著者
山本 秀樹 乾 秀行 松本 克己
出版者
弘前大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

研究代表者等は、世界諸言語の言語特徴の地理的分布を示す、GIS(地理情報システム)によって電子化した世界言語地図を作製してきた。これは、種々の言語特徴の地理的分布に対する微視的および巨視的な考察を可能にするものである。本研究では、これらの地図システムをより充実させるとともに、研究代表者による語順データの言語名とGIS 地図上の言語名をより正確に照合させることによって、データの多くを地図に組み入れることができた。そして、研究代表者の語順データを組み入れた結果、研究代表者の論じてきた分布が実際にそれらの地図上に反映されることを実証した。
著者
鈴木 利彦 水島 梨紗 辻 建一
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

[I]英語母語話者が用いるスピーチアクト遂行のための語彙、文法、会話レベルの方策の研究を進め、[II]日本の英語教育に応用するための教材と教授法の研究・開発、そして本テーマに関する中高英語教員の現状と意識の調査を行い、[III]大学英語教材と既存の英語コーパスでのスピーチアクトの扱いに関して研究を実施し、[IV]日本人の英語(中間言語)スピーチアクト遂行能力の調査を[II]に付随する形で実施し、[V]日本語スピーチアクトに関してデータを収集し、その特徴を解明するための研究を行った。
著者
ハンドフォード マイク
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究における第一件目の成果は建設業におけるインタビュー、各種文書を含む様々なデータを収集したことである。国際的な環境で発生する多様な技師の談話の録音データは集積され、国際的建設業におけるコミュニケーションデータコーパスとなる。過去三年間に収集したデータは、アジアおよびヨーロッパ諸国で収集された、設計段階から建設過程を含めたものとなっている。収集データ内容は小規模プロジェクト、国際的大規模プロジェクトを含む、多様な組織から多数の技術者が参加したもので、英国その他の国際的建設現場における非言語コミュニケーションの使用、国際設計ミーティングの意見対立時における論証的理解等の発見がみられる。本研究の第二件目の目的である研究成果の学術出版については、2011年にJournalofEnglishforSpecificPurposesにおいて最優秀賞を受賞した。本研究の第三件目の目的は、本研究成果を東京大学大学院の生徒および国内の技術者のコミュニケーション能力向上教育に使用することであるが、この目的についても既に成果をあげており、内容は東京大学大学院社会基盤学科教授陣対象の講義、技術者を対象としたワークショップに使用され、学術記事として出版された。
著者
柘植 洋一 乾 秀行 小脇 光男 池田 潤
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

研究が余り進んでいないエチオピアのオモ系,クシ系,ナイル・サハラ系の諸言語を対象にして,それら言語の言語学的な記述を進めるとともに,大きく変容しつつある現代において言語もどのように変わりつつあるかを明らかにしようとすることを主眼に,現地調査を行ってその実態を明らかにした。後者については特に文字化の過程に焦点をあてて調査・研究を行った。また,得られたデータをGISを使ったデータベースに組み込むことにより,基礎的なデータの蓄積を行い研究の基盤を提供するだけでなく,他の研究者も利用できるできる体制を整えることにより,類型論的な研究などにも貢献できることになった。
著者
須賀井 義教 油谷 幸利 大名 力 中村 麻結 中西 恭子
出版者
近畿大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

朝鮮語CALL(Computer-Assisted Language Learning)教材を開発して利用するためのツールや具体的な作成方法を探究し,普及することを目的として,数度にわたる講習会を行った.また,主にインターネットブラウザを通じて利用することのできる朝鮮語CALL 教材を実際に開発し,公開した.一部の教材は問題を自由に追加,修正することが可能であり,教師が学習者に合わせて問題をカスタマイズすることが可能である.
著者
石川 慎一郎
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本プロジェクトは,アジア圏英語学習者の統制英作文を収集した大型英語学習者コーパス(International Corpus Network of Asian Learners of English :ICNA L E)を構築し,言語教育学・英語学・日本語学・心理言語学・統計学をはじめとする関連分野の知見を統合しつつ,アジア圏英語学習者の中間言語使用特性を多角的に分析・解明することを目標とするものであった。 3 年間のプロジェクトを経て,最終的に,アジア圏 1 0 か国・地域および英語母語使用国において合計 1 3 0 万語のデータ収集が完了し,ICNALEは現時点において世界最大のアジア圏学習者コーパスとなっている。収集したデータはダウンロード版のほか,オンライン版(I C NALE Online)で公開し,現在までに,世界 2 0 カ国・地域以上において多様な研究に利用されている。また,構築したコーパスを用い,各国学習者の高頻度語・助動詞・l y 副詞・接続語・ディスコースマーカーの使用の研究を行い,プロジェクト期間中に著書 1 0 冊(うち単著 1 冊),論文 1 3 本(うち査読 7 本),招待講演・研究発表 4 1 本の成果発表を得ることができた。
著者
萬宮 健策 堀 一成 松本 健二 石島 悌 平松 初珠 片桐 真子 米田 信子 藤家 洋昭 山根 聡 宮本 マラシー 竹原 新 竹村 景子 高橋 明 近藤 久美子 長谷川 信弥
出版者
東京外国語大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

