著者
名木田 恵理子 板谷 道信 田中 伸代 小林 伸行 重田 崇之
出版者
川崎医療短期大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究の目的は、医療関係のESP(EnglishforSpecialPurposes)教育として、「医学用語(英語)」と「医療英文読解」において、eラーニングに協調学習をブレンドした授業モデルを設計・実践し、その教育効果を検証することである。対象者の前提条件やモチベーションに応じて、知識獲得型プログラム学習のためのInternetNavigwareとインタラクションに適したMoodleの、2つの学習管理システムを用いた。その結果、協調学習は、どちらの学習管理システムを使っても導入可能であり、学習者意識にプラスの効果をもたらすことや前提条件、学習者特性に対する配慮が有益であることなどがわかった。
著者
三枝 裕美
出版者
長崎外国語大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

1 iPhone SDKによるiPhone用アプリケーションの開発。いつでもどこでも学習できる多機能型携帯電話iPhoneでのモバイルラーニングのための教材として、昨年の「パンダと学ぶ中国語初級編」(全10課)「パンダと学ぶ中国語旅行会話編」(全20課)中国語発音の基礎」に引き続き「現代中国語で聴く漢詩」を開発し、Apple社のApp Storeに登録した。これは「パンダと学ぶ中国語漢詩編」をiPhone用アプリケーションにしたもので、中国語の原文、ピンイン、訓読を切り替えながら音声を聞くことができる。特に最近普及しつつあるiPadでは文字が大きく読みやすいので、使い勝手がよくなった。2「パンダと学ぶ中国語文法編」の開発。名詞述語文、形容詞述語文、動詞述語文、主述述語文、特殊な動詞述語文、疑問文、連体修飾語、連用修飾語、アスペクト、語気助詞の了、"是…的"構文、様態補語、結果補語、方向補語、可能補語、動量補語、時量補語、助動詞、兼語文、存現文、"把"構文、"被"構文、比較、複文の24課を音声とともにWebにアップした。モバイル端末からも閲覧できる。ただ、iPhone用アプリケーション開発にも取り組んだが、複数音声の再生が困難で、成功しなかった。3 ドラッグ&ドロップでiPhone用アプリケーションを開発できるHandbookでの試作を行い、空欄補充・多択式・並べ替えなど各種のクイズも作成した。ただ、正式導入には至っていない。
著者
与那覇 信恵 牛江 ゆき子 阿佐 宏一郎 棚橋 サンドラ ギルナー リア
出版者
文京学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究は、高い効果が確認されている語彙指導法に基づき、英語カリキュラムに連動した語を、大学生の生活実態に合った方法で学習することを可能にする語彙学習システムを開発することを目的として実施した。 本研究により、部品を用意すれば、 ダウンロードして使用できる語彙教材とテストが自動生成されるシステムと、4つの英語授業の指導内容と連動した計1680語分の語彙教材コンテンツが完成した。
著者
藤田 智子
出版者
東海大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

日本の大学英語教育プログラム評価を効率よく有効に行う方法を検討するために、事前事後テストに焦点を当てた。項目応答理論(IRT)の利用により、事後テストは事前の14%の被験者数であっても被験者能力値(θ)の平均値変化が推定可能となる。また、事前事後テストを最適の等化の方法(IRT モデルと等化方法)を選択して実施する重要性を研究した。さらにθとニーズアンケート結果を用いて分析し、プログラム評価のさらなる証拠とすることも提案する。
著者
陳 淑梅 亀田 弘之 しゃ 錦華 大野 澄雄
出版者
東京工科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究は,個人適応role-playing手法を組み込んだ実践的技術中国語学習システムを構築することを目的とし,以下の研究成果が得られた。〓Web集合知という概念を本研究に適用し,予備テスト問題の自動作成手法を提案し,それをもとに,個人適応専用教材の構築手法を提案した。〓Role-playing型会話スキットの作成において,学習者が仮想的な対話者とインタラクティブに対話ができる環境作成を検討し,未知語の処理手法を提案した。〓学習者の発話を分析し,その感情変化や発話意図を推定する手法と精度を検討し,学習者の疲労度や感情をより適切に表現できるようになった。
著者
内田 充美 山内 真理 小島 篤博
出版者
関西学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

