著者
鈴木 議介 目黒 琴生 鶴島 英夫 和田 光功 長友 康 中井 啓 藤田 桂史 成島 浄 中田 義隆 小野 幸雄
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.6, no.5, pp.316-321, 1997-05-20
被引用文献数
1

脳主幹動脈閉塞症は急性期の適切な治療により,その重篤な症状を軽快させることができる.われわれは70例に急性期血栓溶解療法を施行し,良好な結果を得ているが,その中で急性期の治療のみでは十分な結果が得られず,二期的に血行再建術を要したものが4例存在した.4例とも経過はきわめて良好であり,虚血の再発を予防するため,あるいはより完全な血行動態を得るために有効な方法と考えられた.二期的な血行再建法(staged revascularization)を必要とする症例が存在し,このことを念頭において検査および治療を選択するべきであると思われた.
著者
安藤 貴朗 上村 俊ー 浜名 克己 大塚 浩通 渡辺 大作
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.429-432, 2007-04-25

右子宮角が欠損した6歳(2産)のホルスタイン種牛の,卵巣動態,子宮および卵巣血涙を調べた.右卵巣に黄体が存在する発情周期では,黄体の退行とそれに伴う排卵はみられなかった.左卵巣に黄体が存在する周期では黄体の退行とそれに伴う排卵の遅延がみとめられた.左右どちらの卵巣に黄体が存在する発情周期でも,右子宮動脈の血流速度は左子宮動脈に比べ遅くなった.左右の卵巣動脈の血沈速度は右子宮角欠損の影響を受けず,黄体の存在により変化した.これらの結果から右子宮動脈は血流が弱いことが分かり,片側子宮角の欠損は発情周期,とくに黄体の退行に影響を与えることが示された.症感染豚もしくは非感染豚における糞便中有機酸の特徴を明らかにした.15の養豚農家で飼育されている育成豚から下痢又は軟便を採取した.合計106の糞便中の有機酸濃度を測定し,B.hyodysenteriaeおよびB.pilosicoliをPCRを用いて検出したところ,B.hyodysenteriaeは1農場の3検体から検出され,B.hyodysenteriaeは別の1農場の5検体から検出された.以上より,病原性スピロヘータの検出と,イソ酪酸およびイソ吉草酸濃度の低下との関連が示唆された.
著者
高須 正規 大場 恵典 井口 智詞 西飯 直仁 前田 貞俊 北川 均
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.69, no.9, pp.985-987, 2007-09-25
被引用文献数
2

高血糖の黒毛和種牛のインスリン分泌能評価のためにプロピオン酸負荷試験(PTT)を試みた.症例牛はグルコース負荷試験(GTT)でインスリン分泌の低下が示され,インスリン依存性糖尿病と診断された.正常牛ではPTTに対するインスリン分泌が認められたが,症例牛では認められなかった.GTTと同様に,PTTで症例牛のインスリン分泌の低下が示されたので,PTTが牛の糖尿病の診断に応用できる可能性が示唆された.
著者
大田 方人 辻 正義 辻 尚利 藤崎 幸蔵
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.671-675, 1995-08-15
被引用文献数
4

北海道の褐毛和種牛の血液から分離した Babesia属原虫 (B. sp,1)の形態, 抗原およびタンパク質性状について, B. ovata(三宅株)との比較を中心に解析した. ギムザ染色後のB. sp.1感染血液塗抹標本を光学顕微鏡を用いて観察すると, B. ovataと類似した種々の形態を呈する虫体が認められた. しかし, 双梨子状虫体の長径, 短径および長幅指数は B. ovataより有意に大きかった. 酵素免疫測定法を用いて解析した結果, B. ovata抗原と β.sp.1抗原と B. ovata感染牛血清およびβsp.1抗原と B. ovata感染牛血清はそれぞれ交差反応性を有するが、いずれも同種の抗原と血清との反応よりは弱かった. また, B sp.1抗原に対して B. bonis および B. bigimina淑感染牛血清はほとんど反応しなかった. B. sp.1または B. ovata感染牛血清を用いたウエスタンブロット法によって, B. sp.1 と B. ovataとでは分子量の異なるタンパク質が抗原性を有することが明らかとなった. 二次元ポリアクリルアミド電気泳動後のタンパク質スポットパターンは, B. sp.1 と B. ovataとでは著しく異なった. 以上の成績から, B. sp.1 は B. ovataとは異なる種である可能性が示唆された.
著者
鈴木 力英
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
気象集誌 (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
vol.72, no.1, pp.81-90, 1994-02-25
被引用文献数
1

沿岸域の地表風は主に以下の二つの風成分から成り立っていると考えられる。一つは海陸風成分(以下、LSCと呼ぶ)で、もう一方は総観規模の気圧傾度が原因となって生じる風成分(以下、SWCと呼ぶ)である。本研究では、日本の沿岸地域の地表風をLSCとSWCに分解し、それぞれに対する地表地衡風の影響を調べた。解析には沿岸のアメダス226地点における、1983-1987年の毎時の風のデータを使用した。地表風からSWCを分離する方法としては、全地点の風をベクトル平均すると日本が海で囲まれている理由からLSCが相殺してしまうことを利用した。また、LSCについては各地点の海風向を定義することによって観測値より抽出した。地表地衡風は気象官署の地上気圧値から各アメダス地点について平面回帰によって求められた気圧傾度より、地衡風平衡の式を使って計算した。SWCとSGWとの風速比(SWC/SGW)は15時と6時においてそれぞれ0.22と0.15であった。これは、Suzuki(1991)による山岳部を含む中部日本での解析結果と比べ、大きな値であった。これは、沿岸域の粗度が中部日本全体と比べた場合、小さいためであろう。SGWからSWCへ反時計回りに計ったなす角は51度であり、昼夜の差はほとんどなかったが、SGWの風速によって大きく変化した。LSCの風速はSGWが0ms^<-1>に近い時、14時に海風が1.6ms^<-1>、6時に陸風が0.8ms^<-1>であった。LSCはSGWが大きくなるにつれて小さくなり、SGWの風速が14ms^<-1>を超えるとLSCは消滅することが明らかになった。
著者
小池 秀明 大山 航 若林 哲史 木村 文隆
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.57, pp.7-10, 2007-05-17
参考文献数
7

本研究ではアダルト画像検出法を提案する。本手法では、対象とするアダルト画像に肌領域が多く含まれ、これら肌領域は色の均質性・集塊性を持つことを前提とする。まず、GMM(Gaussian Mixture Model)を用いて肌尤度画像を作成する。次に、肌尤度画像中で、色の均質性を有する領域のみを検出する。検出された領域ごとに閥値を動的に生成し、その閥値を用いて色の均質性・集塊性を考慮した肌領域の拡張処理を行い、最終的な肌領域とする。そして、求められた肌領域の肌尤度画像をリサイズして得られた値に主成分分析、独立成分分析を適用し、SVMで学習・分類を行い、アダルト画像を検出する。