言語横断的な会話文および語彙データベース作成が、本研究の最大の目的であった。言語によってデータベースの大きさにばらつきは出たものの、多言語間での語彙や短文の簡易検索や、一部の言語における映像資料との連携などが可能となった。日本では商業ベースで注目されることが少ない、いわゆるLCTL(LessCommonlyTaughtLanguages)の外国語教育への応用も含め、これまでにあまり例を見ない使用に耐えるデータベースが構築され、当初の目的は概ね達成できたと考える。
著者
濱田 麻里 市瀬 智紀 上田 崇仁 金田 智子 河野 俊之 齋藤 ひろみ 徳井 厚子 川口 直巳 橋本 ゆかり
出版者
京都教育大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本研究は,多言語・多文化化する学校に対応できる教員(以下,多文化教員と呼ぶ)を養成する学部教員と現職教員を対象とする教師教育システムを開発するためのアクション・リサーチである。研究では,海外との比較調査,受講者へのアンケート調査等による実践したプログラムの分析を行った。最終成果として,開発されたプログラムの一部を『実践例集』として公開した。
著者
三輪 譲二 佐藤 滋 川村 よし子 齋藤 伸子 稲葉 生一郎 山田ボヒネック 頼子
出版者
岩手大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究では、ディジタル世代の学習者に対して、クラウドコンピュータ環境で、多段自律学習できるWebネットワーク型の日本語学習支援システム(e-Manabix)を構築し、地球規模での学習効果の評価を行った。特に、漢字手書き認識を用いた学習支援システムの公開運用評価を実施した結果、スマートフォンからのアクセスの割合が、当初より3倍の増加があり、 ディジタル世代に対応した自律学習支援システムの重要性を示す結果が得られた。
著者
谷 明信 今井 光規 西村 秀夫 家入 葉子 尾崎 久男 澤田 真由美 柳 朋宏 内田 充美 矢橋 知枝
出版者
兵庫教育大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

従来の英語史の研究では、15 世紀に成立し始めた標準英語を中心に研究がすすめられることが多く、通時的な変異と地域的な変異の関係などについては十分に検討がなされてきたとは言い難い。しかしながら、最近では、標準英語を中心とした英語史のみならず、地域的な変異すなわち英語の方言での歴史的研究を含めた、多くの人々の声の言語の歴史を検討する研究の必要性が叫ばれつつある。本研究は、コーパスを利用することにより、通時的な変異のみならず、地域的な変異をも検討することで、通時的変異と地域的変異の関係に従来以上に焦点をあてることが、英語史のより良い理解に貢献しうることを照明した。
著者
澤田 英夫 岡野 賢二 藪 司郎 加藤 昌彦
出版者
東京外国語大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

ビルマ語はチベット=ビルマ語派ビルマ語群に属する東南アジアの主要言語の一つで、12世紀にまで遡る大量の文字資料を持つ。本研究では、ビルマ語および隣接諸言語の碑文テキストを外注入力し、写真撮影調査で得られた碑文画像も参照しつつ電子コーパス化した。この碑文コーパスに基づき、ビルマ語の音韻・文法およびビルマ文字の体系の通時的研究を行った。また碑文コーパスとフィールド調査で得られた言語データに基づき、ビルマ語・ビルマ文字と周辺少数民族言語・文字の間の相互影響の研究、ならびに、ビルマ語群マル下位語群の祖語の再構に向けての研究を行った。現在、碑文コーパスのオンライン公開の準備に向けた作業を行っている。
著者
今井 新悟 伊東 祐郎 中村 洋一 酒井 たか子 赤木 彌生 菊地 賢一 本田 明子 中園 博美 西村 竜一 篠崎 隆宏 山田 武志 家根橋 伸子 石塚 賢吉 ファム ターンソン
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010

日本語学習者のための日本語スピーキング能力をコンピュータ上で自動採点するテストシステムを開発した。インターネットを介して受験でき、時間と場所の制約を受けずに受験が可能である。音声認識技術を使い、受験者の発話から特徴量を抽出することにより、自動採点を実現している。項目応答理論を用い、受験者の能力に適合した難しさの問題を出題するアダプティブテストとなっており、少ない問題数で能力の判定ができる。
著者
猿渡 英理子
出版者
日本幼稚園協会
雑誌
幼児の教育
巻号頁・発行日
vol.91, no.7, pp.22-25, 1992-07-01
著者
七夕 高也 清水 久代 篠村 知子 高野 誠 宮村 中村 浩子 斎藤 隆文
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌. C, 電子・情報・システム部門誌 = The transactions of the Institute of Electrical Engineers of Japan. C, A publication of Electronics, Information and System Society (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.128, no.6, pp.962-969, 2008-06-01
被引用文献数
3 1