大学英語教育が取り組むべき課題のうち習熟度の低い学習者に対象を絞り,整った英語の文章を書くことができるようになるために何が問題となっているのかを明らかにすることを主たる研究目的とした.そのために,まず,中間言語資料(大学生の書いた英文)を継続的に収集し,自前の学習者コーパスとして利用できる手順を確立した.作成した資料の分析から,日本語の文法に引きずられたと考えられる誤用(母語の干渉)を幅広い範囲で確認した.これらの特徴はいずれも対照言語学的に見ても意味深いものであり,英語と日本語のように言語間距離が大きい場合においては特に,言語学の知見に基づいた指導が有効であることを示しているといえる.
著者
清原 文代 田邉 鉄 浦山 あゆみ
出版者
大阪府立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

音声などマルチメディアを含む、モジュール式中国語電子教材を開発・試用し、有効性を確認した。こうした教材を、教員が誰でも簡単に利用・作成できるように、語彙集などのリソースや、作成上のTips等をまとめ、その利用方法を学会等で紹介した。全ての研究成果は原則としてWebで公開した。本研究によって設備や教員のスキルに依存しないでe-Learningを導入する可能性を示すことができた。
著者
岸田 泰浩
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本課題は、アルメニア語のe-ラーニング教材の開発と電子版辞典の編纂を目的として遂行した。研究期間前半で作成したデータベースから学習教材という視点で文法項目や基礎語彙を抽出して再整理し、特にアルメニア文字の提示方法に重点をおいて教材サンプルを作成した。電子辞書については、単なる語彙集にならないように、品詞・不規則活用・構文情報等を記載し、アルメニア語学習に役立つ情報を積極的に取り入れた。また、基礎資料として蓄積した文法データベースそのものも、今後のアルメニア語研究に活用できる付随的成果となった。
著者
林 虹瑛 林 俊成
出版者
東京外国語大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

E-ラーニングは現代教育の新しい方法である。しかし、マルチメディアの使用だけは学習者に著しい学習効果をもたらした要因ではない。この研究の目標は国際間語学協働講義の有効性を示すことである。ターゲット言語を使用して、工夫された教室活動のリアルタイム参加することによって、学習者はさらに交流的かつ実践的な言語学習を経験できることが分かった。
著者
佐藤 健 鈴木 明夫
出版者
東京農工大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究は、マルチメディアを用いた外国語としての英語教育の効果を最大化することを目的とし、文字、音声両方における英語テキストの意味理解を促進するために開発したアプリケーション(2次元/3次元アニメーションを用いた語彙学習アプリケーションと、解答時間制限機能が付いた語彙学習アプリケーション)が、実際に利用者のリーディングやリスニング活動を通した英語テキスト理解を促進するかについて、研究期間中様々な設定の元で実証的に検証を行ってきた。結果としては、1)イメージを用いた語彙学習アプリケーションは、語彙学習そのものを促進するだけでなく、学習した語彙を含むリーディング、リスニング両方のテキスト理解を促進するが、イメージのマルチメディア化による差異(2次元アニメーションと3次元アニメーション)は見られなかった。また、2)英単語の意味想起の自動化を補助する時間制限機能付き語彙学習アプリケーションは、単語の意味想起の自動化を促進するだけでなく、学習した単語を含むリーディングのテキスト理解も促進することが分かった。これらの研究成果は国内外の学会で発表し、また研究論文として公表することができた。実際の教育利用を想定した上での教材開発と効果検証を行った結果、マルチメディアの言語教育が持つ意義を再度認識させることが出来たという意味で、本研究は成功であったと判断することが出来る。
著者
西垣 知佳子 中條 清美 砂岡 和子 隅田 英一郎 内山 将夫 徳井 厚子
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

グローバル化の進展に伴い,世界の外国語教育は多様化の方向に進んでいる。本研究では多言語教育のための語彙学習教材の開発を行った。研究成果として,1)ペーパー版の英語語彙学習教材を開発し,試用効果を小・中学校で検証した,2)英語教材をもとに中国語,韓国語,日本語学習のためのペーパー版語彙学習教材を作成した,3)ペーパー版教材の成果を踏まえ,iOSを使ってモバイル英語語彙学習教材を開発し,Apple Storeにて公開した。
著者
篠崎 大司 小沼 俊男 吉岡 泰夫
出版者
別府大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究では、上級日本語学習者に対する聴解力育成を目的に、オンライン教育とオフライン教育を融合したブレンディッド型授業モデルを構築するとともに、学習者の履修管理から教育の提供、学習状況の把握までを一括管理できるコースマネージメントシステム「Moodle」をベースに、約1000問の音声問題と13本の動画解説で構成される上級日本語聴解eラーニングコンテンツを開発した。
著者
堀 恵子 江田 すみれ 李 在鎬
出版者
東洋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

