著者
波多野 賢治
出版者
同志社大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究では,多くのWeb検索エンジンが検索結果の表示形式にとらわれず,Webデータに対する情報検索における新しい検索結果の形式をWeb文書間のリンク構造,Web文書内の文書構造,そして利用者が入力する情報要求から算出される索引語の重みにより決定する方法の提案を行った. 本研究の成果は二つあり,一つは索引語の重みを正確かつ高速に再計算可能なアルゴリズムの提案,もう一つは誰もが容易に使用可能な情報アクセス機構の開発を行ったことである.その結果,索引語の重み再計算コストを約64%に減らすことができ,またどの文書のどの部分に利用者の情報要求を満たす部分が存在するのかを判断できる有用なツールとなり得ることが判明した.さらに,ドメイン内検索においてはこのような提示形式が非常に有効に機能することが判明し,本研究を行う意義は十分にあったということができる.
著者
福田 智子 矢野 環 田坂 憲二 岩坪 健 黒木 香 竹田 正幸 深川 大路 波多野 賢治 南里 一郎 宮崎 裕子 坂田 桂一 藤井 翔太
出版者
同志社大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

古今和歌六帖』と『源氏物語』を研究対象として校本システムを開発し、平安朝文学の伝本と表現に関する考察をおこなった。和歌用デジタル校本システムについては、伝本の墨付きの現状を、より論理的に表記するタグ付け規則を案出した。また、散文用校本作成支援ツールは、『源氏物語』の伝本4本のデータ処理をほぼ完了し、計算機を用いた異文箇所の数値化、およびSplits Treeによる本文系統の視覚化といった、本文異同を把握する一連の手法を確立した。
著者
有川 正俊 藤田 秀之
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

現在の商用の地理空間サーチエンジンは、一般に住所や電話番号を点幾何オブジェクトに変換する枠組みとして実現されている。点空間関係よりも高次元である、方向、つながりなどの地理空間語彙を扱う体系とはなっていない。本研究では、人間の労力によって作られた品質の高い地図データを辞書として利用し、テキストコンテンツと映像コンテンツなどに対して高次ジオタギングを行う枠組みの体系化を行った。
著者
高井 正三 藤本 幸夫
出版者
富山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

国際標準のAjax技法を使用した日本現存朝鮮古書原文画像データベース・システムは,Microsoft 2008 Server R2 OSのサーバー上に,Apache HTTP Server 2.2,Apache Tomcat 7.0,Postgres SQL 9.0,Enterprise Apache PHPをインストールし,JSP,Java Framework JSF,JavaScript,HTMLを使用して,画像の閲覧システムを構築し,画面遷移を伴わず,画像の拡大・縮小表示操作,画像の上下左右移動をスムーズに実行できるようになった.しかしながら,原文画像の著作権取得の遅れ,大学情報基盤センターの大規模な情報システムの更新に伴う,10年以上使用してきたデータ処理用Unix OSサーバーとソート/マージ・プログラムがシステムの全面的に入れ替えにより,使用できなくなるという環境の変化などの要因が重なり,原文画像のメタデータ・データベースとの整合および,現行の日本現存朝鮮古書データベース・システムDOKBとの結合を実現するには至らなかった.
著者
八村 広三郎 赤間 亮 矢野 桂司 遠藤 保子 西浦 敬信 崔 雄 古川 耕平 阪田 真己子 李 亮 中村 美奈子 丸茂 美惠子
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

