著者
田畑 美織 松本 延幸 村上 康郎 水上 智 松本 勲
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.24, no.6, pp.206-211, 2004 (Released:2005-03-31)
参考文献数
20

突発性難聴64例に星状神経節ブロック(SGB)と上頸神経節(SCG)近傍への低反応レベルレーザー照射を併用したところ(SGB+C2レーザー群), SGB単独の62例(SGB群)と比較して治療成績が向上した. 治療効果の判定は, 初診時とほぼ安定状態に達した時点の聴力を比較し, 治癒, 著明回復, 回復, 不変に分類した. その結果, SGB群(治癒 : 11%, 不変 : 27%)に比べSGB+C2レーザー群(治癒 : 30%, 不変 : 8%)で聴力改善度は有意に上昇した(p<0.01). 固有蝸牛動脈より末梢にはSCGからの交感神経線維が分布しており, SCGへのレーザー照射併用により, SGB単独よりさらに広範な交感神経線維が遮断されたものと思われる.
著者
Vasiliev Boris I. Yugov Ivan V.
出版者
地学団体研究会
雑誌
地球科學 (ISSN:03666611)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.185-196, 2006-05-25
被引用文献数
4

35年間におよぶ海洋地質研究にもとづいて,太平洋の基本構造を解明し,もっとも信憑性のある太平洋の起源論を提案する.太平洋巨大海盆の基本構造は,3つの地質-構造ステージからなる.第1ステージは,始生代にさかのぼる超塩基性岩類(塑性流動を履歴)と変成岩類に代表され,それぞれ,海洋島火山岩中の包有物として産出し,海溝・断裂帯・海台などに露出する.第2ステージは,三畳紀〜ジュラ紀を中心とする海洋性トラップ層(層状塩基性貫入岩類と玄武岩類のコンプレックス)であり,海盆下のほぼ全域に伏在する.第3ステージは,海盆底や海山・海台を構成するジュラ紀後期〜現世の火山岩類と堆積層であり,ブロック運動による深海化を記録する.太平洋巨大海盆は,地球最大のユニークな地形-地質構造であり,おもに苦鉄質な地殻をもつ.(1)その原型は,地球-月システムをうみだした約45億年前の天体事件によって形成され,その後,(2)周縁の大陸から数10億年間にわたって供給された厖大な量の陸源物質が,海盆底の火山噴出物や伏在する超塩基性岩類とともに変成-溶融し,少量の酸性岩類を形成した.さらに,中-新生代における全地球的海洋形成作用にともなって,(3)三畳紀〜ジュラ紀を中心に海盆のほぼ全域にトラップ層が形成され,(4)ジュラ紀後期にはじまるブロック沈降による深海化と火山活動-堆積作用が現海盆の複雑な地形-地質構造を形成した.
著者
中園 与一 川口 太生 山本 直樹 高坂 祐顕 瀬戸 邦聰
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
年次大会講演論文集 : JSME annual meeting
巻号頁・発行日
vol.2005, no.7, pp.205-206, 2005-09-18

In this paper a noise reduction of hole tone influenced by some configurations such as triangular tabs and rotational vanes has been described. As a result, the most effective number of tabs should be four with a tab height of one tenth of the nozzle diameter. The rotational vane enhances the mixing enhancement of the jet, but its rotation doesn't influence the noise reduction greatly. A standing wave of pressure fluctuation for a hole tone is produced not only at the outside of the jet, but also on the inside of the jet.
著者
今井 健男 山本 泰宇 遠藤 敏夫 田浦 健次朗 米澤 明憲
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.42-56, 1999-02-15

