、形態素辞書検索のタイミングや辞書検索単位が異なる。これらを同じ枠組で扱うことにより、辞書検索部の多言語化を行った。また、これに関連し、形態素解析処理のモジュール分割を行い、多言語形態素解析ツールキットとして実装した。実験として日本語、英語、中国語、韓国語での実装を行った。To develop a multi-lingual morphological analyzer, we need to recognize crucial differences between segmented languages, like English, and non-segmented languages, like Japanese. One difference is the way the dictionary is looked up. We developed a framework of dictionary look-up to achieve a uniform treatment of both types of languages. Processing undefined words and inflection is another difference. To minimize these language dependencies, we divided whole system into some modules. We implemented a multi-lingual morphological analyzer, in which morphological analysis of Japanese, English and Chinese are experimentally implemented.
著者
三木 紀人
出版者
日本幼稚園協会
雑誌
幼児の教育
巻号頁・発行日
vol.91, no.7, pp.38-39, 1992-07-01
著者
上田 豊 中尾 正義 ADHIKARY S.P 大畑 哲夫 藤井 理行 飯田 肇 章 新平 山田 知充 BAJRACHARYA オー アール 姚 檀棟 蒲 建辰 知北 和久 POKHREL A.P. 樋口 敬二 上野 健一 青木 輝夫 窪田 順平 幸島 司郎 末田 達彦 瀬古 勝基 増澤 敏行 中尾 正義 ZHANG Xinping BAJRACHARYA オー.アール SHANKAR K. BAJRACHARYA オー 伏見 碩二 岩田 修二
出版者
名古屋大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1994

1.自動観測装置の設置と維持予備調査の結果に基づき、平成6年度にヒマラヤ南面と北面に各々2カ所設置したが、各地域におけるプロセス研究が終了し、最終的には南面のクンブ地域と北面のタングラ地域で長期モニタリング態勢を維持している装置はおおむね良好に稼働し、近年の地球温暖化の影響が観測点の乏しいヒマラヤ高所にいかに現れるかの貴重なデータが得られている。2.氷河変動の実態観測1970年代に観測した氷河を測量し、ヒマラヤ南面では顕著な氷河縮小が観測された。その西部のヒドン・バレーのリカサンバ氷河では過去20年に約200mの氷河末端後退、東部のショロン地域のAX010氷河では、ここ17年で約20mの氷厚減少、またクンブ氷河下流部の氷厚減少も顕著であった。地球温暖化による氷河融解の促進は氷河湖の拡大を招き、その決壊による洪水災害の危険度を増やしている。3.氷河変動過程とその機構に関する観測氷河質量収支と熱収支・アルビードとの関係、氷河表面の厚い岩屑堆積物や池が氷河融解に与える効果などを、地上での雪氷・気象・水文観測、航空機によるリモート・センシング、衛星データ解析などから研究した。氷河表面の微生物がアルビードを低下させて氷河融解を促進する効果、従来確立されていなかった岩屑被覆下の氷河融解量の算定手法の開発、氷河湖・氷河池の氷河変動への影響など、ヒマラヤ雪氷圏特有の現象について、新たに貴重な知見が得られた。4.降水など水・物質循環試料の採取・分析・解析ヒマラヤ南北面で、水蒸気や化学物質の循環に関する試料を採取し、現在分析・解析中であるが、南からのモンスーンの影響の地域特性が水の安定同位体の分析結果から検出されている。5.衛星データ解析アルゴリズムの開発衛星データの地上検証観測に基づき、可視光とマイクロ波の組み合わせによる氷河融解に関わる微物理過程に関するアルゴリズムの開発、SPOT衛星データからのマッピングによる雪氷圏の縮小把握、LANDSAT衛星TM画像による氷河融解への堆積物効果の算定手法の確立などの成果を得た。6.最近の気候変化解析ヒマラヤ南面のヒドン・バレーとランタン地域で氷河積雪試料、ランタン周辺で年輪試料を採取し、過去数十年の地球温暖化に関わる気候変化を解析中である。7.最近数十年間の氷河変動解析最近の航空写真・地形図をもとに過去の資料と対比して氷河をマッピングし、広域的な氷河変動の分布を解析中である。8.地球温暖化の影響の広域解析北半球規模の気候変化にインド・モンスーンが重要な役割を果たしており、モンスーンの消長に関与するヒマラヤ雪氷圏の効果の基礎資料が得られた。
著者
高尾 彰 中山 恭樹 市川 孝治 三枝 道尚 浅野 聰平 荒巻 謙二
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.92, no.4, pp.530-533, 2001-05-20

結石性膿腎症から敗血症,播種性血管内凝固症候群(以下DIC)を合併し,最終的に多臓器不全(以下MOF)へ至った症例を経験したので報告する.症例は69歳女性.高熱と意識混濁を主訴に当院に搬入された.膿尿強く,KUBにて左尿管結石を認め,搬入2日目に当科紹介となった.理学的所見および血液検査より,敗血症,DICとMOFの状態であった.腹部超音波検査にて,左水腎症と腎周囲膿瘍と思われる嚢胞状腫瘤を認め,経皮的ドレナージでは不十分と考え同日緊急で左腎摘除術を施行した.術後はエンドトキシン吸着療法と持続的血液濾過透析を行い,全身状態安定したため一般病棟へ転棟,現在は病状改善し経過観察中である.今日の救命医療レベルの向上により,DICやMOFの状態をもたらしていても,感染源の完全な除去を目的とした腎摘除術は,治療法の良き選択肢と考えられる.
著者
石原 盛男 豊田 岐聡 植田 千秋 内野 喜一郎 圦本 尚義 倉本 圭 松本 拓也
出版者
大阪大学
雑誌
学術創成研究費
巻号頁・発行日
2004

まず新規に開発する超高感度極微量質量分析システムの構想決定を行い,その検討結果をもとに装置の製作を行った。その後,質量分析部,1次イオン照射系,レーザーイオン化について,それぞれ装置性能評価を行った。
著者
多田 信作
出版者
日本幼稚園協会
雑誌
幼児の教育
巻号頁・発行日
vol.91, no.7, pp.17-22, 1992-07-01
著者
田中 千尋
出版者
日本幼稚園協会
雑誌
幼児の教育
巻号頁・発行日
vol.105, no.7, pp.34-39, 2006-07