モーションキャプチャ技術などを利用して,無形文化財のデジタル・アーカイブと,そのデジタルデータを利用して,動作解析,動作認識,コンテンツ制作などに利用するための広汎な研究を行った.具体的な成果は,複数演技者による舞踊動作における同期現象の解明,祇園祭山鉾巡行の記録とVR再現,仮想ダンスコラボレーション,身体動作データベースと身体動作の類似性に基づく,データ検索手法,舞踊譜Labanotation を用いた舞踊動作の記録と動作の再現のためのシステムLabanEditorの開発.また,これの能の仕舞動作への適用.ストリートダンス身体動作の教育支援システム,などである.
著者
河角 龍典
出版者
立命館大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究では、平城京および長岡京の考古学的遺構のGISデータベースが構築された。これのGISデータベースは、効率的に遺構情報を検索し、表示するための機能を持っている。そのGISデータベースの地理情報を利用することによって、両都市の都市構造や古環境を可視化することができた。
著者
中村 努
出版者
東京大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究は,情報通信技術(ICT)が特定の地域に受容されていくプロセスを一般化するため, ICTの先進国たる日本と欧州,新興国たる中国の3地域における医薬品流通システムの実態分析を通じて,日本の医薬品流通システムを相対化した。本研究は,情報ネットワークの受容プロセスに焦点を当てることで,国や自治体などの政策など制度的環境や顧客特性を踏まえた取引形態などの地域的文脈が,情報ネットワークの態様を規定していることを明らかにした。
著者
村山 祐司 山下 清海 森本 健弘 兼子 純 呉羽 正昭 松井 圭介 仁平 尊明 山下 亜紀郎 田林 明 手塚 章
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本プロジェクトでは,人文地理学者が培ってきた豊富なフィールドワークの経験や蓄積にもとづき,暗黙知とされてきたフィールドワークを体系的に考察することにより,方法論の「ホワイトボックス」化に挑んだ.研究そのものを遂行するノウハウや研究論文の論旨を組み立てる方法などに注意を払いつつ,データを系統的に取得・蓄積・管理・分析・可視化・伝達する汎用的な方法を探究した.さらに,GISデータ解析のポータルサイトを立ち上げ,時空間データベースの活用実験を行うとともに,空間解析を主体としたフィールドサイエンスの確立に向けて議論を重ねた.本研究の成果はウェブで公開した.
著者
小野 雄一
出版者
筑波大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究では、普通教室において実施される外国語の授業におけるモバイル機器の利用の可能性を探るものである。本システムの特徴は、普通教室の中に無線LANおよび授業支援用サーバを設定し、学習者にはモバイル機器としてiPod Touch を使用していることである。本研究の大きなテーマは、(1)システムの使用感に関する性能評価、および、(2)実際の外国語の授業における実践と評価、であった。本研究の結果、iPod Touchの性能面における課題や小さな画面に起因する不便性があるにも関わらず、適切に授業にブレンドさせることによって、学習者の意識や動機づけ等にポジティブな影響をもたらすことを示している。このことは、ポストCALLシステム設計の上で、大きな指針を提示するものと考えられる。
著者
後藤 一章
出版者
摂南大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究課題では,日英パラレルコーパスを利用し,英語の頻出表現とその日本語訳が付与されたリスト,及び日本語の頻出表現とその英語訳が付与されたリストをそれぞれ作成した。自然言語処理分野の手法を援用し,コーパスにおける日本語表現の出現分布と英語表現の出現分布の比較から,対訳関係にある日英・英日表現を抽出した。得られた対訳表現リストは,日本人英語学習者が自然な英文を作成する際の有用な手がかりとなることが期待される。
著者
A Bugaeva
出版者
大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

アイヌ語は消滅の危機にある。系統関係は不明で、いずれかの古い語族の名残であろう。アイヌ語の研究は、北東アジアの言語史、また人類の知性の多様性の理解において、重要な意義を有する。本プロジェクトでは、フィールド調査によって得られたアイヌ語の音声資料のコーパス構築を進めた。さらに、このアイヌ語資料のコーパスに基づいてアイヌ語動詞範疇に関する類型論的研究を行った。アイヌ語のヴォイス(充当、使役など)についていくつかの論文を発表し、またヴォイス標識の相互作用について研究を行ってきた。本研究はアイヌ研究を世界に広く知らしめ、人類の知的財産へのアイヌ語の言語的・文化的貢献の理解を助けるものになるだろう。
著者
荒川 慎太郎
出版者
東京外国語大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

西夏語は、11-13世紀に中国西北部の要衝を占めた西夏国で話された言語である。西夏文字・西夏語は話者・使用者が絶えたものの、仏典をはじめとした豊富な言語資料が残る。ロシア科学アカデミー東洋写本研究所は、質量共に一級の西夏語資料を有しており、一部の文献のマイクロは、日本の東洋文庫に保管されている。本研究では、ロシア所蔵の西夏文文献の整理とデータベース化を進展させると共に、ロシア所蔵資料を用いた言語学的研究を行った。
著者
仁科 喜久子 室田 眞男 山元 啓史 村岡 貴子
出版者
東京工業大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2010

外国人留学生が日本の大学で論文など作成するに当たりWeb上で利用できる文書作成支援システム「なつめ」の完成を最終目標とし、日本語教育、言語学、自然言語処理、教育工学の専門家による共同研究により以下の成果を得た。(1)理工系留学生の作文支援のために必要な日本語の言語構造の特色を分析し、特に共起検索をシステムに導入した。(2)学習者誤用分析のための学習者コーパスを構築し、「なたね」として公表した。(3)誤用コーパスを利用し、自動添削システム「ナツメグ」の機能を追加した。
著者
池内 慈朗
出版者
埼玉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