我々は C++に分散オブジェクトと分散ごみ集め(分散GC)機構を導入した 分散記憶型並列計算機向け拡張言語DisCを開発する. 我々はまず 分散オブジェクトをC/C++上で扱うためのライブラリ(GCライブラリ)を開発する. これは オブジェクトがどのプロセッサ上にあるのかの判定 あるいは遠隔参照の明示的な作成等 分散オブジェクトの基礎的な機能を実現する. そしてこのライブラリに対し 動的にゴミとなった分散オブジェクトを回収する分散ごみ集めの機能を導入する. このごみ集め機構は特定の通信ライブラリに依らないため 広範な環境での動作が可能である. 次に 上記のGCライブラリを暗黙的に呼び出してリモートメソッド呼び出し等の抽象度の高い機能を 構文仕様の変更なしに実現するフロントエンドを構築する. ここでは自己反映言語OpenC++を用いる事により実装を簡便にし 保守性と移植性を確保している. そして このフロントエンドとGCライブラリを既存のC++処理系に組み合わせる事で 既存の処理系に手を加えない形でのC++の拡張を行なう. プログラマは 通常のC++プログラムでのオブジェクトの操作と同様の記述を用いて 分散オブジェクトの機能を暗黙的に使用できる. DisCは 分散GC機構を備えている他に 1)構文仕様の変更が一切なく 通常のC++と同様の記述で分散オブジェクト・プログラミングができ また 2)様々な計算機環境への高い移植性を持つ という特長がある. これにより 分散記憶型計算機上で動くプログラムの開発と保守 及び異なる分散記憶計算機間でのソフトウエア資産の共有が容易になる. 本稿では 上記ライブラリ及び言語処理系の設計及び実装手法について述べ さらに応用プログラムを作成し 実際に分散記憶型計算機上で動かして拡張言語の性能を評価する.We develop DisC, an extension of C++ that supports distributed objects and distributed garbage collection on distributed memory parallel computers. We first develop a library for C/C++, which includes basic functions to manage distributed objects. This library includes a function that tells whether an object is local or remote, functions that explicitly make remote references. It also provides a distributed garbage collection facility that reclaims objects that are no longer used. The facility is portable because of its independency from communication libraries. We also develop an front-end processor that implicitly invokes functions or the library described above, and brings higher abstractions such as remote method invocation, with no changes to the syntax of C++. We use a reflective language Open C++ to implement the processor, we achieve simple implementation and acquire its portability and maintainability. Programmers can invoke methods of distributed objects in our language as if they were normal C++ objects. Besides the distributed garbage collection facility, there are two major advantages in our language: 1)its extension involves no syntactic changes and the users can write programs with distributed objects as if they write programs in original C++, and 2) it is highly portable to various distributed parallel computers or environments, which have diverse interfaces for inter-processor communication. These advantages makes it easier to develop or maintain parallel software that are portable across various distributed-memory parallel environments. We also evaluate our extended C++ with some experiments using several parallel applications.
著者
相田 多惟
出版者
日本幼稚園協會
雑誌
幼兒の教育
巻号頁・発行日
vol.40, no.7, pp.39-40, 1940-07
著者
矢野 澄男 井出 真司 ハル スワイテス
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 : 映像情報メディア (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.711-717, 2001-05-20
被引用文献数
20 2

Visual fatigue induced by viewing stereoscopic and planar HDTV images for about one hour at a viewing distance of 4.5m was evaluated. Scenes giving rise to particular visual discomfort were identified by continuous subjective evaluation, and the extent of the induced fatigue was estimated using both this and the difference ill accommodation responses before and after viewing the test material. Results suggested that such scenes exercise spatio-temporal frequency limitations of binocular fusion mechanisms, which are more restrictive than comparable limitations for planar moving, images. Moreover, even when. the accommodation mechanism was judged to be operating open-loop, fatigue was clearly evident in the deterioration of the accommodation response. The results showed that in order to create visually comfortable stereoscopic images. it is necessary to consider not only the much-investigated conflict between vergence eye movement and accommodation, but also visual functions concerned with the processing of parallax.
著者
渡辺 明子 渋谷 治男 融 道男 渡辺 明子
出版者
東京医科歯科大学
雑誌
萌芽的研究
巻号頁・発行日
1997