日本語教師支援のために文法項目の用例文を,話し言葉と書き言葉の複数のコーパスから抽出し,データベースを構築し,web上で公開する。文法項目は,日本語教育で教えられ,評価基準に用いられているものを1,884項目選んだ。文法項目に対し,日本語教育経験者による主観判定実験を行い,6段階レベルづけを行った。用例文は,5種の書き言葉コーパス,4種の話し言葉コーパスから抽出した。文解析システム「学習項目分析システム」と用例文データベースを公開する。
著者
本郷 智子 山崎 真弓 広田 妙子
出版者
東京農工大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

留学生を対象とした日本語教育において、会話を言語行動、非言語行動を含む総合的なコミュニケーション活動と捉えた教育活動実践記録のデータベース化を行った。それにより、各学習者が会話授業で何をどのように学んでいるかを教員間で共有化することが可能となり、教育改善に向けたシステムが構築された。
著者
椎名 美智
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究の目的は、現在ではわからない近代英語期の口語表現の特徴を、コーパスを使って歴史語用論的視点から質的・量的に探ることである。主に扱うコーパスは研究代表者が編纂に関わった『イングリッシュ・ダイアローグ1560-1760』で、ドラマコーパスと法廷言語コーパスで使われた談話標識に注目し、その形態と語用論的機能の特徴を比較し、近代英語期の口語表現の全体像を捉え、これまでの研究を総括した。
著者
家入 葉子
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

4年間の研究期間に、パイロット版のEarly Modern English Prose Selections (EMEPS)(1500年から1700年の英語の史的コーパス、約800万語)を構築し、その有用性を確認するために、これを利用して、英語の動詞の構文の発達を中心に言語分析を行った。研究から、さまざまな動詞が不定詞や動名詞の構文を徐々に発達させていく過程を明らかにすることができたと同時に、EMEPSをほかのコーパスと組み合わせて利用することにより、より有効な分析が可能になることを明らかにすることができた。
著者
大名 力
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

"ユーザーフレンドリー"な環境の普及によりコーパス,手法等のブラックボックス化が進む現状を踏まえ,コーパス研究における基礎データの信頼性等に関して検討を行った。実際の研究を基に基礎データとして示される頻度数に問題がないか検証し,問題があるものについては誤りが生じた原因について考察し,分類を行った。また,心的実在物として文法を捉える立場から,言語研究資料としてのコーパスデータの性質について検討を行った。さらに,コパス(デタ)の代表性,対象の選択・提示方法,統計値の解釈と検定,"コロケーション"という用語の多義性,語の共起関係に関する計量的指標(主としてt-scoreとMI-score) の信頼性と妥当性等について考察を行い,それらの成果を論文,書籍等で公開した。
著者
福田 薫
出版者
北海道教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

言語の中の本来語彙的な表現が文法的要素へと機能変化する文法化と呼ばれる現象がある。英語のno doubt は本来の名詞句に加え副詞的用法を獲得している。本研究は、近代および現代英語の膨大な電子化テキストを対象にした調査と統計解析に基づいて、副詞的用法のno doubt を類義表現と比較して、量的な特徴づけを行った。頻度が言語変化の主要因との立場から、no doubtの頻度推移と語法変化の関連を検討した。
著者
村田 菜穂子 前川 武 山崎 誠
出版者
大阪国際大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

今昔物語集・(1)キリシタン資料(天草版平家物語・天草版伊曽保物語・日葡辞書)、(2)狂言(天正狂言本、狂言六義、狂言記、虎明本狂言集、虎清狂言本)から形容詞を採取する作業を行い、抽出した各見出し語の認定についての検討および用例数の再点検を行うとともに、新たに採取された形容詞については造語形式や結合タイプ・副次結合の度合い等の語構成論的分析を行った。そして、これに基づき、語彙表を作成した。また一方で、これまで取り上げてきた上代形容詞および中古形容詞について、いくつかの計量的分析を行い、これらの実態の考察を深めた。
著者
尾形 こづえ
出版者
青山学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究では意味概念「変化」を表す他動詞のうち,特に頻度の高いchanger の他動構文をコーパスの検証に基づいて検討した。その結果,changer のN_0-changer-de-N_1 構文における間接目的は限定を受け容れない点で他の動詞の間接目的とは区別されること,また,統辞・意味の観点からN_0-changer-de-N_1 構文は均質でなく,N_1 のタイプにより,間接目的として分析される場合と状況補語と捉えられる場合が認められることが明らかになった