We developed an imaging system and image analysis software for phenotype analysis of rice seedlings growth. The developed imaging system could collect rice seedlings growth images in test tubes every 10 minutes. The image analysis software could detect leaf tip points and collect measurement of leaf height. Using this system, we could obtain detailed measurement and analysis phenotype of rice seedlings growth depends on time parameters, germination timing and leaf elongation timing.
著者
陳 韻如
出版者
日本経営学会
雑誌
日本経営学会誌 (ISSN:18820271)
巻号頁・発行日
no.11, pp.51-63, 2004-04-30
被引用文献数
1

The firm that announces a format and forms a standard group is called a sponsor. It is often the case that the sponsor obtains the initiative in the defacto standard cases. However, the emergence of voluntary standard tells a different story. This research examines the process through which a non-sponsor obtains the initiative and has its technology adopted as the standard within a voluntary standard group. The research addresses an alternative view for adequately understanding the interaction mechanism in the voluntary standard process based on the notion of resource dependence perspective. Although a dynamic view is required, until now this perspective studies have been conducted using static analysis. This research proposes a conceptual framework that enables us to capture the process in a dynamic context. In conclusion, there are three findings on how non-sponsor Matsushita obtained the initiative in DVD standards groups. First, the essentiality of Matsushita's DVD-related technology and family relationships (subsidies, alliance partners etc.) constituted its power base, as it bargained to participate in the standard group (SD group). These resources were to contribute to SD group's advantage against rival group (MMCD group), enabling Matsushita to co-sponsor the format with Toshiba. Second, Matsushita strengthened its power within SD group by gradually enlarging the essentiality and the concentration of its resources in both technology and supporter aspects. The high essentiality of Matsushita's resources led its technology to be adopted by the group. Since the unification standard of DVD was developed on SD format, Matsushita's technology was incorporated into DVD standard. Third, the re-writable DVD standard discussed in the next stage was SD-RAM format, which was submitted by Matsushita. Matsushita reduced the substitutability of SD-RAM with other formats by licensing its re-writable technology in early stage to other participants in the DVD consortium. By doing so, Matsushita took the initiative and SD-RAM was widely adopted as the standard.
著者
近藤 晃 穐山 雄一郎 山下 裕
出版者
長崎大学
雑誌
長崎醫學會雜誌 : Nagasaki Igakkai zasshi (ISSN:03693228)
巻号頁・発行日
vol.81, no.4, pp.372-375, 2006-12

71歳男性で,発熱,両下肢の倦怠感があるため,2006年7月7日当病院に入院した。右肘部背側に小鶏卵大の腫瘤があり,右前腕および上腕屈側に結節および発赤をみとめた。白血球数18200/mm3,好中球86.9%であったため,piperacillinの治療を開始した。入院時の血液培養で,Viblio vulnificusが分離された。その後,piperacillinのほか,imipenem, biapenemに変更して,症状は軽快した。アルコール性肝炎があったが,早期からpiperacillinによる治療を行ったことにより,重症化せずに救命し得たものと考えられた。
著者
高橋 英吉 井上 祐吉 永澤 勝雄
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学園芸学部学術報告 (ISSN:00693227)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.13-21, 1971-12-31
被引用文献数
1

1.カキ平核無の生理的落果に対する,しゃ光及び環状剥皮処理の影響を調査するため1968年および1969年に試験を行なった.2.1968年および1969年の第2次生理的落果のピークは,それぞれ7月7日および7月5日に現われた.3.アルミニウムを塗布したビニールフィルムによるしゃ光処理は,落果を著しく促進し,落果のピークは6月28日に認められ,対照無処理区にくらべ9日早かった.4.1969年の生理的落果期間中の異なる時期に5日間のしゃ光処理を行なった結果,各々の処理時期ともしゃ光により落果は増加した,しかし,落果のピークの出現は早くならなかった.この相違は1968年と1969年の日照量の差異によるものであろう.5.生理的落果終了後のアルミフォイルによる完全しゃ光および,果実着果部位の上下の環状剥皮による栄養しゃ断は,いずれも落果を促進させた.処理区の果実が50%落果するのは,環状剥皮による栄養しゃ断区が早かったが,全果が落果するのは,しゃ光区が早かった.これらのことから平核無の生理的落果は果実中の炭水化物含量だけでなく内生的ホルモンバランスにも起因するものと考えられる.