要約:治療抵抗性の気分障害者に抗うつ薬に加えて甲状腺末を併用投与すると抑うつ症状が改善する事をしばしば経験する。これは両薬剤の併用が抗うつ作用を増幅した結果と考えられる。このような抗うつ作用の増幅の機序を明らかにするために、ラットにデスメチルイミブラミン(DMI)とレポチロキシンナトリウム(T_3)を併用投与したときの動物行動、脳内アミンおよびβ受容体、セロトニン(5HT)2A受容体について調べ検討した。対照群、DMI群、T3群、DMI+T3併用群の4群間で比較検討した。薬物の投与は単回(DMI 30mg/kg,T3 1mg/lkg)、反復投与(DMI 10mg/kg,T3 100μg/kg)7日間とした。DMI+T3併用群についての結果は、強制水泳テストで7日間の併用薬投与でのみ有意な無動時間の短縮(59%に減少)を認め、抗うつ作用の増幅作用を裏付けるものであった。その時の脳内アミンの変化は前頭前野皮質(PF)でノルアドレナリン(NE)の有意な増加、ドーパミン(DA)代謝回転の亢進、海馬(HIP)で5HT代謝回転の亢進を示した。反復東予によるβ受容体の変化はDMI群で従来報告されているようにPF,HIP,視床下部(HY)で有意な結合量の減少を示したが、T3群はPFで有意な増加を示し、併用薬群はいずれの部位でもその中間値を示し対照群との差を認めなかった。5HT2A受容体をは7日間の併用薬反復投与群でPFで結合量の減少を示した。この時、T3群も減少を示したが、DMI群では変化なくT3がその効果を高めたと考える。従来の抗うつ作用機序とされるβ受容体、5HT2Aの減少が言われているが、今回の結果は必ずしも一致するものではなかった。アミンおよび受容体の変化を主にPFで認めたことから抗うつ作用の責任部位の一部はPFが担っており、そこではDA,NE,5HTニューロンが相互に係わっている可能性を示唆した。
著者
宇田るみ子
雑誌
LiSA
巻号頁・発行日
vol.12, no.7, pp.588-594, 2005
被引用文献数
1
著者
柴田 徹
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
跡見学園女子大学マネジメント学部紀要 (ISSN:13481118)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.175-194, 2008-03

本小論では,米国マイクロソフト社のウインドウズをオペレーティング・システムとするパーソナル・コンピュータの日常的な使用において,少なくないエンド・ユーザが経験するであろうソフトウェアのインストール/アンインストール作業に着目し,ソフトウェアのインストール/アンインストール作業の完遂に必要とされる技術的な知識・技能の一端を,複数のソフトウェア・ベンダが公開する技術情報文書の記述を分析することによって明らかにするとともに,わが国の大学学士課程における全学共通教育としての情報処理教育の若干の課題について検討した。複数の技術情報文書を分析した結果,ソフトウェアのインストール/アンインストール作業の完遂には,主要には, 1.コマンド・ライン(コマンド・プロンプト), 2.ウインドウズ・レジストリ, 3.ファイルとフォルダ, 4.オペレーティング・システム付属のユーティリティ・ソフトウェアなどに関する知識・技能,すなわち,オペレーティング・システムの機能およびオペレーティング・システム付属のユーティリティ・ソフトウェアの機能を一定程度活用することができるような知識・技能が必要とされることが明らかとなった。現状においては,制度的にも現実的にも,そうした知識・技能の教授は,大学学士課程における全学共通教育としての情報処理教育において取り扱わざるを得ない。そこで本小論においては,大学教育としての当該内容の取り扱いに関して,現実的な諸問題も考慮して,オペレーティング・システムの発達の歴史をふまえた教育内容の編成・体系化と,教育用シミュレーション・ソフトウェアの開発を提案した。
著者
宮坂 栄一
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.55, no.8, pp.569-572, 1999-08-01
被引用文献数
9