ハーバード・プロジェクト・ゼロとレッジョエミリアによる共同の研究Making Learning Visibleプロジェクトにみられる記録法を授業分析に活かすための調査を行った。具体的には、学習過程を視覚化するために「文脈状況を考慮した評価」を使う方法としてドキュメンテーションとポートフォリオの用い方、学習の可視化について調査した。この調査に基づき、見えない学習過程を具体的に「可視化」する問題解決を処理する方法について授業分析の支援システムの構築、学びをどのように可視化することができるのかをMLVProjectから得た知見と、ガードナーの「文脈状況を考慮した評価」の知見をもとに検証を行った。研究成果として授業研究の分析方法として応用できる支援システムの実践化の試行を行い、他教科とは異なった図工科・美術科特有の発想や構想を働かせる場面での<文脈><場>及び<状況>を考慮した多様な評価方法とパフォーマンス評価の特殊性と「可視化」というアプローチの方法の開発の必要性があるという結論を得た。
著者
金子 朝子
出版者
昭和女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

英語母語話者が子供の頃に聞いた物語を語ってもらい、それらを収録した物語コーパスをWEB上に公開した。同じ物語が、様々な英語圏の年代の違う話者に語られているが、大まかな物語の構造は共通で、語りで用いられるレキシカルフレーズにも細かな差違があるものの、物語の構造に関わる表現やフレーズはその物語の特徴を示すものであるため、語り手の所属する英語圏と年齢要因にはほとんど左右されていなかった。物語は主人公を中心として展開され、同じフレーズの繰り返しが頻繁であることから、多くの話者が子供の頃に聞いた語をその特徴的なフレーズと共に記憶しており、入門期の英語指導の補助教材としての物語の有効性も明らかにした。
著者
吉村 富美子
出版者
東北学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究の目的は、近年英語圏において「剽窃」および「他人の文章の借用」がどのようにとらえられているかを整理し、その理解に基づいて日本の大学において英文ライティング指導をどのように行うべきかについて理論的研究を行うことであった。この研究は、平成 25 年の 6 月に『英文ライティングと引用の作法-盗用と言われないための英文指導』というタイトルで研究社から出版される予定である。この本の中で、英語圏における引用と盗用(剽窃と同意)の考え方を紹介し、学生が盗用の指摘を受けないように日本の大学で英文指導をどう行うべきかを提案した。
著者
石川 有香 小山 由紀江 カレン ブライアン 浅井 淳
出版者
名古屋工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究は、東海圏の工業大学の初年次学生を対象とした英語教育システムTEEE(Tokai English Education for Engineering Students)の開発を目的とする。東海圏の英語教員によるネットワークを作成し、現在のESP教育の問題点を明らかにし、開発した新しい教育方法と教材を実施する。研究の結果、工業大学の初年次学生は、工学や英語の知識は乏しいが、概して工学への強い学習動機が備わっているため、TEEEによるESP教育は効果的である可能性が示唆された。
著者
堀内 裕晃 淺間 正通 桐山 伸也 杉山 岳弘 竹林 洋一
出版者
静岡大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究では、英語のスピーチと会話の中から聴衆や聞き手を説得する際に用いられる表現・構文の語彙的・構文的特徴、韻律的特徴、身体言語的特徴、さらには、話し手、聞き手の属性、社会的身分・地位に伴う相対的上下関係、心的態度の特徴を抽出・蓄積し、知識データベース化を行った。これにより、話し手と聞き手の発話状況時における相対的身分・地位関係を基準とした表現の抽出が可能になり、身分・地位の異なる者同士あるいは対等な者同士が会話をする際にどのような状況でどのような心的態度である場合に、どのような表現を用いて相手を説得しているかを明示化することが可能になった。また、このマルチモーダル知識データベースを用いた英語説得術獲得のための学習支援システムの構築を行った。
著者
鈴木 武晴
出版者
山梨英和大学
雑誌
日本文芸論集 (ISSN:02874679)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.50-83, 1988-03-10
著者
COOPER T・D 塚田 章 山口 晃史 成瀬 喜則
出版者
富山高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

外国語教育において,教員と学生の対話時間は教育効果に非常に重要な要素である.大人数のクラスに対する教育にIT技術が効果的である.本報告では,学生の面接テストを評価するためのVirtualInterviewingSystem(VIS)の開発と実践について述べる.本研究の目的は,学生の将来を決定する就職面接やスピーキングテストのために,学生の実践を支援し英語コミュニケーションスキルを高めることである.